AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

時を越えてカナタへ

ウルトラマンデッカー

第25話「彼方の光」

感想レビュー

 

 

ドン・フィナーレアンドリュー on Twitter: "[告知] 「ウルトラマンデッカー好きな回投票」を開催します!画像1枚目に日時等、2枚目に取り決め等を載せましたので熟読の上是非ご参加下さい 開催日の1/22(日)12:00より本ツイートのリプ欄に投票フォームを設置しますので是非ご投票を #ウルトラマンデッカー #拡散希望 #デッカー好きな回 https://t.co/9bO0SDfiHX" / Twitter

デッカーの好きな回投票を1/22(日)12:00〜1/29(日)12:00まで(個人的に)開催するぞ!じゃんじゃん参加してくだしゃい

 

遂にやってきましたウルトラマンデッカー最終回!!

正直前回の時点だとこれちゃんとまとまるんだろうか的な不安感の方が強かったのだけど、ウルトラマンデッカーという作品の総決算としてかなりグッとくるドラマが詰め込まれた最終回になっていてなかなかに胸が熱くなりましたね 色んな意味で集大成と言っても良かったなと

 

今回、シチュエーションとしては総力を結集してのマザーとの最終決戦を全体通して描くという感じであり構図自体は割とシンプルだったものの、ウルトラマンとして戦う使命を背負うカナタを案じるイチカ・自分はみんなが一緒にいたからこそ戦ってこられたと伝えるカナタといった画を通じて訓練生トリオの絆がここで改めて強調されるムラホシ隊長に憧れ入隊したソウマがここぞで隊長代理を託されるという実質的な継承を受ける構図が繰り出される満を辞してムラホシ隊長からカナタに「努力の天才」の称号が授けられる長らく登場の無かったHANE2の搭乗したテラフェイザーが久々にデッカーをサポートしたり並び立って戦ったりと活躍する様が描かれてカナタとHANE2の厚い信頼で紡がれたバディとしての関係が熱く光る、と今までデッカーの物語を通じて積み上げられてきたキャラクター同士の関係値が丁寧にストーリーに乗せて描かれたことでドラマが凄くグッとくる形で盛り上がったのが特に良かったところでありました。中でも訓練生トリオ周りは、カナタが「ファルコンは乗り心地最悪」と序盤に隊長が緊張をほぐすために言った軽口で同じようにイチカの緊張をほぐしたり3人でサムズアップを突き合わせ武運を祈ったりと、前半のストーリーの3人の砕けた関係性を彷彿とさせるやり取りが今まで経てきた時間の重なりも加わったより近い距離感と信頼を感じさせるものにされた上でラストバトル前の空気を程良く明るく前向きにする凄く良いアクセントとして繰り出されていたのが凄く良い味わいで、序盤からコンスタントに描いてきた作劇の柱としてストーリーを引き締めていたのが非常に沁みましたね。このキャラクター周りの蓄積はデッカーの作劇(特に前半パート)においてかなり丁寧に力を入れ描いてたところであり個人的にも好きな部分であったので、この最後の最後でそれを隙なく拾い上げ昇華させてきたのはめちゃくちゃ嬉しかったなぁ...アガムス関連の縦が強くなってた後半は正直その辺がウェイト抑えめになってたという印象だったしそういう意味でもここでストーリー面を強く光らせてくれたのはグッド こう言っちゃアレだけどやっぱり後半においてアガムス周りに割いたウェイトがちょっと強すぎた感はあったよなぁと。ストーリー的にちゃんと盛り上がりであったのは違いないんだけど、このラストバトルで前半の主軸だったキャラの関係値の蓄積を活かした展開がデッカーの味として活きたのを思うとどうしても喧嘩した要素という面は多少あったなと思ってしまう

 

またこの最終盤の展開にスッと参入していたケンゴも、オペレーションの要石を担う大活躍を見せつつも本命はカナタ/デッカーやGUTS SELECTの面々に譲ってバトンタッチ、しかしながら最後までフェードアウトはせず全力で援護のための戦う、という形で極端にデッカーの物語を食うことなく良い活躍を為していたのが凄く良いバランス感の存在感になってて良きでありました。空中でのトリガーからの変身解除と共に、空中へ飛び立ちながらデッカーへと変身するカナタと交錯しながらバトンタッチ、と猛烈に痺れる前作・現行主人公同士のクロスを成してたカットは非常に痺れましたわよ  序盤パートにカイザキ副隊長達への正体バレで場の雰囲気を和ませたりしてたのも良いムードメーカー感あって良かったよね(スマイルスマイル、も割と灰汁なくスッと入れ込まれてて面白かったし)

いやほんと地続きの世界観における前作主人公として凄く良いポジションと立ち回りをしたよなぁと思いますよケンゴ。前半第7、8話のアレは正直今でもだいぶいただけない(まぁこれはケンゴじゃなくて他の諸々が悪いんだが)んだけど、最終的に全体としてはカナタの成長を促す一端を担い要所要所でも積極的に力になっていてちゃんと頼もしい先輩していたのとても良い味になってたなと思いますね。上述のクロスバトンタッチといい最終決戦後の語らいでの締め括りといい、ゴリゴリに前に出過ぎない上でちゃんとデッカーの物語/世界観を支えてたこの最終盤の存在感は、トリガーからの地続きとしての本作を語る上で欠かせない良い要素でありました  変身解除した後も生身で全力の援護に徹した活躍を「ウルトラマンであり人間」という自分だからこそできることを全うした様として評価する声が多かったけどこれも確かになという感じで良かったところだったね

 

そしてマザーとの最終決戦。パワフルさや迫力に満ちた特撮をふんだんに盛り込んだ総力戦での戦闘もさることながら、スフィアに全員まとめて取り込まれ意思を統一されそうになったところで、第1話にてスフィアに取り込まれそうになったカナタがそれを跳ね除け再起した構図のセルフオマージュとして、今度はカナタだけでなくみんな一緒にそれをぶち除けてみせるという熱い画を叩き込んできたドラマ的な盛り上がりも最高にアガったところでありました。生命体の意思を統一すれば争いは無くなる、的なところを説くスフィアに対し「でもそれは...生きてるって言えるのか?」「不完全でいいじゃないか!矛盾だらけでも構わねぇ!人の数だけ...夢がある。俺はそんな世界の方が好きだ!」とヒビキ隊長が説き返す様が熱かったダイナと同様の構図やメッセージを込めた展開でありましたが、本作はそこに「アガムスがやって来た絶望が跋扈する未来」というところをプラスで据えることで、「たとえ未来が絶望に満ちていて変わらないとしてもそれをみんなで乗り越える、みんなで未来へ進む」という解も加えてきたのが、何度挫けても進むことを恐れないネオフロンティアスピリッツを精神性として根底に置いた「ウルトラマンデッカー」ならではの筋を通した感じで良かったよなと(アガムス周りの作劇がちょっと、とさっきは言ったけどここに繋げて縦軸としての意義をちゃんと出したのはグッドね)。エピソードZの時もティガのテーマにプラスする形でトリガーならではのテーマをしっかり貫き通し筋としたのが印象深い本作の座組であるけれど、本作も同様に原典と本作の両方に真摯であったという感じで見事だったわよ

 

かくして戦いは決着し、スフィアの脅威が去って解放された地球へと難民と化してた人々の乗る宇宙船が帰還するラストシーンと共にEDが流れて作品は締めへ。EDの「ヒカリカナタ」の希望あるメロディがガチッとハマって良い爽快感があったのが凄く良かったね...何より電波が通じるようになったことで市井の人々が帰ってきた家族や友人と電話で久しぶりに語らうシーンが、今までスフィアによりもたらされてた閉塞感がぶち壊され、塗り替えられてた「当たり前の平和・日常」が戻ってきた感じがあってデッカーの締めとしても何気に今回一番グッと好きなとこでこれがたまらんかったね 青空も心なしか今までより綺麗に見えたし、勝ったんだなという実感もひとしおだった  ユウコとエリー、グレース親子もようやく帰れるようになるだろうと思うとこう、グッとくるよな...アガムスレリア夫婦の幸せそうな幻影も含め、良いラストであった

 

 

以上、デッカー第25話でした。ウルトラマンデッカーという作品として築いてきた魅力を短い中にしっかり詰め込みながらも劇的に昇華させたドラマで熱く気持ち良く締め括った素晴らしい最終回であったなぁと思います。みんなで進んでいく未来、世界を取り巻くスフィアという脅威による閉塞感からの解放などなど、作品を通して観てきたからこそのカタルシスが存分に味わえたのたまらんかったですよ 谷口さんの新撮を交えてデカおじにも(イメージでも良いから)出て欲しかったとか、結局スフィアのカナタへの同化が不穏さの味付け程度でしか活きなかったなどの惜しいポイントもあったものの、総合的には熱くなったところが大きくバリバリ気になったわけではなかったので最終的には不満というほどにはならなかったわね

 

さて半年続いたウルトラマンデッカーもこれにて一旦締め括り。ウルトラマンダイナという偉大な作品を原典とした本作でありましたが、そこに根付くネオフロンティアスピリッツをはじめとした精神性含めたテーマ性をしっかり継承しつつ、今自分にできることを、みんなで力を合わせ全うしていく、という本作ならではの真っ直ぐ熱い形でまとめ上げ丁寧なキャラの積み上げと共にしっかり描き上げた、リスペクトと自らの筋をきっちり通し物語として築き上げ盛り上げた素晴らしい作品であったなと思います。ニュージェネ◯◯、という看板としてしっかり及第点以上のものが観られたところであったのが何より満足 前作トリガーに対する筋の通し方も主に終盤はとてもしっかりしてたし、真面目でとても好感ある作品でした

というわけで、2月には劇場版もあるしまだまだデッカーの物語終わらずというとこではありますがひとまず締めということで。デッカーに関わった皆様本当にお疲れ様でした 素晴らしいニュージェネレーションダイナをありがとう

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

-ゆい- 結 -むすび-

デリシャスパーティ♡プリキュア

第43話「レシピボン発動! おいしーなタウンの危機」

感想レビュー

 

 

マリちゃんの過去回想で、微笑みながらマリちゃんのことを支えてあげようとしてるフェンネルの姿が1カットだけ描かれてたけど、あれ見るとフェンネル自身は本質として良いやつではあるんだろうな...」というのを思わずにはいられないよなぁと。どうかその心を思い出してやり直して欲しいよ セルフィーユちゃんもかわいそすぎるしさぁ

 

前回の衝撃展開から引き続いて描かれる世界のピンチ、その中で光る希望とゆいの再起を描いた最終局面前の今回のエピ。全世界食糧断ちによる支配は女児アニメのラスボスのやり口としてはあまりにも生々しいですよフェンネルくん()  長らく続いてきたけれどデパプリもいよいよこのフェーズまでやってきたか...と身が引き締まる想いですね

 

てか余談なんだけど、セク姐とここねママの出会いと交流という展開があまりにも意外すぎて「そこリンクすんの!!!???」ってなったよね。w  セク姐割とミーハーっぽいとこあるし著名人のここねママに食いつくの自体はまぁ出会えばそうなるかという感じで納得だけども、ここねママがセク姐の改心イベの大部分を担うのは斜め上だったでさ() 前回のらんらんとあまね会長のアレから話が膨らむと思うじゃないですか!!!

でもこの2人の絡み、ここねママのことを完璧な人だと認識してたセク姐が実際に彼女と触れ合ってその人間的な部分を知ったりしたことで少しずつ何かが変わっていく、みたいな文脈がしっかり乗ってて意外にもちゃんとセク姐改心イベとしての劇的さはあったので、正直これはこれでアリだなとも感じられて割と好きな部分でもありましたね(「憧れの人を前にして」というシチュが軸になってセク姐のキャラが短時間で自然に砕けてたので面白かったし、割と頑なだった態度がスッと素直になってたから話もスムーズに進んだしと、ポジションや認識が上手いこと活かされて展開が見やすかったしね)  そもそもこの手の「サブのキャラがメイン格のキャラと思わぬ形で絡んで何か影響を与えたりする」みたいなパターンの展開自体が、作品全体のキャラ同士の繋がりをフルに活かして話に幅を出してる感じあって作劇として個人的に好きなやつだったりするので、そういう意味でも割と自分の好みにハマったかもな、とは。

ともあれ展開としては意外すぎたし、できればゆい達との交流が改心の一番のきっかけになる感じの展開だった方が良かったかもなとも思うけど、思わぬ面白さに繋がったという感じでなかなか楽しかったわね  セク姐、残りのエピでどういう存在感を出すかね

 

というわけで余談終わって本筋へ。今回も色々あったけど、本作ってほんとゆいというキャラクターの真っ直ぐさや快活さに支えられてきたところの凄く大きい作品だったんだなぁ...ってのをここにきて強く実感させられたというのが何気に印象深いところだったかもしれないですね。今回ゆいが前回のことを受けて終盤に入るまでずっと湿っぽい表情でどんよりしてたんだけど、それによって作品全体の空気がだいぶずーんとなってて観てるこっちもなんかモヤっとしてましたからね...今までのゆいはマジでここぞで挫けたり極端に惑ったりといったことが殆ど無くて頼もしく振る舞ってたし、ひいてはそれが気持ち良い視聴感にも繋がっていたのは実感していたので、この最終局面におけるシリアスさや危機感を今まで積んできた「ゆいの頼もしさ」の崩壊によってグッと引き上げたのは上手かったなと。

 

けれど中盤ではそんなゆいのことを仲間達がしっかりと優しく支え寄り添ってあげており、ここはゆいが今までみんなのことを支えてきた積み重ねがあったからこそここで支え返す様がバチっとハマったという感じで、ベタではありつつもだからこそド直球に気持ち良く決まって実に良きでした。気落ちするゆいを明るく笑顔で激励し、フェンネルと全力でぶつかるプリキュア3人+マリちゃんが素敵すぎましたね...vsフェンネルの時の立ち上がった4人のカットもそれぞれカッコよすぎて震えた

おばあちゃんの言葉や想いの意味を知った上で「自分自身の経験からくる言葉や想いでも誰かの心を動かし支えていきたい」という新たな指針を得たゆいの成長を描きつつも、若さ故にその「自分自身の言葉や想い」をしっかりとしたものにする「経験」がまだまだ足りなかったことでフェンネルの心の奥底を図りきれないまま突っ走ってしまい、皆を危険に晒す失敗を犯し後悔することとなってしまった、という「自意識の成長と未熟故の失敗」みたいな流れが前回までのこの終盤におけるゆいの一連のドラマになっていたと思うわけでありますが、その流れを経た今回はズバリ、そうしてゆいが失敗し、苦悩し、後悔した時に、近くでその想いを受け止め、支え、一緒に歩んでくれる仲間の存在みたいなところを描くことでゆいのドラマにいっそうの深みを与えた回だったなと感じましたね。「失敗や苦悩を重ねた時間があるから成長できる」「失敗したり迷ったりしながらチャレンジし続ければ良い」と優しく支え受け止めてくれる良き大人「笑顔でいて欲しい」と自分達も笑顔でもって励ましてくれる仲間、といった色んな人々が失敗や苦悩を一緒に受け止め歩んでくれるからこそまた立ち上がれるし、そうして得たものがたしかな経験や想いとなって積み重ねられていくからこそもっと進んでいけるのだ、という本作らしい温かみと厚い情が光り、この先失敗し悩みながら歩んでいくでろう若者達に沁み入るメッセージとなってたのが良かったなと。次回でもっとグッとまとまるかもだけど、現段階でもゆい周りのドラマはかなり良い感じにまとまって良い味わいになったので満足度高しですね

 

そして終盤、おばあちゃんがゆいの名前に込めた「人と人の想いを“結ぶ”」という想いが明らかになると共に、そこから転じて料理の存在が消え名前すらも皆が忘れてしまった世界で「おむすび」─“お結び”のことが思い出され人々の希望となるという、“結”の言葉の元に本作を形作った色んな要素が集約され光明となる展開が繰り出され、これにはストレートにおおっとなりましたね。料理が無くなり皆の笑顔が消えてしまった時、そのみんなの想いを再び結び笑顔を与える最初の料理になるのが、最もシンプルな料理にして本作でも度々印象深く登場していた「おむすび」というのがもう凄くグッときたし、それを呼び起こしたのがこれまでに色んな想いを繋いできた「ゆい」の同じ想いの言葉を有した名前だったというのが本作らしい一種の伏線回収的カタルシスのある魅せとしてめちゃくちゃ良いよな、と(「ゆい」も「おむすび」もひらがなで記す/ひらがなで記すことの多い言葉だから同じ“結”で繋がっていると今までパッと気付かなかったしここで良い意表になったわね)  おばあちゃんの残した言葉がたしかに後の世代を励ます希望となって繋がったという大きな結実としても素晴らしかったし、本作の一つの総決算的展開としてあまりにも鮮やかで芸術点高かったですね  この流れでプレシャス復活からの最終決戦、というシチュエーションも完璧だし、クライマックスに向けての最高の盛り上がりになりましたね 良かった

 

 

以上、デパプリ第43話でした。本作ならではな要素やテーマを言葉として綺麗にまとめ上げ劇的な展開へと昇華させたかたと共にクライマックスへと繋いだ熱い盛り上がりのあるエピでしたね  デパプリは割と縦の進行自体は緩やかめという感じではあったのだけど、ここにきて今までのエピで少しずつ築いた蓄積やテーマ・要素の強調を見事に活かしてきたなという感じでそこも押さえてきたのは良かった

さていよいよ終わりも本格的に見えてきたということで、デパプリの物語がどう着地していくのかここからは片時も目を離すまいとしておこうと思います 次回はラストバトルかな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

トモダチ デリシャスマイル

ウルトラマンティガ

第6話「セカンド・コンタクト」

感想レビュー

 

 

本エピの感想記事を書こうとなったその日にTLにナショジオの下記の記事が流れてきたの、ちょっとびっくりしちゃいましたね...クリッター/ガゾートの解像度がより上がるかもなので皆様も是非読むと良いぞ  クリッター/ガゾートがああなのは生物の生態・進化の形としてある種自然でもあるのだと、今になって思わぬ形でキャラ造形の奥深さが増したのは面白いところであったね

なぜ親や兄弟姉妹、子を食べる動物が多いのか? 共食いのメリット | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

↑そのナショジオの記事

 

電離層に棲む生命体クリッター、そのクリッターが変異した怪獣ガゾートと人類の接近遭遇を描く今回のエピソード。ティガをご存じであれば言わずとも知っているであろうという問題作にしてティガを代表する傑作回の一つであり、やはり改めて観てもかなり刺激の強い話であったなと。端的に言い表すならば「めちゃくちゃシビアに描く共存・相互理解の話」って感じですからね... 後のシリーズで大きく取り上げられるようになっていく「怪獣との共存共栄」という要素・テーマが濃くなっていく前だったからこそ、そこにシビアなくらいに現実的な観点でもって切り込めたエピソードって感じもあり、今見るとそういう意味でも興味深い一作

 

しかし今回のエピソード、今までにも数度つまみながら視聴したことはあったけどやはりティガのエピ全体でもかなりシリアスなテイスト強めな一本なのでそういうところでもかなり印象際立つ話だよなぁと改めて。冒頭数分から謎の影の襲撃を受け恐怖するミズノ博士(ガラスが砕けるような画面上の描写でその運命をある程度察せられてしまうのがまた辛い)舞い込むミズノ博士達の探査船の消息途絶の報放心・動揺するホリイ隊員、とじっとりとした恐怖感や絶望感を刻んでくる展開や描写が連続し、そちらが片付く間もないままガゾートが登場するという怒涛の流れで空気感をヒリヒリと緊迫したものに彩ってからの後半のアレという容赦のなさ過ぎる展開運び、1年スパンの作品が序盤のまだ10話台も行ってないとこでやって良いやつじゃねぇんだよなぁ...() いくら横軸のバラエティ豊かな作品とて容赦というものがね?

 

してそんな今回のエピソード全体を強く牽引した最大の要素と言えば、言わずもがなではありますがやはりクリッター/ガゾートのインパクトとそれを基にしたストーリー展開でしょう。エサや他生物の乏しい電離層で生き抜くために仲間をエサとして食らうよう進化した生命体、という生物としての生態にSF的なハッタリを効かせた良い感じに一捻り加わった設定を軸にして、意思疎通ができる相手─友達こそがエサである」という人間と全く異なる価値観を突きつけてくる存在、悪意が無いからこそ通じ合うことのできない脅威としての存在感を存分に見せつけてくるアプローチがほんと何度見返しても秀逸だよなとなるんですよね...友好的に見せて騙してくる悪意ある侵略者とか本能のままに獰猛に暴れる純然たる脅威としての大怪獣というところが基本であったウルトラシリーズの敵の中において、言語的な対話もできるし理性も感じられる、と一筋の希望を示した上でそれを盛大にひっくり返す無邪気な無慈悲さを有した他種族の生命体、という新たなアプローチでの「怪獣」らしい恐ろしさの見せつけを打ち出したセンスよ

それでいてこのガゾート周りの設定を軸にした描写を鮮烈なドラマ性を伴う形で見事に描き上げた、細かな伏線配置や段階的な起承転結により構成された展開運びもまた本エピソードの素晴らしいところ。ミズノ博士達との不幸なファーストコンタクトを無駄にしないためにホリイさんが博士の意志を背負いガゾートとの対話に挑むという希望を感じる展開翻訳機を通じて言語的なコミュニケーションも可能と分かるという光明、とじわじわ上げていったところからの、

「トモダチハ、ゴチソウ!」

「トモダチハ、ガゾートノ、タベモノ!」

という台詞でクリッター/ガゾートの本質、ファーストコンタクトの悲劇は不幸な事故ではなく得てして起こったものだったという現実を端的に突きつけ視聴者と登場人物を叩き落とす容赦の無い丁寧な構成、最高に人の心が無くて良いよね...良くねぇ あの台詞が飛び出た時のヒュッ...となる感覚よ(ホリイ隊員だってそりゃ思わず信じられなくて「 翻訳が上手くいってないんか...?」ってなりますわ)  「クリッターは何も無いはずの電離層でどうやって、何を食べて生きている?」というシンジョウ隊員の疑問「ガゾートが人間と同じロジックで物事を見ているとは限らない」と見るイルマ隊長の私見といったクリッター/ガゾートの本質に肉薄した伏線描写翻訳機から飛び出た逃げ惑う人々を眼下に定め闊歩するガゾートの第一声が「オイシソウ!」だったり、ガゾートが口から涎まみれの人間の衣服を吐き出してたりといったガゾートのヤバさをほんのり印象付ける不穏描写などで先んじて後の展開を示唆するものを与えつつも、ホリイ隊員の懸命な行動に希望を見たいという気持ちの方が最初上回るが故にそこに目を背けたくなるようにしているのが、その上で「トモダチハ、ゴチソウ!」をぶっ込んでぶち壊すところまでセットという形で実に凶悪なのよな(純粋無垢そうな子供の声と口調によって先のあの台詞をはじめとしたガゾートの言葉が紡がれる、という演出がガゾートの邪気の無さをこれでもかと印象付けてるのもまた希望からの絶望への傾きの布石として上手い)

総じて「共存・相互理解はどんな状況でどんな生命体にも必ず成立するのか?」に対して「NO」という解を示す、という上で考え得る最悪を容赦なく詰め合わせたって感じの展開であり、まーどえらいえげつないよな...となりつつも、だからこそめちゃくちゃシビアさハードさが極まってて独自のテイストになってて面白いんだよなと凄く感心もしてしまうんですよね 良い 良くねぇ

それにガゾート、設定やドラマ周りも良いけどデザインやディテールといったところもまた良きなんですよね。エイみたいな扁平気味なボディにペンギンっぽい短めの少し可愛げある手足という不思議なプロポーション、悪魔を彷彿とさせる凶悪な面構え、赤ん坊の鳴き声を思わせる甲高い鳴き声といったどこか可愛さのある感じと恐怖感や生理的な嫌悪感を絶妙に同居させたデザインがそれまでになかったタイプの怪獣デザインの一つとして凄く目を惹いてとても好き。魔王ダンテがモチーフだというあの顔が扁平な身体からグッと突き出してるあのなんかしっくりくる部位ごとの造形のバランスの良さが絶妙で魅力的なんすよ 最近の野暮ったいデブのガゾートくんはなんか違うんですよ!!(過激派)  この独特さもティガ怪獣代表格に据えられる所以だなと思います

 

にしてもこのガゾート周りの展開の中心にいた今回の主役たるホリイ隊員、彼の本エピにおけるあれやこれはほんとまとめると可哀想すぎるの一言に尽きて辛い。冒頭数分から恩師の死をうっすら察しざるを得ない事態に直面することになって一時周囲に当たってしまうほどに激しく動揺し、ガゾートとの対話の見込みが見えた際にはミズノ博士の死を無駄にせまいという意気込み(無駄になって欲しくない、という縋るような願いも込みだったかもしれない...)と共に前線へ繰り出し必死にガゾートに呼びかけるも、返ってきたのは無慈悲すぎる現実とそれにより折れそうな心に追い討ちをかけるようなガゾートの襲撃であった、と徹底的にホリイ隊員の支えや尊厳を丁寧に丁寧にぶち砕く展開まみれなのちょっと惨過ぎますってば...ってなるんだよ  ガゾートと話が通じるかも!と一心に信じてたところから、その本性を知って「うわーっ!こっち来んなーッ!!」と強めの口調を拒絶したり、空へ発っていくクリッターを天使みたいだと言ったレナに「見かけはな」と冷たく吐き捨てるように返したりと、色々へし折れてしまったが故の恐怖や失望が言動の節々に滲むようになってしまってるのがまた胸にくるし...本当に辛い  前者は命の危機に晒されてる最中且つ理解し合えないと分かったまさにその瞬間なので致し方ないし、後者も「でも...博士にも見せたかった...」という台詞にも繋がるので決して擦れて斜に構えるようになってしまったばかりでないのも窺えるんだけど、だいぶ意図的に冷ややかな台詞回しにされてる感はあるしまぁそういうことだよなと(ムナカタ副隊長の(所詮コミュニケーションは無理、か...)というモノローグといい、今回のエピ自体が随所の台詞回しにけっこうドライさや冷ややかさみたいなものを意識して含ませてる感じあったしな)

てか今回のエピソードなんでこんな重いかってムードメーカーのホリイ隊員が最初の時点から心乱れて冗談とか言うこともできなかった(というかシチュエーション的にコミカルさが挟まる余地も無かった)ことがけっこうデカいよなぁと これまでのエピでは何かしらその手の冗談や小気味良い言動で和ませることが多かったしな...ムードメーカーとしてのホリイ隊員の存在感の大きさは理解してたけど全体の空気感において占めるところというのを改めて実感した

 

と、救いの無いシリアスが連続したストーリーに心が苦しかった本エピでしたが、その流れから後半にて繰り広げられるティガとガゾートの戦闘シーンは演出的にもなかなかに見応えアリで実に熱くなったところでありました。美しい夕焼けに薄く赤く照らされながらのマルチタイプによるスタンダードな肉弾戦からインストverのTake me higherのスタイリッシュなメロディをバックにしたスカイタイプによる疾走感ある空中戦へ移行していく戦闘演出・シチュエーションの切り替わり、これが実に痛快でストーリーの陰鬱さに対するカタルシスにもなっててめちゃくちゃアガるんですよねぇ。ウルトラシリーズにおいては一種の鉄板である「夕陽で赤く染まるフィールドでの戦い」というシチュエーションもまた綺麗で最高よね  実写の街並みとミニチュアが組み合わさった背景の上をスカイタイプとガゾートが高速で飛び交いチェイスする様を合成をフルに使って演出した一連のシーンは外連味高くてグッと魅入るしインストverのTake me higherのメロディラインがドラマ面のシリアスで少ししっとりした雰囲気に馴染みつつそこからのティガの逆転と勝利をじわじわと盛り上げていくとこに繋がっていくというBGM捌きも凄くドラマチックだし、総じてティガ序盤のエピの戦闘シーンの中でもかなり諸々の演出に力の入った名バウトだと思いますわね  夕映えでうっすらオレンジに染まっためちゃくちゃ美しい姿や、平成ウルトラだとけっこうお馴染みの「ウルトラマンの傷口から流れる光の血」の演出が印象深く描かれる様など、さり気なくティガの神秘性や芸術性の高さを印象付ける画や演出が織り込まれてるのもグッド

にしてもTake me higher、本編でBGMとして流れた時の打率がマジで高いのでそういうとこでもほんと名曲だよな...と何度でも思っちまいますね  OPだとなかなか聴けない部分の小気味良く熱い旋律にフォーカスしたインストverがここぞでドンと流れてきた時とか静かで少し切ない感じのしんみりくるメロディとスタイリッシュ且つヒロイックなメロディの緩急が絶妙な間奏がドラマパートの山場にガチッとハマった時とか、漏れ無く外してこないのがたまらんのですよ 今後のエピソードでも何度も感情ぶち上げてくるし今一度楽しみだY

 

 

以上、ティガ第6話でした。ティガ序盤傑作群の一角にして特に印象深いところ多しな傑作エピにして問題作なエピソードとして今一度じっくり視聴致しましたが、やはり凄く面白いなと改めて強く感じましたね...かなり重く惨いストーリーでもあるのだけど、そこに強く太いテーマの芯が通ってるからこそそれらが深みとして昇華されてるのは見事であり、今なお色褪せないパワーに満ちた一作だなと思いました。諸々の演出周りも好きなポイントは多いし、やはりお気に入りのエピの一つですね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

タイクーン激推し強火オタクガエル

仮面ライダーギーツ

第18話「乖離II:ブラボー!ジャマーボール対決!」

感想レビュー

 

 

ゲームがバラエティ番組感ゴリゴリの内容になった前回からサブタイも心なしかポップな感じのテイストになってきてるの、チラミのクソ舐め腐りっぷりが窺えてとても良いなと思います  ギロリ期のサブタイはゲーム内容とかを端的に表すくらいのテイストだったからね  今後もゲームマスターがローテしたりすればサブタイのテイスト変わるかもだしそこも楽しみだね

とりあえずチラミはもし何かの拍子でギロリくんが戻ってきたりしたら「DGPを舐めるな...!」って言われながらしこたましばかれて欲しい(

 

デザスターの存在でピリピリと増していく緊張感、そしてその裏で加速するジャマトの背景の不穏さを描いた今回のエピソード。退場したプレイヤーの末路、というジャマトの背景がより確定的になっていくにつれ不安定になり惑う景和の隙を縫うように大智が策を弄し景和をデザスターに祭り上げ始める、という疑心と蹴落としの交錯でひりついていくキャラクター周りのドラマが凄く見応えあって良きという感じでありましたね これもう大智がデザスターなのほぼ確じゃない?と思ったけど、フォロワー氏が言ってたように大智がやってるのはあくまでライバルを脱落させるための策の行使の範疇(投票は絶対当てないとマズいではなくあくまでデザスターを当てれば落とせるというものなのでテイの良い蹴落としにもできる)なので、露骨に何かしたとてまだ大智がそうとは限らないってのは読めなくて良いなと

しかし景和、今までジャマトの正体に対して不信を募らせてたことが我々視点だとしっかり見て取れていたから今回の行動にもちゃんと感情面で納得いくとはいえ、それらを殆ど知らない他プレイヤー視点だと何やってるとなるのは無理からぬというところであり、ここからどう巻き返すかは気になるポイント。ただ祢音は景和への好感度的にそんなに疑ったりしなさそうではあるし、英寿も口では疑ってる素振り見せてたけどまぁいつもの化かしの布石としてのパフォーマンスだろうな...という感じする(気付いてないフリしてここぞでバシッとデザスターの不意を突くとかやったら間者を確実に跳ね除けられるし、今回のDGPの特性上そんな逆転劇かましたらオーディエンスも爆上がりで首位に躍り出られるしで一石二鳥だろうから)前回少し印象が悪かった冴さんも景和のことを知る祢音を通じて彼の人となりに迫ろうとしたりと意外と頭ごなしでない一面が窺えて割と話が分かりそうだしと、肌感的にはそこまで景和大ピンチって感じでもない感じはするので、ここは景和の活躍は勿論のこと、彼の周囲の人間達次第でもあるかなぁと。みんなに疑われて景和が窮地という中で、疑ってるぽかった冴さんがここぞで景和の人となりを信じて真っ先に助力するとかいう展開になったらちょっと良いかもな...とか思ってる

 

一方、そんなDGPと並行して描かれたジャマトサイド...およびそこに流れ着いた道長の様子も気になったところ。今までの描写的にジャマトにも退場プレイヤーの意思自体は残ってるかもしれんし...とほのかな願いを抱いていたけど、今回の描写を見るにちょっと希望は薄いかもしれんすね...仲間を助けたりと確固たる意思はありそうだけどもう元の自我は希薄(生前の言葉を繰り返しなぞるくらいのレベル)っぽくてお辛い これ今後のライダー達との対立構図においてどう影響するかなぁ

道長の方は現状ジャマトの正体に関して思うところはありそうげだけど明確な指針はまだ定まってないって感じであり今後の展開待ちではあるけども、とりあえず闘志の方が未だ潰えずって感じだったのでそこは今後の展開的に一つポイントだなと。強引に変身を起動させた上、バックファイアにも構わずエントリーレイズのまま素手殴りだけでジャマトライダーを下し、ジャマトバックルを咄嗟に戦いに使い、と以前にも増してだいぶ痛々しく泥臭いながらも伊達にライダーやってきたわけじゃない戦いっぷりを見せてたし、今後劇薬になるのを期待したいね

 

またここ数話ストーリー中で少なからぬ存在感を示しているオーディエンスの者達のキャラや立ち回りも面白くて良き。前回提示された1%の支持の主その人であろうタイクーン/景和の太客ことケケラがだいぶおもしれーキャラしてたの最高だった() 激渋な声を戦いを楽しむ様や置物置いて生身で出てこないムーヴと露骨に怪しい感マンマンなんだけど景和への理解度と入れ込みようがあまりに親近感高すぎるんだよな...w あんなゲームのオーディエンスやってる時点で真っ当ではないかもだけど、景和の善意ある活躍をシンプルに楽しみまくってる辺り悪い奴に思えなくて困る  ちなみにケケラの声は特撮オタにはお馴染みの俊藤光俊さん。どうりで渋くたまんねぇ声してるわけで...

そして一際目を惹いたのはやはり作品の根幹に関わりそうな様々な情報を次々開示してきたジーン周りの描写。英寿の出自にまつわる話やオーディエンスの正体にまつわる話など、ギーツの世界観や物語に更なる奥行きを与えてきてなかなか引き込まれるところでありましたね。ジーン自体も英寿の不敵さに全く迫力負けせず対話を為す底知れない雰囲気を醸してきてキャラクターとしても良い味出してきたし、今後の登場も実に楽しみである 福さんの演技がマジに良いな

 

 

以上、ギーツ第18話でした。新章突入間もないながらも物語を更なるフェーズへと押し進めていきそうな変化や情報の登場があったりして、良い緊張感が醸された面白いエピになっていましたね。特にキャラクター周りがかなり満遍なく見応えあって毎度飽きが殆ど無いのは凄く楽しくて良いわね 道長も次回更に話に食い込み直してきそうだし、先の展開に期待

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

妄執の先で

ウルトラマンデッカー

第24話「夢の果て」

感想レビュー

 

 

[約3週間ぶり]マナカケンゴさん 年末のマザーとのしばき合いからやっとひと段落[満身創痍]

年末休みに総集編まで重ねられるとは誰も思うていなかっただろう(

 

スフィアバリアの収縮により刻一刻と近づく地球の危機の中繰り広げられたGUTS SELECTの死闘、アガムスとの決着が描かれた今回のエピソード。最終決戦前らしい怒涛の熱量でストーリーを牽引し大詰めへと繋いだといった内容になっていましたね

 

長らく続いたアガムスとの因縁も、カナタの決死の呼びかけを受けたアガムスがスフィアに侵され自分を失くしていく中で、かつてレリアが地球という星を愛し焦がれていたことを思い出し再び目覚めると共に、レリアの愛した地球を守るためにデッカーの手を取るという形の着地と相成りました。レリアの受け売りだったいつものあの長い口上の続きに「だいぶ覚えたね、地球の言葉」というアガムスの語りが加わったことで、あの言葉が思い焦がれる地球の言葉を少しずつ覚えようとしていたレリアの生きた足跡であったと明かされ、そして彼女とアガムスが一緒に地球/他の星の人々を愛していたことを示す証となってアガムスの心を正しい道へ引き戻すという運びはあの言葉を取り巻くアガムス・レリア周りのドラマの引き締め方として上手かったしグッときましたね アガムスにとってあの言葉がレリアを忘れないための言葉だったことに違いはないんだろうけど、レリアを救えるなかった自分のことが許せなくて地球への逆恨みを決めた時から、その言葉がレリア(と自分)の地球への想いを示すものであった事実は心の奥へ閉じ込めてしまった(無意識のうちに封じてしまった)んだろうなぁ...それすらもスフィアに侵され忘れようとしてた時、カナタの全力の呼びかけでそこにもう一度思い至れて戻れたといったところか

 

という感じでアガムス周りの決着のさせ方には相応の感慨があったので概ね満足という感じでありましたが、同時にデッカー後半を通して描かれたアガムス周りの展開の(実質的な)総括としては「まぁこんなものか...」という物足りなさの否めない印象になってしまったのも率直なところ。アガムス周りを最終局面まで少しずつ丁寧に掘り下げクライマックスの展開にて一つのヤマとしてきたこと自体は良かったものの、結果としてアガムスの内面やカナタとの関係性といったところがずっと平行線みたいな状態で続いて少々のマンネリを生むことにもなってしまい、こんだけ引っ張った割には...と感じてしまったんですよね(記憶喪失になったアガムスとの対話を経つつも結局ピリピリとした対峙関係自体に変化はなかった前回とか、ストーリー上の意味はあるながらも流石にうーんって感じでしたし)  作品テーマやキャラ性等をじっくり煮詰め掘り下げてくれるデッカーらしい堅実な描き方により、原典ダイナにも通ずる「人類の宇宙進出に伴い牙を剥く者達」というところへの集中的なフォーカスやニュージェネ悪役らしい連続性のある対立構図などといったリスペクトやエンタメ性を醸しながらアガムスのこともだいぶ丁寧に描いていたとは思うのですが、その丁寧さが却って終盤までアガムス周りを引っ張ることになって冗長さに繋がった感は否めなかったというところで、ここはなんとも悩ましかったなぁと。堅実で丁寧な諸要素の描写や掘り下げを一貫した軸にしつつ、前半は怪獣特捜的な古き良き方式を主体に、後半はメインの敵となるアガムスを据えて縦を強めていく、という作劇の転換自体は最初面白いなと思ってただけに、結果的に前半後半の作劇のカラーの変化と堅実さの一貫が上手いこと噛み合わなかった感があるのが惜しい ヴィラン枠の取り回しをストーリー全体でやや持て余してしまう感じとか、結局「いつものニュージェネ」っぽく収まりそうなのはなんとも

 

またここにきてカナタがスフィアに同化され始めるという衝撃的な展開が叩き込まれましたが、びっくりしたというよりもこれをこの最終回1話前になって急に入れ込んできて大丈夫?という印象の方が強かったというのが正直な感想。妙に意味深に明かされた割には本エピソード中でカナタの動きを鈍らせ戦闘に緊張感を与える程度の意味合いでしか活かされなかったし(深手を負ってる、という設定で代替しても描写上全く問題ないんですよね)、次回何かあるんだろうというのはイメージできても次回がもう最終回、それもマザー襲来でかなり大ピンチの状況というのに更にイベント増やしてちゃんとドラマとして活かせるの?という不安感の方が強いので、現状だと「カナタはどうなるんだ!?」という不安感を安直に煽っただけにしか思えないんですよね。「スフィアと同一化してるのを活かして本体のマザーを弾く一手に繋げる」的な声もあったしまだ期待の余地はあるけど、初出となった本エピの段階でアガムスの話に食われて大して作劇上での劇的な緊張感を印象付けられなかったのは失敗だよなと  ともあれ不穏さをとりあえず出すためだけの不穏要素みたいなどっちらけにならないのだけは願う

 

かくしてストーリーはマザー襲来、アガムス散華といった波乱の中で最終回への繋ぐ形で締め。デッカー、トリガー、テラフェイザーのトリオを相手取りつつ重量感のある攻撃で全員を蹴散らしたマザーの存在感はラスボスとして良きであったので最後良い感じに跳ねてくれるのを期待したいですね  しかしアガムスはこれで完全に終わりなのかなぁ...アガムス周りはせめてイメージや回想でもなんでも良いから谷口さんの新撮も交える形でデッカーおじさんの存在を絡めてから締めて欲しいと願ってたし、このまま良い感じに散っておしまい、は勘弁願いたいなぁ デッカーおじさんせっかくレリア共々アガムスに縁深い人物なのに先代デッカーでしたのサプライズで終わらせるのは勿体なさすぎるし

 

 

以上、デッカー第24話でした。色々勿体なさを感じたところやほんとに次回消化できるんだろうかと心配になるところなどあってちとモヤったものの、アガムス周りは良い感じに納得できる着地が見られて満足だったかなといったところ。もう次回で終わりというのがあまり実感無い状態であるのだけど、ここからどう纏めてくるやら スッと気持ち良く終われると良いなぁ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

野郎&野郎vs野郎(※プリキュア)

デリシャスパーティ♡プリキュア

第42話「ゴーダッツのたくらみ プレシャスvsブラックペッパー」

感想レビュー

 

 

新年一発目のプリキュアが大人の野郎どものバトルから始まり、あまつさえそれが今回のストーリー全体通して一番比重の大きいバトルになっていてTLの視聴者諸氏が若干困惑してたのめっちゃ面白かったです()  でもみんなを守ってやられながらも安心感ある優しい笑みを向けるシナモンとか苦戦して冷や汗かきながらも敢えて余裕ある笑みを浮かべるマリちゃんはプリキュアのみんなには出せないタイプの大人な頼もしさがあって超カッコよかったよ 戦えるようになると3割増で頼もしくカッコいいなマリちゃん...

 

前回ゴーダッツとしての本性を著したフェンネルを取り巻く因縁が大きくうねり、物語をクライマックスへと導き始めた今年最初のデパプリ。風雲急を告げるストーリー展開やそれを後押しするキャラクター達の人間模様、そして迫力あるバトルシーンと、新年一発目にして物語も佳境というこの局面を良い感じに盛り上げてくれたエピとなりましたね。奥行きある映像の中をキャラやエフェクトがめいめいに激しく駆け巡り必殺技が怒涛の勢いで連発される演出・構図が短い中でも存分に光ったプリキュア達の戦闘が前半Aパートで惜しげもなく披露されるのめちゃくちゃ良かったね 野郎どものゴリゴリのバトルにだいぶガッツリ尺持っていかれながらも良い存在感であった  そこは流石に主役達に譲ってやれよ野郎どもと思わなくもないが(((

 

まぁ何はともあれ、このクライマックスでちゃんとセク姐救済の余地が示されたのは個人的に凄く嬉しかったところでしたねぇ  かつての同僚的なところで曲がりなりにもセク姐と関係性の深かったあまね会長が打ち捨てられ身体にも心にも傷を負った彼女に真っ先に歩み寄り憐れむ様は2人の改めての絡みとか見てみたいなと思ってた身としては有り難い限りであったし、完璧主義故に傷付き心を閉ざしてきたセク姐の絶望に寄り添おうとする会長(とらんらん)の不器用ながらも温かい思いやりが彼女に沁みる様は良いドラマ性で非常にグッときたしと、セク姐救済を待ち望んでた民としても非常に満足度の高い作劇になってて良かったなと。特に後者は傷付いたセク姐の手に巻かれたボロボロぐちゃぐちゃな包帯、それを見て感極まりそうになるセク姐」というカットで、不恰好で完璧でないけれどそこに籠った温かみや優しさはたしかに彼女の心に沁みたというところを敢えて多くを言葉にせずとも端的に示していて凄く良い演出でした 不器用さや不完全さから傷心し頑なな完璧主義になったセク姐の心を、一生懸命に誰かを想って気持ちを込めた不器用で不恰好な、けれど微笑ましく優しい施しが氷解させるという文脈良いよね...完璧でないのも悪くないと感じたり、元々は自分もそうして不恰好ながらも一生懸命に誰かを想って頑張ったのだと思い出したりしてたんだろうな

 

そんな今回のエピはサブタイにもある通りプレシャスとブラぺの対峙が一つのメインイベントといった感じになっておりました。この手の展開で順当なのはブラぺが洗脳されてしまって〜みたいなパターンのやつなので今回もそれかなと思いつつも、予告映像の感じからしてブラぺがシラフっぽい雰囲気だったのでどういうこっちゃと気になっていたところでありましたが、実際のところとしては父シナモンを嵌めてその誇りを貶めたフェンネルに対する怒りとに燃えトドメを刺そうとする拓海フェンネルもきっと過ちに気づき得るからこそ傷つけるための戦いはすべきでないと拓海を止めようとするゆいという、かなりシリアスめな2人の信念のぶつかり合いみたいな内容であったのでなるほどそうきたかという感じでありましたね...たしかにあまり意識してはいなかったけど実際拓海の立場からすればフェンネルは文字通り言葉通り“親の仇”同然の存在なわけだし、自分の父が受けた仕打ちを思えばフェンネルに激しく怒るのは当然だし、この辺の拓海の激情はかなりひりつく説得力があって引き込まれたわね  肉親のことで自分のことのように怒るのは誰しもにもあり得る感情だし、それでいてまだ若い拓海がその感情に身を任せて相手に本気で襲い掛かってしまうのもまたやむなしではあるよなぁ(拓海周りはほんとこの辺の等身大の少年としての感情面の描写がかなりしっかりしてるのが良いよね)

 

最終的にはゆいがそんな拓海を説得し制止。フェンネルの心を改めさせることもできるというゆいの強い想いが最終決戦へ向けて皆に影響を与えていく流れに

......と思いきや、その隙を突く形でフェンネルが放った攻撃により拓海とマリちゃんが倒れ、ピンチに陥ったみんなを離脱させるために力を使ったコメコメが眠りに就き、とゆいの行動が遠因となった大ピンチの展開の中、今回のストーリーは締めとなってしまいました。

......なんでそんなことすんの!!?(絶望)

いやフェンネルがこれでもまだ揺るがないのはまぁそうだろうなという感じではあったけど、それはそれとしてこのままゆいが場の空気を引っ張って引きになると思っていただけに、ゆいの優しさが却ってアダになるとはなかなかショッキングでしたね...  悪人ともきっと分かり合えるからと見逃した結果その悪人が後にとんでもないことやらかしてしまってショックを受けてしまう、って感じのアレだからな  しかしここのゆいの行動と結果のあれやこれ、掘り下げるとなかなか難しいところだよなぁとも。ゆいの貫こうとした理想そのものは間違いではないし美しかったけれど、身も蓋もない言い方をすれば「フェンネルの闇の深さを図りかねた・その理想が通用する相手ばかりとは限らないということに気付けなかった」というゆいの未熟さ故に結果こうなってしまったとも言えるわけで、これ一概にゆいが間違ってなかったとも間違ってたとも言えないわよ ゆい自身、色々考えた上でセク姐に対してみたいにフェンネルの気持ちとかをもっと知ろうとしてこういうことをした面もあったんだろうし、その上で話し合う土俵に立つ前に相手の闇の深さを悲劇でもって教えられてしまったのはある意味理不尽でもあるしさ

ともあれここからゆいが何を思いどう立ち直るかはこのクライマックスで一つ目が離せないところだよなとは思うところ。今までメンタル面において殆どブレることのない強さが描かれてきてたからこそここでの沈みは凄く目を惹くし、どよんとさせた分カタルシスある展開が欲しい...にしても序盤〜中盤辺りまでにメンタルつよつよなところを存分に描く→その上で終盤におばあちゃんとのことや拓海/ブラぺのことで動揺する様を描きメンタル面が決して無敵でないことを強調する、という段階的な魅せでゆいのメンタル面の強さ弱さを印象付けてきたここに来てゆいを絶望させるこの出来事をぶっ込んでくるの、ちょっとゆいのメンタル崩しが丁寧すぎて逆にわろけてきますね...人心無!!!

 

しかしこのゆいのメンタルの行方という問題に付随してきてるもっと厄介な問題こと、フェンネルの処遇というところもどうなるかという感じだよなと。やはり「ジンジャーにもっと自分だけを見ていて欲しかった」的なところが動機の根底にあるようだしその内面に関しては同情・共感できる部分もあるんだけど、 思い違いや自己の正当化が行きすぎててだいぶ厄介な拗れ方してるんだよなコイツ...自分と一緒にマリちゃんやシナモンも選ばれたことを「施される裏で奪われる者もいる(意訳)」的な一方的な解釈で噛み砕いて被害者ヅラしたり、ゆいの理想を「お前は自分の正しいと思うことを都合よく解釈しただけ」というお前じゃい!!!すぎるブーメラン発言(それこそさっきの「施される裏で〜」というあまりに自分にとって都合の良い解釈を垂れた直後だから余計にブーメランさが引き立つ)で蔑んだりと、相当ねじくれてるんで、これどうにかできるのか...!?という  ジンジャーの想いとか糸口自体は色々ありそうだけど、果たしてこのどうなるか。一部の視聴者から「ラスボスなのに格が低い」とかボロカス言われてるからドラマ面で巻き返すんだぞフェンネルくん!!プリキュアと戦うより先にシナモンやマリちゃんと戦ってだいぶバチボコにやられて既に負けかけるわ、ゆいの助けで命を拾った途端に不意打ちでブラぺをぶっ飛ばしてふんぞり返るわとラスボスなのに戦闘面が若干しょっぱいからんなこと言われとるんだと思うぞフェンネルくん() マリちゃんやシナモンに負けかけたのは2人が普通に実力自体はめちゃ高いからなのかもしれないけどさぁ!

 

 

以上、デパプリ第42話でした。これから一気にクライマックスへとなだれ込んでいくストーリーに大きな波乱を巻き起こし盛り上げた怒涛の年明け一発目となりました。戦闘面も演出が豪華で実に良きであった

ゆいとフェンネル、それぞれ主人公とラスボスなので自ずとフォーカスがいくとはいえこの2キャラの内面にここでかなりフォーカスが寄った感があるのでここがどう昇華されるか気になるといった感じですね 残りもうあと3話ほどですが、目を離さず注目していきます

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

ギロリくん、戻ってきて!!(時既に遅し)

仮面ライダーギーツ

第17話「乖離Ⅰ:ようこそ!新シーズンへ!」

感想レビュー

 

 

急に始まる景和弄りの風潮 is 何?

いや割と冗談抜きになんで前回からの流れでこれ始まってんだろうとちょっと首を捻ったとこなんですよねここ。この手の特定のキャラの弄りの描写自体、ストーリーの空気感との擦り合わせとかも含めてけっこう上手いことやらないとなんかヤな印象が生まれてしまうやつなのでそういうところにおいてシンプルにモヤッとしてしまったし、景和の精神的な面での成長をしっかり描いて景和を頼もしいキャラとして描き出してきたところでのこれだったので尚更だったしギャグ調の描写と見るにもなんか湿度の方が高くてあまり良い印象に感じられなかったというか ロポの冴さんもここの描写に絡む形で妙にコテコテな暴力女っぽい描かれ方されちゃったせいでイマイチ好感度が低くなってしまったし

今回のエピが新しい盛り上がり多めで割と面白かっただけにこの一点が悪目立ちしてちょっと残念だったな、とは。せめて後から巻き返してくれればという感じだが

 

ギロリの更迭とDGPの真実の開示を受け新たなスタートを切ったギーツの物語を描く今回のエピソード。前回までに色んな状況が大きく動いた分今までとはガラリと変わった部分も多くあったりして、ここからまた違った趣や味わいが増していきそうだなと楽しみになった回でしたね。新たな参戦ライダーとなったナッジスパロウの大智とロポの冴さんも、前のDGPで勝ち残った経験者という拍が付いていることで戦闘面でも精神面でも今までの有象無象や名有りのゲスト枠ライダーとは違った安定感があって良い存在感を醸していたし、今後のストーリーを面白くしてくれそうだなと楽しみになるポイントでしたね。邂逅編のマグナムダパーンがモブライダーの魅せのアクセントとして好きだったし、やっと久々にレギュラー陣以外のライダーで大型バックルをフル活用してくれる面子が久々に出てきてくれたの良いよね 恒常で使ってたバッファが抜けて使い手に空きのできたゾンビバックルが、狼モチーフのロポに荒々しい骨剥き出しの獣的なイメージで上手いことマッチしたの何気におっとなったし、こういう思わぬマッチが楽しい時あるから大型バックルは可能な限り他の面々にも回って欲しいね

 

そんな今回のエピソードの見所は何と言っても新たなゲームマスター・チラミの参入で大きく変容したDGPの異様な空気感でしたね。運営の差金でライダーの妨害をミッションとした「デザスター」の存在の示唆それが誰なのか分からない中でプレイヤー達に一つ屋根の下での共同生活を強いてその様子を中継するなど、テラスハウス的なマジの密着リアリティショーのカラーが強くなっていよいよバラエティ番組的な様相を呈していく様は、曲がりなりにも人類をジャマトから守るゲームをやってたギロリ主導期とは全く違ったものになってしまったという感じであり、それをもたらしたチラミの異物感(当人自体はふざけたくらいコミカルというところとのギャップも相まって絶妙な味わいよね)と合わせなんとも言えない感覚だよなと。少数精鋭のライダーを集めた、という一応の建前を用意して人類を守るゲームのテイは成しているけど、実際のところは完全に「誰がデザスターなのかと疑心暗鬼になるプレイヤーを映し出すリアリティショー」の方に重きが置かれてるのでかなりふざけた本末転倒ぶりなんだよな...「他のライダーの妨害」がミッションにねじ込まれちゃった辺りがだいぶ本末転倒  最近の英寿潰しが目に余りこそしていたけど、出来る限り大勢の人間を集めることでジャマトを倒し得る原石を見つけ彼らを鍛えようとしていたり、有事の際には出来る限り救済措置を施したりとギロリくんは世界を守ることに対しかなり真面目に取り込んでたんだなぁと ゲームマスターとしてはクソではあったけど人の血はだいぶ真っ当に通っていたか...と今更にしてギロリくんの更迭が惜しまれる 散々ボロクソに言っちゃったけど(

にしても、この状況から本当にまともにジャマトとの戦いという構図が成立していくのだろうか、というほのかな不安感も感じるところではあるよな...とは。一見真面目そうだけど割とフランクな大智のキャラに心許しそうになるけどもしかしたら大智こそが...となったりしてこっちとしてもかなりハラハラしながら観てるしな 人狼ゲーム」から転じて狼モチーフのロポ、冴さんがそうなのでは、とも予想されてるけど、なかなか直球っぽくもあるし、読めない  あとまさかというところではあるけど、レギュラー陣3人の中にデザスターがいるパターンとかあり得るのかなぁとはちょっと思ったりもするし、この緊張感はもうしばらく続きそうだなというところで、楽しみではあるわね

 

あともう一つ気になるのはやはり、ジャマトサイドに流れ着くに至った道長の今後の動向といったところでしょう。アルキメデルが言う通り、ライダー達を倒すという利害というとことにおいては一応両者は一致しているので、道長があっちに就く理由自体はあるわけで、ここがどう響いてくるかってとこなんだよな OPでもわざわざ英寿達正規のプレイヤーとは別枠で登場する形に描かれるという意味深な描写が為されてるし  ただルークが豪徳寺さんの姿に戻るという瞬間を目にしたことがそこにおいてどう影響するかが読めないところもあり。なんだかんだで道長自身人は良いから「それならジャマトを潰して元を絶つ」となるかもしれないし、ジャマトの元が人間ならばライダー達に倒させるのはまずいと半ばなし崩し的にジャマトに味方する形になるかもしれないしと、どう転んでもおかしくない材料だらけだしなぁ...何より道長の戦う動機でもある、脱落した友達がジャマトとなって生きてる可能性もあるわけで、そうなればいよいよ友達を救えるかもだしライダーを潰せるしでジャマトに利する理由ができちゃうからな...うーんここもこの先の展開待ちだなぁ

 

そしてある意味一番気になるのが、英寿の出自にまつわるニラムのとある言及。散々英寿の戦う動機として示されていた母親・ミツメが英寿の母親のはずがない、というのは英寿のキャラ性を紐解く上でかなり重要そうな情報だよなと。少し前に公開された冬映画で明かされたある事実と合わせるともっと色々見えてきそうなところではあるけど、ここもまだ詳しいところまでは読めず、といった感じすね 今回分からないことだらけで良い意味でやきもきさせられるな...
またそんな英寿に一オーディエンスとしてやたら入れ込む少年福さんジーンの存在も気になるところ。英寿/ギーツの活躍に沸き踊る様を見た感じあまり邪気はなさそうだけど、そこに裏はあるのか無いのか、というところは注目ですね とりあえず「会えて嬉しいよギーツ」には若干福さんの率直な感情も入っていそうではあるが(

 

 

以上、ギーツ第17話でした。今まで以上に色んな状況がガラリと変わった新章開幕という感じで、今後の展開を気にならせてくる要素盛りだくさんでなかなかに面白いエピでありましたね。なんだかんだでもうすぐ20話台にも突入し折り返しに入っていくフェーズが見えてきたので、ここからが本腰といったところかなと ギーツ良い感じに安定させた面白さで続いてるし、このペースはほんと崩さないで欲しいな...

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた