AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

世界と本と剣が交わる

仮面ライダーセイバー

第1話「はじめに、炎の剣士あり。」

感想レビュー

 

物語はどことも知れぬ異世界の断崖の上にぽつんと立った一件の家に住む謎の男タッセルの語りから始まる。世界の成り立ちとなった一冊の本、その本を護る聖剣に選ばれし戦士達、その本を狙う者達との今なお終わらない戦い...
この第4の壁を越えこちらに本作のことを語りかけてくるスタイルは仮面ライダー作品でいうところのウォズ、他作品で例えるならば「からくりサーカス」の幕間に現れるピエロを彷彿とさせなんとも不思議な存在感でした。見た目やらなんやらの胡散臭さはウォズとかの比ではないけど...w 彼もいずれは物語に介入してくるだろうけど、如何な役割でどのように、というのは現段階での注目ポイントの一つね

そして場面は幼き日の主人公、神山飛羽真が必死で掴んだ手から離れ空へと消えた少女、何かの力を繰り出した炎の剣士、その後何事もなかったように元通りとなった世界、目覚めた飛羽真の手に握られた本...と飛羽真が幾度も見るという夢から目覚めたところへ移る 飛羽真の夢は恐らくは本作における飛羽真の戦いのルーツとなる実際に起きた出来事であり、世界に大きな影響を及ぼしたことが伺えるけれど、この謎が明かされるのは果たしていつになるか

 

飛羽真はこの第1話でのファーストインプレッションとしては、本屋の店主として子供達と一緒になって本の世界を楽しみ慕われる様も相まって、思ってたより大人っぽい感じの気のいいお兄さん的な雰囲気で主人公キャラとしては割と良い掴み 押しの強いヒロイン芽衣の性格など色んなことを肯定的にとってあげたり「約束」という部分に強く反応したりとちょっと変わり者なことが伺えるながらも基本人の良さが強調されてて実に爽やかで好印象ですね 芽衣に関してはまだキャラの詳細は見えてこないけどとりあえず強烈すぎる顔芸の連発が面白く記憶には強く残りましたw 演じる河津さんが頑張りすぎてる()

 

飛羽真と芽衣が街へ繰り出すと、謎の集団メギドの暗躍により飛羽真達がいた場所を含む街の一角が本に囲われるように隔離され、異世界と交わるという異変が発生。不可思議現象発生ですぞォ!(違

ここで両親と別れ悲しむ少年に必ず探し出すと「約束」したり、本の主人公に見立てて少年を叱咤したりと飛羽真のアイデンティティを絡める形で彼の真っ直ぐな人柄が強調されてるのがとても良かった 約束を大事に考えているからこそ、それを言葉にすることで他者を励ますと共に自身を奮起させたりしてるのかもね

 

そしてそんな飛羽真達の前に怪人・ゴーレムメギドが出現、本の力で世界と人々を蝕む相手の悪辣さに怒り、飛羽真は太刀打ちできずボロボロになりながらも立ち向かう

ここで、少女を救えなかった夢の光景をフラッシュバックさせながらも空へ吸い込まれそうな芽衣を救ってみせたり、ゴーレムメギドの本の力で世界を変えるという言葉に「本には世界を変える力がある」と「肯定」を示しながらもそれは人を幸せにするものだと反論したりと、飛羽真が戦いへ向かう動機や立ち向かう活力を彼の性格等に沿わせる形で劇中第1話から力強く示したのがとても熱く、良い演出でした

 

傷付き、窮地に陥りながらも立ち向かい続ける彼の心に呼応するように、手にしていた本が光を発する。そこから現れた剣を炎を掻き分け引き抜いた飛羽真は、ソードライバーとワンダーライドブックを使い、炎の剣士、仮面ライダーセイバーへと覚醒した...!ここは書庫を思わせる空間で炎に囲まれ変身するバンクが凄くカッコ良かったですね しかし倫太郎がただのホモサピエンス(要するに普通の人間でことか)には抜けんという剣を抜いてみせたのは、前述の夢の光景と併せ、飛羽真に特別な力か何かが宿っているのを感じさせるところ ここも物語の謎になっていきそうだなぁ

ここからセイバーとゴーレムメギドの戦闘が開始。炎を纏った剣舞、映画さながらのCGによる大迫力の異世界戦闘、巨大化したメギドとのバトルなど、初回なのもあるだろうけど大盤振る舞いで実に滾るデビュー戦でした 特に異世界戦闘シーンは奥行きやアングル移動など、雄大で大胆な表現がセイバーの異世界という設定とも上手くマッチしてて、本作の個性を一際際立たせてたように思います 毎回は流石に無理だろうけど今後もちょいちょい見れるといいなぁ

 

そして戦闘はセイバーの必殺技で決着(必殺技演出も独特で見応えありましたね)、約束通りに世界を元に戻し少年と両親を再び引き合わせたことで飛羽真/セイバーもヒロイックさが再度しっかり強調されるのが良きでした

が、戦いが終わり事態への整理をつけるのも束の間、本屋へ戻った飛羽真達の前に青いライオンに跨った倫太郎が現れ...そしてタッセルが再び我々に語りかけ話を締め括るのだった

というところで以上が仮面ライダーセイバー第1話でした いやぁ面白かった

飛羽真のヒーロー作品の主人公らしい爽やかでカッコ良い部分がしっかり強調され、異世界表現への挑戦という今までになかった新たな注目ポイントも見えてきて、と今後が実にワクワクになる始まりでした 謎も多く散りばめられており、1年間存分に楽しめそうですね

では今回はこの辺りで また来週お会いしましょう

 

余談:

あらかじめ知らされてたEDダンスに加え、CM後のアイキャッチなどなど今までのライダーになかった戦隊的な演出が多くここは非常に新鮮でしたね 良い意味で子供向けな雰囲気も増して、これはこれで個人的にはとても楽しい 何気に現ニチアサシリーズはどれもEDダンスができたわけだけどこれ3作品揃いぶみで踊ったりとかは...しないか しないな