第15、16幕「はじまりの場所へ/出会い」
振り返り感想
「では...あなたは...歩いてくれるのですか...私と一緒に...永劫の時を...」
「おうとも。
永劫ってヤツが終わっても、ずーっとな。」
からくりサーカス 第24巻 からくり〜最終幕 第18幕「一緒の旅」
真夜中のサーカスとの決着の果ての壮絶な結末と、更なる波乱を描いた前回のラストを経て、自身の出世にまつわる事実を知るべく旅立った勝へと視点が移り、からくりサーカスの物語の根幹へより深く迫っていく新章がスタートした今回のエピソード。
第15幕は父・才賀貞義が残したメッセージが勝という存在に秘められた意味を紐解いていき、勝に自分の人生が最初から操り人形のごとく全て手のひらの上で転がされていたかのような恐怖と“才賀勝”という人間の存在そのものを揺るがす疑念を抱かせその心を乱していく様がミステリアス且つ不気味で実に恐ろしい新章の導入となっていました。勝が少しずつ真実へ近付いていくにつれ暗雲が立ち込めていくかのようなここのスリル感はたまりませんね
当時のツイートでも言及してるけどここの一連のシーンで登場する顔の朧げな貞義や、眼と鼻のない貞勝の顔の演出がめちゃくちゃ怖くて原作の時から凄く好きなのですわ...貞義の不気味な正体不明さや、貞義から真実を知らされたことにより勝が抱いた自己の存在の瓦解への恐怖がホラー感高めで描かれていて良いのです 原作漫画の方も下手なホラー表現よりかなり恐ろしい筆致で描かれていて、藤田和日郎先生のおどろおどろしい“妖”の表現力の高さを改めて感じたところでしたね。アニメだとそれに対し恐れを抱く勝の不安に支配されていく感情を植田さんが上手く表現してくれていてとても見応えがあったのも良き
続く第16幕では勝の祖父・才賀正二の過去、成瀬正二朗だった頃の彼のアンジェリーナとの出会いの物語が描かれるエピソード。ここのエピソードは原作だとストーリーの熱量的な意味で物凄い密度になってまして、むちゃんこ面白いんですよねぇ...ここのパートだけでも大河ドラマと言っても過言ではないほど最高に見応えあるんですよ、ほんと!!アニメもだいぶ合間合間が端折られてはいたんだけど、大事な部分をしっかり押さえた満足いくクオリティで良かったです。
そんなアニメ版が満足いく出来であった一番の要因は、正二/正二朗を演じられた田中正彦さんの名演が凄く大きかったなぁ、と個人的に思いますね。懐と思慮の深い、それでいて豪胆な正二朗の人柄が濃く表れ出たじんとくる感情のこもった演技で、正二朗の台詞の一つ一つが凄く深みのあるものになっていて流石ベテランだなぁと感心させられましたね。この方を正二朗の声優さんに充ててくれたことは正直個人的にはこのアニメからサーの中でも屈指の名采配だなと。この方の演技のおかげでアニメにおけるこのエピソードの魅力がグッと引き締まったって思いますね。凄く良かった...
いやでもやっぱりここの正二朗周りの最初のエピソードは、あまり端折り無しでガッツリ描いて欲しかったなぁ...!とは強く思っちゃいますね アニメだとサクッと描かれただけだった正二朗と白銀の交流の物語も、原作だと銀の正二朗や彼がくれた「しろがね」という名への思い入れ、正二朗にとっての銀の存在の大きさが描かれてて凄く沁みる話になってるし、正二朗とアンジェリーナの話も原作漫画では台詞回しや2人の心情・周囲の人々との関係等の掘り下げがもっと細かく存在していて2人のキャラクターおよび2人の関係性の劇的さがより深まっているしでほんと一個のストーリーとして素晴らし過ぎるんですよ ぜひに皆さんに原作漫画読んで欲しいんです!!!
そしてここから物語は更に激動の展開へと迫っていきます お見逃しなきよう...
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた