AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

物語喰らう古龍

仮面ライダーセイバー

第23章「荒れ狂う、破壊の手。」

感想レビュー

 

 

  • 希望

飛羽真が烈火の力により独力でメギドに取り込まれた人間を解放できるという希望を皆の前で形となった前回の展開をきっかけに、他の聖剣で人々を救う方法の確立が示唆されるなど物語が更に動き始めた冒頭の展開、何かと抽象的な物言いが多く一度で情報が整理しづらいセイバーにおいて、こうして明確で前向きなビジョンをビシッと示してきたのはシンプルに気持ちが良く好ましい傾向ですね。第21章において飛羽真の心に傷を与えた、メギドの犠牲となり本にされた人々を救える可能性を提示してきたのも、飛羽真を中心に据えて物語を進める上での「前進」として明快でとても良かったなと

 

  • 小説家を信じて

マスターロゴスと対話するためサウザンベースへの潜入の協力を飛羽真から頼まれた尾上さん、当然表向きは拒否する姿勢を取りながらもささやかにそれに応じてくれてて、お、尾上さん〜〜〜!!と非常に胸が熱くなりましたね 飛羽真のこともうほぼ信じてくれてるじゃないの

飛羽真のことを慎重に見極めようとする姿勢を新章入ってしばらくしてからは割と貫いてくれてたのに加え、前々回は飛羽真のことを信じる大秦寺さんを自分も信じて送り出し、前回は飛羽真と直接対決したり飛羽真が人間を救う姿を見たりして何かを感じ取り、と尾上さんに関しては飛羽真との和解に向けての積み重ねをかなり丁寧にやってる感じがあって、シンプルに話の展開としても見やすいしキャラの性格に深みも出るのでこの辺とても良いなと思います。初登場した頃のファーストインプレッションがだいぶ悪かった分その後安定してるのは良いね尾上さん

 

  • 因縁の相手と

今回、ズオスが久方ぶりにブレイズ/倫太郎を因縁ある相手として狙いをつけ、レジエルも一杯食わせられたセイバー/飛羽真への執着を見せ、とメギド側の剣士達への因縁が改めて整理され示され対決へ臨む展開も用意されました。ズオスとブレイズの因縁関係に関しては、新章に入る前後から徐々に示されることが少なくなっていたので忘れる前にとばかりに再度深めてきたのは嬉しいところ。というかズオス自体怪人態で出てくるのだいぶ久しぶりな気が

てか嬉しいところだとは言ったけど、他の剣士達が飛羽真とバチバチしてる時の方が多過ぎてそういう要素が薄れかけてた今までの流れ自体がどうなのよと思うところもあり。まぁこれは作中で示される関係性の描写とかが過多であるために脚本書く上でこなしづらかった部分もあるとは思うかなと。その辺のバランスも話の構成する上でもうちょい上手く調整せな...!!

  • 剣士奔走

ストリウスに唆されブレイズを誘き出すためズオスが暴れている(セイバーを待って遠くから見てるレジエルもいるけど)ところへと倫太郎・蓮の2人が登場、倫太郎はブレイズとなってズオスと全力の対決を始め、連は剣斬となって現場へ駆けつけたユーリを光の剣として組織へ連れていくべく勝負を挑む、と中盤にて各勢力入り乱れる展開へ。ブレイズとズオスの一騎打ちはストレートにパワフルなぶつかり合いが見応えあってなかなかにカッコ良く、とても面白かったですね。

この辺、倫太郎がしっかり剣士としてメギド相手に活躍する姿やブレイズと連携して戦う剣斬の華麗な立ち回りが綺麗に描かれ、久々にロゴス側のライダー達の戦いを気持ち良く見られて実に満足でした。最光相手に早速斬りかかっていく良くも悪くも平常運転な剣斬も、ブレイズがズオスと戦っているのを踏まえた上での光の剣捕獲のための戦いという感じだったので流れとしては割と自然でこっちも見やすかったですし(まずは全員で協力してズオス倒せや...!とはなるのですが、少なくとも無駄なゴタゴタという雰囲気は極力抑えられてたんじゃないかなと)。こうしてシチュエーションを踏まえた上でキャラの動かし方が意識された展開はストレスが少なめなので、これまでももうちょっと意識してやって欲しかったかなとも これは最近の情報提示や販促の慌ただしさ故にやりたくてもできなかったせいかもですが...やっと落ち着いて描けるようになったとまずは前向きに捉えておくべきか

 

  • マスターロゴスとメギド幹部

数話前より存在の示唆されていたマスターロゴス、ここに来てやっと存在する人物であることが提示されましたね。

同時に、その姿が第21章にて語られた2000年前の剣士達の1人に似た、赤い外套を纏った姿であり、更にサウザンベースに忍び込んできたストリウスを前に慌てる様子もなく、彼のことを「始まりの人」と呼ぶ...加えてストリウスは彼のことを『今の』マスターロゴス」と呼ぶなど気になる要素が次々登場。これらの要素を整理すると、

・ストリウスが始まりの人=なんらかの成り立ちに関わった最初の人物である

・ストリウスはマスターロゴスについて、その昔のことを知っている

などが伺え、前々から予想されていた2000年前の始まりの剣士達の中にマスターロゴスやメギド3幹部がいる、という考察がより真実味を帯びている予感がしてきますね。これは実に興味深い部分

そしてその代替わりしたらしいマスターロゴスですが、彼が話してる際の声とか雰囲気を踏まえると、どうも飛羽真に接触してきた謎の人物(演:寿司屋もとい相馬圭佑さん)ぽい雰囲気があり。飛羽真を誘導し、マスターロゴスの手引きで禁書を手にしたらしいストリウスと意図的に引き合わせたように見える謎の行動を見せた彼ですが、マスターロゴスの立ち回りと併せてきな臭さがムンムン その真の狙いや如何に...
しかし寿司屋以来のニチアサTV本編での相馬圭祐さん、あの時の暑苦しい雰囲気から一転、クールで謎めいた雰囲気のキャラが実に新鮮でした。カッコいい

 

禁書を手にしたことでその力に飲まれるようにして覚醒したセイバーの新たなる姿、プリミティブドラゴン。

まず変身する前の飛羽真の時点から、首をゴキゴキと動かしながら据わった目つきで相手を睨みつける様で理性の喪失を感じさせてゾクっとさせ、そこからの炎纏ったセイバーの輪郭を骨の姿の恐竜のビジョンが握り潰すようにして完了する変身でヤバさを存分に表現する演出で決める、と初っ端から掴み上々。

そしてそのまま突入した戦闘シーンも、まさに本能のままに暴れる獣という感じの、四足歩行的な動きや一切後退することなく突き進み攻撃しまくる荒々しい戦闘スタイルが印象深く描かれて非常に鮮烈なデビューとなりました。直近の作品の暴走フォーム、ハザードやメタルクラスタとも違った趣の演出をしてきたのが実に好感で、とても良かったです 烈火を刃の部分を持ちながら振るう、というのもなかなか面白いですよね

ビジュアルに関しても、骨格(恐竜の骨格化石モチーフか)の意匠を各部に取り込んだデザインと、赤メインで熱いイメージの通常セイバーと対称的な冷血で感情をほとんど感じさせない寒色メインのカラーリングが上手くハマりなかなかに好きですね

さてそんなプリミティブドラゴン、今後物語にどう影響していくのか...

 

以上セイバー23話、情報提示や販促で忙しなかったであろう期間を抜けたからか、キャラクターや物語の動かし方に安定が見えてきてけっこうストレートに面白かった回になりました。且つ2000年前の剣士にまつわる謎に徐々に触れ始め、プリミティブドラゴンが物語上に新たな劇薬として投入されるなど面白くなりそうな要素も多く登場し楽しくなってきたのも実に良かったですね。

プリミティブドラゴンについてはここ最近何作にも渡り登場した暴走形態ということもあって見せ方について似通ったものになるのでは?という心配も実はあり、戦闘演出では今までの暴走フォームとは少々違った趣を出してきたもののストーリー展開上での魅せ方はどうなるのかなとまだ期待と不安が入り混じってる状態なので、どうか一味違った魅せを期待したいところ

物語はここからより核心に迫っていくのか...

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた