EPISODE33「連携」
感想レビュー
- サヨナラ相棒
バダーとの戦闘の中、前話から示されていた金属疲労によるダメージなどの無理が祟ったことによって遂にトライチェイサーがお釈迦に。EPISODE4より今に至るまで長らく主のクウガと苦楽を共にし、主を戦地へ送り届け続けてきた姿を見てきただけに、クウガのもう1人の相棒とも言えるトライチェイサーのリタイアはなんか妙に感情移入しちゃいますね...
しかし、バダーに奪われてクウガへの攻撃に使われている最中に壊れてしまったことでバダーの興を削ぎ結果としてクウガの窮地を救った、というのはなんか、主を救うためのトライチェイサーの最期の抵抗だったのかなぁ...とも思えたり。シャドームーンの洗脳に抵抗して捨て身でBLACKを救ったバトルホッパーを思い出す
今までありがとうトライチェイサー
- できることをやろう
バダーと思うように戦えない現状の中でも落ち込むことなくできることを最大限やる姿勢を見せ続ける五代さんに一条さんがふっと笑みを浮かべる下り、五代さんの前向きさに対する一条さんが抱いてる安心感というか信頼感みたいなものが感じられてとても好きです。五代さんと一条さんって目立つように口にすることはあまりないけどお互いの人柄ちゃんと理解して背中を預けたり心を支えたり(支える形になってたり)っていう関係性がこういうふとした言動や表情とかから感じ取れる繊細な描写が多いので良い
- 警察舐めんなよ
バリケードを張ってバダーを待ち構えたり、ガス弾一斉射撃でバダーの動きを作戦通りに誘導したりと、今回は警察がクウガに負けじと凄く活躍してたのが凄く良かったなぁ。初期の頃はグロンギに為す術もなく蹂躙される場面が目立っていたけど、そこから少しずつグロンギ相手に先手を打つようになっていったりして遂に強豪のゴ相手にもここまでやれるようになったの、人々のために戦う警察の維持と努力の積み重ねがかんじられてとても感慨深い...戦っているのは五代さんだけではないってのが感じられる
またそんな警察達の前線に立って今回活躍した桜井さんもとてもカッコよかったですね。向かってくるバダーに怯むことなく、仲間達と射撃で応戦する姿好きすぎるんですよ
桜井さんはこのバダー編でほんと一気にキャラが深まって魅力的になったなぁと感じますね。一条さん達対策班の面々や4号への信頼の強さを感じさせる言動とか、白バイ警官が目の前でバダーにやられてしまったのを見て無念の気持ちを覗かせたりと、正義感とか一緒に戦う仲間への信頼感が凄く強い人なんだろうと思う 好き
- 戦う君へ
前回今回と一条さんに代わり五代さんと行動を共にする場面の多かった杉田さんだけど、そんな杉田さんが五代さんへ直々にEPISODE3、4で出会った頃の救ってもらったことへの感謝と銃を向けたことがあったことへの謝罪を述べる下りはこう、クウガの物語を追ってきた視聴者の身としては凄くグッときますね...
クウガに命を救われた経験を経て強い信頼を抱いていく過程が細かく描かれてきた杉田さんが、ここにきてクウガの正体である五代雄介という1人の人間と出会い一対一で向き合って思いの丈を伝えられたというのは、クウガを未確認生命体の1人と見て攻撃していた初期からの物語の積み重ねが感じられ凄く胸に熱いものが込み上げました。この構図は今回の話の軸となっている「クウガと警察が想いを一つにし共に戦っていく」という部分のそのまま縮図にもなってて凄く綺麗にハマってて巧い
そんな杉田さんへの「想いは皆さんと同じですよ」という五代さんの返しは凄く嬉しい台詞だよなぁ 良い
- ベストの選択
五代さんへ新兵器ビートチェイサーを届けるべくやってきた一条さんの説得を受け、ビートチェイサーの回収にやってきた警察の人が
「私も警察機構の中の一人です。だからこそ警察にとってベストの選択をしたい。
そういうことです」
とだけ言ってビートチェイサーのグリップの入ったアタッシュケースを置いて静かに去っていく下り、ここも熱かった!一条さんの想いを受け止め、人々を守るという警察の本懐を全うしようとする信念を見せるという描写をポジションとしてはちょっと憎まれ役な雰囲気もあった脇役の彼が担ったというのは、今作の警察1人1人に確かに熱い想いが宿っているということへの表現にもなってるように感じられ、クウガという作品の中での警察という要素に深みを与える良い立ち回りをしてくれたなと。後述する松倉管理官の言葉や想いとも重なる部分が多いのも良かったです
- 駆ける鼓動
一条さんの奮闘もあり、遂に五代さんの下へと届けられた新兵器、BTCSことビートチェイサー!
トライチェイサーのカラーリング違いというデザインながらも、赤・金・黒というよりグッと引き締まったカラーリングが渋くて印象も大きく変わってカッコいいし、何より一条さんはじめ多くの人達の想いが繋がってクウガの手へと満を辞して渡ったとっておきという感じの物語の流れの盛り上がりが上乗せされた熱さがあるのがもうね、最高なんですよね バダーの愛機バギブソンとのチェイスはシンプルながらもこれらの熱さも相まって超カッコよかったです
制動機能として搭載されたパラシュートの描写も良いよね ああいう細かなギミックの映像上での活用とても好き
- 驚異のライダー
と、そんなクウガと警察の物語にピックアップしてここまで書いてきましたが、今回の物語において終始クウガや警察の前に立ちはだかり続けたバダーも良い存在感でしたよね
ライジングペガサスの空中狙撃を巧みにバイクテクでかわす
先行しライジングマイティキックを打ち込もうとしてくるクウガを前に逃げることなくバギブソンで突撃するある種の気高さを感じる様
ガメゴが断末魔も上げられず粉砕させられたライジングマイティキックを喰らってなお立ち上がり、クウガに迫ろうとし暫く歩みを進めてみせたタフさ
などなど、強豪っぷりを感じさせる描写が数多くあり敵キャラとして満足度高い活躍でした
数話前からたびたび登場してクウガのライバルキャラ的な風格を放ち続けてきたバダーだったけど、それに恥じない素晴らしい存在感でしたね。もう暫く出張っても良いくらいだったなぁとも思ったり(今だったら終盤も終盤まで出そうよね)
今回の脚本は荒川さんと井上さんの連名だったけど、バダーのこのキャラ付けは井上さんのテイストが強く出てる気がするなぁ(バダーが大きく絡んでくる回は井上さん担当が多かったと思うし)。あくまで凶悪な怪人集団というテイはありつつも、それに留まらないこういったどこか惹かれるキャラクター性をグロンギに付与することに関しては井上さんやっぱ凄く強いなぁと思う
しかしバダー、99人を仕留めることを目標として前回から進めてたゲゲルが、今回においてもうクウガを最後の標的として仕留めて完了というところまで来てるのよね プライド故に好敵手のクウガを最後の標的に定めていたけど、それがなかったらゲゲル成功を果たしてたかもしれんわけで...恐ろしい
- 警察官として
「『市民の安全を守る』その為に何が必要で、何を為すべきなのか、今それを誤れば、事態が最悪の道を辿ることは、必至であります
我々警察官の本来の目的はなんなのか、それをもう一度、お考え頂ければと思います」
ビートチェイサーの4号への譲渡に対し現実的な対処をする姿が描かれつつも、なんやかんやで一条さんの想いをしっかり受け止めて上層部の人達を説得してくれてた松倉管理官、漢だ...上記の台詞に彼の警察官としての信念がぎゅっと詰まってて良いですよね
一条さん達の上司である松倉管理官が、ここにきてクウガ/五代さんを、そしてそれを信じる一条さんの想いを信じ、守ってくれたというのは真に警察とクウガが想いを一つに共に戦おうと前進していってることへの熱い表現になってて凄くグッときました いやぁ、良かった...
以上クウガ33話、クウガや警察のバダーを相手にした奮闘の中、一条さんの奔走から連なって松倉管理官を始めとした多くの警察官達の人々を守るという信念が発露し繋がっていき、やがてそれがクウガ/五代さんの想いとも一つになることで勝利を掴み取る展開が最高に熱い神回でした。杉田さんをはじめクウガという存在を見続けてきた仲間達がクウガを信じ共に戦ってくれて、一条さんの想いを受けて松倉管理官がたち上がってくれたり、他の警察官達も市民の安全を守るという警察官としての使命のため4号/クウガを信じてくれたり...と一つ一つのキャラの想いが繋がっていく過程が凄く気持ち良かった
クウガと警察、人々のために戦う2つの存在がグロンギ達との更なる戦いへ向け想いを一つにしていくという物語終盤に相応しい展開でした
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた