EPISODE38、39「変転/強魔」
感想レビュー
- 閣下無双
強化態となったゴオマを前回に引き続きばちぼこに叩きのめすガドル閣下。ゴオマの下克上に対し立ちはだかる壁として強大な存在感を示してくる演出がグー。人間態も怪人態もどっしり構えた揺るがない風格が良いですよね閣下
怪人vs怪人はなかなか見れない絵面だから新鮮さがあるし、敵方同士の激突ということでどのような戦況運びとなるのか一概に読めない面白さや、強敵格の強さも存分に見ることができるというワクワクがあるので最高だぜ
- リントへ
前回のラストから続いて対峙する一条さんとバルバ。自身へ銃を向け反撃してきた一条さんへのバルバの「リントは本当に変わったな」の言葉は、戦いを好まなかった古代のリントと現代人を比較しての言葉であろうが、そこに抱くのはゲゲルの障害となる存在への興味か、それとも...などと色々考えてしまいますね。戦いに臨む姿勢を見せる人間へ関心を寄せるバルバの言葉は、後年別作品にて復活したもう一人の究極の闇を齎す者・ガミオの言葉に通ずるものがあるとも思えるので。バルバが見据えた人間の行く末とは...
「人間は強さを求め、戦いを求める!
グロンギになるのも定めだ!」
- 桜井さんと
ザザルの動向を捜査する桜井さんとそこへ合流した五代さんのやり取り、凄くほっこりするので今回のエピソードの中でも和むシーンとして好き。五代さんがおそらく一条さんの話から聞いてたであろう桜井さんのパン好きを覚えててどっさりパンを持ってくるというのが微笑ましいですよね
EPISODE32でも五代さんが杉田さんを「ピアノ大好き葉月ちゃんのパパ」として知ってた下りがあったけど、杉田さんの娘さんの存在は前のエピソードの会話の中でさり気なく示してあった要素だし、桜井さんのパン好きもEPISODE31で桜井さんが食事にパンを沢山持ってきてたシーンとして示されてた要素であり、と過去回でのこういう部分を細かく拾った遊び的な描写でありつつ、キャラの個性的な部分や性格を掘り下げる描写にもなってるのが良いですね バルバとの戦いで負傷した一条さんの分まで頑張ろうと意気込む五代さんのペースに頬を緩ませたりと、桜井さんもすっかり五代さんと仲良くなったなぁ
- 究極へ
取り込んだ力の大きさで身体に起こった変調に苦しみながらも、それすら乗り越えて遂に究極態へと至ったゴオマ。最早執念だね...ほんとここまで化けるキャラになるとは最初思ってもみませんでした
究極態となったゴオマ怪人態は黒く染まったボディに筋繊維状の体表面のモールド、肩アーマー等の鋭角的なデザインの増加など、後に姿を現す究極のクウガ・アルティメットフォームと共通する部分の多いビジュアルなのが設定的にも説得力が高くて良いですよね。実際この後引用させていただく高寺さんのツイートにあるようにアルティメットフォームの意匠を取り込んだデザインだったそうですね(ダグバはその頃デザイン未定だったとのこと)
- 究極の闇・ダグバ
バルバを介して一条さんへと伝わり、遂に人間達へ知れることとなった第0号の正体・ダグバの存在。「クウガはいずれダグバと等しくなる」という言葉により、クウガ/五代さんが究極の闇を齎す者...戦うためだけの生物兵器へと転ずることへの不安を一条さんと椿さんが抱き、最近のエピソードでたびたび示されるようになったクウガとダグバ、引いてはグロンギの同一性、クウガの力の危うさがここでも強調されることに。EPISODE5で初めて示されて以来、再びイヤな形で不安を煽るべく浮上してきた椿さんの「戦うためだけの生物兵器」という表現が妙なリアルさがあって良いアクセントでした。
- 願い
「アイツが...俺と別れられる日が...一日でも早く来ればいいと思っている」
「気ままな冒険が...アイツには一番似合う」
と、クウガの行き着く先への不安からか、戦いへと身を投じ続ける五代さんへの想いを打ち明けた一条さん。五代さんの真っ直ぐで優しい人柄を目にしてきたからこその、五代さんには戦いに関わることなどなく生きて欲しい、自分とも積極的に関わることのない日々へ戻って欲しいという願い、あまりにも切実で健気...
それでいて、おそらくは心の奥底では五代さんとのいずれ来る別れに寂しさを感じていて、それでも五代さんの幸せを願わずにはいられないのであろうという...切なすぎるよ一条さん クウガと警察としてじゃなく、大切な友人として会う日を望めばいいじゃない...!!
この語りの後に青空のカットが入るのは最終回まで観た上だと凄くグッとくる演出...
そしてそんな一条さんの心境を読んでか「素直じゃない」と返す椿さんイケメンすぎるなぁ
- 信頼
ラジオから流れる未確認生命体関連のニュースを聞き、負傷した身体で飛び出していく一条さん。
そんな一条さんを一度は引き止めるも、一条さんの固い決意を聞き送り出す椿さん、という下りがあり彼の一条さんの人柄への理解度の高さが伺えるというものですが、ここのシーンの何が良いって、椿さんが睡眠剤を打ったなんて言っておきながら実は打っておらず、しかも一条さんの枕元で未確認生命体関連のニュースが流れるであろうラジオをさらっと付けて置いてたという、一条さんがいつでもグロンギの動きをキャッチできて、且ついつでも動き出せるように気遣った振る舞いをしてたことですよね。
一条さん全治3週間くらいの負傷とか言われてたから止めてあげてよドクタァ!!とも思うんだけど、一条さんは何を言っても止まらない、むしろ休んでる間にグロンギの凶行が行われて自分は何もできなかったことを悔やむ正義漢であることを知ってるからこそ、逆にそれを全力で支えることを選んでるんだろうなぁ。なんだか五代さんの人となりを理解し、戦いを支える道を選んだ一条さんの姿勢まんまで、同じく相棒としての理解度・信頼度の高さが見えてきて好きなんです
一条さんもその心をきちんと理解してて、感謝するように笑顔を返し、お互いサムズアップを交わすという、言葉を多くは交わさず理解し合う一連のシーンも良き。「良い相棒じゃねぇか!(by椿さんin EPISODE8)」
しかし一条さんc全治3週間で何故立ち上がり即現場へ赴けるのか...?こっそりアマダムの欠片取り込んだりしてませんよね...?
- みんなの笑顔のために
物語の最中に軽く触れられた、先代クウガの存在。EPISODE1にて意図せず封印が暴かれるまで、実はずっと生きた状態になっていて、棺の下のダグバを封じ込めていたという壮絶な真実が明かされ、桜子さんが彼に五代さんと同じみんなの笑顔のために戦う戦士の心を見る下り、なんか良かった 果たして古代で彼はどんな気持ちで戦い続けてきたのか...
- 怒らないでネエちゃん
タクシーの運転を止められた後もルールに則り着々とゲゲルを進めてたザザル...だったけど、五代さんの推理でルールを完全に読まれ先に手を打たれてしまうことに。
この辺にもなると、ゴオマの邪魔やリントによる2度に渡る妨害でザザルが苛立つことが多くなっていて、駆けつけた五代さんに対しても「んだテメェ!!」とか語気荒めに言ったりしてるのがなんか人間くさくて良かったw 冷徹さや強力さの際立つゴ集団の中では割と可愛げあるキャラな気がしますねザザル
まぁやってることは凄まじくエゲツないんすけどね!!
複数の人間が乗り込んだエレベーターやバスの襲撃が行われ多くの人が犠牲になってことが激中では語られており、直接の描写こそないものの人の死が確定的に語られる容赦の無さもあってその凶悪さが際立たせられてるのは実に良いですね。
- 警察奮闘
今回の劇中ではザザルのゲゲルを食い止めるため全力で現場を駆け回り、戦いへ臨む警察の皆さんがとてもカッコ良かった!クウガとの戦闘を開始したザザルをクウガの背後からの狙撃で蜂の巣にしクウガを援護する桜井さん&狙撃部隊にはめちゃくちゃ痺れました
そしてザザルの爆発の被害を抑えるポイントを選び出し、クウガ/五代さんと連携してそこへ誘導し撃破する流れも、クウガと警察の協力がより強く感じられる構成になっていて凄く胸熱。撃破ポイントへビートゴウラムでザザルを運ぶクウガに銃を投げ渡す桜井さん、現場へやってきたクウガと連携を密にし対処する杉田さんなど、レギュラーメンバーとのコンビネーションがまた良かったですね
そんな連携の下でのクウガvsザザルも、ザザルの毒の飛沫に対応するためのドラゴンフォームへの変身、ザザルをなるべく離れて撃破しつつ即座に撤退できるようにするためのライジングドラゴン×ビートゴウラムなど、戦況に合わせた多彩なフォームチェンジの活用が光り面白かったです。しかしゴオマやリントに散々ゲゲルを阻まれた挙句、トドメを刺されて即クウガの逃げを打たれたりと、不憫に感じるとこも多かったなザザル...ドンマイ!
- 強魔暴虐
一方ダグバを誘き出し倒すべく、立ち向かってくる警官隊を次々に蹴散らし暴れるゴオマ。千切っては投げ千切っては投げをされ命を落としていく警察官達の描写は凄惨で、不憫なキャラ付けが板に付き始めてたゴオマがここにきてやはりグロンギであるといった感じの凶悪さ全開の大暴れをしてくるのは敵ながら最高にゾクっとしました。
究極態となったゴオマの力たるや、タイタンの斬撃をまるで通さず、一条さんとの連携攻撃をあっさりと叩き潰しクウガと一条さんを窮地に追い込むなど凄まじかったですね。究極態になってからは警察やクウガの相手しかしなかったけど、この状態では閣下をはじめとしたゴのトップランカー相手にどこまでやれたんだろうか?気になる
- 闇
そんなゴオマの前に現れ出るように唸り声を響かせその存在を示してきたダグバ。
待ってたとばかりにゴオマはダグバへと向かっていき...
その後の流れは言わずもがな。究極の力を手にした悪魔でも、その力の根源たる闇に勝てる道理はなかったのだ...
暴虐の限りを尽くし暴れてゴオマが、戦うシーンすらなくあっという間に蹂躙され、物言わぬ亡骸となって五代さんと一条さんの前にその姿を晒す下りはホラーな恐ろしさもあり、さらにダグバの底知れぬ強さをより強調する形となりましたね...天へと突き上げるように轟く雷の描写は、今までのグロンギと一線を画す力であることを端的に示す演出でとても良き。
あまりにも呆気ない最期だったけど、その下克上の戦いは濃く印象に残りました。
さらば、ゴオマ
以上クウガ38、39話、次々と現れるグロンギへ敢然と立ち向かう警察とクウガの連携、一条さんの五代さんの対する心境、ゴオマ執念の下克上、そしてそんなゴオマの決死の抵抗を前戯へ堕とす強大さと共に物語の前線へ存在を示し始めたダグバ...と、前回前々回のエピソードと合わせ実に4連続の見所盛り沢山の話でした。
この終盤にて今までのフラストレーションを吹っ飛ばすような覚醒を見せたゴオマ、本当の良い活躍だった。そんなゴオマを物語序盤は不気味且つ時にコミカルに、そしてこの終盤では鬼気迫る演技で表現した藤王みつるさん、お見事でした。最高
いよいよ佳境へと入ってゆくクウガの物語。最後まで目を離さぬよう...
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
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ではまた