AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ちゃんと撃て

ウルトラマンG(グレート)

第9話「バイオス計画-植物都市-」

感想レビュー

 

-あらすじ-

サザン大学のレオニー博士は高い知性を有する植物「バイオス」を生物工学の新たな成果として提唱、その有用性を声高に主張する。しかしバイオスが管理された実験棟での人間の失踪という事件が発生、更にUMAによる調査でバイオスが地球の常識を外れた得体の知れない存在であると判明する。バイオスを怪しみその正体に迫ろうとするアーサー隊長は、やがてバイオスの正体が地球外の存在であることを突き止めるが...

  • この地球を想う故

バイオスが地球外の存在であると知りつつも、その存在が新時代を作ると信じ、それを邪魔しようとする者に過激な手段さえ用いようとするほどにバイオスに傾倒する姿が描かれたレオニー博士。一見するとヤバい人、というか(本人達が志願していたとはいえ)バイオスの実験棟の中でしか生きられない身体の人間を作り出す実質的な人体実験をも行なっていたりと実際マッドサイエンティスト寄りな人物だったんだろうけど、バイオスが人間を滅ぼし地球を支配しようとしているも同然であることを知った時の言動から察するに、少なくとも人間や地球の未来をちゃんと想っていた人物であることは伺える(それで全てが許されるわけではないが)。

「共存共栄」「支配ではない」という言葉が出てきたことから見て、バイオスの甘言に惹かれ彼が本当に地球の未来を変えてくれると純粋に信じていたのが、研究を進める内バイオスそのものに魅入られやがて歪んでいった...といったところなのかもしれませんね。バイオスの目的を知ってなお縋るように歩み寄るも、バイオスは自分を利用していたに過ぎないと知って逆上しそれ故に命を落としてしまう様には憐れみを覚えてしまう

博士のバイオスに対する遥か遠くの宇宙からやって来た存在に希望を見出し共に手を取り合おうとする、という構図はある意味ウルトラマンと人間の構図にも近しいところがあり、博士とバイオスの場合は手を取り合った存在が悪意ある存在であった悲劇の例、と言えるかもしれないなとも思ったりしました。彼女の前に現れた者がウルトラマンのような存在であったなら...異なる文化、星の者との邂逅は必ずしも全てが友好的な者になるとは限らず、けれどだからこそエース兄さんの言葉が大きな意味を持つのだ

 

とここまで悲劇性の高さについて紹介した博士だけど、バイオスが取り憑いたコンピューターを撃ち抜く時の銃の撃ち方があまりに独特すぎて印象ほぼ全てそっちに持ってかれたのは内緒() 観ていてなんだその撃ち方とは思ってたけど、TL見たら「テレビのリモコンみたいな使い方」って表現されてる方がいて余計に面白くなってしまった...w 本編の当該シーンはその動きの妙なテンポの良さがクセになるので皆さん是非本編でご覧になってください(謎宣伝)

蓬萊 on Twitter: "テレビのリモコンみたいに銃使うとこほんま笑う… "

 

  • ロイドご満悦

バイオスの言語をチャールズが翻訳しようとするも誰も言葉が分からず

チャ「...誰か植物語は?」
ジーン「言語学者なら」

ロイド「精神科を呼べ

と妙にキレのあるツッコミ入れてきたり、隊長とキムが博士に監禁され連絡が取れなくなったことを受け隊長代行をすることになり隊長気分が味わえてよっぽど嬉しいのかご満悦な表情してたりと、今日のロイドはやたらコミカルさが

際立ってて笑う 前回のジャックとの馬鹿2人組感ある絡みといい最近のロイドこの手のポジションが板につき始めてない?()

最後には調子に乗って机に足乗せてふんぞりかえってたら無事帰還した隊長に無線越しに注意され図星を突かれて慌てる、というオチ付きw

 

  • バイオス降臨

逆上した博士の攻撃を受け研究棟を焼かれたことで姿を現したバイオスは巨大な怪獣の姿を表すけど、このバイオスの「植物がコンピューターを取り込んだ」といった感じの趣の、生物感と機械の意匠が上手くミキシングされたデザインは本当に秀逸ですね 腕は関節が設けられておらず時々変な方向に曲がったりもしてるんだけど、それがかえって異質さ不気味さを引き立ててるのも良い

 

  • 「ぬきな!どっちが素早いか試してみようぜ」

展開はグレートとバイオスの戦闘へ突入、グレートが攻撃を繰り出し、バイオスも殴打や電撃といった猛反撃でグレートを追い詰め、と激戦が繰り広げられた末、戦局は向かい合った2人の睨み合いへ突入。さながらガンマンの決闘のように膠着した状態から、相手の出方を伺う2人の顔や手の動きを交互に映す緊張感を煽る演出がクール!

からのこの睨み合いを制し、先に銃を抜いてみせたグレートがフィンガービームでバイオスを撃ち抜き、畳み掛けるようにフィンガービームを続け様に連発してバイオスを撃破するトドメの流れが最高に気持ち良かった!!グレートはたまにこういうキレのある戦闘演出があるから良いですね 第5話のバランガス戦のアロービームと双璧をなす名演出でした

 

 

以上グレート第9話、地球を訪れ博士を利用したことで自らの身を滅ぼしてしまったバイオスを「行動を誤れば自分の首を絞めることとなる」という言葉で締め括った今回の話だけど、そんなバイオスと博士の関係について深く掘り下げると、前述したようにウルトラマンと人間の関係に対比されるような「他の星の者との邂逅」というテーマがさり気なく織り込まれているように感じられ、なかなか深い意味合いの込められたストーリーでもあったのではなかろうかと個人的には思いましたね。今回の話は昔観て以来であまり内容を覚えてなかったので、内容についてグッと掘り下げながらの視聴もできて楽しい回でした ロイドのキャラの方向性は次回はどっちだ(

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた