AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

そこのけ 俺が行くぜ

暴太郎戦隊ドンブラザーズ

2〜3クール目ら辺(ざっくり)

感想レビュー

 

 

呉越同舟


仲の悪い者同士、また、敵味方が、同じ場所にい合わせること。また、反目し合いながらも共通の困難や利害に対して協力し合うことのたとえ。

(※コトバンク-呉越同舟 より引用)

呉越同舟とは - コトバンク

間違っても味方の戦隊同士のロボの全合体時に使う言葉ではないんだけどなぁ()  仲間入りしてもう1クールくらいはこなしていて、めちゃくちゃ仲悪いってわけでもないはずなのに、あまりにもしれっと「味方ではない」くらいの判定は少なくとも受けていることになってるジロウ、あまりにも不憫なんだけど何故かそこまで可哀想には思わないんだよな...ごめん(

 

銀幕ではちゃめちゃに暴れ散らかし同期の最終回の余韻をわやくちゃに踏み荒らし某ラブなライブのアニメと半ば強引に縁を結んできたり(※)、と無法に無法を重ねながら突き進み続ける暴太郎戦隊ドンブラザーズ、気付けばいつの間にやら話数が30話の大台へと突入しようとしており、無二の友になり得た因縁の関係たるタロウとソノイの決着などの怒涛の進展を交えつつ作品を構成する様々な要素の実態も明かされ始め、物語的にも折り返し地点へと入ってきたことが感じられるところへとやって来ましたが、依然勢い衰えずという感じで凄まじく面白いですね...毎週毎週大いに楽しませていただいています。

(※)...ちなみにドンブラがラと一方的に縁を結んだ同じ週に放送されたスーパーなスターの第8話では、まさかのアイドル達が神輿に乗って踊っていました。偶然ですかねほんとに(

というわけで今回は前回からさほど間は空いておりませんが、だいたいざっくり2〜3クール目にかけての雑感をつらつら述べていこうと思います。お時間ある方はよろしくどうぞ

なに、時間なんて無い?ガタガタ言うな!!!!!!読めお供達!!!!!!!!!(豹変)

 

 

てなわけでここ最近のドンブラザーズですが、まず「緩急凄まじい情報開示のペース」と」一発一発がどれもしっかり重厚なストーリー」をスッと両立させた濃厚な作劇を相も変わらず鮮やかにやってのけてるのが見事の一言。ドンブラの感想語るとなるとこれにはどうしても触れちゃいますねぇ  特にこの2〜3クール目辺りの展開はちょうど関西の甲子園中継や劇場版公開などと被る夏真っ只中だったということで、一部地域の放送日程の乱れや劇場版の展開との整合性の調整等の理由から7、8月は本筋の展開をあまり進めないようにして9月から話を動かしていく、というスタイルが取られておりなおのことこの辺の緩急が激しかったところであり、単発のサブエピ寄りの内容多めで進めてた7、8月辺りからの怒涛の本筋周りの情報ドバドバ開示&登場人物周りの構図進展しまくりの9月、というジェットコースターのようなスピード感とテンション感に大いに脳が狂い踊った(まぁドンブラの場合は所謂登ってる最中に当たるサブエピ辺りもえぐいテンション感ではちゃめちゃなんですけどねぇ!!)ものでしたが、そこで今までもドンブラで辣腕を見せつけてきた流石の井上大先生、他キャラやゲストキャラとの交流を交える形で主要人物の人となりを掘り下げ魅せる味わい深い人間ドラマや、脳を破壊せんと言わんばかりのカオスと情報量で視聴者の腹筋をぶち壊し破顔させてくる超絶コミカル展開などの単なる単発サブエピに留まらない魅力を存分に発揮したエピソード群により7、8月の全くダレることなく突破しつつ、9月に入って話が進むとなったと同時に今まで散発的な情報の開示に留めていた作中の数々の謎の真実や外郭を次々に解き明かしストーリーを一気に加速させつつも、それを話にスムーズに滑り込ませることでドラマ的な面白さをしっかり物語に乗せ視聴者をグッと牽引する、という感じに怒涛の緩急を巧みに乗りこなしてみせており、ここはほんと改めてまとめて振り返ってみても脱帽ですね...直近のドン29話なんて

・口頭で存在が示唆されるのみだった謎めいた存在「元老院」の初登場

・ジロウのもう一つの人格・通称「闇ジロウ」の秘密の解明

・所々で絡みのあったジロウとの対話によるムラサメ周りのストーリーの進展

・不可殺の者・獣人の打破の鍵の解明

・ニンジャークソードを手にした者にもたらされる暴走を描く展開

・タロウと決着し永遠の眠りに就いたソノイに訪れんとする望まぬ復活の示唆

と、一個一個がそれぞれエピソード1話分を十分牽引するに足るだけのポテンシャルを持った要素の数々を全部乗せでぶち込むという情報過多も良いところな暴挙に出ながらも、それらを視聴者に理解できる形で、尚且つ相応の理屈やドラマ性まで乗っけて最低限ちゃんと魅せる形で入れ込み一本のエピソードとして完成させてるんですよ イカれてるだろ() しかもその上で、「ソノイ復活の贄としてエネルギーを吸われタロウが変身不能になるという、普通ならもう1話跨いで引っ張りそうなハラハラ展開を『ニンジャークソードのパワーで補填』という形でわずか2、3分で解決」「今まで謎めいた雰囲気を纏っていた元老院が、いざ登場したら『自我を持ち始め無軌道になってきたムラサメに困惑する』『タロウの圧に気圧されてカツサンドを食わされる』と色んな事態に見舞われコミカルな苦労人キャラになっちゃう」という遊びまで入れる始末ですよ イカれてるだろ() また前者に関しては、流れやテンポ自体はパワープレイもいいとこなのに、「他の者は暴走させられるばかりだったニンジャークソードをタロウは普通に使いこなし自分の力にしてみせた」という描写が「ドン王家」という点を軸にタロウとムラサメをきっちりリンクさせていて相応の説得力や今後の布石になっているので納得せざるを得ないようになっている、というところがまた上手いんですよね...マジで手捌きがイカれとる冗談抜きに

改めてドンブラ観進めるたび強く思うんだけど、井上大先生は作中で取り扱う情報や要素をどこでどう、どのくらいの濃度で繰り出すのかの上限下限のラインをきっちり理解してて、その上でぽこぽこ出してもそれなりに調理すればしっかりと味になるものは他のドラマのついででもきちんと見られる(且つ面白さがちゃんとある)形で躊躇いなくぶち込んでくし、ちゃんとドラマに乗せるべきものはグッと深みを押し出す形で前面に置くし、っていうことができてるのが強いよなぁと。一見めちゃくちゃなようだけどどれもちゃんと面白く楽しく、ノイズなく観られるラインでしっかり収まってるからマジで絶妙なんですよね (現状の)全合体ロボに当たるトラドラオニタイジンの合体イベが他の話のついでで特に本筋とかとも関係ないとかいう思い切りの良さをこの令和の世にやってのけるの相当の胆力と信頼がなきゃ無理すよ 純粋に演出としては販促面的に正しいとは言えないかもだけど、それでもしっかり引きつける分引きつけてはいるっぽいしな...やっぱでぇベテランなんやなって

 

それでいてドラマ面─先にも述べた重厚なストーリーの方も未だ勢い衰えずという感じで非常に面白いところ。「何故自分が選ばれ、戦わなくてはならないのか」と考えるよりも「なるようになるのだ」と身を任せるという生き方をしっかり見据えているどっしりしたスタンスと、その中で他者に自然と手を差し伸べられるナチュラルな精神性が合わさってるからこそのヒーローである、という猿原のヒーロー性が「自分の生き方の意味や理由を自分のためとして分かってるようでいて実は見つけあぐねている」先代サルブラザー白井との交流でグッと掘り下げられた初猿原メイン回のドン21話犬の祟り(!!!???)でイヌと化し苦しむ犬塚くんの災難を描く片手間での描写でありながらも、幼馴染達との交流を経て「ヒーロー」という自分の夢に改めて向き合う決意を固め、自分の自尊心の象徴とも言える闇ジロウを「タロウを越えようとする向上心」として昇華し、抱え受け入れることでロボタロウを獲得しパワーアップするというジロウの進展をしっかり味わいある形で描き上げたドン23話雉野さん絶体絶命の危機(家計的な意味で)から始まるクソ雑アンジャッシュ導入に笑っちゃうはちゃめちゃな展開の中、タロウ・はるか・猿原達がそれぞれ他者への慈愛を連鎖させ自分にできることを頑張る姿に「ヒーローとは無償のもの」という観念に通ずるドンブラザーズの戦士達のヒーローとしての精神性をコミカルながらも改めてグッと深めたドン25話、などなど、ヒーローという部分を軸に色んな面々の人となりやその根幹、成長をしっかり味わい深い人間ドラマとして繰り出す作劇がめいっぱい味わえるのがもう最高に素晴らしいんですよね...特にジロウのロボ獲得エピであるドン23話に関しては、「変身は遊びでするものじゃない」という念押しを幼馴染達の前ではしつつも、ガールフレンド的な存在のルミにだけは別れ際にヒーローとしての決意を示す意味で変身を見せる、というジロウのとってのルミの特別さとそれを絡めたジロウの決意の引き締めが効果的に描かれた演出や、闇ジロウを自分に必要なものとして受け入れ組み込む覚悟をトラドラゴンジンの合体機構に重ねて視覚的な形でもしっかり落とし込む構成など、犬塚くんメインの話もついでの中でもしっかりと光るものを描き出す巧みな演出が見事で、やべーやつだしやべーやつだけどその中にヒーローへの真剣さや強い芯みたいなものはちゃんとあるというのが窺えたというところでジロウの好感度が一気にガッと跳ね上がった凄く良いエピだったなと感じますね(タロウとソノイの決闘に良かれと思って空気読まずに乱入したりとその後はいつものジロウも全開になるのだが。w)。ドン21話に関しても猿原の良いとこ以上に猿原のやべーところがより深掘りされてしまって良いとこの印象が視聴者間で薄れてしまった気がするし...w(なんで固有結界を張れるんすかね)

またそんな登場人物達のドラマの中でも一番の見所であったと言っても過言ではないのが、言わずもがなタロウとソノイの決着敵同士反目し合いながらも個人として通じ合うものがあるからこそ一緒の時間を過ごすことやその中で相手をリスペクトし合うこともあるというどこかコミカルな途切れ得ない奇妙な友情それでも避けられない決着をお互い惜しみどこか悲しそうにしながらも、お互い真剣に向き合い決死の覚悟で挑むという因縁、という通じ合う者同士としての気持ちと果たし合う者同士としての気持ちがないまぜになった2人の不思議な距離感を、どこか浮世離れしているながらもだからこそどこか澄んでいて美しく見える繊細な人物描写の下で最後の最後まで濃く掘り下げ、そしてその末の2人の決着は刹那の一閃の交差という形で静かに描き出す、という一連の描写は本当に洗練された芸術のようで思わず見惚れてしまいましたね...胸にグッとくる熱さと微笑ましさ、その中に覗く儚さと切なさ、という感じで色んな思いが去来し巡る、近年の特撮作品のライバル関係の中でもピカイチに凄く美しい関係性であったなぁと今一度感じます。「自分達は敵同士、相容れることはない」「タロウ相手には相討ち覚悟で挑まねば勝てない」というソノイの想いを、交わることなくすれ違い続ける赤と青のビリヤードの球がその末にぶつかると同時に両方とも落ちていく、という描写で象徴させる演出や、静かなる一瞬の決着の後ソノイの亡骸を背に去っていったものの、その実ソノイとの約束だったおでんの食事に一緒に行きたかったと悔いを口にしたりと、タロウがソノイへの友としての想いを後になってぽつぽつと漏らす人間味溢れる様など、演出一つ一つも凄く沁みてきて最高だったんですよね...(今思えばタロウがソノイとの決着の日に仕事だからと決闘そっちのけでまず配達を優先させてたのも、ソノイとの決着をなるべく早く着けたくないという思いの現れだったのかな...とも) ともあれここも平成期の東映特撮を支えた井上大先生の大人の深みを内包させた繊細な人間描写・ドラマ作りの妙味が一際強く滲んでいた感じがあり、ひたすら唸らされるところでありましたね しかしソノイは元老院の手で望まぬ復活をさせられそうであり...と、ここがどう影響していくかは今後の注目ポイントですね ソノイの尊厳はどうなってしまうのか...

そしてそんな重厚な人間描写が繰り広げられるドラマの中、だんだんと面白キャラに振り切り始めているマスターこと黒介人の明日はどっちなのか。() 初期のミステリアスさが徐々に薄れていって、徐々に涼しい顔しながらめちゃくちゃ我の強い一面を滲ませる人みたいになっていってんの面白すぎるんだよな...w 激しい自己主張がデフォになってきてて草生えるんよ  井上大先生は元の介人のキャラがどんななのかは見ないようにと言われてて実際見てないながらもシンプルにマスターを気に入って出番増やしてきてるらしいが、はたして今後どう暴れていくやら(暴れる前提)

 

 

という感じで以上、ドンブラザーズおおよそ2〜3クール目感想でした。語ることはもうだいたい語り尽くしたので後はもう特に無いかな とりあえず、井上大先生やっぱすげぇなぁ...と今一度。

あと気になるところといえば、劇場版からの連動でTV本編にも登場し何やら気になる布石を残していったはるかの漫画の盗作疑惑の原因・椎名ナオキの存在。はるかとの共通を色んな部分で感じさせる描写がドン22話で多く出ていたので、実は未来から来たはるか本人なのではないか(何かに後悔し過去の自分の運命を変えようとしてる?)、なんて説も出たりしてて自分もそうなのかなと思っているところでありますが、はたしてこの怒涛の展開の中いつどのようにして明かされるやら。上記の説が正しいなら未来鬼になるんじゃないかとかも言われててそこも面白そうで気になる ともあれ大きな注目どころであるなと

まぁ長々話しましたがとっても面白いです暴太郎戦隊ドンブラザーズ。この先もガンガン盛り上がっていって欲しいですね 応援してます

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

一緒に紡ぐ笑顔

デリシャスパーティ♡プリキュア

第28話「コメコメの力をみんなに…!パーティキャンドルタクト!」

感想レビュー

 

 

プレシャス「ブラぺ、ありがとう!...あれ?あなた、どこかで...」

ワイ「やっとその段階かぁ!?」

もうブラぺ初めて出てからだいたい14、5話くらい経ったんすけど()  まぁ他のみんなも気づいてるわけではないんだけど幼馴染なんだしもっとこう...さぁ!!頑張れ拓海...

 

ナルシストルーが繰り出す更なる脅威・ゴッソリウバウゾーに立ち向かうプリキュア達の戦いを描いた今回のエピソード。強化回だぜ!!

ちなみに余談なんだけど、前作辺りからなんか若干恒例っぽくなりかけてる怪物枠のキャラの強化体に絶対とかごっそりとかとりあえず凄い副詞付けるタイプのちょいださのネーミング良いよね。w 程良く緩くて独特の風情がある

 

冒頭〜前半は前回の不穏なラストから早速ゴッソリウバウゾーが登場、その超パワーにみんなが圧倒・大敗して不安になる...という強化イベ前特有の絶望感ある流れが入り、これはけっこうシリアスになるかと思われたところでしたが、ここで全くめげないゆいの前向きさがみんなを激励し再起させ、重苦しい空気を一気に吹き飛ばしたのはめちゃくちゃ本作らしくて良かったところ。辛い時苦しい時は一緒に美味しいご飯を食べてまた前を向こう、とご飯は笑顔を常に地で行くゆいの圧倒的主人公力、頼もしすぎて最高でしたね  ピンチの時にめげずに率先してみんなを引っ張る、は主人公としてはお馴染みのアレだけど、近年のプリキュア作品比で見てもここまで一貫して折れねぇ曇らねぇは久々な気がするなぁ メンタルもフィジカルも最強なの無敵か?ここまで来ると最後の最後まで無敵メンタルと最強フィジカルを貫き通して作品を力強く牽引して欲しいわね 

 

しかしそうしてプリキュア達が再起しリベンジに燃える一方、彼女達の力になりたくて自分に秘められた力を引き出そうとするも何もできず苦悩するコメコメの姿がシリアスに描かれる一幕も。喋れるようになったり字を書けるようになったり色んなことが少しずつできるようになっても大事な時にみんなの助けになれないのが悔しい、大きくなったらなんでもできると思ってたのに、とできることが増える嬉しさと反面その分本当にやりたいことがまだできないもどかしさのギャップに思い悩む様がほんとに成長途上の子供のそれという感じで、見ていて凄く胸にくるものがありましたわね 今までの等身大の子供としての成長というところに沿った描写を積んできたからこその重みもあって良い深みが出ていた

けれどそうして自分をダメだと言って自虐するコメコメに対し、「たとえコメコメでも、あたしの大好きなコメコメをダメだなんて言うのは許さない!」とここ一番の圧でゆい/プレシャスがコメコメを叱咤しコメコメを勇気づけたのが熱いところでしたね。ゆいって(敵に怒ったりこそあるけど)意外と極端に語気を荒げたりってことが少ないキャラという印象もあったので、それが一番に飛び出るタイミングが、大切な友達が自分で自分を貶めた時ってのがなんか凄く重みと深みがあってグッときましたね...「誰であろうと」にコメコメ自身も含まれているという純粋さと真っ直ぐさよ

 

そしてゆいや仲間達の「コメコメと一緒に楽しい時間を過ごす幸せ、その幸せをまた過ごしたいと思う気持ちが力をくれる」という想いがコメコメを再び立ち上がらせ、そうして覚醒させた力で生まれた新技プリキュア・ライト・マイ・デリシャス」で困難を一緒に越える、この逆転の流れと文脈はストレートに熱く凄く燃えましたね コメコメが仲間として、友達として一緒にいてくれることこそが勇気や力になる、という、コメコメがゆい以外のみんなとも色んなことを経験し色んな幸せを知ってきたコメコメ成長編的な今までの流れの蓄積があったからこそ、コメコメの成長とみんなの絆の総決算の昇華として凄く沁みたなと。しっかり深めるところをグッと深めたからこその熱さがあり、構図や流れこそ割とシンプルだけど良い強化展開だった

 

かくして幾度もの敗北を経てもう完全に後の無くなったナルシストルーは、そんな時まで自身の悪辣な態度を曲げることがないまま身柄を押さえられることに。予感はあったけどやはり今回が敵幹部としての台頭の終わりだったね...
そんなナルシストルーの気になる背景・過去に関しても今回少しだけ描かれ、彼の心の内が少し分かったかな...という感じでもありました。直接的な言及こそほとんど無いので詳しくはまだこれから、というところであるけど、他のみんなと違う孤独感、馴染むことのできない疎外感を多くの人達が笑顔になる食事の団欒の場で独り味わったことによる捻れ、みたいなものが大きな影響を与えたっぽいなとは察せられましたね。そんな背景があるからこその「自分は誰とも交わらない/交われない」という気持ちや、「誰かの笑顔をぶっ壊したい」という鬱屈とした感情がないまぜになって、人を寄せ付けない露悪的な態度を決して曲げず、誰かを傷つけることばかりを考えてるのかもな...と。それを踏まえると、「投降しろ」と言ってきたフィナーレを敢えてジェントルーと呼んで「因縁があってムカついてるんだからさっさとやれよ」と煽ってた姿も物悲しいよなぁ...そうして曇らされたフィナーレも、寄り添うコメコメに応えて笑顔を取り戻し「みんなとご飯が食べたいな」と仲間達と一緒の幸せを望む姿を見せており、これが余計対比になってるのがまた 次回以降もまだ出番はあるっぽいけど、あまね会長辺りとの絡みでなんとか多少なりと救われて欲しくもあるが、どうなることか

 

 

以上、デパプリ第28話でした。遂に来た強化エピ、大きな盛り上がりとなるべき大事な回でしたが、今までのコメコメ周りの話をしっかりと昇華させてストレートに熱い展開を叩き込んでくれたので実に満足でしたね。良いパワーアップだった

本筋周りの方も、ナルシストルーの背景がより深掘りされたり、彼が抜けたブンドル団に動きが見られたりと、この先の展開がいっそう目が離せないところ。次回以降どうなってくのか

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

勝負だ浮世英寿!(フラグ

仮面ライダーギーツ

第3話「邂逅II:ゾンビ狩り」

感想レビュー

 

 

道長くん、英寿と並んで頭一つ飛び抜けて強いポジションなのに違いないんだろうし実際劇中でも強くてカッコいいんだけど、なんか既に英寿に鮮やかにかませられるポジションのかほりがほのかに漂ってきちゃうんだよな...

「アイツちんたらしてるし俺の勝ちだなコレ」みたいな態度とってたら見事に英寿にしてやられるという苦渋を味わわされた前回を経たのにまた英寿に「そんなハズレしか当ててないなんていよいよ命運尽きたなァ!!」とか言っちゃうの、また英寿にしてやられるフラグを自分で丁寧に立ててるようにしか見えないんすよ()

 

※「Live or die(仮面ライダーギーツ第2話『邂逅I:宝さがしと盗賊』 感想レビュー)」より抜粋

Live or die - AnDrew’s小生意気レビュー記

 

...案の定でしたね!!()高得点取ったらバックル総取りな!と勢い良く煽ったものの見事にしてやられて持っていかれてしまい目を逸らしちゃう道長くん...

英寿を煽れば煽るほどにしてやられるフラグが綺麗に立っていくのがマジで半ばテンプレ化していきそうで一種の芸術性さえ感じ始めてきたよ道長くん こんなコテコテのライバルキャラ凄く久々な感じするのでなんか安心するまである  まぁそれはそれとしてかませ的な場面ばっかなのもアレだしカッコいいとこもこれからじゃんじゃん見せておくれよ

 

今回もガンガン進んでいくデザイアグランプリの模様を描く的な内容のエピソードだったギーツですが、今回は英寿や道長、景和といった主だった面々以外のレギュラー陣にも色々スポットを当てていった回という感じでしたね。基本軽薄ながらも親や生まれといった自分を縛る動かしようのないもの(宿命?)への反抗心といった強い感情を仄かに覗かせ一つの軸を見せた祢音人助けもポイントになると知って打算ありきで襲われてる人を探したりと不謹慎スレスレなこと言ったりとお世辞にも真人間とは言えないけど、ノリが軽いのでどこか憎めずどう転ぶかまだまだ読みにくい小金屋さん馬を引っ掻き回す策士的なキャラかと思いきや、自分を不幸に貶める世界に対しけっこう闇深めなコンプレックスや苛烈な感情を抱いておりそれが世界を滅ぼさんとする危険な破滅願望になっているやべー一面を色濃く表した奏斗と、主だった面々の立ち位置や今後の掘り下げにまつわるキャラクター的な軸はこれで一通り窺えたかなと。特に奏斗は小賢しいKUSOGAKI止まりになるかなと思ってた面もあったので、コイツは勝たせちゃダメだ的な危険な存在としてデザイアグランプリどころか物語を大きくかき乱していきそうなのは楽しみですわね 何かの心変わりを起こしてキャラ的に大きく化けるか、はたまた破滅願望を抱えたまま悲劇的に散っていくかでどういう味を醸すかは大きく変わりそうだし注目したいところ

また英寿や道長といった面々に関しても、英寿は相手の願いそのものに関しては奏斗のような危険なもの含め否定することはしないスタンスを窺わせ道長もライバルとなる者のことを心配こそしないものの、弱いながらも戦いに食らいつき生き残っててきている祢音を「よく生き残ってきた」とその成果自体は讃えるフラットさを見せ、と多くの人間の願いが交錯しそれを叶えるために命を賭ける戦いに対するある種の真摯さみたいな部分を見せてきたのは面白かったところ。特に道長に関しては2話では「宿敵は浮世英寿ただ1人!それ以外のモブはどうせすぐ散っていくからいいや」みたいな雰囲気が濃かったので、そこからモブ扱いしてた祢音の生き残り自体はちゃんと評価したりと自分に酔った愚者というわけでないところが見えたのは良いバランス感ね(英寿にしてやられるポジションというだけでない矜持の提示にもなってカッコよかったし)。

そしてそんな様々な想いが交錯する中で、安定して一番ヒーローしてる景和のこれからの動向も依然気になるところ。打算抜きに人を助けるところにブレはなく、散っていったライダー達を救いたいとも考えている彼のいく先や如何に、という感じで。

 

あとはやっぱり戦闘面におけるアイテムの活用が今のところ巧みで楽しいのは良き。ハズレ扱いのアームドバックル関連もけっこう見応えある感じに見せてくれるからそれなりに面白いよね にしてもギーツの下にマグナムレイズバックルが全然渡る気配が無いのはほんと面白い采配だよなぁ 次回もバッファの方が使うみたいだし次に使うのはいつになるやら でもよくよく考えれば近年のライダーシリーズの序盤だって怒涛の販促ラッシュで派生形態にぽこぽこ変身することが多かった=通常フォームの活躍自体は必然的に抑えめになるパターンが多かったわけだし、そこから逆転の発想として「いっそ通常フォームの出番を極端に無くして販促対象のアイテムで変身するフォームの印象を強めよう」となった可能性もあるかもな、とも思ったり。この流れで焦らしに焦らしてから通常フォーム出したら相対的にプレミア感跳ね上がりそうだし、ここの活かし方はなかなか上手いかもなぁ 良い

 

 

以上、ギーツ第3話でした。グランプリのルールを小刻みに示したりキャラの軸をコンスタントに開示していったりと割と大人しめなくらいに手堅く進めてる感はあるけど、近年としては逆に新鮮で割と落ち着いて観れてるかもなという感じ。ここからどう跳ねてくかほんとにまだ想像もできないけど、新鮮な見せ方とかも色々あったりして楽しいしまだまだこれからだなと

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

支配する者 支える者

ウルトラマンデッカー

第10話「人と怪獣」

感想レビュー

 

 

ウルトラマンで使われたテレスドンのモノホンスーツがめちゃくちゃ劣化して別怪獣扱いとなったデットンが本編でセットだったサドラが、20年近い年月を経て黒ずみくったくたに劣化したスーツとなってネオメガスくんにボコされた亡骸として登場してるの、なんとも言えない風情がある 「お前もいずれくったくたになるって言ってんだよぉ!!」とはデットンくんの談(言ってない)

 

謎の怪獣ネオメガスを巡りGUTS SELECTが奔走する中で、カイザキ副隊長の背景や信条に深く迫っていく内容となっていた今回のエピソード。散発的で細かなフォーカスに留まってた副隊長のガッツリメイン回となって一気にキャラ的な深みが増したドラマ面もさることながら、ネオメガス周りがめちゃくちゃ良かったんですよねぇ今回...いやぁ観たかったテイストズバリって感じでした

 

カイザキ副隊長といえば、怪獣研究のエキスパートとして怪獣への対策を担う縁の下の力持ち的な立ち回りややり取りが目を惹くさり気なくも頼もしさのあるキャラクターとなっていましたが、今回はネオメガスの行方を追うための調査指揮を行う姿で怪獣研究の人としての頼れる様をより掘り下げつつ、かつて故郷が怪獣に襲われた経験から怪獣に立ち向かうために怪獣研究に携わるうち、人間が怪獣の出現を引き起こしている側面もあるという決して怪獣が悪というだけではない実態も知るようになっていった、という怪獣のエキスパートとしての真摯な信念の根幹となる背景や想いを描いたことで彼女個人のキャラ性をグッと深めてきたのが凄く良かったところでしたね(怪獣出現にまつわる話の中で「エタニティコアの活性化」というトリガー当時における要因がさり気なく話に挙がってたのが接続として程良くて何気に好きなところ)。コスモスやXといった怪獣との共生を主題にした作品で特に取り上げられることだけど、怪獣も生物であり動物である以上侵してはならないテリトリーや生態はあるわけであり、人間が不用意にそこを侵すのではあれば怪獣が人間の下に現れ牙を剥くのはさもありなんなんですよね...そのテリトリーや生態の在り方や形も怪獣それぞれによって違う故に、一概にみんな仲良くというのは簡単にはいかないし、現実の野生動物との共存にも通ずるけど難しい問題ですわね 「怪獣として」というのと同時に「生物・動物として」というところで彼らに向き合う者として副隊長がそこをしっかり理解してるとこが描かれたのが良き

 

またカイザキ副隊長は新生GUTS SELECTのナンバー2としてルーキー達を厳しくも優しく見守ったり、隊長と砕けた距離感で支え合ったりと他のメンバーをしっかり支える関係性も見応えあるキャラですが、そんな副隊長を今度は隊長やカナタ達が支える姿がたっぷり描かれてその辺がよりいっそう掘り下げられていたのがまた良きところでありました。根を詰める副隊長を心配しみんなが助言や励ましにやって来る、という構図こそ割とシンプルなものではあるけど、主要キャラ達のこういう細かなやり取りあってこそ彼らの信頼関係というのはグッと伝わってくるところであるし、何より副隊長は今までのエピソードの中でカナタ達のことをしっかり見守り時に明るく労ったりと細かなところで彼らを支える存在であることが強調されてたからこそ、ここでそんな彼女のことを心配して支えようとしてくるみんなの想いがより引き立ってるというのが良いんですよね。デッカーはやはり一朝一夕の派手なキャラの魅せ以上に、こういう地道なところからのキャラの積み上げをしっかりさせてるのが相変わらず巧みだよなぁ 「陣中見舞いです」と副隊長に缶コーヒー手渡すカナタや少し遅れて副隊長の下にやって来て照れ隠し的に誤魔化すソウマみたいなベタだけどここぞでハマると凄く味わいある演出もグッド

あとやっぱりムラホシ隊長とカイザキ副隊長の関係性は見ていて凄く安定感があって良きだなぁと今回改めて。隊長が何か間違ってたら副隊長がズバッと言うし、隊長の方もここぞで副隊長のことをちゃんと見ていて助言を送るしと、年長者同士の強い信頼がしっかり完成されてるのは見ていてとても気持ち良いですねぇ 言いたいことしっかり言い合える砕けた雰囲気が築かれてるの凄く良いよね 序盤からとても深みがあって好きなポイントなんだけど今回も副隊長周りを固める上で良い描写になってたなぁ

 

そして今回のもう一つの見所・新創獣ネオメガス周りの展開、こちらもめちゃくちゃ面白かったところでありましたね。ダイナを代表する怪獣の一角であるネオザルスをガッツリオマージュした怪獣ということで、そのバカカッコ良いビジュアルも相まって今回の話の放送前から期待値はかなり高かったのですが、狂気の科学者と化したシゲナガ博士のクローン技術により生み出され、怪獣兵器としてコントロールされる存在という、原典ネオザルスの設定を想像以上に色濃く踏襲し良いドラマ性へと昇華させた怪獣に仕上がっていてとても満足度高しでしたね。地下でチューブに繋がれ、狂気の科学者の叫びと共に地上へ上昇していきその力を見せつける人造怪獣とかいう絵面を令和の世に見られる幸福たるや...という感じですよ  あの地下施設の薄暗く無機質な雰囲気の中怪獣が鎮座する絵面の威圧感、昔めちゃくちゃ見たやつすぎてマジ感動でしたわね...デザインも元のネオザルスの超かっぴょ良いデザインを上手くリブートしていて、令和の世に降り立った新たな王道スタイルの怪獣の1体としてめちゃイカしてて良さしかなかったすね スーツはグルジオの改造みたいで、顔とかにかなり名残はあるけどそれが気にならないレベルの素晴らしいアレンジで感服よ シゲナガ博士が偶然発見した怪獣が素体となっている」という点もネオザルスの設定を踏襲したものだったけど、素体となった怪獣のビジュアルが鮮明でないことで「もしかしたらあの怪獣は別宇宙から飛来してきたグルジオだったのかも...」的な改造元との共通が視聴者各人の想像に委ねられるレベルで示される形になってるのも良い塩梅の遊び心で好き

そんなネオメガスを語る上で欠かせない存在たる、カイザキ副隊長の元恩師でもあるシゲナガ博士の存在感も今回のエピソードにおいて実に強烈でありました。ダイナのオオトモ博士に負けず劣らずの狂気を醸した野村さんの演技のインパクト(涼しげに自論を説く姿とネオメガスを煽る時の異様な高揚の緩急がこえーのよな)もさることながら、怪獣を完全に制御し支配することこそが正しいと説く狂気に囚われた姿が、理想論ながらも怪獣を正しく理解し少しでも良い形を探し続けていくことが必要と説くカイザキ副隊長の信念との対立構図を強力に打ち出していたのがドラマ面を凄く良く引き締めていたのがとても面白かったですね。怪獣のことを知っていくうちその圧倒的な力に恐怖し怪獣を制御し支配することを是とするようになった、というシゲナガ博士のあのキャラ性は、怪獣の恐怖を一度味わいながらも、怪獣を知っていくうち人間と怪獣がどのように付き合っていくべきかのより良い形をもっと探していくようになったカイザキ副隊長の哀れなネガそのものであり、そんな2人がそれぞれネオメガスとデッカーの手の上で睨み合い対峙する構図は、そんな2人の鏡写しな対比を投影したドラマ的な文脈がバシバシ乗っていて、「共に信頼し合い支え合う存在であるウルトラマンと副隊長」「制御し支配する者とされる者の関係である怪獣とシゲナガ博士」的な更なる対比も相まって凄くグッときたところでした。ほんとここ最近でも一番と言って良いくらいに強力な演出の巧みさを感じられたところであり、改めてデッカーという作品の文芸面のパワーに痺れましたねぇ

 

からのデッカーvsネオメガスの戦闘パート。原典のネオザルスからして強力な怪獣という印象が色濃くあったので、そこのインパクトをネオメガスはきちんと踏襲できるだろうかという声も放送前は少し見かけてましたが、そんな心配など杞憂と言わんばかりの、デッカーを凄まじく圧倒するネオメガスのパワフルなバトルが見応え満点な素晴らしいバトルになっていてここは大満足でしたね。シゲナガ博士の制御が無くなると共にタガが外れたかのようにアクションがよりスピード感と迫力のあるものになっていく演出も獰猛さを強く印象づけていてめちゃくちゃ恐ろしく、1匹の強豪クラス怪獣としても偉大な原典の名を背負う怪獣としても全く恥じない名バウトを見せてくれてとても良きでした デッカーの攻撃を的確に捌くさり気ないテクニカルさ、倒れた状態からデュアルソードで防御したデッカーを後方へ押し出していくパワフルな熱線の演出、押さえ込まれた状態からセルジェンド光線発射に移ったデッカーのモーションに即対応し熱線で応戦する機敏さと、ネオザルスに全く負けてない破格すぎる強さを見せつけてくれて怪獣クラスタの男としては超アガりましたね...トドメの一撃をかまされ崩壊状態になってなおデッカーの肩に食らいつき持っていこうとするタフネスと執念で倒される直前にさえ格を見せつけてくるのヤバすぎたよね その分デュアルソードの活躍がちょっとしょっぱくなったのは惜しいところであったが(前回がサポートメインだったのもあってデッカーの使用時の活躍がまだちょっとパッとしないだけに余計にね)。個人的には武器戦闘よりステゴロが多いのが全然良いのだけどやっぱあるなら使った方が良いし販促もじゃんじゃんやった方が良いと思うじゃんよ!?

 

しかしデッカーの方もそんなネオメガスのインパクトには負けてなかったのが今回また良かったところ。デッカーとガッツホークの合体形態とかいう予想外すぎる特大の魅せをかましてきたのにはたまげましたねぇ 火の鳥じみた登場がかっちょ良すぎるのよ 玩具でもバッチリ再現可能というのがニクい こんなん子供はじゃんじゃん真似しちゃうよ

このホークデッカー(仮)、ウルトラマンと戦闘機の合身というありそうでなかった新規軸の魅せのインパクトもさることながら、シゲナガ博士とネオメガスの支配する/される関係へのカウンターとなる支え合う戦う姿という文脈があるのも熱いし、何よりカナタ/デッカーとのバディとしての深みある熱い関係性をHANE2が見せつけてくる流れがあったのが最高に痺れましたね...!デッカーの危機にカナタの名を叫びながらホークで飛び込んで救い出す姿「俺が避ける!お前は真っ直ぐ前だけ見てろォ!!」と言ってネオメガスの攻撃を回避しながらデッカーのフィニッシュへ繋ぐ立ち回り、ともうこれ完全に最高のバディすぎるんだよな...ずっとべったりってわけじゃないけどこういうここぞでバディに相応しいところを最大パワーで見せてくるのもう感服せざるを得ないんすよ 他キャラの掘り下げもやりつつこういうところもバランス良く印象づけてるのほんと強い...

そしてラスト、連行されていくシゲナガ博士へ「共存なんて大それたことは考えていないし自分にはできないかもしれないが、争いを避けより多くの命を救う道をこれからも探し続ける」「今は無理でも人間はいつか必ず答えを見つける」とカイザキ副隊長が想いを説く形で締めへ。理想論かもしれないけれど確かな想いを持って人間として怪獣と向き合い続ける信念を示した姿がカッコよかったね シゲナガ博士は最後まで「完全に滅ぼすか、支配するか、どちらかを為すまで人間と怪獣の戦いは終わらない」という想いを変えないままだったのが切なかったが...(すれ違ったままに終わるビターな締めがなんとも言えなかったね)  ダイナにおけるネオザルスの回に登場したオオトモ博士が「怪獣との共存を謳い研究をしているもののその実怪獣を支配することばかりが主になっており、その傲慢の末に自身が生み出したネオザルスに滅ぼされる」というキャラ性をしてたのを思うと、シゲナガ博士は「怪獣の制御にこそ成功したけど、その制御を絶対として怪獣を縛りつけ支配するという更なる傲慢と狂気を露骨に表すようになってしまった者」というオオトモ博士の闇を別のルートで更に深めた存在と言えるし、逆にカイザキ副隊長は「人間の傲慢に囚われることなく怪獣にも真剣に向き合い、人間としてのより良い在り方も追い求めようとしていく者」というオオトモ博士の鏡写し的な部分も有しているとも言えるしと、この両者がオオトモ博士の持つキャラ性の巧みな分解と再構成でできてるようにも思うのでそこもまた見事。ほんとダイナの要素のオマージュが上手すぎるよな...

と、ネオメガスの一件は終わったように見えるけど、玩具情報で知っての通りネオメガスの因縁はまだもうちょっとだけ続くんじゃ案件なんですよね...“あの怪獣”の発売タイミング的にもどうも“あの怪獣”は折り返し前の中ボスみたいだしなぁ  今回の描写からしてネオメガスの強さが折り紙付きなのは見ての通りだからボスキャラとしても申し分無いし、シゲナガ博士のパトロンや回収したネオメガス細胞という布石も残しててお膳立てはバッチリだから登場も盛り上がること間違いなしだしね デッカーをマジに追い詰めたりとあれだけ強力だったネオメガスがまた来るの恐ろしすぎる... 
シゲナガ博士に関してももしかしたら今後また出てくる可能性はなきにしもあらずだし(凄く存在感あるキャラだからまた出て欲しいのもあるけど、ダイナベースの本作的に、終盤にもしかしたらあるやもしれないF計画的な何かに関わってこないとは言い切れないのよね)、まだまだ因縁は終わらないかもしれない...コワイ

 

 

以上、デッカー第10話でした。カイザキ副隊長メイン回というところを軸に彼女のキャラを多角的により深掘りしつつも、ダイナのネオザルス回の要素の換骨奪胎が見事なドラマも非常に面白いとても素晴らしいエピでした。平成シリーズ好きにはたまらない構図や演出、ニュージェネならではの新鮮な魅せのどちらもガッツリ味わえたし、ほんと最高にアガったね...次回も新たな要素の登場でまだまだ波乱が起きそうだし、まだまだ期待できるぜデッカー

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

違いは間違いじゃない(Don't Boo!ドンブラザ-ズ

デリシャスパーティ♡プリキュア

第27話「コメコメ大変化!?らんのハッピー計画」

感想レビュー

 

 

あまね会長の「ほわちゃー」いただきました サンキュ-デパプリ   

ニチアサでほぼ毎週色んな茅野さんの演技を楽しめている今、改めて超絶幸せである

 

今回はコメコメとの光流を主軸にしたらんらん主役回。らんらんの独特の表現力とその描写が勢い良かったのでてっきり山岡さん回かと思ったけど伊藤さん回でした。コメコメのフルネームや「2世」表記にやたら触れてくるとことか絶対山岡さんだと思ったんだがな...尖った描写や演出あったらとりあえず山岡さんだと思うのやめろ(

 

今回は最近やけにピックアップされることの増えたらんらん発明家キャラ(他の人も言ってるけどこの設定一番最初の方にちょろっと出ただけだからもう若干忘れてたんだよな)を主題にしたコミカルテイストの話になるのかなと思っていたのですが、どちらかというとコメコメメインの話になっていったので正直ちょっと面食らったというのが本音。話のテーマとしても割とポップそうな雰囲気からそこそこデリケートなとこにグッとシフトした感があったのでそこはちょっと上手いこと馴染ませて欲しかったなーとも

まぁそれはそれとして、話自体は最近のデパプリらしく教育的なメッセージをしっかり込めたものになってて良い味わいで面白かったなと。コメコメが最近色んな経験を経て成長してきたのになぞらえて、自分に生えてる耳や尻尾が他の子と違うことを意識し始めて悩むという自意識の成長みたいなところを主題にしたエピになっており、成長して他人との違いに敏感になったりと多感になる子供の感性に寄り添った内容の繊細さがとても良きところでありました。そんなコメコメと同じように以前他の子と違う自分の変わった一面に悩んで沈んだことのあったらんらんが関わってきて、「変と思う人もいれば良いと思う人もいる」「自分の変わったところを変えるより、自分が自分の変わったところをもっと好きになればもっと楽しくなる」とズバリなところをしっかり指し示してくれる頼もしい姿でコメコメの心を大きく成長させる様にらんらんの成長が見えたのも良い接続でグッときたね  同期のニチアサ組がEDでも言ってるように「違いは間違いじゃない」わけで、らんらんやらんらんの弟や妹みたいにコメコメの違うところに寄り添って好きになってくれる人達と一緒にその違いをもっと好きになっていくことこそが大事なのよ

てか今回の話で気付いたけど、最近の教育的メッセージ濃いめな作劇の連続はそれこそコメコメをグッと成長させるための導線、且つバディやってるゆい以外のメンバーとの絆を深める的な意味合いのものだったんやね プリキュアの強化がガッツリ絡んできそうな次回の話にもコメコメの存在は重要になってきそうだし、そこを劇的にする上での布石という感じで けっこう丁寧に色々仕込んできた感じなのでここが次回どう跳ねるか楽しみすね

 

一方、本筋の方ではナルシストルーがようやっと本腰を上げ、という感じで動き出し次回に引きを作る締めに。そろそろ寿命かな(酷

それはともかく、今回はそんなナルシストルーの背景に関して、彼が生み出したスピリットルーを通じて迫るような描写があったのが気になるところ。スピリットルーといえば、最初はロボット故に食事が必要ないので食事自体を無駄と考えているであろうといった冷たい一面が目立ってたものの、次第に無邪気・純粋であるが故の悪気ない残酷さも見えてきたりと、ある種の子供っぽさが感じられていたのがキャラ性として目を惹くところになっていたのですが、今回そんな彼の「好き嫌いが多い」「料理・食事に良い思い出が無い」という部分について、彼を作ったナルシストルーの性格・主義が基になったのではないかと触れてきたことによって、色々腑に落ちそうなものがあったというかなんというか、って感じだったんですよね。要するに、子供の頃に嫌いなものを食べさせられたりとかで料理や食事自体に良い思い出の無かったナルシストルーが色々歪んでああなってしまったんじゃないかとか、そんな彼の子供の頃のトラウマ・嫌な思い出が色濃く反映され、ある種の無邪気な残酷さを含んだ幼児性となって形成されたのがスピリットルーの性格なんじゃないかとか...これはなかなか重要な要素な気がしますねぇ 何にせよ次回はナルシストルーの背景にいっそう迫る何かがありそうな気がするし、そこに注目ですね そしてナルシストルーに厄介払いされそうな雰囲気を醸してきてしまっているスピリットルーくんの命運や如何に

 

 

以上、デパプリ第27話でした。コメコメの成長を促す意味合いで連続していたであろうメッセージ性濃いめな作劇が今回も良い感じにハマって安定の面白さでした。らんらんが良いファクターになってたのも良き この集大成になるであろう次回のエピがどう仕上がるかも楽しみですね そしてナルシストルーが絡む形で本筋もいよいよ大きく動くかな?というところでここも注目どころ。彼の背景により深く切り込んでいくと良いなぁと

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

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ではまた

Live or die

仮面ライダーギーツ

第2話「邂逅Ⅰ:宝さがしと盗賊」

感想レビュー

 

 

道長くん、英寿と並んで頭一つ飛び抜けて強いポジションなのに違いないんだろうし実際劇中でも強くてカッコいいんだけど、なんか既に英寿に鮮やかにかませられるポジションのかほりがほのかに漂ってきちゃうんだよな...「アイツちんたらしてるし俺の勝ちだなコレ」みたいな態度とってたら見事に英寿にしてやられるという苦渋を味わわされた前回を経たのにまた英寿に「そんなハズレしか当ててないなんていよいよ命運尽きたなァ!!」とか言っちゃうの、また英寿にしてやられるフラグを自分で丁寧に立ててるようにしか見えないんすよ() 新規参戦者の壁として強烈な存在感を示してくとこにはなってくだろうけど、英寿相手には一歩及ばない、みたいなのが板に付いてしまいそうである ライバルポジとしての存在感をグッと固めるなら今のうちだから頑張れよ道長くん...

 

さてギーツ第2話、初回を飾った前回に続き序盤の重要な地固めを担うエピソードとなりましたが、今回も諸要素を上手いこと見せながら良い感じに盛り上がりを作ってて面白かったですね。「序盤だしまぁまだ面白いよね」的な警戒心が抜けない辺り我ながらだいぶ重症だなという感じではあるのですが...バイスくん聞いてる()  まぁそれ抜きにしてシンプルに体感として語るならばほんとにしっかり面白いですよ 期待値の上げ方を令ラ前3作とはまた違った感じにしてきてて新鮮

 

まず一番におっとなったのはやはり、前回に引き続いてライダーの退場/死にしっかりと重みを付与する姿勢が窺えたことですね。やっぱりライダーになる人間は復活の対象にはなり得なかったな...最近は多人数ライダーがザラになって退場するキャラが出てもマジにしっかり退場させることはほぼ無くなった分退場イベントが起きても内心「いつ復活するのかな」的な観念の方が先行してそこまでしんみりしないみたいな面があったというのが正直なところであって、それが良し悪し両方の側面はありつつもやはり緊張感には欠けるところであったので、そこにおいて本作は、人の良さ等が目を惹いて好きになってきたところでガッツリ退場となった前回の豪徳寺さん守るべきものや戦う理由をしっかり見据えていて必死に生きて戦い抜こうとする姿が心を打った今回の平さんと、たとえどんな人間であろうと等しく散る時は散るのだ、というところをライダーになるキャラを通じて容赦なく作品の方向性として描き印象付けることでこれまでと違う味付けをガッと刻み込んだのは好感。ストーリー全体の緊張感やキャラクターへの入れ込み度が一気に上がりましたね

まぁ身も蓋もなくメタ的なところを言ってしまうと豪徳寺さんも平さんもそういう役割ありきのモブキャラ(とは言わずとも準メインくらいだろうなと分かるキャラ)ではあるのでメイン級のキャラ達がその限りになるかは分からないのですが、その上で豪徳寺さんにも平さんにも単なるモブに収まらないキャラ性もきちんと短い間にスパッと示し、その死を我々視聴者にとっても「惜しまれること/辛いこと」としたことでしっかり重みを与え、単なる役割ありきなだけという印象にとどめなかったのは作り手としてのケジメや責任も感じられたし、この辺の取り回しのバランスも実に良きでしたね。この辺は割と同じバトルロイヤル括りの龍騎のテイストを上手く踏襲し活かしてるのを感じるので今後の膨らませ方に期待が高まる

 

あと玩具絡みの劇中アイテムのストーリーに乗せたスムーズで小気味良い繰り出し方も個人的にはかなり面白くて目を惹かれたところ。敵がドロップしたアイテムを回収し自分のものとして使用する、という設定を基本として示したことにより、わざわざそれっぽいイベント等のお膳立てをせずともアイテムが自然に必要なタイミングでポンポン出しやすい土壌を作ったのは序盤のアイテム販促ラッシュを乗りこなす上で上手いところであったし、何より誰がどのアイテムをいつ手にしてもおかしくはないというシチュエーションにしたことによるライダーとアイテムの組み合わせのランダム性・シャッフル感の高さをこの序盤からガッツリ面白さとして示してきたのにはかなり唸ったんですよねぇ。作品の顔とも言えるギーツの基本フォーム感のあるマグナムフォームになるのに必要なマグナムレイズバックルを2話目にして他ライダー行きにして、モブライダーに適当にあてがっておく使い方が普通であろうアームズ系のレイズバックルを現状ギーツが自由に使えるアイテムとして配置した状態で2話目を締め括るという思い切りの良さはなかなか(バッファがゾンビレイズバックルを既にしれっとものにしてたりレアアイテムじみたポジションのブーストレイズバックルがなんだかんだでまた英寿の下に渡ってたりとある種の巡り合わせみたいなもので特定のアイテムを特定のライダーの下に行き渡らせるお約束自体は当然設けていそうだけど、ゾンビも次回ギーツに奪られそうだしブーストは固定で誰かの手元に残ることはないのは確定してるしと、その辺のお約束も現状確実に固まってるわけではないというバランス感がまた良いんですよね。マグナムだって次回ギーツがなってなさそうなのを見るにいつまたギーツが変身するか分からないしね)

やっぱり番組の顔とも言える基本フォームの存在にガッと切り込んでまでアイテム所持のランダム性を高めるというのは玩具の遊びの幅を演出として魅せる上では大正解とはいえけっこう攻めてる感じはある(鎧武でも他ライダーのロックシードを使ったアームズチェンジは鎧武がバロンから借りたバナナを使った時とか劇場版の一時離脱ライダーのロックシードを使った時とか余程の例外がないとやらないってくらい滅多になくてどのライダーも基本フォーム・派生形態は基本固定だったし、強いて言えばメダルの種類/変身できるフォームの無規則な増減でハラハラさせたり終盤で基本フォームのタトバになれない期間が長く訪れたりしてたオーズがまぁ取り組みとしては近しいことしてたかなという感じだったけどやっぱりタトバ出さない期間自体は販促の緩まった終盤だったりとある程度揺らがせないようにはしてた感あったし)ので、本作はこの辺是非行けるとこまで行ってみて欲しいですね。アームズ系のレイズバックルでもなんだかんだで見事に立ち回る英寿/ギーツの巧みさとか、特定のバックルが特定のライダーのところへ渡っていく巡り合わせの強さとか、その辺の自主的な制約も面白く取り回せそうな諸要素は多いので割と期待して良さそうだし楽しみ

てかよく考えたらさっき前例に挙げたオーズも鎧武もギーツと同じ武部P主導作品ですね その辺のノウハウガッツリ活きそうだしやっぱりある程度期待して良いかも

 

そして後はなんと言っても高橋さんが描く癖強めなキャラクター達の立ち回りとこれからに対しての期待感に関してもかなり楽しみになるものは多かったなと。特に前回に続き今回もやはり利己性強めな俺様キャラといった趣の強さを見せつけ、近年の主人公ライダーとしてはだいぶ異質な感じをより際立たせた一方、息子の病気を治すという願いを叶えられないまま退場していった平さんに対しては家族に匿名で寄付金を与えて手術をさせたりとある種の責任を持つような行動を見せる、といった感じでまだ一概にこういう奴だと語らせないような振る舞いを視聴者に見せ続けた英寿の存在は一番に気になるところで、まぁ主人公なんだしそこまで露骨に拒否感出るとこばかりは見せないよなというメタ的な読みはあったとはいえ、前回みたいなしれっと人を助ける一面を見せるとかでなく、割とがっつり分かりやすい善行をこんな早期に見せてきたのはちょっと意外だったなという感じ。見せるにしてももっと先な気がしてた  とはいえその行動や心のうちを誰にも見せてない(視聴者的にも行動が見えてただけで何考えてるかは不明)というところはまだまだ謎というか、今後の展開を牽引する重要な部分(そもそも主義や目的、背景すら不明だしな)なので注目すべきポイントであるなと感じますね。ていうか「本人が意図的に語らない」というところでここまで謎めいた主人公自体だいぶ珍しいというか久々なのでどう取り回すかがもう楽しみね

一方、そんな英寿に代わって大衆的な主人公・ヒーロー感を担う存在である景和の今後も気になるところで、平凡と思ってた世界の裏で起きていた波乱や、その中で繰り広げられていた戦い、人/ライダーの死といったシビアさを当事者として目にしたことで、元々抱いていた「世界の平和」という望みをいっそう強くした感があったけど、これから彼がどう打ちひしがれていくのか、どうヒーローとして成長していくのか、みたいなところはだいぶ見所ですね。過去作の傾向的に言えば景和の行く道はヒーローとしてみんなの平和を望む道を貫くか、はたまた他でもない「自分自身」を主体とする望みを得る方へ変わっていくかだと思う(景和の望みは他の人も言ってたように、立派だけど自分自身を主体として渇望するようなものがないとも言えるので)んだけど、本作はそこを色んなキャラとの絡みを経てどう着地させていくかだね

フラギイ on Twitter: "タヌキさん、世界平和といえば立派だが言いかえると個人で変えたい切迫した問題はない、恵まれた人間なんだよな" / Twitter

他のキャラに関してはまだまだ読めないところが多い(祢音によく絡む気の良いおじさん感のあるメリー/小金屋さんが今後ずっと祢音の味方でいるのか、はたまたテイ良く尻尾切りするのかが割と気になる方)ので、この辺も見守っていきたいすね

 

 

以上、ギーツ第2話でした。最近のシリーズとは割と明確にガッと見所を転換させてきた印象のある盛り上げもあってこの序盤2話はなかなか上々な滑り出し。けっこう普通に楽しめていてそこはまぁ純粋な体感として良しですね。一方でここからどう化けていくかは良くも悪くも読みきれないのでまだ見守っていきたいところだなぁと バトルロイヤルとしてのシビアさとか、巧や天道じみた意図的に自分の背景とかを見せない主人公感ある英寿とか、平成1期じみた味わいを感じるのは楽しみなんだけど、平成シリーズ感あって良いかもと期待してたリバイスにしてやられた過去があるだけにちょっと恐る恐るなんすよね まぁ何はともあれポテンシャルは感じるので、どうか今度こそ舞って欲しいな 切に

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

パパは夢追いチャンピオン

ウルトラマンデッカー

第9話「誰がための勇姿」

感想レビュー

 

 

みんなが言ってて気付いたけど、デッカーくんしれっとストロングとミラクルを自由に行き来できるんすね...ダイナはどっちかになったらもう一方にはなれないのにズルくなぁい??? まぁダイナはストロングもミラクルも特定のステータスにめちゃくちゃに特化しててこの2フォームを行き来できちゃうと便利すぎるんだけどな

 

宇宙最強の格闘チャンピオン・グレゴール人グレースとその娘ミカの家族模様を描く今回にエピソード。モンスアーガーに続きグレゴール人、しかも次回はネオザルスオマージュのネオメガスが登場と、ダイナ怪獣の復刻・リブートが手厚くて私はうっ、嬉しい...ニュージェネシリーズで度々出てるレジェンド怪獣の中にもダイナ怪獣は全然いなかったし今の流れは嬉しいことですよ

 

グレゴール人といえば「自身の力を示し宇宙一の格闘家を目指す戦士」という設定でお馴染みなキャラクターでありますが、今回登場のグレースは宇宙の格闘技チャンピオン的な技を魅せる戦いを得意とするプロレスラーキャラとしてその辺の設定を絶妙なアレンジにしつつ踏襲してきたのがまず面白かったところでしたね。初代よろしく剣で囲って作るリングを用意してわざわざ舞台を整えてたりする辺り、形はどうあれグレゴール人は見せる/魅せる戦いが好きみたいなとこが意識されてるのかもしれない

それでいてグレースの更に面白いポイントは、父である自分のことを誇りに思ってくれている愛娘のミカがいるというところで、大切に思っている家族・守るべき存在として彼女がいることによって上述の魅せる戦いが「娘の誇ってくれている強い格闘家としての自身の姿を力強く示すための戦い」としてカッコよく輝いているのが凄く良かったなぁと。この辺は守るべきものや仲間の存在の尊さ・そこから生まれる力を最初理解していなかった初代グレゴール人とは明確に対比となる、守るべき存在・そのために自分が強くあるべき存在である大切な家族がいるからこそ強い男、というキャラ性をグレースに付与していて、元のグレゴール人が持つキャラ性や要素を上手いこと換骨奪胎し新たな魅力に昇華した素晴らしいキャラメイクだったなと感じますね。「絶望の3カウントを始めろ!」のキラーワードをはじめとした悪役レスラーじみた台詞回しでよく喋るキャラの濃さも際立つけど、その中にこういった温かみある人間味みたいなものが光ってるのがキャラとして魅力的で良いんですよね  GUTS SELECTの面々のチームワークを純粋に称えたり、デッカーのピンチを見て勝負を捨ててでも助けに入ったりと、根っこの部分の潔さや誇り高さが初代との近しさを感じてグッとくるのも良いし、グレゴール人の一番の目玉要素とも言えるニセウルトラマンへの変身、を敢えて入れ込まない詰め込まなさも良いバランスで粋だしと、モンスアーガーもそうだったけどデッカーにおけるダイナ怪獣は原典の要素を程良く活かしたリファインやオリジナリティの付与が見事で唸るね...

 

今回はそんなグレースがカナタやGUTS SELECTの面々との邂逅を経て格闘チャンピオンとしての夢の熱を思い出していくという、グレースをしっかりと主軸に据えた「夢を再び追いかける」話になっていたのが凄く面白かったところ。スフィアのせいで地球から出られなくなり、今までの格闘家人生から離れたそこの生活に慣れようと頑張るうちどこか気力を欠いたような性格になっていたグレースが、レッドキングとの戦いで多くの人々の歓声を再び浴びたこと、そして自分のことを自慢の父として誇りに思いまた立ち上がって欲しいと願う娘の想いを受けそれに応えたいと思うようになったことを通じ、弱りきって長くない身体を押してでも娘の想いに応えるためにもう一度格闘家として立ち上がるという再起の物語が凄くグッときてこちらも熱い気持ちになれるんですよねぇ。ミカの無茶を咎めたりと良い人なのは窺えるけど最初の方はどこか空気の抜けたくたびれたおじさん感も否めなかったグレースが、次第に覇気のある力強い雰囲気を纏っていくのが熱い 中村さんの味のある演技がとてもハマっていたわね

何よりこのグレースの「スフィアの影響で自由に追いかけられなくなった夢をもう一度追いかける」という流れは、まさしくデッカーのテーマの濃い部分の一つであり、そこを手堅くグッと掘り下げてきてたのが見事なんですよね この作品ならではの部分をブレさせない丁寧な話作りはまさしくデッカーって感じで、前回前々回がやっぱ別作品の色と味が濃かったのもあって凄く安心するし面白かったです

 

それでいて、このグレースミカ親子の温かく沁みる家族模様を通じて、色んな人々のこういう小さな幸せを守ることこそが使命なのだと再確認する流れを通じ、GUTS SELECTおよびカナタの戦いへの指針や想いを一つグッと深めてきたのがまた見事。「カナタの戦う理由」という部分は前回前々回で色々視聴者間で取り沙汰された部分であったけど、今回のこの作劇はその辺のテーマを前回の流れを踏まえた上でデッカーの本筋の流れにスッと接続させ「仲間達をはじめとした色んな人達との交流を経てカナタが『自分が守るものとは一体何か?』を今一度見つめ実感していくんだろうな」という感じで飲み込みやすくした凄く良い味わいの作劇だったなぁと思うんですよね。やはりカナタ自身はもう戦う指針自体を得ていると思うし、ここからはそれを改めて自分の中に答えとして刻み込んでいくフェーズなのかなと

またムラホシ隊長がこの辺の作劇に深く関わったことで、「小さな幸せを守る」という想いを上司としてカナタに示しただけでなく、この想いがGUTS SELECTというチーム全体の想いであることをさり気なくもしっかり印象付けたのも上手かったなぁと。グレースミカ親子に寄り添いグレースの父としての想いを受け止めたり、戦いの中で彼の覚悟を買い決意の一撃を放ったりと、グレースとの大人同士の深みある会話も凄く良かったし、何気に隊長のキャラもいっそう深まった感がありますね。エリーの回で言ってた「スフィアの被害を受けたもの同士助け合おう」にも掛かって一貫性あるしね  この作劇面キャラ面両方においての隙の無さがデッカーの好きなところなんすよ ただただ感嘆するばかり

 

戦闘シーンに関しても、巨大特撮の妙味が光る演出やディメンションカード怪獣の召喚を短いながらも入れ込んだりと見所の多かった最初のグレースvsレッドキング戦、GUTS SELECTの隊員や戦闘機の活躍もカッコよく描いたGUTS SELECTvsグレースの試合、本当に赤くなっちゃったレッドキングことスフィアレッドキングを交えながらデッカーもグレースもパワフルに立ち回った終盤の戦闘と、全体的にウルトラマン・怪獣・サポートキャラ・ゲストキャラ・防衛チーム・戦闘機がどれもかなりバランス良く活躍したものとなっていて総じてとても見応えアリで良き。強いて言えばデッカーの初めてのデュアルソード使用がサポートメインの使い方だったのはせっかくのデビューとしては勿体なかったかなというところですが、まぁこの辺はグレースを引き立たせる上での良し悪しという感じでまぁ納得できるし、何よりデッカーのステゴロがまだまだ見られたのでプラマイで言うと全然問題なしすね ディメンションカード怪獣の力を使っての3怪獣揃い踏みの絵面は面白かったしね

にしても今回坂本監督の登板回ということで、監督の作風がどう跳ねるだろうかと正直ちょっと身構えた部分もあったのですが、割とデッカー本来のテイストをしっかり踏まえる方向に振っていてくれた感があったのでけっこう自然体で楽しめたなと。むしろ「あれ、なんか監督今日けっこう大人しくない?」と思ったまである グレースとの試合が決まってからの特訓描写とかはあぁいつもの坂本監督だなという感じだったので程良くというとこではあったが。w 前回前々回をトリガー色強めにした分今回は抑えめに徹したのかしらね まぁ元より客演とかが絡んだりとかではない純粋なサブ登板の時とかはそこまでガンガン暴れてる印象ないし、作品のディレクション自体にはしっかり応えられるのかもね

トリガーといえば、ちょっとしたポイントではあるのだけど、グレースが元々地球に来てた理由が「超古代の光の巨人(トリガー)への格闘チャンピオンとしての挑戦のためだった、っていうところのさり気ない接続は世界観共通の二作の関連の活かし方としてかなり理想形で良かったなーなどと思ったところ。来た頃にはもうすっかり平和になってて、帰ろうと思ったらスフィアが色々やらかして〜としたのも理屈付けとして巧み  「トリガー」という直接的なワードを用いず且つ口頭の開示で分かるレベルに収めるくらいの塩梅だったのもくどすぎずという感じで好みだったし、こういう感じの接続は今後もじゃんじゃんやって欲しいなーと

 

そしてラストの方のシーンにおいて、ガッツグリフォンの兵装がスフィアに有効とわかったことを受け、アサカゲさんが新たな戦力の存在を匂わせ...というところで締め。新たな戦力は言わずもがなこの前解禁されたテラなフェイザー的なやつだろうけど、なんかこの辺の演出が新戦略投入への期待感よりも不穏さを煽る感じのものだったような気がしたのはちょっと怖いぞ...!元々テラなフェイザー自体モチーフがアレなので戦々恐々という感じだし  アサカゲさん久々の登場でちょっと不穏なものを残してったけどやめてくださいね?() あの表情はマッドサイエンティスト的なアレというより無邪気な笑顔という印象だったのでアサカゲさん自身は何かやらかしたりはしないだろうけども 意外とああいう笑顔よく見せるの良いよねアサカゲさん

 

 

以上、デッカー第9話でした。ダイナ怪獣のメジャーどころの1人であるグレゴール人を踏襲とリファインを上手く取り入れる形で盛り上げたグレースが凄く魅力的で、且つそこの取り回しにデッカーという作品のテーマや今後の指針もしっかり織り込むという丁寧な作劇に感心しっぱなしなエピソードでした。前回前々回の客演エピから引き続いての登板となった坂本監督も意外と良い取り回しをしてデッカー本筋の流れに上手く引き継いでくれたなと思うし、なかなか面白かったですね ここからの盛り上がりも今一度楽しみですよデッカー

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

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ではまた