AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

雷鳴、恐れを貫く

仮面ライダーセイバー

第5話「我が友、雷の剣士につき。」

感想レビュー

 

カリバーの出現に騒然とするソードオブロゴス。飛羽真の持つ炎の剣士の聖剣と本が狙われていることも受け、カリバーの捜索とメギドの動向を掴むための行動を倫太郎や尾上さん達が進めようとする中、カリバーとの邂逅を経た賢人の表情には暗い陰が落ちていた...その頃飛羽真は3冊変身を披露した後のソードライバーをメンテのため刀鍛冶の「大秦寺鉄雄」に一時的に持ってかれ、手持ち無沙汰の中敵についての情報を整理していた 鉄雄さん、人見知りらしいけど尾上さんの方をロクに見ずに口数少なくいなしたり、飛羽真と向き合う時に顔の前に手で壁作って目を合わせないようにしたりとだいぶ重度な感じがあるな...w 少し前から出てたのに殆ど喋らなかったのはこれでか ポジションとしては大々的に動きそうな雰囲気はないけどこれから中心の展開に関わってくことはあるのか否か

 

日は変わり、ノーザンベースで会話する賢人と尾上さん 関係性について仄かしのあったカリバーが賢人の父親であり、尾上さんの親友であったことがここで遂に明らかに。カリバーが多くの剣士の命や飛羽真の記憶を奪ってきたことに責任を感じ、自分がケリをつけると賢人は神妙な面持ちで言うが、思い詰める彼をカリバーのことは組織全体の問題、と尾上さんは悟す。しかし賢人の表情は晴れず...デザストの持ってたワンダーライドブックへの言及といいさらっと触れられるので気にすることが少ないけど、多くの剣士が犠牲になってきたことがたびたび語られる辺りセイバーの世界観はなかなかにハードよね 
幼い頃の父との思い出を回想する賢人。そんな回想の中に出てきた賢人の父を演じていたのは、特撮シリーズではお馴染みの唐橋充さん。セイバーの物語でも中核を担う存在になるであろう役に唐橋さんとは驚いたなぁ 必然的にカリバーもそうなのが確定したと見られるけどどういう雰囲気になってるのかな

すると、賢人の様子がおかしいことを心配していた飛羽真が彼の下を訪れる。賢人は飛羽真に自身の想いを悟られぬよう昔話で明るく振る舞おうとするも、飛羽真には自然と賢人の抱える不安についての話に持っていかれてしまい、賢人は尚も表情に陰を落とす 昔話の中で出てきたトム・ソーヤの冒険になぞらえ、何でも言い合える親友としてスッと賢人の内面に寄り添おうとするとこは本/物語の好きな一面も活きてて飛羽真らしさが感じられて良い

その時、2人はズオスにより生み出されたピラニアメギドの行動を察知。駆け付けた賢人は「仮面ライダーエスパーダ」へと変身しピラニアメギドに立ち向かい、飛羽真も人々を救うためセイバーとなりそれに続く。

賢人の登場から実に3話を経て遂にエスパーダが登場 雷のエフェクトが激しく飛び交う変身バンクが綺麗で、戦闘スタイルも最低限の動きで敵の攻撃をいなしつつ攻める時はガンガン攻める緩急のついた動きが実にカッコ良い 金と白の色味のバランスも画面に映えて良いわね

 

しかしその時、カリバーがどこからともなく現れてセイバーの持つ剣と本を狙って襲いかかる。2人が剣を交えると同時、ブレイブドラゴンとカリバーの本の突然の共鳴、その様を見たカリバーは「やはりそうか...」と反応を示す

と、戸惑うセイバーを跳ね除け、エスパーダがカリバーに剣を振るう。激昂しながらカリバー/父へ向けて裏切りの理由を問うエスパーダだが、カリバーはそれには無言を貫く。カリバーを「父さん!!」と激しい声色で呼ぶエスパーダに、裏切り者への怒りと共にまだどこか信じようとしてる賢人の心境が感じられて辛い...


更に激しく感情を露わにしエスパーダは必殺技を繰り出すもカリバーの必殺技にかき消され、そのままエスパーダにカリバーの斬撃が届き...と思われたが、間一髪介入したバスターにより攻撃は防がれ、カリバーもそれを受け姿を消してしまった。

ドラゴンヘッジホッグピーターとなったセイバーによりピラニアメギドは倒されるも(必殺技は普通にちゃんとしたやつでした ムキムキ妖精さん呼べよ!!!)、怒りに任せて突っ込んだ賢人を尾上さんは「お前の使命はなんだ!!」と叱責。しかし賢人は振り払いその場を後にしまった...一方、退却したカリバーの下にはストリウスが現れ、彼が飛羽真ー炎の剣士の本と剣を狙う理由を問う。カリバーはそれに一言、「アヴァロン」という謎の言葉を返した...

アヴァロンというと、かいつまんで言うとアーサー王伝説の舞台となった島を指す言葉だそうで セイバーには玩具関連情報で、アーサー王の物語に関わるアイテムの登場も発表されており、ペン+ドラゴンのペンドラゴンというところで度々アーサー王の物語との関連が見られているけど、これはより関連が示唆された形になるのかな 考察のし甲斐がありそう

その頃、メギドの動きを探る倫太郎は芽衣と共に行動し...くじ引きのガラガラに惹かれていた 何やってんだおめぇ!!!てか口ぶりからし

芽衣ちゃんはソードオブロゴスの仲間入りがしたいっぽそうだったけどどういう心境でそうなったんだろうか

 

裏切りの父との対面で更に迷いの中に晒される賢人。そんな彼を追ってきた尾上さんは、彼の前でおどけることで賢人を笑わせクールダウンさせる。落ち着きを取り戻した賢人は、大切なものを失った飛羽真がもう何も失わないように守ってやりたい、と改めて想いを語るが、飛羽真の想いの強さを知る尾上さんは「それは本当に必要なことなのか」と賢人に問い、迷いや責任を抱え込んでしまうところが親友だった彼の父と同じだと笑いながら告げると彼の下を後にした。そして同じく賢人を心配し追ってきた飛羽真に途中出会うと、「みんなそれぞれ抱えてるもんがある。お前だってそうだろ?だったら、お前が守り抜け。約束だぞ」と伝え、ストームイーグルワンダーライドブックを手渡し去っていった。

敢えてピエロとして振る舞うことで空気をほぐし、荒れる賢人の心を落ち着かせてから本当にやるべきことを改めて見つめ直させ、賢人を案じる飛羽真にも彼が重んじる「約束」を持ち出すことで支えになってあげるよう優しく促す、と尾上さんが初登場前後編の時のイメージを払拭するかのような、若者達を支える良き兄貴分として振る舞っていて凄く好感。てかこういう尾上さんが見たかったので早速こんな良い立ち回りしてくれて嬉しい 正直キャラとしてのファーストインプレッションが決して良いとは言えなかっただけに、ここで早期に彼の本来の人柄であろう部分を強調したのは良い采配だ

 

向き合いお互いに言葉を交わす飛羽真と賢人。

失くしたものがあるような感覚から来る時間が止まってしまったような気持ちがあり、だからこそその答えを見つけたい飛羽真

その想いを聞き、自身も父の裏切りという心のしこりに対し、答えを見つけたいと思っていることに向き合う賢人

そんな賢人が「聞きたいことがあるんじゃないか」と意を決し放った言葉に、賢人の秘める想いを推し量り、敢えて問うことはせず「助けが必要な時は必ず言ってくれ」と、本と剣を手にして心に決めた決意に従い、賢人を支える想いを述べる飛羽真

自身の責任として守ってやらねばと思っていた飛羽真が、自分の今の運命に向き合い自分の決意の元戦おうとしてることを知った賢人

2人は互いの想いを知り、心を一つにする...
ここの一連のシーンは、薄暗いかみやま店内というシチュエーションに静かなBGM、2人の細かな表情の見せ方と、しっとりとした空気感を生み出す絵作りが凄く良くて、飛羽真が自身の抱えるものやそこから来る決意を語り賢人がそれを受け立ち上がる、という流れを美しく描き上げてて凄く好き 上堀内監督の静かに情緒を表現する魅せの演出が上手く効いた良シーンでした

 

他のピラニアメギドがまだ存在し暗躍していることに気付いた2人は、相手の尻尾を掴むと反撃を開始。ディアゴスピーディーとライドガトライカーの並んでの疾走がまたまた見られて嬉しい限り こういう画は純粋に疾走感がカッコいいし、ちょいちょい見せてくれるとやはり嬉しい ライドガトライカーに関してはあの無骨な装備での戦闘が新鮮だしもっと出番あって欲しいわね

無数の敵をセイバーがドラゴンイーグルで一掃、エスパーダもそれに続き必殺技でピラニアメギドを撃破するのだった。エスパーダの必殺技は、一瞬で相手をすれ違い様に切り裂き、切り裂いた音が斬撃より一瞬遅れて後から響く演出がまさに雷という感じで外連味あって最高にカッコいい!こういう工夫のきいた必殺技はやはり良いなぁ

戦いを終え、賢人が意を決し飛羽真にあることを語る決意を決める。そして飛羽真も笑顔でその言葉を聞くと告げたのだった 絆の更に深まった2人の間に、最早恐れも迷いもなくー

 

一方、捜索の最中、すごいナチュラルにやってきたデザストに追われ逃げる倫太郎と芽衣。更に、ワンダーワールドを侵食し乗っ取るという自分達の目論見を語るデザストの前にズオスが出現、多くを語ろうとするデザストを怪人態となって威嚇する。そんなズオスを倫太郎は鋭い視線で睨みつけており...

というとこで本編終了

父との因縁で惑う賢人をメインに、尾上さんが年長者として頼もしい振る舞いで導き、それを受けた飛羽真の決意の言葉が賢人を動かし絆を深める 3人のライダーの立ち回りが織り成す人間ドラマがじんと滲みる見応えある回でした 同時に賢人の父/カリバーの裏切りやアヴァロン、倫太郎とズオスの因縁など新たな謎・前振りも示され、今後の物語の盛り上がりが楽しみになるところ

 

というわけで今回はここまで 次回もまたよろしくお願いします ではまた