AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

エクリプス攻略RTA-強モンスター召喚&起き攻めのハメ攻撃

ウルトラマンコスモス

第53話「未来怪獣」

感想レビュー

 

 

22世紀には猫型ロボットが未来からやって来れるくらいには人類も時間移動いっちょまえにできるようになってるんだし、5000年くらい経てば生命体が自前の時間移動能力を手に入れるくらいわけないよなぁ?最近だと2051年や2068年からタイムマジ...マシーンに乗って過去へやって来てる人間もいたしな

 

5000年後の未来からやって来た瀕死の怪獣アラドスの運命を巡るストーリーを描いた今回の話。中空で静止する野球ボールや麻酔団の弾の描写など、アラドスによる時間停止描写が面白かったわね

SRCがアラドスの命を救おうと懸命に善処する裏で、アラドスが死することを前提として死後の解剖を計画する防衛軍や、アラドスの治療や地球からの撤退という甘言をちらつかせアラドスを引き渡すよう迫ってくるノワール星人などの様々な勢力の思惑も同時に入り乱れ、慣れない環境に苦しみ息も絶え絶えなアラドスの尊厳を守ろうと必死になるムサシの姿が印象的でした。見知らぬ時代に飛来し苦しむこととなったアラドスを死後も人間の都合でいじくることなど納得できないとして、アラドスが助かる可能性のあるノワール星人への引き渡しの方がマシと言ってしまうなど、怪獣への思い入れの強さ故に熱くなって感情的な言動をしてしまう辺りはムサシの熱くも青臭い、青臭くも熱い人柄が濃く出ていたなぁ

 

しかし、アラドスが5000年後の未来からやって来た存在であるという事実から「EYESの怪獣保護が身を結び、遥か先の未来にもその想いが繋がって怪獣が息づく世界を成している」という予測をする流れは、コスモスの物語においては実に希望あるものだったなと。アラドスの設定を上手いこと展開に織り込んだ良い作劇でした。怪獣保護というテーマを地で行き続けてきた本作の終盤においてこれを描くことは、ムサシ引いてはEYESのこれまでの奮闘にいっそうの深みが出るというところで意義が大きかったですね。アラドスの生きる未来に繋がるように、という想いからムサシ達はより身が引き締まったろうな

 

そんなアラドスを狙ってきたのは、第43話にてメカレーター怪獣という悲劇をもたらしたサイコパス外道宇宙人のノワール星人、そして第35話にて登場し後にノワール星人の尖兵であったと判明したラグストーンの強化版たるラグストーン・メカレーター。

以前の戦闘においてはフィジカルでコスモスを終始圧倒していたラグストーンだけど、今までマトモな苦戦描写が無かったエクリプスモードに対し明確にダメージを与えてぶっ飛ばし、ほぼ突進一発でグロッキー状態にするという圧倒的なパワーを今回も見せつけてきたのは強く目を惹きましたね。メカレーターによる強化といっても主に戦闘力にバフがかかったくらいなので(光線も撃てるようにはなってたけど劇的な追加武装ってほどではないしね)、 つまりはまたしてもほぼ純粋なフィジカルのみでコスモスとタメ張ってかなり追い詰めたわけなのよな...しかも相手にしたのは上述の通り今までマトモな苦戦をすることの無かった最強形態のエクリプスモードということで、やっぱポテンシャル高すぎだな...と改めて感じさせられたわねラグストーン コスモスの強者怪獣の一角だわ ピンチに陥ったりダメージ負ったりみたいなシーンが殆どないまま白星沢山上げてきた強化形態に初めてピンチをもたらしたとなると箔が付くよねやっぱ

しかも今回ノワール星人も宇宙船に乗って戦闘に直接介入してきて、ラグストーンと交互に繰り出す波状攻撃でコスモスの動きをほぼ完封し敗北寸前に追い込むというなかなかのガチプをかましてきてたのがめちゃくちゃ印象的でしたね...先も言ったようにエクリプスモードがほとんどダメージ描写とかのない強力な形態という印象が濃いだけに、それが手も足も出ない様は正直言ってかなり絶望感高かった 普通に強い怪獣と容赦のなさすぎる策のコンボとかえげつなさすぎるんだから加減しろ莫迦() EYESのテックスピナーとの円盤によるチェイス(合成によるスピーディな飛行描写や光線の撃ち合いがかなり特撮に力入ってて魅入ったね 迫力があったわ)も白熱の末勝ってみせてたし、今回のノワール星人は戦闘にマジすぎである

 

最終的にはアラドスが最後の力を振り絞ってラグストーンを時空の彼方の放逐したおかげでコスモスも残るノワール星人の円盤を容易く粉砕して勝利できたけど、身も蓋も無い話、円盤からの攻撃でコスモスを怯ませる→ラグストーンに攻撃させる→コスモスが起き上がったところでまた円盤が攻撃する→...のループでノワール星人はコスモスを完全にハメて倒せてたと思うのでだいぶ危なかったよね...前回といい今回といい結局コスモスは自分の手でラグストーンを完全に撃破できてはいないのでやっぱりラグストーンアホほど強いなってなる

けど相手のそんな強力さが目立ってた分、息絶えたアラドスを目にし、アラドスを勝手な都合で振り回し更に苦しめたノワール星人への怒りに身を震わせながらコスモスが繰り出したエクリプスブレードは超カッコよかったね 円盤を真っ二つにし粉砕するシーン痺れた

 

最終的には未来からアラドスの仲間である成体達が駆けつけ、息絶えた子供のアラドスに生命エネルギーを与え蘇生、皆で未来へと帰っていくというシーンで締め括られました。流れとしては少し都合の良い展開運びになっちゃったかな?とも少々感じたけど、ムサシ達のアラドスを生かそうとする懸命な行いが最終的にその命と仲間達を繋いだ、というここの構図は、EYESが懸命に挑んできた怪獣保護が未来にも繋がっていることが分かった、という前半の描写と合わせ、無謀なように思えるかもしれないことも諦めず地道に積み重ねていけばその先で何かに繋がる、というメッセージ性を醸したものだったのかもな...なんて思ったりしますね(ムサシ達がアラドスを生きながえさせようと頑張ったり、ノワール星人による誘拐から救い出したりしていなかったら、アラドスは仲間達が駆けつける様に立ち会うことなく離別・死別してたかもしれないし、ムサシ達がああしてアラドスに寄り添い心を通わせたからこそ最後の戦闘でアラドスがコスモスを救ってくれたんだろうし、というところでみんな繋がってると言えるよね) ともあれ結果的に良き形で気持ち良くまとまったので良かったなと。“諦めず懸命に挑み、未来へ繋ぐこと”をアラドスから学びムサシ達はまた決意を新たにしただろうと感じる

 

 

以上、コスモス第53話でした。アラドスの存在を軸にムサシ引いてはEYESの怪獣保護にかける想いを一つグッと引き締めた良いエピソードでした。終盤に入って作品のテーマ性をより深める話が増えてきたね ノワール星人とラグストーンも再登場ながら強敵として良い存在感が演出されてて良かった

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

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ではまた

「家族」と「仲間」

機界戦隊ゼンカイジャー

第35カイ!

「ダイヤモンド◇ユカイ?!」

感想レビュー

 

 

diamondyukai on Twitter: "なんじゃこりあー😮‍💨… "

diamondyukai on Twitter: "聞いてないよ! ヤだろうがアだろうが 勝手に名前使うなら呼んでくれよ‼️… "

知らない間にサブタイに名前をパロされてたことを知るダイアモンド✡️ユカイ氏の図 名前貸すことやそれに伴って出ること自体には割と乗り気だったの笑う

 

釣りで相手を捕まえるぜ!となった時にジュウオウザワールドの力が使われそのフィッシングテクがツーカイザーにトレースされるのおおっ!となったけど、その後かつてのみっちゃんのネガティブ思考までトレースされて、ゾックスがあの体育座り落ち込みポーズでローテンション状態に陥り出す流れになってダメだった() ギアの副作用とかいう概念がよりにもよってここで突然発揮されるのひどい...w

 

ハカイザーの正体は介人の父・功博士という衝撃の事実を知りつつも、真実を知った時の介人の心情を慮ってそれをなかなか伝えられず葛藤していた折、ダイヤワルドの力で口を“堅く”され、真実を伝えられなくなってしまいパニックに陥るキカイノイド達の姿から始まった今回のエピソード。「言おう言おうとして結局言えずに今日まで来ちまった」ってジュランの台詞、1週間のニチアサ休みが明けた直後に言うもんだからその言えずにいた期間の長さを妙に生々しく印象付けてる感がある()

ダイヤワルドの能力のせいで「ダイヤ」としか発声できず、文字表現もボディランゲージも全てダイヤのことしか表現できなくなったキカイノイド組のイカれた絵面めちゃくちゃ面白かったし、ハカイザーの正体のことを知らないせいで介人がいつハカイザーを倒してしまうか不安に包まれ沈むシリアスなシーンでも「ダイヤ...」って喋ってるの普通に笑っちゃったけど、アニメのポケモンよろしく特定の単語だけで感情表現を見事に為してみせていたキカイノイド組の声優さん達の演技力は見事の一言でしたね。4人とも感情の表現とかちょっとしたキャラの個性の描き出し方が上手い人達だしキャスティングの妙がここでグッと活きたね

 

そんな何も伝えることのできなくなったキカイノイド組が真意を伝えることもできないままハカイザーを庇うせいで、ダイヤワルドに操られて守るようにさせられたんだ!と介人が誤解し余計にやる気を滾らせていってしまう、というすれ違いが今回の話の肝となっており、いつもの調子の濃いめのクソギャグの裏で「介人が行方知れずだった肉親をそうとは知らず手にかけてしまうかもしれない」という危ういシチュエーションが進行していく、ギャグとシリアスがバランス良く織り交ざったひりつく展開が面白かったところ。みんながダイヤワルドに無理矢理操られてたと思った介人が「自分達を守らせておいて後ろから攻撃するなんてハカイザーもダイヤワルドも卑怯だ!」と物凄く真剣に怒りを露わにするのが余計にすれ違いを強く印象付けていてもどかしかったわね...筆談やジェスチャーみたいな視聴者が思いつき得る可能性まで丁寧に潰していき、介人も単に先走るだけでなくジュラン達の真意を分からんけど自分なりに一生懸命解釈して受け止めようとしているという形で動かし、という感じで「誰も悪くない」という状況をしっかりと組んだ作劇にしてるのが巧いよね

 

そうして最終的には、ハカイザーがバッテリー切れを起こしたことで介人の前で功博士の顔が晒され、五色田親子が遂に対面で再会を果たすことになりました。目を覚ました功博士が目の前に自分の考案したゼンカイザーがいることに驚きながらも、すぐにそれを身に纏っているのが息子の介人であると気付く流れはベタだけどぶわっと込み上げるものがあったなぁ...喜びを讃えた介人の表情と、感極まって今にも感情が溢れ出しそうな功博士の表情がどっちもめちゃくちゃ良かった。

 

しかしそんな2人の再会を、ようやく現れた「仲間」と言える存在である“ハカイザー”が介人の父であったことへの衝撃と、そんなハカイザー/功博士が仲間である自分よりも息子の介人を選んで行ってしまうことへの拒絶からステイシーくんが咄嗟に阻んでしまう、 というのがなんとも辛かったなぁ...功博士がまた連れて行かれてしまうのはなんとなく察してたけど、てっきり前回みたいにイジルデが乱入して連れて行ってしまうものだと思ってたので、やっと「仲間」と言える間柄になれたハカイザーのことを「連れて行って欲しくない」という想いからステイシーくんが思わず飛び出し強引に連れ去って行ってしまう流れに持って行ったのは、そうきたかぁ...!と正直かなり不意を突かれた

一緒に戦おうと勇気を出してハカイザーに想いを伝えたことで「仲間」と言える間柄になることができ、そのことに照れつつも嬉しそうに微笑むステイシーくんの姿はほんと、今まで身近に理解者も友もなく独り苦しみ戦い続けてきた彼の今までの境遇故のえも言われぬ喜びが滲み出ていたし、そこから肩を並べて一緒に戦う姿は側から見てもめちゃくちゃに良いコンビだった(一緒に名乗るシーン凄く良く決まってたし、スーパーゼンカイザーとのバトルも巧みな連携や合体必殺技がカッコよく決まってたでな)ので、そこからその「仲間」が自分に目もくれず他の所へ行ってしまおうとする様を見せつけられるなんて正に天国から地獄へという感じなので、そこでステイシーくんが感情的になってああいう行動取ってしまったのは間違ってないというか責められないよ...この展開はずるいなぁ

そこに至るまでの流れとしても、持ち前のあの明るいキャラで「俺達もう仲間だろ?」と言ってのけてステイシーくんの申し出を受け入れるハカイザーとか、ステイシーくんがハカイザーと一緒に立ちはだかるというピンチを前にしながらも彼が仲間を作ったことを嬉しそうに受け取る介人とか、ステイシーくんの「仲間」を得ることへの喜びを肯定する展開ばかりが連続していたのも残酷だったね...しかもその両者が奇しくも五色田家の者達だったのはなんという皮肉か ヤツデ婆ちゃんといいあの血筋はステイシーくんの心をめちゃめちゃにする運命にあるのか???

しかし冗談抜きにステイシーくんこれからどうなるんだろうなぁ あのまま元のハカイザーに戻ったとて、その後ステイシーくんはハカイザーと会うたびきっと「介人を見て喜んでそっちの方へ駆けていく功博士の顔」の方がずっとチラつく羽目になるだろうからさ...もう元通りの関係にはどう足掻いても戻れんよ あー辛...

そしてラストでは、ハカイザーの正体を知り衝撃を受ける介人やヤツデ婆ちゃん、セッちゃんを前にしてキカイノイド組が今まで知っていながら打ち明けられなかったことを謝罪。しかし介人達は責めることなくその想いを汲み、落ち込むのではなく功博士が元気に生きてたことを喜び、いつかきっと取り戻すと決意、皆で一緒に前を向く流れで締めとなりました。作品によってはここでのすれ違いが不和になったりもしてただろうけど、あくまでもポジティブを貫き、仲間達に想いを受け止める介人の性格が明るい空気やより強い結束をもたらすのは凄くゼンカイジャーらしくて良かったわね。一番ショックだったろうに、介人の前向きさを見て自分も「みんなと戦えるくらい功が元気だった」ことを喜ぶ気丈さを見せたヤツデ婆ちゃんも強かったな...
またそんな功博士のことを巡るあれこれにおけるジュランの色んな言動も何気に凄く良かったところ。介人達のショックを考えた上でみんなと一緒に悩み続け、巨大戦を前に父との再度の離別で放心する介人を「行けるか?」と気遣い、ラストに黙ってたことを謝る時は真っ先に前に出て土下座する、と年長者らしい気遣いや責任感が窺い知れてとても魅力的だった やっぱジュランって介人に次いでゼンカイジャー全体の精神的な支柱としての安定感があるので良いなぁ ここが一貫されてるの本当に嬉しいところ

ともあれより結束を固めたゼンカイジャー達。これからの戦いの行方や如何に。

 

 

以上、ゼンカイ第35話でした。ハカイザーの正体を巡る介人やジュラン達、そしてステイシーくんの心の揺れ様を鮮烈なドラマによって描き出した良エピでしたね ここ最近のステイシーくんの心情の描き方凄く丁寧で魅入るけどつれぇなぁ...それでもストーリー全体としてはあくまで前向きに締めるゼンカイジャーらしさも健在でとても面白かったです この辺もそろそろ大詰めに入ってきたかしら

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

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地獄か???(inトロプリ)

トロピカル〜ジュ!プリキュア

第36話「来たよ!人魚の国・グランオーシャン!」

感想レビュー

 

 

貝の中から自然発生的に産まれてくるグランオーシャン人、ファンタジー風味の設定とはいえ生命体の生殖形式としてあまりにも特殊すぎひんか() 「真珠みたいなもん」と言われてそこはかとなく納得したけど グランオーシャン人って貝の親戚みたいなもんなの?って話に一回なった時に数ある中からマテ貝を例に挙げるさんごの感性の尖り方好き

 

女王様からの招待を受けてローラの故郷・グランオーシャンへとやって来たまなつ達の休息の時を描く...と思ってたら、そこにはグランオーシャンを陥落させた後回しの魔女一派の罠が待っていた、という大波乱の展開を描いた今回のエピソード。元気そうになった住民達に出迎えられたり、大切な人である女王様から手厚くもてなされたり、色んな場所を友達と一緒に巡ったり...とローラが久方ぶりの故郷に嬉しそうな様子を見せていたところで、今まで接していた女王様や住民達といったグランオーシャンの全てがプリキュアを欺くための偽物、飾りだったと突き付けられる展開があまりにもえげつなさすぎて震えましたね...作品としても重要な要素の一つに位置づけられているグランオーシャンを舞台としてきただけあって、単なるほのぼの回で終わらないとは思ってたけど、伝説のプリキュア周りの情報の開示とかがされるくらいだと思ってたのでこんな思い切りぶっ込んでくるとは思っても見なんだ 女王様や住民達が地下に一様に横たえられ、ある者達は計画に利用するために明らかにヤバげな機械に繋げられる、という絵面を容赦なくローラ達に見せつけてくる尊厳破壊の描写のキレが怖かった みんなに振る舞われた普通に美味な料理はチョンギーレさんが作ってたんじゃない?というちょっとほっこりするネタ考察になんぼか心が救われた(

oog on Twitter: "🦀「さっきの料理は美味かったか?ククク…」 🦀「そうか美味かったか、それはよかった」"

 

にしても、後回しの魔女一派が偽の住民達を生み出すために使った「他人の記憶を取り出し、そこに記録されていたモノを本物そっくりに投影し実体化させる機械(バングレイみてぇやね)」なるものが、実はグランオーシャンに元々あったものだった(後回しの魔女一派はそれを引っ張ってきて利用したに過ぎなかった)、とかいう衝撃的な情報がしれっと語られしれっと流されたけど、他の方も言ってたようにこれよくよく考えるとなかなかに闇は深そうですよね...なんでそんな物騒な、というか色々倫理的なアレで問題出かねなさそうな代物が味方ポジの筈のグランオーシャンにあったんだ?っていう。「たまたま迷い込んできた人間のグランオーシャンにまつわる記憶を取って、その所在を分からなくしてから安全に逃すためのもの」と考察していた方もいて、これに関してはなるほどという感じだったけど、それを今回の本編中で明らかにせず引っ張ってるとなるとその程度で終わらなさそうななんか不穏な感じがあり...

何にせよ、ローラ達がそれを知って衝撃を受けてた描写からもなんとなく察せられるように、これが明らかになる時は近いかもなので興味深いですね

度近亭心恋 on Twitter: "グランオーシャンの記憶吸出し装置は今のところ 「迷い込んだ人間の記憶を吸い出して忘れて帰ってもらってた」 説が一番あーなるほどと思った"

違法バタピー on Twitter: "そうか、なんか迷い込んできた人間とかを記憶吸い出して帰してたのかな"

 

そもそも今回の話、先程述べたグランオーシャンの機械についてもそうだけど、まなつが夢に見た魔女とプリキュアの戦いのビジョンとか、夏休み回の時に南乃島でローラが洞窟で感じた香水の匂いが自分の故郷由来のものであったという事実など、今後のストーリーに大きく掛かってきそうな意味深な要素の示唆があったのが非常に気になったところでしたね。南乃島と人魚の伝説の関連は前にもちろっと気にしたことはあったけど、ここに来てわざわざまた拾ってきた辺り何かありそうだし、ここからグランオーシャンの人類との関わりの歴史とか、そこにまつわる隠された裏の事実なんかが色々明かされていくかも...なんて。

また、グランオーシャンへの行き来は本来人魚と妖精のみが渦潮の側面に作り出せるゲートを通じて行えるもの、と明かされたのも気になったところ。他の視聴者が触れていてたしかにと思ったポイントではあるんだけど、人魚と妖精がいないと無理だと言うならば、本編開始前や今回の後回しの魔女一派のグランオーシャンへの襲撃は一体どうやったの?という疑問が発生するんですよねこれ。「力技で行った」という身も蓋もない結論で片付く可能性もなきにしもあらずではあるけど、ローラが上記の行き来の秘密をわざわざ説明する下りがあった以上、何か意味ある昇華はしてきそうではあるしなぁ...何だと言うのだろうか。自然に考えれば「後回し一派に人魚か妖精に相当する存在がいる」となるんだけど、この辺第29話で仄めかされた伝説のプリキュアと魔女様の関係性とも絡んできそうな予感があるかなと予想してみたり。凄く黒い妄想だけど、魔女様とか他の幹部陣が実は何かの理由で故郷から追放された元グランオーシャン人だった(その上で上記の記憶をあれこれする機械が用いられ、彼らは自分達が元々グランオーシャンの者達だったことを忘れてる的な...)、みたいなこともあるかもなと トロプリの作風であんまそういうのはやって欲しくないけどな〜

 

その後はタコ素材に生み出された超強力な超ゼッタイヤラネーダの前にピンチに陥りながらも、グランオーシャンを好き放題に弄び嘲笑う後回し一派に怒ったプリキュア達の想いに応え新たな力の海のリングが誕生!...するも、それこそが狙いだった後回し一派にリングを奪われてしまい、更に戦いのどさくさでグランオーシャンを守ってた壁が砕けて崩壊が始まってしまう...!というめちゃくちゃに絶望的すぎる状況で締め。敵には徹底的に追い詰められ、その逆転の糸口もまんまと絶たれ、ローラの故郷は壊滅寸前、と1話の中だけでこんなひどいことになることある...?(震)

にしても、自分達にとって大切なものを踏み躙る敵の悪行への怒りから新しい力が生まれる、 という逆転への黄金パターンを巧みな挑発によって綺麗に踏ませるよう誘導してその新しい力を生み出させ、肝心なところでぬっと横から出てきてその力を自分達のものとして奪っていという容赦も身も蓋もなさ過ぎる後回し一派のガチプには参ったね...加減しろ莫迦中でも、露骨に他者を見下し、軽んじ、笑うような言動を取ってきたチョンギーレさん達の邪悪すぎるムーヴには、ここ最近の優しくほっこりする絵面の多さとのギャップも相まってかなりゾクッとしたなぁ。まぁ優しいのはあくまでも仲間内だけってのはずっと描かれてたところだったし、それ以外への敵意悪意が全開になるとこういう感じなんだぞってのを改めて突き付けられた感あるわね やっぱこういうところは現状敵としてブレないんだな...

そんな彼らが繰り出してきたタコ、 というか生物を素体にして生み出した超ゼッタイヤラネーダ。元より生物を素体にして生み出すのは可能だった、というかそうすることで従来品よりも強力なのが生み出せたけど、強力すぎて制御しきれなくなる、というところでずっと禁じてきていた切り札、みたいな位置付けでのバランスはなかなか面白かったですな 象キックもいつものバンクの流れをぶった切って打ち破るほど強力、とほんとヤラネーダシリーズはパワーインフレの速度がかなり早くてビビる 

しかし生物を素体に生み出せる、 となると危惧するのはいずれ人間も...というポイント。最終盤の追い込みでそういうことしてきそうだから怖いよなぁ...前作でも同じようなことあったしさ この辺果たしてどうなるのか

 

 

以上、 トロプリ第36話でした。グランオーシャンでのほのぼの回、に見せかけたあまりに尊厳破壊著しく、そして恐ろしく絶望感高めな大ピンチエピソードとなっておりました。ニチアサ休み明けでなんつうもん見せてくれんだ()

しかもグランオーシャンにまつわる不穏なあれやこれも少しずつ見えてき始めて、なんとも怖くなってきたぞこれ...トロプリの作風的にこのアプローチは良い意味でも悪い意味でも凄く今後が気になるので注目したいですね ともかく次回はめちゃくちゃ爽快に逆転して欲しい...!

 

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LIVE・Daiji・EVIL

仮面ライダーバイス

第10話「兄と弟、信じる心」

感想レビュー

 

 

・戦闘は普通に優秀

・表向きには公の平和を守る使命を貫き毅然とエビルと戦う姿勢を見せつつも内心は大二を助けられない自分の不甲斐なさに男泣きするほど情に厚い

・一緒に戦うことになったバイスとも良い感じに連携(普通に良いコンビすぎてちょっと笑う)

・ピンチの時には部下達が即座に駆けつけカバーしてくれるほど慕われている

・大二が完全復活し仮面ライダーにまでなった時は静かに微笑み喜ぶ

登場するたびに主に人格面での株がゴリゴリと凄いペースで上がっていくな角田ヒロミ?こうなってくると変身失敗で降格処分下されてちょっとむくれてたのが逆に不思議になってくるな...「申し訳ありませんでした!どんな処分も受け入れます!!」くらい言いそうでしょ今のヒロミさんなら

と、どんどんキャラ的な安心感安定感が増していくヒロミさんだけども、このだんだん否の付け所がなくなっていく様といいデモンズドライバーのギミックを小気味良くガンガン見せてくるテンポ感といい、存在感示せるうちに示しとこう的な生き急ぎ感をほんのり感じるのがなんとも怖いすね...命賭けなくても良いから死なないで...(n回目) でもほんと冗談抜きにヒロミさんには安定感を保ったまま頼れる兄貴分先輩ポジションでずっと戦って欲しいなと思ってるんすよね 1クールの節目が怖いな〜

 

カゲロウに支配された大二を救うため再び立ち上がった一輝の戦い、そして大二の次なる覚醒を描いた今回のエピソード。1週間のニチアサ休みを経たのでバイスが「しばらく会えなくて寂しかったぜ〜」みたいなメタ発言を早々にぶっ込んでくる冒頭笑った。w

大二を救い出すにあたっては自分の中に宿る悪魔に打ち勝とうとする大二自身の意志や、一輝が大二の内面にきちんと寄り添おうとすることが鍵になりそう、 的なことは前々から考察していましたが、カゲロウに抗おうと戦う大二の意志の所在や精神の強さを信じ切れず、自分には弟を救えなかったと勝手に1人で絶望していた一輝が、バイスの導きを受けて改めて大二を信じ、その精神の奮起を促す、という流れによって一輝の意識の変化と大二の覚醒の両方を押さえ描いてきたのが良かったですね。家族の繋がりというものを信じてはいつつも、実のところ漫然と信じ尊いものと謳うばかりになっていた面があったことが一輝の弱さであり、そんな一輝にとって必要だったのは、その繋がりを成す家族一人一人の想いにしっかりと目を向けた上で、それを一途に信じることだったのかもな、なんて

 

この一連の流れの中において、「かくれんぼで行方が分からなくなった大二を一輝が見つけ出した」という前回描かれた幼少期の五十嵐兄弟の回想もストーリーを発展させる鍵となっていましたが、この回想を一輝が大二を救いに行く画の象徴とするだけでなく、「ただ怯えるだけでなく自らの意志で状況を打破しようと戦う大二の意志の強さ」を示す描写として昇華させてきたのは巧みな作劇で唸りましたね。やっぱり大二自身はリバイスキャラ比だと人間としてかなり強い方だなぁ 「物陰に埋もれ出られなくなりながらも助けを呼ぶべく足掻き続けていた幼少期の大二」と「カゲロウによって意識の奥へ追いやられながらも諦めず抵抗し続けていた大二」を象徴的に類比させ大二を軸にしたストーリー展開をきっちりと盛り上げてきたのに加え、カゲロウに取って代わられ消えたと思っていた大二がまだ必死に戦っていると知った一輝が、幼少期のように闇の中に閉じ込められた大二の下へ歩み寄り救い出す、という構図の再演も為し、一輝の活躍も印象深く描いたところが凄く粋でグッとくる演出でした

 

また、一輝に大二の意識の所在と抵抗の意志の有無について伝え、大二を救うための再起を促した今回のバイスの言動がなかなかにキレッキレだったのも非常に良かったなと。大二の意識がまだ潰えていないことを知りながらも一輝の「大二を信じてる」という言葉に従って黙っておき、その上で一輝が大二の存在が無くなったと思い込んで絶望した時には「(信じてるって言ってる割に諦めるなんて)一輝って嘘ツキなんだな〜」と鋭い言い回しで刺す、というこの立ち回り、仲間の精神的な弱さやそれを破る手立てを知りつつもギリギリまで自分からは口を出さない頼れる味方キャラみたいな雰囲気があって精神的な支柱ポジションとしてめちゃくちゃ頼もしかったですね...最初あんな油断ならない一面見せてたくせにもうすっかり一輝や五十嵐家のセコム兼メンタルケア担当と化してるのちょっとじわじわくるな...(

勿論バイス自身はそこまで深いこと考えてないだろうし純粋な良心から一輝を支えようとしたりはしてないだろうけど、一輝の言うことを聞いたままの意味で素直に信じていたが故のあの言動が結果的にこういう再起のきっかけとなっているというキャラの立ち回らせ方はなかなか巧みだなと感じたところ。大二との軋轢に苦悩する一輝の迷いへの答えの本質をふと突いてみせていた第4話や、一輝に迫る危機をなんとかしようと奔走していた第8話でも似たような場面はあったけど、他人の心の機微に疎く物事を純粋に捉え楽しんだりするバイスの子供のような精神性をブレさせずに描きつつ、それを時折不安定になる一輝の支えとなるように機能させることでストーリーを盛り上げる、というこの流れは現状のリバイスにおける白眉だなと感じますね。看板キャラとして取り上げているだけに動かし方にめちゃくちゃ力入ってるなぁバイス アバンの「痛いの痛いの飛んでけ〜」「痛いのはそこじゃないよ」のやり取りといい、風呂に入りながらのやり取りといい、一輝とのバディ描写もかなり味わい増してきたしね

にしてもバイス、今回しれっと相手の脳内を覗くことができるという能力が描かれていてこれが今回の話のキーとなっていたけど、この能力今後どのくらい描かれるかしらね(邪推) 便利な能力だけどあんまバリバリ使っても便利すぎて話の起伏が減るかもしれないし、使わなかったら使わなかったで「なんであの能力使わないの?」って突っ込まれるタイミングも出てくるかもなので、早期に出すにはけっこうリスキーな設定だと思うんだけど、是非とも良い塩梅で有効活用して欲しいところ

 

かくして五十嵐兄弟の前にエビルは敗れ大二は主導権を奪還。自らの意思を取り戻した大二はツーサイドライバーで仮面ライダーライブへと変身しました。

エビル(evil)が反転してライブ(live)となるネーミング、エビルの身体を取り巻いていた漆黒の装甲がめくれたかのようにライブは純白の装衣を身に纏っているというデザイン性、剣で戦っていたエビルに対しライブは銃で戦う(聖職者の銀の弾丸を込めた銃的なイメージかな)という戦闘スタイルの変化、などなど様々な要素がエビルからガラリと反転した設定の面白さに加え、坂本監督のアクロバティックなアクションを取り入れた軽やかな動きを主体としたガンアクション(フェニックス部隊の戦闘スタイルはガンデフォンを用いた銃持ち戦闘がデフォだから、CARシステムっぽい持ち方してたのが面白かったね)で魅せるデビュー戦がなかなかに見応えがあり、想像以上に存在感抜群でしたねライブ 攻撃時の黄金のエフェクトが綺麗でカッコよい 回し蹴り気味のライダーキックを繰り出すエビルに対し、 捻り少なめなスタンダードなライダーキックで決めるとこまで対象的で目を惹きましたね

そんなライブの戦闘が主になったこともあってか、今回初登場のブラキオゲノムは若干個性の発揮が抑え目な活躍になったのが惜しいところ。次回も出るっぽいし次の活躍を期待したいね

それにカゲロウもあんな大きく出張ってきてここで終わりなわけないので、今後のストーリーをどうかき乱していくか、注目どころですね

 

そしてジョージ狩崎的にやはりこのエビルからライブへの転身は予め織り込み済みの展開だった模様。エビルの成長をそのままライブの強さに落とし込むのが狙いだったのね ライブ誕生にここ一番のテンション爆上がり見せるの笑った()

しかしジョージ狩崎が最終的に何を目指しているのが作中における謎として触れられ、狩崎自身もバイスタンプが10個揃ったことにほくそ笑むなど、不穏さが漂うのも気になるところ。仮面ライダーへの深い愛がどうのこうのと言ってたけどその真意やいかに マジでただそれだけだったら最高なので是非貫いていって欲しい

 

こうして戦いは終わり、家族が待つ五十嵐家の下へ一輝と大二が帰還、再び家族揃って卓を囲む、という「家族」をテーマにした本作らしい気持ち良い絵面がラストに描かれこれは非常に良かったなと。写真から消える一輝を締めにするのがあまりに不穏極まりないが...

しかし気がかりなのはやはり、大二が犠牲になりそうな状況に心乱れ、本当の強さというものに苦悩するようになったところをアギレラ様につけ込まれてしまったさくらですね 前回の時点から不安定な一面や少々歪に思える部分なんかも少しずつ窺えてきてたけど、今回もヒロミさんにやや感情的過ぎるくらいに突っかかったりしててどんどん危うい雰囲気増してるし、次回予告の描写もあってここからどうなるか心配よな...序盤にして波乱まみれだが一体どうなるやら

 

 

以上、リバイス第10話でした。五十嵐兄弟の成長・覚醒を象徴的な構図をふんだんに織り込んだドラマに乗せて熱く描き、ライブ誕生で大きく盛り上げたニチアサ休み明けに相応しい面白いエピソードでしたね。ヒロミさんやバイスが相変わらず安定感あるのも良き

一方で今度はさくらの不安定さが目立つようになり、これが新たな波乱になりそうなのが気になるところ。五十嵐家に真の平穏が訪れるのはいつか...

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人間の勇気と強さ

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第17話「怒る饗宴」

感想レビュー

 

 

圧倒的な猛威を振るうメツオロチを打ち倒すため奔走するGUTS SELECTやウルトラマン達の戦いを描いた今回。

全体的に特撮面ガン振りといった趣のエピソードとなっており、メツオロチの威圧感たっぷりな怪獣然とした進撃や、ナースデッセイ号およびガッツファルコンの不時着・墜落のシーンの3DCGを使った迫力ある演出など、見応えある映像が沢山あってなかなか燃えましたね。特に後者は飛び散る瓦礫や粉塵、地面を滑っていくガッツファルコンに押されて地面からめくれ千切れていく鉄柵まで細かに描写されていて、映像表現としてはかなりリアリティあるものとなっていたので凄く引き込まれました。ここは映像表現として素晴らしかったなと

メツオロチの演出に関しては技のエフェクトが少々演出過多な感はありちと盛り過ぎかなとも思ったけれど、中ボス格的なポジションに相応しい圧倒感はしっかり引き出せてたし、爆炎の中を突き進んでるシーンはメツオロチのディテール多めなゴツいデザインも相まって実にパワフルだったしでこちらも満足度は高かったですね。他の方が言及してたけど、元ネタのマガオロチがどちらかというとサンダーブレスターの獰猛さを引き立てる感じの活躍だった分、今回は純粋な大暴れによって存在感を発揮させたのは良かったなと感じますね。カルミラの乱入で尺食った分倒される時があっさりめだったのがちと残念だったが。今回のカルミラ、ほんとにただただ乱心してケンゴbotと化しながら掻き乱してきただけだったし、そのせいでメツオロチとの戦闘の流れが少々ぶった切られたような感じになっちゃったので、わざわざ登場させなくても良かったくない?とは思う

 

そんな迫力ある映像で彩られた今回のストーリーにおいては、GUTS SELECTの面々の活躍がしっかりと印象深く描かれていたのが非常に良かったところ。司令室のレギュラーキャスト陣以外のモブTPU隊員の動きなんかも交えつつ前線に赴いて戦う隊長の姿などをアクティブに描くことにより、GUTS SELECT引いてはTPU全体で戦っているという一体感を創出し臨場感を引き出したり、キャラクターや諸要素を満遍なく引き立たせたりといった絵作りがとても効果的に効いていて面白かったですね。この一連の描写の緊張感がメツオロチの強大さをより印象付けていたところもグッド

ケンゴもガッツファルコンが墜落し万事休すかと思われていたタイミングで、直にガッツファルコンに乗り込みメツオロチの弱点の角をぶち破る大一番を決めるという大活躍が用意されていて主人公らしく実にカッコ良かったところでしたね。GUTS SELECTの一員として、1人の人間としての彼の奮闘が描かれたのは凄く大きい ヒマリのガッツファルコンでの戦闘や第9話のガッツウイングの遠隔操作について、「生身でない分命懸けな感じが薄い」「コックピットでの操縦が描かれないのが物足りない」的な不満がよく述べられていたけど、そのフラストレーションをなんぼか払拭する熱さはあったかなと それに、暴走したトリガーダークの攻撃で撃墜され危うしというところでコックピット内から変身する、という平成シリーズお馴染みの撃墜からの変身の黄金パターンが久々に見られたのも凄く嬉しかったです。最近はバンクすっ飛ばしながらの変身が積極的に織り込まれていたけど、今回はそれをめちゃくちゃ熱く活かしてくれたね

クライマックスには、消耗したトリガーにカルミラが迫ってくるところで、GUTS SELECTの面々が総出でトリガーの前に銃を持って並び立ち牽制するという構図も展開され、ここはトリガーと共に並び立ち戦う者としてのGUTS SELECTの存在感も引き立って素直にグッときましたね。ウルトラマンという超人を時に救い支える純粋な人間達の勇気と強さも描くこの流れこそティガをはじめとする平成シリーズ全盛期の作品群の魅力だと思うのでその辺の精神性が滲み出てたのは良きね。そんな彼らの強さを見極め認めた上でカルミラを諌め身を引くダーゴンさんの度量も印象付けられたしね

