第10幕「フランシーヌ」
振り返り感想
「ありがとう、出会ってくれて。
ありがとう、ことばをくれて。
ありがとう、たくさん笑わせてくれて。
そして...
ありがとう、愛してくれて。」
からくりサーカス 第15巻 からくり〜白金・白銀 第12幕「天使が還る」
なんで、みんなしあわせになれないのさあ!?(フライング)
こんな悲しいことある???と毎回見るたび思ってしまう白兄弟&フランシーヌの過去編...
お互いがお互いを大事に思っていた3人のほんの些細なすれ違いから生まれた悲劇が、人間を苦しめる邪悪な喜劇集団とそれを砕くために生きる復讐鬼達を生み落とし、「からくりサーカス」という壮大な舞台劇へ世界を巻き込んでいくというこのストーリー、藤田和日郎作品の大きな魅力の一つである壮大で骨太な世界観が存分に押し出されててとても痛快ですね。
原作の方だと
「銀髪の女性と不気味な老人、そして道化の人形達がクローグ村に突如もたらした悲劇」
「地獄絵図と化したクローグ村の人々を“しろがね”として生まれ変わらせ救った謎の男」
などの自動人形やしろがねのルーツに触れる話が小出しにされ一体彼らは何者でどこから来たのかという読者の期待感を煽りつつの今回の過去話が語られ、物語が一つに繋がっていくという重厚な伏線回収を交え描かれた本エピソードを、1エピソードの中で白兄弟&フランシーヌの視点を中心にコンパクトにまとめた構成は、もうちょっと尺取って伏線回収とかしながら見せて欲しかった!とは思うながらもなかなか悪くない構成でした。キャラクターによりフォーカスされたと言うべきか
そんな過去編を彩った関智一さん、古川登志夫さん、林原めぐみさんの御三方の名演は素晴らしかった。個人的には関智さんの銀兄さんは思わず見入るほどでお気に入り。特撮界隈だとアドリブ大好きでちょけ倒してる印象が強いけどこういうシリアスで感情を爆発させたような演技もめちゃくちゃに強いの良いですよね
そしてこの後に続く現代パートでのパンタローネ襲来と梁師父の散華、ここはだいぶさくっと済まされた感があり。うーん残念
(※以下、原作の大ファンの早口語り)
...
本来であれば、ギイが一時フェードアウトし鳴海兄ちゃんも本調子でないという本エピソードの状況下での「真夜中のサーカスの幹部格『最古の四人』の一人パンタローネの襲来」というのは、原作においては最古の四人の一人アルレッキーノとの戦闘や、クローグ村での最古の四人の暴虐が先んじて描かれ、最古の四人の強さ恐ろしさが強調されていたことでもの凄く絶望感溢れるシチュエーションになってるし、梁師父もここに至るまでに鳴海兄ちゃんの回想の中で彼の生き方の一つの指針になってる程に只者ではない人であることを感じさせる拳法の達人・彼の師匠としての姿が多く描かれ読者の記憶に強く刻まれていたからこそ、本エピソードにおいてルシールやミンシア達を苦しめたパンタローネ(や彼の配下のチャイナ・ホー)をいとも容易く蹴散らす戦闘ぶりや「本物の人生」を生きようとする人間としての強い芯を感じさせる最期の瞬間の笑顔なんかが印象深いものとなってて魅力あるキャラクターになってるわけで、
初お披露目でぶん投げられて岩にめり込む強敵感薄すぎるパンタローネや、実質初登場なのに急に「私は本物の人生を生きた...」って言って良い笑顔で唐突めに自爆して良い感じの雰囲気出そうとしてる梁師父じゃあ魅力半減なんですよ!!!!!!(力説)
...ふう(以上、早口語り終わり)
とまぁここに関しては正直不満多めという感じですが、実際の原作未読の初見の視聴者さん達にはここのパンタローネ(最古の四人)や梁師父はどういう印象で残ったんだろうか。いずれにしても、本エピソードは原作漫画が本当に最高なので、是非に機会があれば読んでいただきたいですね
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた