AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

悪魔を討て

ウルトラマンG(グレート)

第6話「悪夢との決着」

感想レビュー

 

ゴーデス細胞に感染し生死の境を彷徨うジーンのそばに寄り添うジャック。精神を通じてグレートにジーンを救う術を問うが、「君が思ってる程、彼女の精神力は弱くない」とグレートは返す。異星の人たるグレートが地球の人間達のことを高く評価してくれていることが感じられる一幕、であるのだけどグレートが人間という種族について言及する場面はここがほぼほぼ初めてなので描写としてはちょっと弱いかなとも思ったり。今までの話の中でちらほらとでもそういう描写があればより深みの増したとこだと思うのでちょっと勿体ないかも

 

一方、集合したゴーデス細胞は火山地帯で一つになろうとしており、その影響で活発化する火山活動によってオーストラリアの酸素が消失、やがてはオーストラリアが灰となり引いては世界の破滅が始まるという恐るべき事実が明らかとなる。地球で様々な生物に干渉してきたゴーデスが最後の最後で引き起こさんとしている災厄について緊張感高めに語られ、短い話数の中でラスボス的な存在感を十分に生み出しているのはなかなか 約6話に渡ってゴーデス細胞に焦点を絞って物語を描いてきた作劇の効果がしっかり出たと思う

 

キムは冷却弾の投下で食い止めようとするも、ゴーデスが火山地帯での「孵化」を待とうとしている中での刺激は逆効果だと語るジャックの説得により、隊長の命でUMAはデータの収集に徹することとなる。

しかしその時、アーミーのブリューワー将軍率いる特殊部隊が突如UMA基地に突入。UMAに事態の解決を任せてはおけないとする将軍によって強引に基地は制圧されてしまう。火山地帯への爆撃を決行しようとする将軍はUMAの面々に自分達に従うよう強制し始め、ロイド達はそれを拒絶するもチャールズは従うことを良しとし将軍の下へと付いてしまうことに...

基地を占拠した将軍は早速キムを火山地帯へハマーで向かわせ爆撃命令を下す。

将軍「爆撃しろ!(`・ω・)」

キム「命令暗号を」

将軍「えっ 知らんなにそれ...(´・ω・) 命令暗号教えろ隊長!(`・ω・)」

隊長「忘れ申した」

将軍「(#´・ω・)」

と叛意を示される。更にユーマ憲章なるものに従い基地の武装が解除され、元に戻すにはUMA司令官全員の同意が必要...と将軍、完全に手玉に取られる羽目に 将軍ェ...
その頃、従うことを拒否したために連行されていたジャックとロイドはそれを振り解き脱出。ロイドはジャックにジーンの下へと向かうよう促す。2話前のデガンジャの風の回の中でもまだジャックに微妙に心開いてなかったロイドだけど、前話辺りから少しずつジャックの良き相棒的な立ち回りをしてくれることが増えてきてなんとも頼もしいところ この2人が打ち解けてく様なんかももっと尺かけて見てみたかったわね

 

だがジャックがジーンの赴こうとしていたまさにその時、感染したゴーデス細胞に操られ尋常ならざる力を発揮、ゴーデスの支配が進んでいることを感じ取ったジャックがはジーンを連れて基地を脱出する。将軍からはジャックとジーンの討伐命令が下され、チャールズとキムがハマーで出動する

キムからはド直球に「うるさい!」と吐き捨てられ、従順に命令を聞いてたと思ってたチャールズも

チャ「クソ、外しちまった」

将軍「ちゃんと狙え!」

チャ「コンタクト落としましたわ」

将軍「自動照準にしろ!!」

チャ「どれを押せばいいかわからん」

将軍「お前...(##´・ω・)」

チャ「あ、発見しました」

将軍「どこだ!」

チャ「コンタクトを」

将軍「ジャックのこと言ってんだよ!!!」

チャ「発見しましたよ」

将軍「速やかに撃て!」

チャ「命令暗号をお願いします」

将軍「(###´・ω・)

と露骨におちょくった叛意を示される羽目に。そしてそれを見てた隊長にはおもっきり笑われた。将軍ェ...

と、ギャグ調に書いたけどここのチャールズ実際めちゃくちゃカッコ良いよなぁ 圧制してくる将軍相手に対し、仲間に非難されながらも従ってるフリをする面従腹背に徹し、そしてハマーに乗って出動という将軍が自分達に好き勝手できないタイミングでいざ表返りジャック達仲間を助ける、と立ち回りまで見事すぎるのよね 最初こそチャールズの裏切りに「見損なったぞ」と言ってた隊長が後の方で将軍がチャールズを信頼しきってるのを見て「あんたは甘いな」と何気チャールズの真意に気付いたらしい台詞を言う流れも好きである

そうしてチャールズに逃されたジャックは、ゴーデスの支配に対し死をも覚悟するジーンを「奴は抵抗と服従の狭間の憎しみを常食にしている」とゴーデスの支配に落ちそうになる彼女を強く抱きしめながら説得、集結するゴーデス細胞を前に決戦に挑もうとしていた...

 

しかし業を煮やした将軍は空軍基地から戦力を動員し火山地帯の爆撃を強行する暴挙に出始める。ジャックによる説得が行われるも爆撃は開始され、将軍はゴーデスの火山爆破によりいたずらに命を散らしていく戦闘部隊の隊員達を「勇敢」と言い放ち尚も作戦を続行、遂には超強力な爆弾の使用までも強行しようとする...
はっきり言っちゃうけど正直部類としてはだいぶやべー人な域だよなぁ将軍...ウルトラシリーズにおける所謂タカ派の防衛軍の上官的なキャラはたびたび登場するけどここまで極端なのは珍しいんじゃなかろうか 一応後の台詞からも分かるように、このままだと世界がヤバいのを分かった上で自分をも犠牲にするの前提で、本土を吹っ飛ばしてでもゴーデスを倒そうとしてたわけで正義感的なものは持ち合わせてるっぽいけど、それにしたってもっとこう...お前!!演者さんの表情の迫真さやヒステリック度高めなキレ演技も相まってだいぶインパクトは強いし良くも悪くも記憶に残るキャラというか

 

そしてジーンを火山へと誘いながら遂にゴーデスは火山を突き破り復活してしまう。爆発と共に粉塵を巻き上げ岩を吹き飛ばしながら砕ける火山の中から、悪魔のような容貌のゴーデスが上ってくるここのシーンの特撮表現はここまでのグレートの特撮の中でも屈指の大迫力で、ゴーデス編のラスボスの登場として申し分なし

ジャックはグレートに変身、ゴーデスに立ち向かう。一方、隊長達の説得および将軍の行動への反発から立ち上がったアーミーの一員のアイクが助力して将軍が拘束されたことで、隊長達は基地を奪還、ゴーデス討伐のために援護を開始する。

しかし新たな姿となって最強の怪獣として蘇ったゴーデスは強大、グレートの猛攻を物ともせず逆にゴーデスを捕らえて取り込んでしまう。

取り込まれたゴーデスの体内でグレートは怪獣の幻影に苦しめられる。更に追い討ちをかけるようにゴーデスは「人類を混乱させこの星を浄化しようとしたのだ」「人類は私と共に生きるか滅亡するかだ」と嘯き、グレートとジャックを追い詰めていく。「楽しくなってきたぞ」

しかし、そんなゴーデスを哀れむようにジャックは言い放つ

「可哀想な奴だ」

「お前はどんな星へ行っても、食い尽くすことしか知らない」

ジャックの言葉に動揺、怒りを覚えたゴーデスに生じた隙、グレートはそれを見逃さなかった

ゴーデスの脳天を打ち破りグレートは脱出、ゴーデスは爆発の中に消え、その野望は完全に潰えたのだった

ここのジャックのゴーデスに対する台詞が吹替え版では「友達すらいない世界で、たった1人で生きていけるのか?」という台詞になっているのは有名だけど、字幕版だとけっこうニュアンスが違ってくるんだね 吹替え版はゴーデスに向き合う者が誰もいなくなるというゴーデスが行き着く世界の本質を突き付け、字幕版はどこへ行っても全てを滅ぼし誰とも相入れることができないゴーデスの本質そのものを突き付ける、といった感じだろうか いずれにしてもゴーデスが動揺したのは、「全てを滅ぼし取り込む本能に従い生きるゴーデスの中に存在していた生物としての『孤独』を恐れる心」故なのかなと 孤独の裏返しから全ての生物を自分と一つにさせようとしていた生物であり、しかしその果てに待つのが紛れもない孤独であることに気付けなかった(気付きたくなかった)みたいなキャラクター性があったのかもしれないと個人的には感じるところ

 

グレートの勝利を見届けたチャールズとキムは飛び去るグレートを見やる。

「彼の目的は?」

「きっと人間が好きなのよ」

そんな彼らの下へジャックが帰還、そして火山の爆炎に消えたと思っていたジーンも無事な姿で戻ってきた。

無事を喜び抱き合うジャックとジーン。そんな2人の生還をチャールズは「愛の力」と称し、キムと共に喜びを分かち合った...そんなチャールズはさらっとキムの肩を抱き寄せていたのだけど、最後の最後にまさかのこの2人...!

以上、本編終了

ゴーデス編決着ッ!!グレートの物語の一区切りとなる一つの最終決戦となり、UMAの面々の絆・愛が強調されるストーリーが見応えアリでした もう少し尺かけて見たかった部分もあるにはあって勿体なさも感じるが面白かった

強敵ゴーデスのキャラクター性についても色々掘り下げ甲斐のありそうな部分よね

 

今回はこの辺で 最後までお読みいただきありがとうございました 次回もまたよろしくお願いします

気に入ったら記事の拡散もよろしくお願いします

ではまた

 

まだ終わりじゃないんじゃよ もうちょっとだけ続くんじゃ