AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

その覚醒、光明か、暗雲か

仮面ライダークウガ

EPISODE23、24「不安/強化」

感想レビュー

 

 

  • 不穏

碑文に刻まれた

聖なる泉枯れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん

の記述に不穏なものを感じ、椿さんや一条さんに不安を吐露していた桜子さん。クウガについて物語る最も重要な部分に真っ先に触れグロンギとの戦いの手がかりとしてそれを確実に読み解く立場であり、それ故にそこから紐解かれる様々な要素に一喜一憂し誰よりも不安を抱くことになるわけだから桜子さんよくよく考えると大変なんだよなぁ。古代におけるクウガが如何なものだったのか?それが現代のクウガたる五代雄介にどう影響していくのか?我々は桜子さんを通して同じ不穏さを抱きクウガの物語を追っていくことになるわけで、そう考えると色んな意味で視聴者に一番近い存在というのは桜子さんなのかも、と思ったりしました

最終的に桜子さんはクウガが発現させた新たなる力に不安を拭い切れないながらも、序盤のEPISODE5、6においてクウガの力を手にしたことに向き合い戦うことを決めた五代さんを支えると決めた身として、改めて信じ抜くことを決めるという形で迷いに一つの整理をつけました。「凄まじき戦士」を取り巻く物語において重要になったのはご存知の通り五代さんだったわけで、ここで五代さんのことをしっかり信じられた桜子さん、やっぱり強い方だよ

 

  • ポレポレの日常

前回芝居の先生がガルメの犠牲になったことで暫く店を空けていたということになってた奈々の復帰から始まったOP明けのポレポレの風景。奈々に気を遣うような慎重な言葉遣いと態度から始まり、奈々が徐々に立ち直っていることを感じていつも通りの下らないジョークを交えて会話に興じ始めるおやっさんの言動は凄く優しさが出ていて何気に好きなシーン。おやっさん(というかポレポレ)の場面はほぼほぼ気の抜けるギャグシーンなのであまり言及することはないけどクウガの殺伐とした劇中においては純粋な日常の風景ということもあって地味に大切な場面だけれど、その分前回今回とそこへ非日常が介入してきた時におやっさんの大人としての味が出るのもまた良いんですわ

 

  • 大丈夫ですよ

碑文の記述に関わる形でのこの先の五代さんに対する不安を桜子さんから話され、その不安を優しく受け止めつつ五代さんのことを「何があってもアイツはアイツだから大丈夫」と諭してあげる椿さん、頼もしすぎるんだよなぁ〜やっぱり椿さんめちゃくちゃ好きだわ 人との向き合い方が上手い

桜子さんに目を付けててアタックかけようとしてスカかましてる辺りが絶妙に締まらないが...w

 

  • 一条さん

今回はグロンギの犠牲になった人達の数について思い返して悔しさを滲ませる五代さんを一条さんが励ましたり、ビリビリのコツを掴むために独自に動きたい五代さんの申し出に一条さんがすぐに分かったと返したりと、一条さんの五代さんを深く信頼していることを感じさせる様や、近くで彼の心をしっかり理解し支えようとしてる様などを伺わせるシーンが多くあり、なんか良かった 五代さんの申し出に何をするのかとか聞かずに即肯定の返しができる辺り、五代さんのやることは意味があり重要になることを信じているからこそよな カッコいい

 

  • 振 り 向 く な

これまでも度々劇中で存在感を示していたガリマ姐さんが遂にゲゲルを開始 クウガ屈指の鮮やかにしてトラウマモンのゲゲルは皆様にとっても記憶に強く刻まれているのではないでしょうか。すれ違いざまの斬撃で一瞬の内に仕留め、相手は姐さんの「振り向くな」の一言に振り向いてようやく自分の死を自覚させられる...ゲゲルにこういう言葉を当てはめるのは相応しくないかもだがまさしく神業という感じで...恐ろしい
何が恐ろしいってネックレスや眼鏡といった首から上の装飾品が血塗れになって落ちるという、直接的な演出は交えずともターゲットとなった人間がどうなったかを端的に伝える演出だよなぁと 想像させられる分余計にゾッとするというか

しかもそれに加え、(直接的な凶行の瞬間の描写こそなかったものの)子供連れの親子が犠牲になったことを示すシーンが入っていてグロンギの子供であろうと関係ない容赦のなさを表していたのも強烈。ビランの時も同じように子供が犠牲になったのを感じさせる演出があったけど、この辺両方の回の脚本を担当した井上さんがもしかしたら意図的に入れるようにしてたのかも...とか思ったり この辺のテイストの徹底はしそうだからなぁ井上さん

 

そんな恐るべきゲゲルで劇中の人々も視聴者も震え上がらせたガリマ姐さん、人間をただターゲットとしか見ていない冷徹さは他のグロンギと同様という感じなれど、昇格を目指して敢えて「ゴ」と同じルールでプレイを行い、進行に遅れが出ようとも動じることなくあくまで結果で示そうとプレイに赴く、などなどグロンギという凶悪な怪人集団の中にあってなかなかどうしてストイックで誇り高さを感じるようなキャラ付けが目を惹くところでして。こういう明確に悪であるながらもどこか見る者を惹きつける気高さや美学を持っているとも言えるような一面を持ったキャラのメイクについてはやはり井上さん秀でてるなと感じますね

そんなキャラクター性に加え、トラックを横転させる威力のトライゴウラムの突撃を耐え抜いたりと「メ」の上位格にあることを感じさせる存在感に相応しい強力さもしっかり描写されていて、ほんと濃い敵キャラでした。演じられた木戸さんも冗談混じりに「ゴになります!」と言ってたりしてたけど、あくまで一キャラの評価としては自分も姐さんがゴになる展開は見てみたかったなぁ〜とも思ってたり もっと長く出張る強敵キャラになって欲しかったわね

そして今調べて知ったことだけど木戸さん、ガリマ姐さんを演じられるにあたってかなりキャラを掘り下げて演じられてたそうで こういう愛着が見て取れる話は良いなぁ

木戸美歩 on Twitter: "ガリマの声は、役作りの際、ガリマの過去や生きてきた環境 性格 考え方などバックグラウンドを作り込んで、あの声が出来あがりました。 あの低めの声がガリマの性格に一番合っていたのではと思います。 当時の台本には、台詞の裏の感情やその時のガリマの思いなども結構書き込みました✨… https://t.co/lUkM6nVsdC"

木戸美歩 on Twitter: "台詞の覚え方ですが、私の場合 何度も繰り返し声に出して覚えていました。 得にグロンギ語は日本語ではないので(笑)台本に書いてあるグロンギ語の通訳を頭の中で描きながら覚えていました。 結構大きめの声で台詞の練習をしていたので、一度大家さんに注意を受けた事がありました😅💦ナイショ #クウガ"

 

  • ビリビリ覚醒

そんな強敵ガリマ姐さんに打ち勝つべく、榎田さんの協力を得てビリビリの感覚を自分のものとし、ライジングフォームの覚醒へと至りガリマ姐さんを討ち取ったクウガ

強敵の出現を経て満を辞しての登場となったライジンタイタン、金縁に全身メタリックパープルの重装甲という豪奢な見た目と更に大振りとなったタイタンソードという分かりやすくパワーアップした感がめちゃくちゃにカッコいい形態ですよね。これ以降に登場するライジングフォーム以上に通常形態からの見た目の変化が大きいわけだけど、そんなライジングタイタンがライジングフォームの初陣を飾ったのはクウガの強化をインパクトとして視聴者に印象付ける意味でも大正解だったなと。いやぁカッコいい

 

 

以上クウガ23、24話、強敵の出現を前にしたクウガの進化という光明でありつつも、どこか不穏な空気も感じさせる作劇がこの先の展開を気にならせて非常に面白い回でしたね 平成ライダーシリーズではお馴染みの強化フォーム登場回であるわけだけど当時はこの波乱の展開にはどういう反応があったのだろうか 気になる

そんなクウガの進化を彩ったガリマ姐さんも敵ながら良い存在感でした 死なすには勿体ないキャラだったなぁ

果たしてクウガ、五代雄介の行き着く先とは?という不安をよそに遂に参入を始める「ゴ」。戦いの行方は如何に?

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた