AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

スパイ ー 嘘をつく生き物

Princess Principal/プリンセス・プリンシパル

case1「Dancy Conspiracy」(第2話)

感想レビュー

 

映画もそろそろ始まるかもですしね?と思い立ち、私が個人的に気に入っているアニメ「Princess Principal(プリンセス・プリンシパル」のレビューを始めていくことと相成りました 面白い作品のレビューで景気付けしていきたいですしネェ!!劇場版公開までに振り返るのも兼ねて

ちなみに本作は放送順の話数表記とは別で作中の時系列に沿ったcase表記が存在しており、本放送時は時系列順=case順の放送ではなく時系列を何度か前後させて物語が展開されるという特殊な形での放送がなされておりましたが、本レビューでは時系列順での視聴をしていこうと思っております 放送時とは違った感覚が味わえる乙な楽しみ方ですよ

あと私、本作はこれでだいたい3周目くらいの視聴になっております 申し訳ないことに新鮮な反応などはあまりありませんが、まぁそれはそれとして楽しんでいってくだされば幸いでございます 楽しんでってくれ!

と、前置きが長くなったのでそろそろレビューへ

 

 

本編はアバンとOPからスタート 本編を観るのは実に8〜9ヶ月ぶりくらい(去年末に2周目視聴の最終回を観てた)なのですが、本作のOP「The Other Side of the Wall」とその曲を彩るOPアニメーションはやはりいつ観てもカッコいいな...となる スピーディかつ美麗な映像と強く通った歌声が素晴らしいマッチで、一気に視聴する我々のテンションをぶち上げてくれる 最高

 

名門校クイーンズ・メイフェア校に転入してきたドジな気の目立つ田舎っぺ少女アンジェ・ル・カレ、実は彼女はアルビオン王国へ潜り込んだアルビオン共和国側のスパイ「アンジェ 」 ある任務のため彼女は先んじて学校へ生徒に扮し潜り込んでいた同じく共和国のスパイにして同期のスパイ「ドロシー」と合流する、という流れで始まる今回のストーリー ドジっ子少女のカバーから一転しクールな雰囲気となるアンジェの会話を通じほのかな緊張感が醸し出されつつ、アンジェとドロシーの同期コンビのやり取りで程良く空気が緩む、とプリンセス・プリンシパルという作品の空気感をキャラのやり取りを通じ短い中で細かく表現していて冒頭から早速作品への没入度が高まって良い

そしてこの一連のシーン、何よりドロシーが良い味出してるのが凄く好きなのですよ 一見クールで近寄り難い雰囲気なんだけど、(この後のシーンも含め)ジョークや軽口をよく言う気の良い一面があり、アンジェにからかわれて赤面したり吸えないタバコ吸って涙目で盛大にむせ返したりと実に表情豊か、と魅力が存分に出ていてここで一気に好きになりますよね 良いキャラなんすよドロシー ハタチでJKのフリしてるけど(ボソッ

 

<仕方ないだろ!?命令なんだよ!!

 

だそうです

 

そんなアンジェとドロシーが担った任務は、王国側の「プリンセス」にアンジェが成り代わり内部へ侵入することにより王国側の情報を共和国へざぶざぶ流してやろうという「チェンジリング作戦」。プリンセスに確実に接近するべくアンジェはドロシーと共に彼女が参加するパーティへ参加する。その最中、王国への亡命を謀る共和国の高官モーガンから計画書の隠し場所の鍵を奪還する新たな任務を課されるも、アンジェは敢えてプリンセスに接近、彼女とその側近の少女「ベアトリス」を足止めしつつ、その隙にプリンセスへとなりすまし警備の固いモーガン接触、彼を説得し鍵を手に入れてみせた

と、ここのパーティ会場での見事な手際で為されていく任務遂行の流れはまさにスパイをテーマとする作品という感じで観ていて実に気持ちが良いですね 指令が書かれた紙を燃やして処分するスパイといえばでお馴染みな動作から、相手を説き伏せるシーンの巧みな台詞回しまで、スマートかつ説得力のある演出は見応えがあって強く魅入る

 

任務が順調に進もうという最中、会場へ王国公爵「ノルマンディー公」が到着、会場を後にしようとするモーガンの裏切りに勘付き、彼を狙撃を受けたように見せかけ、鍵を奪った者を探し出そうとしていた...

このノルマンディー公(通称ノル公)、モーガンの裏切りを見抜いて彼に温和な笑顔と声色で近付きながら、近付き様に消音の小型銃をぶち込んで一瞬のうちに下し、即座に手際良くネズミを炙り出そうとする、という一連の所作があまりに冷徹かつ正確で、僅かな出番の中で一筋縄ではいかない強敵感あってとても良い

「それはいけませんぁ」の一言のインパクトよ...ここは演じる土師さん、流石の演技力

 

一方会場内ではノル公の手回しによるボディチェックが迫りつつあることに加え、アンジェとドロシーの正体に勘付いたプリンセスが、正体をバラさない代わりに自分を仲間に引き入れるようにと交渉を仕掛けてくる事態が発生。窮地に陥るアンジェとドロシーだったが、アンジェはプリンセスの要求に応え(この交渉の際、カバーを解いて一瞬のうちにクールなスパイモードへ移るアンジェが好き。カッコいい)、上層部に首を縦に振らせることで仲間に引き入れたプリンセスとの協力でボディチェックをまんまと掻い潜ってみせたのだった

そして場面が変わり、2人きりで対面するアンジェとプリンセス。実は2人は「プリンセスを共和国のスパイへ引き入れる」という流れを作るべく、2人で申し合わせ動いていたことが判明 

「10年ぶりね」

「おかえりなさい、シャーロット」

と2人で「再会」を喜ぶやり取りを交わした...


というところで本編は終了 ラストのアンジェとプリンセスの対面からのしっとりとした曲調のEDの入りも凄く心が落ち着いて良いわね

 

久しぶりの視聴だったけど、やっぱり見応えあるファーストエピソードだなぁ、となりますね

スパイ作品として非常に完成度の高い一エピソードであることも去ることながら、全話完走した後だとアンジェとプリンセス、この2人のやり取りの味がグッッッと深まるんですよね 会場で2人が対面した時にプリンセスがアンジェを一目見て目を見開く瞬間、「お友達になってくれませんか」の言葉に感極まるかのように声を一瞬震わせる瞬間、そしてその後の2人の会話、これらがたまらなく最高 グッとくる

エモいという言葉は普段あまり使わないのだけどこれはもう文句なしでしょ グランドエモいでしょ 分かるだろみんなァ!!(高らか)

 

と、様々な演出やキャラ描写の巧みさが素晴らしい本作だけど、それを取り巻く周囲の風景の作画の美麗さや、その後ろで奏でられる梶浦由紀さんの劇伴も作品を鮮やかに彩っててこれもまた良いんだよねぇ(このcase1だとパーティ会場の巨大なオルガンとか、ノル公がやってきた時に開く門の緻密なスチームパンク表現なんかが特に好きでして) 設定資料とか見てもこの辺はかなり作り込まれてるのが伺えるし、やはり人の心を掴むアニメってのはこういう細かな部分の拘りも強いなぁ、と

 

と、色々語りましたが今回はこの辺で コンパクトにまとめて昼くらいには記事上げるつもりだったのがだいぶ時間かかっちゃったな...() 今後もぼちぼちプリプリレビュー感想上げてくので是非読んでいただければ 良いなと思ったら拡散してくれると嬉しいぞ 黒蜥蜴星人も喜ぶぞ

 

ではまた

 

 

余談:

case1観るたび毎度思うんだけど、この話のベアト(ベアトリス)ってほぼほぼ「姫様に向かって!ムキ-!」みたいなこと言っててちょっと面白いんだよね...w 1周目の時は正直なんやこの小娘、とか思ったものです ここから魅力どんどん増してくけどね