 

と、GUTS SELECTも大いに奮闘した今回の戦闘パートは、ウルトラマンの出番自体は少なめだったものの、グリッターでのサークルアームズ使用+グリッターブレードとの合わせ技によるフィニッシュなどアイテムの印象に残る使用がしっかり為されていたのが面白かったですね。トリガーダークもトリガーが手放したサークルアームズを手にした上で、ザイゴーグキーとホロボロスキーでブーストかけてカルミラに手痛い一撃を喰らわすという形で魅せを作っていて良かった キーを刺せる武器があればホロボロスとザイゴーグの両方のキー一度に重ねがけできるのずっこいな...

そのトリガーダークとして今回も暴れに暴れたイグニス、活躍的にはGUTS SELECTの作戦の邪魔をしてしまい、ケンゴの乗ったガッツファルコンも撃墜するなど、割とお邪魔虫にしかならなかった感じではあったけど、メツオロチの破壊から逃げ惑う人々の姿を故郷の亡き仲間達と重ねたことで感情を爆発させ、変身しメツオロチに立ち向かっていく、という行動を取ってた点は何気に引き込まれたポイントでしたね。結果こそアレだったけど、これって流れだけ見ればある意味理不尽な脅威に蹂躙される人々のために力を解放したとも言えるわけで、イグニスが曲がりなりにもウルトラマンに相当する力を得て変身する存在であることを象徴的に描いたシーンなんじゃないかな、と。イグニス自身理不尽な脅威に晒されて奪われる悲しみを知る者ではあるわけだし、今現在は憎しみの方が勝ってトリガーダークに呑まれてる感あるけどそこを制御できればこの先モノホントリガーやGUTS SELECTと並び立つ展開もあるかも...なんて 心の中の光と闇、どちらに着くかが肝になりそうだなぁ

 

 

以上、トリガー第17話でした。緻密で迫力満点な特撮によりメツオロチの圧倒感を存分に引き出しつつ、それに立ち向かうウルトラマンや人間達の活躍を力強く描いたエピソードとなりました。ウルトラマンと人間、光と闇、みたいな構図が象徴的に組み込まれるようにもなってる感があり、作品のテーマ性の昇華も含めここから終盤に向けて少しでも跳ねてくれると良いなーなんて思っております 期待

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

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ではまた

スレイユ星的にはどうもOKらしい

ウルトラマンコスモス

第52話「変身不能!?」

感想レビュー

 

 

アクシデントにより地球に身を潜め迎えを待っていたコイシス星人ジュネとそのパートナー怪獣ザゲルが突如姿を現したことで巻き起こる事件に立ち向かうムサシ達の奮闘を描いた今回の話。作中、ジュネが「スレイユ星への旅の帰りに宇宙船が事故に遭った」という旨の台詞を述べてたけど、ここで第25話に出たスレイユ星の要素をしれっと入れ込んできてたのは今回の視聴で初めて気付いたからちょっと驚いたわね 監督や脚本の方が同じというわけでもないのにこういう拾い方するの意外だったけどマメな感じあって良きね スレイユ星的にはコイシス星はOKな種族だったんだろうか。

 

ストーリーとしてはムサシのジュネとの交流や、EYESやコスモスによるザゲルを救うための戦いを描く内容となっていて、流れとしては比較的シンプルなものであったけど、EYESが調査・分析を経てザゲルの危機を知りそれを救おうとする方向へ動いていく過程や、ムサシがジュネの不安や恐れに寄り添い通じ合っていく流れなどがしっかり描かれており、「相手を知り歩み寄っていく」というコスモス特有の優しい作風を引き立てるドラマが手堅くまとまっていたのが実に良かったなと感じました。テンポの良い「怪獣保護」主体の作劇も良い味わいでした。

強いて言えばそれを描く上で、ジュネ/コイシス星人の「怪獣との共存共栄を果たした種族」という設定はもっと掘り下げ甲斐のありそうなところではあったので、軽く触れる形になっただけだったのはちょっぴり惜しかったところ。怪獣を「保護」するということを聞いてもその感覚自体にピンときて無さそうな反応など、ジュネの言動にその辺の設定が細かく活きてそうな感じもほんのり感じられたしね あとこれも今回初めて知ったんだけど、ジュネを演じられてた神崎詩織さんって後にジャスティライザーでライザーカゲリに変身するレギュラーキャストの1人として出られてた方だったのね お名前だけは知ってたので同じ方じゃん!とピンときた

 

戦闘の方も、久々使用の「僕達のエネルギー」の明るい曲調をBGMとした爽やかな空気感の戦闘に仕上がっていて終始良い意味で緊張感少なめに楽しむことができそこが良かったなと。「僕達のエネルギー」たまにしか流れないけど聞いてて気持ち良いし良挿入歌よね ルナモードの捌きいなすスタイルのバトルを存分に楽しむことができて見応えもあったわね せっかくEYESが独自でザゲルのバリアを補う方法を編み出してたわけだし、最後にザゲルのバリアを貼り直す役割はEYESが担ってくれてたらもっと良かったかもと思うけどこの辺は個人的な好みによるし全体的には良きでしたわね

 

 

以上、コスモス第52話でした。コスモス特有の他者との相互理解を軸にした作風を爽やかに取り回す作風が良い感じにまとまっており、シンプルながらもコスモスらしいエピソードとして楽しむことができました。最近緊張感高めのエピやメッセージ高めのエピが続いてたし良いアクセントだったかなと

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

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ではまた

防衛軍はあんま悪くないと思うんだ

ウルトラマンコスモス

第51話「カオスの敵」

感想レビュー

 

 

マザルガス、小さい頃から何気にコスモス怪獣の中でも地味に印象深いというか、妙に記憶に残る怪獣だったりする(カオスヘッダーの天敵でありカオスヘッダーを捕食できる、というコスモスの世界観上においてほぼ必然的に大きな存在感を発揮できる設定してたからなのもあるが) マタンゴキノコを思わせる頭部のシルエット、アルマジロじみた球体型への変形、老婆みたいなしわくちゃの皮膚に鳥類を思わせる嘴という特異な顔立ち、亀の甲羅やトカゲの鱗を彷彿とさせる細部のディテール、といった様々な既存の生物の意匠を感じさせる要素をスタンダードな二足歩行怪獣のフォルムの中に巧妙に織り交ぜ落とし込んだことで、かえって何の生物にも似ない唯一無二の個性を得ているデザイン性も凄く好きなんですよね 上述のしわくちゃの老婆っぽい顔に瞳の無い目、という不気味なんだけどほんのり人間っぽい雰囲気も感じさせる良い意味で気持ちの悪いビジュアルも良き

 

そんなマザルガスをカオスヘッダーに対抗するための「人類の希望」として確保しようとするEYESの活躍を取り巻く展開を描いた今回のエピソード。マザルガスをあくまでも怪獣であり「人間の脅威」であると位置付け倒そうとする西条や、自分の開発した超兵器・ダビデス909がマザルガス=人類に希望たり得る存在を打ち砕いてしまうかもしれないという不安に葛藤するハズミ主任、といった人間達の様々な想いの板挟みにされながら、最後には理不尽に命を落とすこととなってしまったマザルガスの哀愁が沁み入る話でしたね...人間の勝手に振り回された結果生物が苦しんでしまうことへの痛烈な皮肉と言えようか

マザルガスから逃げるかのような動きをしつつもその実防衛軍の爆薬倉庫へ誘導しており、人間が勝手にマザルガスを倒すよう誘導していたカオスヘッダーの狡猾さも目を惹きましたね。序盤に見せてたこの辺の知略に長ける一面が改めてしっかり描かれたところは良かった

 

しかし今回の流れ、結果的にマザルガスにダビデス909を使ってカオス化させた挙句最終的に死なせてしまった西条に大きな責任があるかのような形となってたけど、正直これに関してはマザルガスの進行を止め切れず防衛軍の爆薬倉庫近くまで行かせてしまったEYESの方の責任が大きいよなぁ...と思えてしまい、なんか腑に落ちなかったのがどうもハマらなかったな...と。
そもそも最初にEYESと防衛軍の間で「被害を最小限に食い止めるのを条件に防衛軍はギリギリまで不干渉」という取り決めが為されているので、爆薬が爆発したらヤバいわよって状況に入った時点で防衛軍がマザルガスを倒すという方向に行くの自体は自然なこと(最初にEYESとの取り決めを受け入れた佐原司令官もちゃんとその辺を守って本当にギリギリまで手を出さず待ってたからむしろ温情あった方なのよな マザルガスを「人類の希望」と信じそれを砕くことを心苦しく思ってる様子を見せてたから聡明で理解あったと思うし)だし、西条も「ダビデス909を使いたくてうずうずしていた」という危ない身勝手さが強調されていたとはいえ、形として佐原司令官の号令を待った上で「被害を広げ得る存在となったマザルガスの撃破」を目的として動いていたので一応なんら問題はなかったから、西条、引いては防衛軍に行動を責める論理性に欠けてるんですよね(ダビデス909でマザルガスがカオス化したのもあくまで結果論的な話だったし)。そうだと言うのに、事実としてマザルガスをみすみす被害を大きくし得るところまで通してしまったヒウラキャップの方が西条を責め立て殴るまでする、というのはあまりに乱暴というかなんというか...責任転嫁に見えてヒウラキャップらしくなさすぎるし、今回の話におけるEYES側の印象を悪くしてしまったように思いました。こういう時こそEYESが怪獣保護のために最後まで諦めず奮闘する姿を描いた方が、流れの大筋自体は同じでも見た目の心象として良かったと思うんだけど、そのEYESも早い段階でヒウラキャップ以外撃墜されて後は地上でほぼ手をこまねいているだけだったので、そこもなんだかなと。怪獣保護は思うようにはいかない、ってところは作品として強調してたポイントではあるけど、それをこのタイミングで殊更あっさりに見える形で描いちゃうのはそれこそ悪手だろって感じでした

 

ハズミ主任も、自分が平和を思って作ろうとしていたものがいつのまにか別の思惑の元で超兵器と化してしまったことへの心苦しさを滲ませるなど正義感の強い科学者としてのキャラ付けが強調されていたけど、本編上での描写としては、自分が発明に関わったダビデス909がマザルガス=人類の希望を砕いてしまうことへの責任から逃れたいと勝手を通そうとする人に見えてしまった... というのが正直なところ。科学で純粋に平和を追及しようとする信念とそれが何かを砕いてしまうことへの不安に板挟みになるある種の科学者特有の人間臭さを描くのも込みで意図的に描いたのかもしれないけど、それにしたって刻一刻と爆薬倉庫に近付くマザルガスをダビデス909で倒そうとしてるところに飛び出てくるなどのあまりに状況を読めなさすぎな行動や思考が目立ったのが良くなかったなと。最終的に防衛軍の科学者としての資格を突き返し一般の科学者として努めることを決めたシーンも、防衛軍のやり方の中で自分の理想とする平和を実現できない、とした上での決意として描いたんだろうけど、上述したEYESと防衛軍の心象のバランスのちぐはぐさが描かれた後なだけに、説得力に欠け劇的にならなかったのが残念でした

 

最後はハズミ主任と彼の決意を聞いたEYESの面々が肩を並べ爽やかに並んで去っていく下りで締めになったけど、ここまでに述べた描写の歪さのせいで全然ピンとこないモヤッとするオチになってしまいました...うーむ

ミニチュアのビルの破壊、カオスヘッダーの光の鞭じみた動きやマザルガスの打ち上げ花火風の特殊なエフェクトの攻撃のCG演出、コスモス3モードのマザルガスとの激戦、など特撮面では見応えがあったのでその点で楽しめたのはせめてもの良かったところでした。

 

 

以上、コスモス第51話でした。端的に言ってキャラクターの心象を効果的に取り回すに足るだけの展開運びができておらず、説得力に欠くストーリーだったなというのが正直な印象となる、個人的になんとも言えない回となってしまいました。意図的に読み取らせるものとして仕込んだのかなと感じる面もあったけど、それで面白さに直結する感じでも無かったし、ちょっとなぁ 作品もあったまってきた終盤の一エピソードだっただけに尚のこと惜しい気持ち 取り扱ったテーマや諸々の要素自体は面白そうなものが揃ってるし、もっと練って調理してくれてれば良かったかも

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

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