AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

それぞれに出来ること

仮面ライダークウガ

EPISODE8「射手」

感想レビュー

 

ペガサスフォームへの変身により脳内へ雪崩れ込む無数の環境音や会話の声に苦しむクウガ。バヂスの退却により窮地は脱するも、それとほぼ同時に白のクウガ「グローイングフォーム」に戻りそのまま変身が解除されてしまう

一条さんに助けられた五代さんは桜子さんにペガサスフォームについての記述を碑文から探してもらおうとした...のだけど興奮して色々すっ飛ばして話すのでさっぱり通じず、一条さんが簡潔に頼んでくれました()

 

一方アジトへ帰ったバヂスは、ゲゲルで狩った人間の数をカウントする装飾品の腕輪「グセパ」を一条さんの狙撃で失くしたことからカウント数をリセットされてしまい、一発逆転の策として「クウガの撃破による高得点獲得」をバラのタトゥの女に提案。その提案が通ったことでバヂスは再び動き出すのだった...しかしバヂスのグセパ紛失を「こいつのせいで失くしたんすよぉ〜」と小馬鹿にされた仕返しとばかりにチクった結果、調子乗んなと言わんばかりにタトゥの女にどつき倒されるゴオマの哀愁漂う姿、泣ける

 

一条さんに連れられ椿さんの下へ身体検査に訪れた五代さん。ここでペガサスフォームへの変身が視覚・聴覚などの感覚の鋭敏化であること、そうして神経を使う分消耗が激しく50秒しか変身が保たないこと、それによって変身が解除させられると2時間変身できなくなることが判明する。ドラゴンフォームもなかなか難しいバランスの形態だけどペガサスはそれにも増してピーキーなスペックの形態よな本当...にしても五代さんの身体の仕組みに興奮し倒しの椿さんだいぶ危ないぞw

一方桜子さんから実加の失踪について聞かされていた一条さんは、警視庁に実加から0号の調査を懇願する電話が入っていたことを知って彼女の深い心の内を察し、彼女の気持ちにしっかり向き合わなかったことを悔やむかのように悲痛な表情で沈黙してしまう...しかしその時、

「大丈夫!あの子は俺に任せてください!俺ちょうど2時間変身できないし

...大丈夫!」

と五代さんがいつものように笑顔でサムズアップを見せながら一条さんを励ます。

五代さんはすぐ様駆け出して行くと、桜子さんの研究室へと訪れ意気消沈する夏目教授の奥さんに励ましの言葉を送ると共に桜子さんにペガサスフォームについての解読を頼み実加の捜索へ向かい、

一条さんも五代さんの言葉に動かされ科学警察研究所へ赴き、榎田さんがゴオマの発する超音波を基に作成したバヂスの特有の音波を追跡する装置を受け取り先手を打つべく出撃した。

2人のそんな姿を見た椿さんは「良い相棒じゃねぇか」と嬉しげに言うのだった。

一条さんが折れそうになりそうな時、その気持ちを察して真っ直ぐに励まし自身も今出来ることを全力でやる五代さん、良いなぁ 椿さんの言う通りまさに良き相棒という感じの関係性が光るわ

 

五代さんが去った後の研究室では、ジャンは自分の言動が実加を悲しませてしまったと謝意と後悔の気持ちを見せていた。さり気ないとこだけどジャンがこうしてきちんと自分の行いを省みている描写が入れられてるのは良いよね スッと安心できる感覚がある

そんな中、桜子さんは五代さんを信じていれば絶対に大丈夫、と言い、彼女自身も自分に出来ることとして五代さんのために古代文字の解読に勤しむのだった。

 

「大丈夫!五代君嘘つかない人だから

絶対大丈夫!」

 

その頃実加は父との思い出を思い返すようにある場所を目指し、五代さんも彼女を探し海岸沿いにバイクを走らせていた...

一方、一条さんはバヂスの動向を先んじて掴んだことにより、あわやバヂスの手にかからんとしていた家族を救出することに成功していた。バヂスのゲゲルによる被害の広がりようが前話でえげつなく描かれてただけにここの颯爽と現れ家族を救う一条さんの描写は非常にカッコよく気持ち良い。実加のことで気落ちしかけてたところから奮起したのを表してもいるようでそういう点でも燃える

家族の安全を確保した一条さんは、桜子さんからの連絡を受け「邪悪なる者あらば その姿を彼方より知りて 疾風のごとく邪悪を射抜く戦士あり」というペガサスフォームに関する記述についての情報を受け取り、再び動き出す。

 

場面は変わり、ある海岸へ辿り着いた実加。その海岸は、かつて父との楽しい時間を過ごした場所。実加は父との思い出を眼前に映し出し、父がくれた貝殻の首飾りに目をやる。目の前の思い出の光景がやがてうっすらと消えてゆく 父がもうこの世にいないことを知らしめるように...

「人が1人死ぬなんて...どうでもいいことかな...?」「お父さん...私これからどうしたらいいの...?」

 

「どうしよっか?」

 

悲しみに暮れる彼女の言葉にふと返してきたのは、彼女が持つ貝殻の種類に目をつけ海岸沿いを走り、遂に彼女を見つけた五代さんだった。

驚く実加の横に並び立ち、海に向けての7連続石切りに挑戦しようとする五代さん。全てを悲観するかのような実加はできっこないと零すが、五代さんがそれを成功させる姿を見て思わず驚きの表情を見せる。

それを受け五代さんは実加へ語りかける。

「信じて。みんなやる時はやってくれるよ。そして君にもいつか、何かやる時が来ると思う。お父さんもきっと、それを楽しみに見守ってくれてるよ」

 

父を失った心の空虚、それを埋めようと縋る人々が消えていった命に向き合ってないように感じてしまうすれ違いにより起きる焦燥と不信

そんな実加の心をしっかりと理解して寄り添い、みんなが自分に出来ることをやろうと頑張っていて、それはきっとちゃんと形になること、そして彼女自身にも出来ることがあり、それを全力ですることが亡き父のためになることを真っ直ぐに向き合い伝えてあげる五代さんの優しさが天元突破してる良シーン

実加の1人寂しげな様から来るどこか物悲しい雰囲気から、五代さんが訪れ語りかけることで温かな雰囲気が生じ始めるという絵作りを、静かなBGMや海岸というロケーションを活かして上手く描き出してるのも良い こういうしっとりした画がまさに人間ドラマという感じで、毎度クウガのこういう部分の力の入れようには感心

 

その時、空中からバヂスが五代さんを狙ってることを察知した一条さんが駆け付ける。

一条さんの一声を受け五代さんは即座に変身、一条さんはすぐさま実加を庇って寄り添う、という多くを語らず素早く動く様がカッコいい

ペガサスフォームとなったクウガに、一条さんは桜子さんから聞いた碑文の内容を基に銃をクウガに手渡し、それを受け取り「ペガサスボウガン」へと変換したクウガは、聴覚を研ぎ澄ませてバヂスの羽音、および攻撃を察知、繰り出された攻撃を軽く防ぎ、返す刀で必殺の「ブラストペガサス」を叩き込む!遥か下方の相手に攻撃を防がれた驚愕により、繰り出された射撃を躱せず体のど真ん中に食らったバヂスは海面へ落下、爆炎と共に砕け散ったのだった

砂埃を巻き上げながらのペガサスフォームへの変身を下からのアングルで描写、ペガサスが聴覚を研ぎ澄ませることで鳴り響いていた波音が消えていきバヂスの羽音を捉えるという演出、バヂスの繰り出した針を一瞬の動きで指でキャッチし放り捨てると共にペガサスボウガンを上空へ構え一撃で仕留めるスピード感とキレ、と本当ここのペガサスフォームvsバヂス戦はいちいち演出がクールでキレまくってて最高すぎるよなぁ...一撃必殺というスタイルはアクション見たい身としては逆に物足りなさがあるんだけど、ペガサスフォームに関してはその凄さをしっかり描いた上で無駄なく一瞬で仕留める姿が描かれる、という最低限の動きと演出でヒーローのカッコ良さを演出するスマートな描写がマジに好きで、一撃必殺スタイルのヒーローの中でもお気に入り 天才的ですよ...

決着後、疲れてへたり込みながらも笑顔を見せる五代さん。その横では一条さんが実加の顔をしっかり見据え、優しい笑顔で「無事で良かった」と告げた。実加もその姿を受けて自身の行いを涙ながらに詫びるのだった

 

以上、本編終了

五代さん、一条さん(そして桜子さんも)の自分に出来ることを全力で為そうと頑張る姿を物語の中で見せつつ、それを見て彼らが全力で戦っていること、そして自分にも父のためにできることがあることを感じて前を向き始める実加の姿を描き上げた人間ドラマが滲み入る良い回でした そしてペガサスフォームが良い...カッコいい!ああいう戦闘パートにおけるスマートな魅せもある意味リアルさへの拘りの一環だよなぁと思ったり いやぁ面白いわクウガ

メ集団の出現でドラマも戦いもより激化して行くこの先 更に楽しみですな

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございました

また次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら拡散もして頂けると嬉しいです

ではまた