AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

なんどめだ富加宮

仮面ライダーセイバー

第13章「俺は、俺の、思いを貫く。」

感想レビュー

 

 

  • さらば賢人...?

前回の衝撃的なラストから場面は変わり、SORのベッドの上で眠る賢人から始まった今回。賢人の死についてはあらすじの時点で若干ぼかされてたので、命尽きたわけではなくあくまで瀕死という展開はあり得そうと思ってたのでこの辺は一応は予想し得る範囲内でしたね

しかしカリバーの闇によっていつ命が尽きんとも知れない予断を許さない状況なのは変わらず...というところで、街を救うためにメギドの企みを打ち砕くことも込みでカリバーを倒し賢人の現状を打破することが今回の話の大筋となったのですが...

果敢に立ち向かうもカリバーの強さの前に歯が立たず、しかし皆の窮地に瀕死の状態を押して駆けつけた賢人のために奮起、賢人も仲間達一人一人への想いを吐露、そして絶体絶命の中でも飛羽真が皆を救うために立ち上がってドラゴニックナイトに覚醒し仲間達の想いを受けカリバーを討つ...という大筋自体は賢人が仲間達へ抱く想いの再確認や剣士達の闘志、飛羽真の覚醒を一つの流れで描く展開として綺麗にハマっており熱さを感じられたのですが、その後の展開が結局賢人は救えず...というところに繋がってしまってたのがうーんとなってしまうところで...
「飛羽真と共にルナの無事を感じ取り、飛羽真達に自分達が生きた世界を託した賢人の想いを剣士達が受け止め消えゆく様を看取る」という展開自体は飛羽真達の決意をより深めるものとして意味あるものではあるのは感じるのですが、同じような流れや構図を前回飛羽真と賢人の2人の穏やかな雰囲気の中でのやり取りとして描いた後なだけにイマイチ劇的にならないし、何より約束を重んじ戦ってきたことがキャラクターの個性・強さとして描かれてた飛羽真が2回に渡って間に合うべき瞬間に間に合えないというのが主人公の描写としても展開的にもカタルシスをあまり生まないのが痛いという感じで...(約束を重視するキャラの挫折、というところで後の展開における飛羽真の躍進/バネになるであろうことも勿論感じ取れるので無駄ということは思わないのですが、キャラの印象付けが大事な序盤において同じ流れとして2回も擦らなくても...という想いが強く)

第10章で飛羽真・倫太郎・賢人の3人での誓いを描いた直後に賢人との溝が生じる展開を描いたことといい、現段階のセイバーへの個人的な印象として、物語の中で生んだ熱くなったり悲しくなったりといった情緒やら風情やらを欠くような作劇が目立つのがなんとも言えないというのが正直なところなんですよね...若干の王道外し的な狙いもあるのかもしれないですが、セイバーはなまじライダー間の繋がりの強さとかが作品の色として強調されているストレートさが特徴的に感じられる故に、そこは変に捻らない作劇の方が良いと思うのだけどと感じるところで

 

  • やっぱり大人・尾上さん

しかしそんな作劇の中だからこそ良さ/魅力が光ってるキャラもいるなと感じるのでそこは一長一短だなとも思ってます(組織/家族への想いから転じて飛羽真や賢人を繋げようと熱く奮闘した倫太郎や、仲間の和を大切にする一面をちょくちょく覗かせる大秦寺さんなど)

今回の尾上さんも、勇んで突っ走ろうとする芽衣や蓮を諌めて皆の結束が崩れないところでしっかり纏め上げる姿が強調されてて、そういった形でキャラクターとしての良さが出てたなぁと感じます。ほんと初回登場の印象がどん底だっただけで今やしっかり大人してくれてて良いな尾上さん...ここが一貫されてるのはとても好きです

 

そして今回の目玉たるドラゴニックナイトに活躍、これも流れや演出などしっかり燃える形で描かれていて良かったです

セイバーの大元の輪郭を残す形で、まさに騎士の甲冑をイメージした感じの銀メインの重厚感溢れるデザインを施されたドラゴニックナイトのビジュアル、直球の強化フォームという趣ですごくカッコ良かったですね!戦闘に関してはカリバーの攻撃に動じない姿や炎を放つ様など「静」が意識された感じの演出となっておりアクションを見たかった自分としては少々物足りなかったのですが、アイテムのギミックの多彩さやドラゴンを駆り戦う空中戦のシーンなど今後の戦闘に幅が出そうな点は楽しみになるところです

 

  • “闇黒剣月闇”

飛羽真達との悲しい別れとなった賢人...なのですが、今際の際に目が赤く輝く様や賢人の視点が取り残され地面に刺さった月闇に重なるような謎めいたシーンが多く入れられており、カリバー引いては月闇の秘密の一端に触れるような演出が気になったところ

視聴者達の考察の中で有力そうなのは、月闇が死人を取り込み次の持ち主としている(月闇により狩られた者が新たなカリバーの資格者となるといった感じか)というところかなという気がしますね。

隼人は15年前よりも以前に月闇に取り込まれカリバーに(ワンチャンカリバーの隼人以前の資格者が斬ったというのもあり得そうか)

→隼人が変身するカリバーに上條が斬られ次の資格者に(15年前にメギドの侵攻を止めた時点で既に命が危うい状態にあったのか?)

→上條が変身するカリバーに賢人がやられ...
という流れであろうか

以前にカリバーの意思(本体)は月闇そのものであるという予想をしたことがあったけれど、そうなると上條が度々口にしていた「真理の探究」とは月闇に宿る意思が持つ大望だったりするのか、など色々考察も捗るところで。ここは賢人のその後も含め改めて注目していきたいところですね

 

そんなカリバーの謎に続き、飛羽真にドラゴニックナイトの力を授けるように現れ飛羽真と賢人に生きていると感じさせたルナのビジョンや、前回ラストの描写から一転いつも通りさらっと例の家に戻ってきてたタッセル、飛羽真の覚醒を「全ての試練を乗り越えた」と称したアヴァロンの男などなど、分からんことが更に増え...
これらは話が進まんことにはまだ何も言えんなぁ 手がかりがあるとすればやはりワンダーワールドな気がするけれど...

 

以上セイバー第13話、ドラゴニックナイトの覚醒、賢人との別れと剣士達の決意など、燃える流れはしっかりあったのですが、個人的には肝心の賢人との別れの展開自体が物語の流れにおいてややネックになった感があり勿体無い印象。 また流れとしてはしっかり熱いものがあったものの個々の部分で見るとドラマの見せ方や戦闘の演出などで大味に感じる部分も少なくなかった印象があるため、総じて言うと物足りなさが勝ってしまったかなぁというのが正直なところでもありました。

1クール目の区切りを過ぎ物語の核心にも入ってきたパートなだけに、ここからは勢いだけでなく丁寧な作劇を期待したいところです 世界観設定は濃そうだからそれがしっかり繋がっていく様とかに期待したい...!

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた