AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

溶けた氷の中に(以下略

ウルトラマンG(グレート)

第2話「凍てついた龍」

感想レビュー

 

ゴーデス細胞襲来の影響による気候変動で緩やかな温暖化が発生、南極の氷の中から氷漬けでの恐竜、ギガザウルスが発見された。UMAは軍の情報部が管理するギガザウルスの調査へ訪れ、チャールズの分析によりギガザウルスが未だ仮死状態で生きていることを突き止める。

その調査の最中、UMAの面々は現場へやって来ていたジャックと遭遇、彼から様々な話を聞くも、やたらにゴーデス細胞に詳しかったり、ギガザウルスとゴーデス細胞を巡る事態の行く末にやけに達観したような意見を示したり、火星からの帰還などの肝心な部分を言えないとそてはぐらかしたりと妙に掴みどころのない彼の態度に、ジーンをはじめとしたUMAの面々は微妙な感情を示し...
ジャックを信じ歩み寄ろうとするも、グレートとの同化の影響があってか釈然としないようなどこか超然的なような態度を示すことの増えたジャックを信じきれないジーンがメインで描かれ、彼女のジャックへの特別な感情は1話からちらほらと伺い知れる故になんとももどかしいところ そして「彼が分からない」と戸惑う彼女に「自分の気持ちに素直になるのよ」と優しく背を押すキムがさり気なくいいポジション。キムは1話もそうだったけどジーンとのやり取りを通じて仲間想いな面が目立つよね

 

一方、そんなジーンに想いを向けられるジャックも自分のことを皆に上手く受け入れてもらえない現状を憂い、使命のために戦うべきと諭すグレートに対し、人間としてありたいと強く主張していた。ウルトラシリーズの主人公において、ウルトラマンの力を手にしたことへの超越感や認めてもらいたいという想いから序盤でつい舞い上がってしまう者達は多々いたが、ウルトラマンと一つになったことによる周囲とのズレからあくまでも自分は人間としてありたいと自発的に強く思うジャックはなかなか珍しいパターンだなと思ったり

「人間より、あの恐竜(ギガザウルス)を身近に感じることがある」という発言は、ゴーデスに侵されようとも自らを失わまいと抗うギガザウルスに、今の自分とのシンパシーを感じたことから来た想いと、彼方から来た異邦人と共に心も体も一つとなったことで人間かどうか曖昧となった自分へのちょっとした葛藤を含んだものなのかな、と 掘り下げるとなかなか深い台詞

そしてそんなジャックに語りかけるグレートは、ゴーデスとの戦いを使命とする高潔な一面は見えつつも、ジャックの主張に対しズレた反応がいかにも人間とは違う価値観の宇宙人という感じでなんとも絶妙なキャラ付け これだけガッツリとしたズレの描写もウルトラシリーズでは珍しい気がする ちなみに、人間でありたいと精神的な意味での気持ちを示すジャックに「いつも(変身してない時)は人間だろ」と物理的な意味での事実をなんの気無しに言っちゃうシーンはそのズレがより濃く出てて少しお気に入り その後で相変わらず強く主張してくるジャックに何も言い返せずウ-ン...って低く唸るシーンもなんか可愛くて好きですw

 

話は進み、なんかどっかで見たことのある謎の男の暗躍によりギガザウルスが仮死状態から復活、ゴーデス細胞や温暖化の進む地球環境に苦しみ逃げ場を探し進行を続ける中、謎の男の策略で炎に囲まれ更に凶暴化させられてしまう。ちょっとしたポイントだけど、ギガザウルスの4足歩行の恐竜というイメージをしっかり表現したプロポーションはかなり迫力があり目を惹くわね

ギガザウルスを止めるべく、ジャックはハマーに乗り込み、高度な運転テクニックでギガザウルスを翻弄(これにはジャックに目を付けてた隊長もちょっとご満悦)。だが爆炎を前にした刹那、火星で命を落としたはずのスタンレーとゴーデスの顔がほぼ同時にフラッシュバック、それに気を取られた隙にギガザウルスに落とされてしまう。(書いてて気付いたけどスタンレーとゴーデスの顔が重なるようにフラッシュバック、ってまるでジャックとグレートの変身時の演出のようだな、と...)

窮地に陥ったジャックは、デルタ・プラズマーを手に取りグレートに変身(ちょっと茶々入れちゃうのだけど、ぐわんぐわん揺れる操縦席の中で焦ったような落ち着いたような絶妙なスピード感でデルタm・プラズマーを取り出し、顔をぐわんぐわん揺らしながらグレートのビジョンと一つになるジャックの画はなんかちょっとシュールだった...w ごめんなジャック)。ギガザウルスを食い止めるべく立ちはだかり、時に吹き飛ばされながらも冷気を跳ね返すことでその動きを止め、最後はその肉体を消滅させ、超古代の眠りから覚めた恐竜を苦しませぬよう眠らせたのだった。

そして皆の前に現れ出たジャックは、勇敢に戦ったその勇姿を見た皆に明るく迎えられるのだった(ハマー落っことされたロイドは不服そうだったけど)

 

というところで2話は終了。ジャックとグレートの会話から見るに、ウルトラシリーズ序盤でよくある『ウルトラマンの力を手にしたこと主人公がその力に頼り切るのではなく人間として戦うことの意味を見出す』という形式を、新しい心理描写からのアプローチでやった話でもあったのかも、と書いてて新たに感じられ、レビュー記事の作成作業も込みでなかなかに面白い話でした。

 

というわけで今回はこの辺で。ではまた

 

 

余談:

基地で精密検査受けてた時のジャックの胸毛凄くない...?
凄くなかった???(気になった人は再チェックしてね!)