AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

超高速終盤展開

仮面ライダーセイバー

第15章「覚悟を超えた、その先に。」

感想レビュー

 

 

上條の目的、「真理」の正体、それにまつわる15年前の真実などこれまでセイバーの物語を取り巻いていた謎の詳細が次々に暴かれ、それを軸にした上條と飛羽真の信念のぶつかり合いや、飛羽真の勝利を信じ戦う仲間達の絆模様や奮闘など、物語序盤の山場となった今回のエピソード。

で、こうして列挙すると全体通して熱くなるポイントをしっかり押さえた展開にはなっているし、実際熱くなれるような絵作りや演出は意識されていたんだけど...個人的になんかこう、どうもその盛り上げ方や盛り上げるタイミングが、こっちの感覚とズレている感じがしてどうも盛り上がらなかったというか...

 

まずカリバーと戦うセイバーが消滅の危機に陥りながらも賢人の幻に激励され立ち上がり、同時に同じ場所でメギド幹部の攻撃で倒れそうになった剣士達が芽衣の言葉で飛羽真を信じ立ち上がる場面は、流れこそセイバーらしいストレートな熱さがあったものの、開始10分足らずのまだ序盤〜中盤のパートなのにそれに合わせて「OP主題歌をBGMに流す」というちょっと盛り上げすぎ感のある演出が取られたせいで、一方的に話のテンションを上げられた感を受けてしまい、この時点で実際の演出のテンション感と自分の中での盛り上がりとの乖離が生じ、今回の話の視聴中だいぶ尾を引いてしまったのが非常に勿体なかったところ。OPをバックに熱い場面を盛り上げる演出は特撮作品はじめ盛り上げの際のとっておきという印象がある分、ここはもっと慎重に手札切って欲しかった印象がありました
続く「真理」や15年前の事件についての答え合わせは、焦らしに焦らしたこともあってやっと解明されたなという興奮はあったものの、その詳細についての情報は(話の進行上仕方ないとはいえ)やっぱり微妙にぼんやりとした言い回しとかが交えられてるせいでピンとこない部分があり、それに繋げて自身の目的や信念を語る上條の台詞にもどうも心情が上手く乗り切ってない印象があった上、それに対する飛羽真の力強い返しにもどうも物語的な説得力が生まれてない感じを受けてしまい、どうにもドラマ的な熱量に繋がり得なかったのが残念。上條の心変わりの流れも唐突な印象を受け劇的に思えませんでしたし...
これにより、戦闘をしながら2人が信念をぶつけ合う下りも、エフェクトやスムーズなフォームチェンジを交えたアクション、CGによる壮大な表現を交えた騎竜戦などの演出のパワー・スピード感に呑まれてしまって記憶に残りづらかった、というのが率直な印象であり、とてももやもやしたというか。もう少し台詞の内容や間を印象付けられるよう2人のやり取りに集中してフォーカスする形を取る構成になってれば...と感じます。

 

またそれ以外にも、

・上條が今際の際に飛羽真に月闇を託す下りをじっくり見せる感じで描いたにも関わらずその直後に月闇が消滅

芽衣「飛羽真ー!必ず帰ってきなさいよー!」と飛羽真の帰還を信じる感じの演出をもって力強く叫んでから、で飛羽真が帰還

・仮にも剣士達の絆が強調される作劇となり爽やかに終わった直後にそれを崩すような次回予告

など、せっかく風情ある演出がなされたのにそれをぶち壊すような演出が入れられてるのが散見されるのが残念で...月闇消滅は後の布石なんだろうけどそれなら上條が託す下りは必ずしも入れずとも良かった気がするし、次回予告についても予定通りの流れだろうからそれに文句つけるのは的外れだろうとも思うのだけど、なんかこうもっと...そういうとこ良くないぞセイバーお前

あとこれは個人的な好みが大きいと思うのだけど、芽衣がメギド幹部が目の前にいる状態で倒れた剣士達の下へじわじわ歩み寄っていって唐突な男口調交えながら檄を飛ばす下りもなんか自分の中の芽衣のイメージとかけ離れててうーんとなったというか。もっと等身大な感じの言動で励ましたりするイメージだったんだけどなぁ シチュエーションが優先された感じあってちょっとピンとこなかったかなと

 

 

と、だいぶヒートアップして色々言っちゃいましたが、前述した通り謎の幾つかが解明されたことに関しては大きな前身であり、物語序盤の山場として一つの盛り上がりを用意できたなと感じますね。

  • 15年前の事件において発端となっていたのは隼人であり、その裏に「あのお方」なる更なる黒幕の存在が見え隠れしたこと
  • 隼人と上條を凶行へと至らしめた「真理」の正体の一端「目次録」の存在
  • およびそこにまつわる話と思われる「世界が何者かに作られたものであり、運命は決定されている」という話
  • 隼人をそもそも狂わせた元凶として浮かび上がり始めたソードオブロゴス

...など、今後の物語を牽引する更なる要素も登場し、これは素直に楽しみなところ。

上條の発言を真実と取るならば、飛羽真達の世界は本に刻まれた一つの物語にすぎず、いずれ破滅の到来が決定づけられている、とかなり衝撃的な推測がなされるのだが、そうなるとセイバーの物語を観測者として見つめるタッセルの語りとも大きく関わってきそうな感じがあり...

またソードオブロゴスの闇という新たな謎についても、それが真実ならば上記の世界の真実とどう絡んでくるのかは気になるところで。そこで一番怪しいのは賢人の消滅の遠因ともなった怪しげな行動が目立つ玲花なわけだけど、今後彼女はどう立ち回っていくのか?ソードオブロゴスに不信を抱いた飛羽真にアヴァロンの男が接触しそうな雰囲気があったが、これから飛羽真は第三勢力的な立ち位置となってしまうのか?など、想像が膨らむところ

個人的には正直なところ、この序盤は総じて微妙な印象の方が強いという結果に収まってしまったので、ここから巻き返して欲しいなぁ、セイバー

 

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた