仮面ライダーセイバー
第16章「世界を救う、一筋の光。」
感想レビュー
世界の命運を賭けた数話にも及ぶ決戦の後、剣士達が一時の年の瀬の穏やかな日常を各々楽しむ中、世界を緩やかに包み込み始める異変、そして飛羽真達を掻き乱すかのような玲花の言動で物語に新たな波乱が訪れ始める...という新章の開幕的なストーリーの今回。
目次録が開かれ、ワンダーワールドが現世の多くの人間に触れた影響で、ワンダーワールドを見ることができる人間が現れ出るようになったこと、その人間を対象としてメギドが新たな行動を開始した、というのが全体として大きなストーリーの動きとなりましたね。
ワンダーワールドへの順応性が高い人間を見つけられるようになったのを活用し、その人間から生み出されるメギドを動かすことで世界をひっくり返すに足る更なる力を持つアルターライドブックを生み出す、てのが予想し得る今後のメギドの目的でしょうか。取り込まれた人間を気にしながらの戦いという新たな戦闘を剣士達も求められることになるわけでこの変化は注目ですね
しかしワンダーワールドが見えるようになった人間の1人として登場した1人の男性、演じられてたのはニュージェネウルトラシリーズのスーツアクターでお馴染みの岩田栄慶さんで、これは岩田さんのTwitterから既に報告されていましたが、まさかその男性の奥さん役で岩田さんの実の奥様である岩田眞優さんまで出演されてるなんて驚くよ!!OPクレジットで名前見て反応したわい
坂本監督の直電オファーによる出演だったとのことで、まさかここでお二人を映像作品で見られるとはなぁ 公式サイトの文をよく読むに直接の言及こそないけどどうも一緒にいた赤ちゃんもお二人のお子さんっぽいし、家族揃ってのご出演、嬉しいサービスでした。ありがとうございました!
セイバー 第17章:「古の使者は、光か影か。」 | 仮面ライダーWEB【公式】|東映
※2020/12/27追記
岩田さんがTwitter上で放送後の出演報告をされてましたが、曰く「家族3人で出演でき」とのこと やっぱり2人のお子さんだった!
しかもイエティメギドに変身させられる芽衣の上司の方をこちらもウルトラシリーズではお馴染みの長谷部瞳さんが演じられてたし、思わぬアプローチからの濃厚なウルトラマンジード成分摂取には参ったね...満足満足
そして一方、前述したように穏やかな日常から一転し玲花の差し金によって疑念から争い始めるソードオブロゴスの剣士達、という波乱の展開。ここ最近賢人やらカリバーやらの話でもちゃもちゃと慌ただしく良くも悪くも落ち着かない展開になってただけに、ここで一旦皆の日常という緩急の緩のワンクッションを挟んでくれたのは、後の流れ的にも落ち着けたしストーリーがグッと引き締まったので実に良かったですね。新井式回転抽選器ではしゃぐ倫太郎面白すぎるし、尾上親子と仲良く並んで買い物行く大秦寺さんの同期との付き合いの良さがほっこりするわ 大秦寺さん、尾上さんの性格ちょっと苦手そうだったのにああやって仲良く歩いてたりとなんか前よりコミュ力上がってない?
そしてそこから剣士達が刃を交えてしまう展開に繋がっていってしまう流れ、ここが正直どうもな...と思ってしまったところで。
絆で結ばれた仲間達が衝突してしまうこととなる展開自体はストーリーの流れとしておかしいものではなくきちんと盛り上がりを作るものとして良いと思うし、
・上條や隼人の裏切りを誰も予測出来なかった中、真理へ触れんとした飛羽真が同じように裏切る可能性がある、とかつての仲間の裏切りの傷が人一倍深いであろう尾上さんや大秦寺さんを揺さぶる玲花
・賢人の仇である上條を信じる飛羽真に苛立ち痺れを切らした蓮と、組織を家族として信じていう故に「組織を信じられない」という飛羽真の発言に組織を裏切るはずがないと逆上してしまった倫太郎が真っ先に剣を向ける
という現状や各人の立場、心境をロジカルに踏まえた流れがストーリーをよく見ているとしっかりできているので決して唐突で荒唐無稽な展開ということはない(飛羽真への疑念を受けてまず聖剣と本を渡すようにと交渉に出たり、賢人との約束のためにも聖剣と本は渡せないという飛羽真を疑いつつも尾上さんが「お前1人でできることには限界がある」と譲歩も見せた上で歩み寄る姿勢も見せたりと話し合いもしようとはしてるし)のですが、
フラギイ on Twitter: "倫太郎も普段は良いやつだけど帰属意識が強すぎて、まだ組織>>>飛羽真なのがドラマに楽しい刺激を与えてくれるよ"
どうもそのロジカルに組まれた話の構成をリアルタイムで観ながらじっくり噛み砕いて取り込む間もないくらいサクサクすぎる早さで話が進む点や、飛羽真と他の剣士達が相対した時点からキャラクター達の言動というか演技がやたら感情的に見えてしまって彼らが何を考えているかを台詞から読み取る余裕がなく入り込みにくい点が目立ってしまい、個人的になんかキャラクター達が感情的すぎるというか喧嘩っ早いように見えてしまったのがハマれず。ストーリー構成が悪いというより、見せ方・演出が上手くなくて感情移入しにくい印象を受けたんですよね。
各人が飛羽真と対立することになる心境および流れとしては変というわけではないので、飛羽真への疑念を皆がそれぞれ抱きつつもこれまでの戦いで得た絆の貯金がある分、真っ先に疑うことはせずそれとなく聞き出そうとするけど、そこで飛羽真の抱く組織への不信の気持ちが漏れて皆が飛羽真に矛を向けていくようになる、という感じの、長期スパンの物語の中でのキャラクター達の感情の流れとして納得がいくようなストーリー展開を見せて欲しかったって感じですね。そういうのをもう1話分くらい使ってから次の回で今回の展開をやればまだ納得はいった...かも
仮にも剣士達の絆を描いてきてその積み重ねを感じるような爽やかな締めをやった直後で剣士達の対立!?みたいな展開をやることを示されても正直微妙に萎えるとこがある(前回の予告でも思いましたし)ので、もっとその辺演出の風情を大事にして欲しいってのがセイバーへの個人的な印象なんですよ これ最近毎度毎度言ってるかもだけど...
そして飛羽真の危機に現れたのは、闇の剣月闇の遂になる光の剣にして仮面ライダーの、仮面ライダー最光に変身する、アヴァロンの男もといユーリ。キングエクスカリバーの時に剣が巨人になるだの俺自身が剣になるだの散々ぶっ飛んだ展開は見せられたが、そのキングエクスカリバーの番人みたいな感じだったユーリ自身が剣になるとは恐れ入った(?) 剣が人だの人が剣だのいうの自体がユーリの趣味とかじゃないだろうな()
<私の趣味だ いいだろう?
アンタ引っ込め>
最光のデビュー戦は、登場からの変身自体がだいぶ突然かつあっさり目で物足りなかったし、剣がビュンビュン飛び回って暴れるという絵面的にシュールではあるけどライダーのバトル的にはだいぶビミョーというなんとも言えないものだったので、ここら辺のフラストレーションは次回の最光シャドーで払拭して欲しいね
しかしユーリ、最初はてっきりもっと物静かでクールなキャラだと思ってたけど、玩具の光剛剣最光の音声や今回の言動見るとけっこうテンション高そうで...w 今後どういうキャラを見せてくるか楽しみね
以上セイバー16話、新章開幕を感じさせる物語的に大きな展開の数々が楽しいながら、その見せ方が微妙なものが多くトータルで言うとなんか凄く微妙な印象だった...というのが個人的な感想。最近のセイバーはストーリー展開の見せ方という部分において、仄めかす時の焦ったさや明かす時・進める時の忙しなさが極端でどうにも感情を入れ込みにくく盛り上がりきれない感じがあるので、もっと頑張って欲しいなぁと思ったり。1クール過ぎて以降は良くも悪くも作品の雰囲気が固まっていく時期なのでね
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた