AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

母なる地球よ ウルトラマンよ

ウルトラマンG(グレート)

第12・13話

「その名は“滅亡(ほろび)”

/永遠(とわ)なる勇者」

感想レビュー

 

 

  • 地球の内から、外から、そして...

オゾン層修復のためにUMAのビーム衛星が打ち上げられるも、同時に衛星と呼応するように地球で次々に異変が起き始める。そしてそれに続くようにして地球の内である大海からは怪獣コダラー、外である大宇宙からは怪獣シラリーが迫っていた...
と、じわじわと迫る滅亡の時への緊張感を地球環境などへの異変だけでなく、その煽りを受けて人々が食糧難に苦しみスラムのような場所へ集まり暮らすようになっていく様や近付く滅亡を「人類への裁き」といって崇めようとするカルトじみた人間の出現といった事象を通じて「緩やかに崩壊していく人間社会」という観点から描く何気に大きな規模での描写が他のウルトラシリーズの終盤の展開とはまた違った味があったのが非常に面白いところ。他作品でいうと、人類が疑心暗鬼に陥り社会全体がじわじわと滅びへ向かっていく感じがぞわぞわと来た「デビルマン(漫画版)」の終盤なんかと同じテイストを感じますね

 

そしてそれに加えてまた一つ物語に大きな衝撃を投げかけた展開として、発見された金属プレート(通称“皿”)に刻まれた「コダラー、シラリーに続く『第三の者』の正体」を挙げずにはおけないでしょう。ここでは敢えて直接言及せずに書きますが、第三の者の正体が判明した後改めて12話を見返したりしてみると、ジャック達が地球への影響を鑑みて衛星の打ち上げを反対していたまさにその直後に衛星に呼応し発生した地震なんかもその第三の者の存在を既に示唆していたのだなぁと見事な伏線張りに震えました 終盤にて第三の者の正体を決定づけた電磁波の存在といい、物語全体で起きた異変がどれもこれも第三の者が人間への裁きとして自らの意思で行っていたものだとしたら...と薄ら寒いものがある

終盤にて隊長が言った「闘いません 敵の正体はー我々自身ですから」はまさしく真理と言えよう 第4話のデガンジャの回でも似たようなことが言及されたけど、人間はもっと地球に目を向け変わって行かなけりゃならんということで...

ニアス on Twitter: "「意味が分かると怖い画像」って言われててなるほどな… "

 

第4話レビュー記事はこちら→
ウチの神はFall guys体型 - AnDrew’s小生意気レビュー記

 

  • 深海に閉ざされし者 天空に追放された者

本作のラスボス怪獣として立ちはだかることとなったコダラーとシラリーの二大怪獣。純粋な暴れっぷりで言うとウルトラシリーズのラスボス怪獣の中では割と控えめな感じかなと思いましたが、海中から現れるモンスター然としたコダラーや宇宙を飛行し迫り来る悠然とした雰囲気のシラリーなど印象深いカットがそれぞれに存在しており、これによりなかなかに印象深い怪獣となっていますね。

上記のカットにおけるコダラーシラリーはいずれもマペットで表現されているとのことですが、双方共に生物的なリアルな存在感を濃く醸し出した素晴らしい造形をしてるんですよね しかも聞いたとこだとシラリーのマペットは2m弱あったとかなんとか。半端ねぇ...
ちなみにコダラーの見た目がシュッとしたマペットとずんぐりむっくりな着ぐるみとで乖離大きすぎることは視聴者の間でかなりネタになってるところで...w でも着ぐるみコダラー可愛いと思う(こなみ

ブラックエンドマーク on Twitter: "思わず「太った?」と言いたくなる変わり様だけどそこがまた良いよねコダラー マペット版は甲羅だけ不気味に浮かべながら突如海上に出現し、船を破壊する、という怪獣としての恐ろしさを描き、上陸後は一変して可愛らしい姿をしていながらも、グレートを一方的に追い込む、という強さを見せつけるのも… https://t.co/g8fGdUjzG2"

ブラックエンドマーク on Twitter: "マペット版シラリーほんと格好良過ぎる… "

じゃすぴょん on Twitter: "このシラリーのマペット物凄くでかいんだよね 円谷に持ち込まれた時の写真見る限り2m近くあったんじゃないかな… "

 

  • 最終決戦

コダラーとの初戦において真正面からの敗北を喫してしまい、次の変身が最後になるという絶体絶命の危機に陥ったジャックとグレート。2人はコダラーと地球に飛来したシラリーの邂逅を受け、UMAと共に最後の戦いに挑む...
グレートvsコダラー&シラリー戦は、スケールの違った2体の怪獣相手に心なしかいつもより激しめなグレートのステゴロファイトを挑むグレートの構図の新鮮な感じが非常に面白かった他、グレートを下したコダラーをUMAが下す展開や、残るシラリーを撃破したダブルグレートスライサーの豪快で外連味の効いた決着など、総じて胸が熱くなるような絵作りが多く楽しい最終決戦でした。

 

倒したコダラーを連れ、ジャックを分離して去っていくグレート。その姿を見送りながら、UMAの面々は人類が滅びを乗り越えもう一度得たチャンスを無駄にしないための、新たな一歩を踏み出そうとしていた...
この辺、少々グレートの去りゆく構図のドラマチックさが演出的に弱い感じを受けたことや、ラストに隊長とジャックが金属プレートの文の内容を語るシーンにおいて肝心の文の内容の訳が難しめでラストの語りとしてイマイチピンとこなかったことなどから個人的にはちとパンチが弱いかなという感じなのですが、ジャックの最後の台詞の英語の方をよくよく聞いてみると

「We've been given another chance.(僕達はもう一度チャンスを与えられたんだ)」

と、滅びを乗り越えた人類が手にしたもう一度歩み出すチャンスを活かしていこうとする意志をスパッと強く感じさせる良い台詞回しになってたのが個人的に高ポイントで、ラストの締めとしてはしっかり決めるとこは決めてたかなと。最終的に気持ちの良いラストだったと思います。

 

 

以上グレート第12、13話、破滅がじわじわと人類を蝕もうとする流れ、それをグレートと共に乗り越えんと奮闘するUMA、そして人類を破滅へ追いやろうとした最大の敵の正体、などの緊張感を醸し出す怒涛の展開や諸要素を絡める形で、再び人類が手にしたチャンスを活かすべく新たな一歩を踏み出そうとするという希望あるオチで締め、総じて気持ちの良いラストとなったなと思います。

ウルトラマングレート、しっかり通しで全編観たのはもしかしたらこれが初めてだったかもしれませんが、バラエティ豊富な各エピソードの楽しさをはじめ、日本のウルトラシリーズにはない独特の構図や演出、怪獣造形や見せ方など目を見張る部分が多く、非常に楽しかったです。機会があったらより詳しく総括なんかもしてみようかなと思いますが一応そういう感じで締めとさせていただこうかなと。全13話、グレート感想レビューにお付き合いいただきありがとうございました!いつか日本語訳版も観てみたいものだ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた

 

次パワード配信来たりしねぇかな!