AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ツラ見せな、闇の剣士

仮面ライダーセイバー

第10章「交わる剣と、交差する想い。」

感想レビュー

 

 

  • 観測者動く

本日も胡散臭いウォズことタッセルの楽しそうな語りで始まる〜...と思っていたら、タッセルが明らかに雰囲気や声色を変えて凄く意味深な台詞を吐くというスタートになり、タッセルのあの気が抜けるようなマイペースなテンションでのアバンはなんだかんだで安定感あっただけにこれは地味に驚いた

タッセルはアバンにてカリバーの闇黒剣月闇が最初に作られた2本の聖剣のうちの一つであるという地味に重要そうな事実をさらっと語っており、これまで「神山飛羽真達の物語面白〜い!」みたいなテンションで我々視聴者と同じく物語を楽しむ観測者的なポジションをとっていただけに、物語の核心に迫るかのようなこの台詞はとても気になるなぁ...でもよく考えたらタッセルは第1話のアバンの語りの時点で剣士達とメギドの本を巡る戦いの歴史について語ってたわけなので、そもそもそういうルーツに詳しいのは当然か 彼が今関心があるのは神山飛羽真達が交わってきた現代の剣士達が織り成す物語といったところなんだろうか...?

 

  • 3本の剣

父・隼人が変身するカリバーが飛羽真を襲っていることへの疑念に苛まれ、再び1人迷いを抱え込み始める賢人。しかし今回はその賢人の異変に気付いた飛羽真や倫太郎が仲間として真っ直ぐに向かい合ったことで賢人は近くで支え合う仲間の存在を噛み締め再起、それを受け飛羽真は「俺達3人、お互いを信じ、助け合う!仲間として」と約束を交わし、3人でそれぞれの剣を重ね合わせ(近くにいた芽衣も一緒に)絆を誓い合うのだった

ここの流れはメインとなる飛羽真、倫太郎、賢人の3人ライダー達の友情がぐっと強まり、全体でチーム感の既に強い剣士達の中でも一際強固な繋がりを持つチーム的な雰囲気が出来上がるという意味でもストレートに熱い流れだったし、約束・物語といった象徴的なワードを用いた台詞で飛羽真がそれを印象深く仕上げる様や、賢人を仲間として信じてる旨を真っ直ぐに伝える倫太郎の真面目な部分が良い方向で光る台詞回しなど作劇も綺麗で良かったね

正直言うと、賢人の迷いに関しては展開の雰囲気から第5章で振り切った面が大きかったように思ったのでここでまた蒸し返されることに若干のくどさを感じたり、尾上さん達他のライダー達も込みで剣士達の絆が深まっていく描写がこれまでメインになってたので「飛羽真・倫太郎・賢人の3人」という部分にピントを当てた絆の描写としてはまだ積み上げが弱くもう一つ盛り上がりに欠ける部分はあったり、と手放しに激アツだったと言うには勿体ない部分もあったのだけど、今後彼らが共に支え合い困難に立ち向かう姿を劇的に描き上げる土台が作られた、という意味でも流れとしては素直にグッときたところでした

...と、ここやそれを踏まえたこの後の戦闘のシーンに関しては単体では非常に熱い評価高めな部分だったんですよね。 ただラストの描写も込みで今回の話全体の流れの中で見ると...という想いもあり...これに関してはまた後述。

 

  • 坂本流バトル演出全開ッッッ

街に現れたアヒルメギド改めてハクチョウメギドとセイバー達3人のライダーの戦闘にはカリバーが乱入、メギドを相手取りサポートするために駆け付けたスラッシュも交えた大乱戦が展開されたけど、今回の戦闘は坂本監督の演出がキレにキレまくっててとても楽しかったですね

セイバー達の斬撃をこなしながらのカリバーの3連リードからの必殺技発動、セイバー達も負けじと繰り出す色んなワンダーライドブックを用いた習得技のテンポ良い連発、などなど、玩具のギミックを戦闘の動きの中にスムーズに織り込んでスタイリッシュに技を放つ演出や、アイテムをスピーディかつ印象的に使用し特徴的な技を繰り出すことでコレクションアイテムの多さを戦闘の多彩さに昇華する魅せといった坂本監督が得意とする演出がセイバーの戦闘と凄まじく相性が良く、今回の戦闘は絆を深めた3人ライダーとカリバーとの大一番というシチュエーションなのもあって、これまでのセイバーの中でも一番燃えて一番楽しかった戦闘でした。西遊ジャーニーの筋斗雲とかランプドアラジーナの魔神、ブレイズの本物の水飛沫舞う豪快な攻撃(これが迫力あって凄く良かった!)などCG等を駆使した技の演出で個性も際立って目立ってたし、坂本監督には今後もセイバーにちょいちょい登板して欲しいなぁ 戦闘シーンが引き締まる

 

  • や べ ー や つ

助っ人にやってきたスラッシュ、今回もブレーメンでハイテンションになっていたけど、壁際に追い詰めたメギドを「フォォォフォホホホホwww」とか言いながらポーズ決めて撃ちまくってたり、撃破後に盛大にキメたような絶叫あげたりと..もうこれ戦闘狂だろ!!!めちゃくちゃ楽しいから是非とも毎回出て欲しいなブレーメンスラッシュ(無理だ)

 

  • 俺達が決める

相手に攻撃を吸収する能力やワンダーライドブックの巧みな使いこなし、そして熟練の剣術で3人ライダー相手にも優勢以上に立ち回るカリバー。しかしセイバー達も連携によってカリバーの隙を生み出して攻撃を次々に打ち込み、取り返したライドブックで遂にお披露目となったエスパーダ・ゴールデンアランジーナも交え、遂に3人のワンダーコンボが揃い踏みとなる!

カリバーの強者感を複数人相手の大立ち回りでしっかり演出しつつ、前半の飛羽真達の描写も踏まえてより劇的となった3人ライダーの友情の連携がそれに食らい付いていく戦闘は見応え抜群で、ここのバトルシーンはまさに今回の白眉でした。色味の統一されたワンダーコンボ3人の並びも綺麗で、OPをここぞのタイミングでぶっ込みながらのカリバー圧倒の流れもストレートに盛り上がり最高でしたね

 

  • 解明・邂逅

しかし戦闘は乱入してきたストリウスの攻撃で4人が変身解除となった中断。そして舞い上がる煙の中から現れたカリバーの変身者は...
幼い頃の飛羽真や世界を救った先代炎の剣士、上條大地だった。

と、ここはやはり大方の予想する通りのところとなりましたね。

ならば父・隼人はどこへ行った!?と問う賢人を「いずれ分かる」「裏切ったのは紛れもなくお前の父親」とはぐらかし、彼は姿を消した...
彼が正体であった際に生じる謎の数々やそれに関する推察に関しては前回の記事(下のリンク参照)で語ったけど、まさにそれが今後の話を引っ張る要素となっていきそうですね。盛り上がってきたな、セイバーの物語...

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  • 亀裂

カリバーの本来の正体が隼人のはずで会ったことが飛羽真の知るところとなり、数々の事実に困惑する飛羽真は賢人に詰め寄るが、同じく困惑する賢人は飛羽真の手を払いどこかへ行ってしまう...更に飛羽真は幼い頃に遊んだ少年が賢人であったことを思い出し...と、突きつけられた事実に惑う飛羽真と賢人の間に亀裂が生じ...という展開に

絆を深めた仲間との間にふとしたきっかけなどから軋轢が生まれてしまう、という展開はこのセイバーの物語の中でも十分にあり得る(むしろ絆を深めることを主軸とする中でそういう展開が必要になることもあるであろう)と思っていたためこれ自体に関しては特におかしなことはないのですが、主観としてはこれをわざわざ前半の3人の絆が深まった展開やそれを踏まえた戦闘と序盤も序盤の同じ回の中でやらなくても...という想いが強いんですよね。

勿論これを経た上で2人がまた対話等を経て絆を結び直しより強く繋がっていく展開が今後あると思うので無駄な描写ということは全く無いと思っているのですけど、せっかく「3人の団結」が主軸となって熱い盛り上がりの多く盛り込まれたこの話の最後にこれ、というのはいささか風情がないんじゃないかとか思うわけで...3人が剣を重ね合わせるあのシーンに連なる描写は、

カリバーにまつわる事実を知って賢人と飛羽真の間に軋轢が生じる

→戦いの中で再び互いに向き合い(倫太郎も込みで)絆を深める

という流れでやって欲しかったなぁ、というのが現時点での僕の印象かなぁ。うーむ

 

  • サウザンベース

前回顔見せとなり、今回ノーザンベースに並ぶソードオブロゴスの本拠地「サウザンベース」の使者として登場した「神代玲花」。賢人にトライケルベロスを渡したりと味方してくれてはいるけれど、セイバー達の戦いの顛末を隠れて見ている怪しげな動きもあり...本当に純粋に味方なのか?色々怪しいなぁと

 

  • 「彼」

ラスト、いつものように現れたタッセルの語りとなるのだけど、こちらでも不穏な雰囲気を纏い「僕もそろそろ、に会わなければ...」と言い...彼ってだれさああまた謎が増える...
しかしこれまで観測者の立場を貫いてきたタッセルが早速その枠を飛び越える宣言をしてきたも同然の発言を繰り出したのは驚きだな...あるとしてももっと先になるかと

彼、は順当に言えば遂に現代にその姿を見せた上條のことかなと思いつつ、接点と言える接点が思いつかないし(これは他のキャラもそうではあるが)、ならば未だ謎の多い「アヴァロンで飛羽真に語りかけてきた謎の男」か?とも...謎多き存在として接点がある可能性は大きいし 気になる

 

 

以上セイバー第10話、飛羽真達3人が友情を深め強敵カリバーを圧倒する展開が目を惹き戦闘も凄く楽しかったものの、最後の最後で全体の流れとして引っかかる部分が生じてしまったのは勿体ないなぁというのが正直なところ やっぱりちょっと早足気味な展開って感じはあるなぁセイバー

とはいえカリバーの正体も明らかになり、タッセルが怪しげな雰囲気を纏い動き出したりと物語に動きが見られ、次回も波乱の展開になりそうなのでここからの物語が楽しみにはなってきましたね 観測者たるタッセルがどう介入してくるか...ここが一番の注目どこですね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた