AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

物語、激動

仮面ライダーセイバー

第24章「父の背中、背負った未来。」

感想レビュー

 

 

  • 尾上亮、転身

世界の平穏や若き可能性を守る使命を仲間達よ果たす為にソードオブロゴスに身を置き戦ってきた尾上さん。これまでにも玲花の言動、引いてはその元とされるマスターロゴスの思惑に対する疑念というのは静かに蓄積されていってたのだろうけど、家族を犠牲にすることも良しとして戦えと言う玲花の言葉に遂に今までにも増して強く反発し、「組織への不信」をより明確に露わにするところとなりました。

これまでにも飛羽真やメギドと化した民衆達を切り捨てることもやむなしと、犠牲の許容に容赦のなくなっていく組織の在り方に葛藤する過程はあったので、その最後に自分にとって大事な家族を天秤にかけられて怒るというのは、尾上さんの性格や信念も踏まえた上での感情の爆発の描き方として丁寧で良かったところでしたね

 

自分が守りたいものと、そのために自分が信じるべきもの。その狭間で葛藤する尾上さんの心理を見抜き、嘘偽りなく真っ直ぐに戦う飛羽真と共に戦う道を示したのは息子のそらくんでした。色んな想いの中で迷う大人に、子供の純粋な言葉と気持ちが本当に信じようとしていた道を示すというシチュエーション、うーむ熱い。互いに飛羽真とも強い繋がりのある尾上親子だからこそ響くものがあるのも感じられる良い場面で、そらくんの言葉を受けた尾上さんの視線の動きや表情の変化を細かく演じ上げた生島さんの演技も良い味でした。

 

そして繰り広げられる尾上さんと飛羽真の最後の決闘。この戦いは飛羽真を見定めるための戦いというよりも、尾上さん自身が既に感じていた飛羽真の力と可能性を信じる最後の一押しを得んとする「納得」のための戦い、という感じでしたね(大秦寺さんと飛羽真の決闘で飛羽真が底力を見せる姿に尾上さんが微笑むシーンの回想もありましたし)。それ故に理屈でなく肌で何かを感じ取ろうとする決闘というシチュエーションが最高にハマりました。

セイバー相手に引けを取らないバスターのパワフルな攻撃やそれに巧みな戦い方で食らい付いてくるセイバーのバトルは見応えがあり、決着後の尾上さんが飛羽真の呼び方を「小説家」から「飛羽真」へと改める流れもベタながら熱い、とストーリーの流れ・バトル共にこういうのが見たかった!というものが多かった良い一戦でした

 

  • 玲花の思惑

そんな決闘の中で散らばった2人のワンダーライドブックを煙に巻く(文字通り)形で密かに回収した玲花。その手には煙の聖剣が...
ということで、玲花が煙の剣士/仮面ライダーサーベラであることが明らかとなり、物語に波乱を巻き起こしてきそうな予感を醸してきました。第15章で月闇が消えたのも彼女の仕業と示唆され、なかなか存在感が出てきましたね

アンジェラ芽衣:「仮面ライダーセイバー」 “煙の剣士”仮面ライダーサーベラ役の10頭身美女 ベールに包まれてきた素顔は? - MANTANWEB(まんたんウェブ)

今回の玲花は、禁書についてのマスターロゴスの出した指示に僅かに困惑するような表情を見せたり、自身(マスターロゴス)に反発する尾上さんに対し声を荒げる一幕があったりと感情的になる姿が何度か描かれ、今後の展開次第でマスターロゴス側と飛羽真側、どちらにつく可能性も出てきてそういう意味でもなかなかに面白くなってきたなと。

個人的に新章に入ってからの玲花はただでさえ良い印象は持たれないポジションでもあるのに、飛羽真と剣士達を対立させる方向へ持っていきたがるストーリー展開の中心にいるために余計にその存在にモヤモヤするし、それでいて本人の立ち回りは真顔で場を掻き乱していくという正直盛り上がりがたいものだったのでキャラクター的にあまり好ましくない立ち位置・描かれ方という印象が強かったのですが、やっと面白くなりそうな余地が示されたなというところで嬉しい限りですね(重要そうなキャラなのでいずれは掘り下げられるだろうと思ってはいましたがやはりキャラクターに深みが出てくると素直に楽しいので)

なんにせよこれからの動きに期待です。

 

  • 倫太郎と蓮

大秦寺さんに続く尾上さんの組織離脱を受け、残る倫太郎と連は自身のこれからの立場に苦悩し始めます。

倫太郎は組織の仲間=家族の一員が去っていくことへの嘆きと、そんな彼らを信じたくても自分は家族を裏切れないという想いからどうにもならない苦しみに追い詰められており、序盤で彼の美点として描かれるも現在では彼の感情を掻き乱す危うい部分となっている「組織とそこにいる仲間達を家族として大切にする気持ち」がいよいよもって彼を縛り付ける楔・壁という意味合いを持ち始めてきたなと。

いずれ来るであろう倫太郎との和解はやはりその組織への想いを振り切るだけの大きな覚醒が待っていると思われ、それは物語に大きな盛り上がりをもたらすと思うので、ここは本当に凄く楽しみなポイントですね。

家族云々に加えて、本当は信じたいのに暴走し暴れる飛羽真やメギドに取り込まれ脅威となる人々に対する剣士としての向き合い方にも苦しんでるし、ほんと彼は早く救われてやって欲しい...

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "賢人を捨て身で庇ったり満身創痍ながら飛羽真を送り出した姿はマジにカッコよくて好きだったので、その良さをマッハで吹っ飛ばしてる最近の描写はやはりいただけないが、組織に家族ばりに全幅の信頼を置いているという点を多角的に解釈し倫太郎の危うさにフォーカスしてる点は素直に面白いとこだと思う"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "いずれは飛羽真とも和解する時が来るだろうけど、それは家族として自分の身も心も預けている場所を離れるということであり、飛羽真およびその仲間達にそれ以上の繋がりを見出すということでもあると思うので、ここを掘り下げるからには後々の展開で盛大に昇華させて欲しいなぁと期待したい"

 

そして一方の蓮、最近は飛羽真絶対ジェノサイドするマンのバーサーカーと化しかけていた彼ですが、玲花が暴走する飛羽真を討てと言った際には真っ先にいきり立ちそうなものを意外としおらしくしていたりと、第22章で彼が可能性を示した姿に影響されたからか、どうやら飛羽真への激情は次第になりを潜め始めてる模様。強さを絶対視する彼の性格上納得できる変化でもあり、これは面白いポイントですね

しかし組織に残るか否かについては、賢人ならばどうするだろうか、が先に浮かぶという賢人への依存が伺える形となり、まだまだ一筋縄ではいかなそうですね。彼に関しては前々から後半での成長をある意味一番楽しみにしてるキャラなので注目です

 

プリミティブドラゴンとなったセイバーにこてんぱんにやられ、怒りに燃え街中で暴れるレジエル。やめとけ死亡フラグだぞ...!

そんな荒れるレジエルくんをアジトで「生きてて良かったなぁ〜(^ω^)」と煽るズオスが最高でしたw

レジエルはアルターライドブックを大量に取り込みパワーアップを果たし、セイバーと最光はそれに追い詰められていく...

とその時、ノーザンベースで大秦寺さんが調べてる真っ最中のプリミティブドラゴンワンダーライドブックが反応、なんと自らセイバーの下へと渡ると強制的に自我を奪い変身させる事態へ...!

シチュエーション的に暴走すると分かってても変身せざるを得ない暴走形態というのは多々ありましたが、このプリミティブドラゴン、まさかのどこでもやってきて暴走・変身させてくる変身アイテムでした。嫌すぎる...!!

頭の剣で切り裂くなど相変わらずの荒々しい戦い方に加え、倫太郎から奪ったワンダーライドブックで固有の能力を振るう特性も示し、バリエーションある戦闘を見せてきたのが面白かったですね

そんなプリミティブドラゴン、もとい禁書について、飛羽真がその内容の一部や「暴走の最中に見た悲しみに暮れる少年のビジョン」に言及したり、マスターロゴスが禁書にまつわる伝承らしき内容を語ったりと、何やら重要そうな伏線が張られました。また飛羽真がノーザンベースから見つけた本の内容について、有志による公式サイトに載せられた一部分の翻訳もなされ、それらを総合すると、

過去に人間と交流を経ながらも裏切られ友と仲間を失い、その哀しみを抱えて彷徨った龍の力が宿っているのが禁書

という感じと思われるかなと これ自体がセイバーの物語にどう影響するのだろうか、という点も含め目が離せないポイントですね

 

セイバー 第25章:「煙をまといし、真紅の刺客。」 | 仮面ライダーWEB【公式】|東映

↑本の内容が掲載された公式サイト

サドド(空欄を埋めよ) on Twitter: "#仮面ライダーセイバー 公式サイトにあった禁書の内容を解読したので載せます 『第1節(※1) 悲しみの物語 昔々、始まりを知る竜がいました。心優しいその竜は人間をとても気に入り、見守り、ときには助け、人間と友達になりました。竜は人が物を知り成長し繁栄するのをとても喜びました。(続く↓… https://t.co/Bve0zl8DJQ"

輝🗡🔥💧⚡️⚔️ on Twitter: "悲しみの物語解読しました… "

↑有志による翻訳 リプ欄にも続いてます

 

  • 邪竜再臨

暴走し見境なく暴れまくるセイバー。その牙が芽依にも向こうとしたその時、その窮地を救ったのは、カリバー!!予告の時点で既に仄めかされていた要素ではありましたが、物語を盛り上げる新たなポイントが出てきましたね...

その正体についてはやはり、第13章での退場時に何やら月闇に取り込まれたような描写があった賢人ではないかと思うわけですが、TLにおいては後述の理由からタッセルではないかと見る声も多く...でもやっぱり賢人じゃないかなぁと思うなぁ 蓮が物語のこのタイミングで賢人への依存を示してきたのもそこに関連してそうだし
果たして答えはどちらなのか、それともまた別の人物か...

 

  • タッセル動く

そしていつも冒頭の冒頭にて語りを行うタッセル。今回はその語りもそこそこにしておきたいと言わんばかりに何やら急いでるかのような素振りを見せており、物語ラストでは彼が姿を消したいつもの部屋のカットが...このラストのカットが、前述したカリバー出現の直後に入ってきたため、タッセルがカリバーの正体と見てる人が多いみたいなんですよね

また個人的に気になるのは、飛羽真がマスターロゴスの下へ行こうとしたことに彼が何やら不服そうな態度を示していたこと。2000年前の剣士達の話を踏まえると、タッセルとマスターロゴスの関係性というものはやはり深いと見えますね(マスターロゴスが代替わりしてるらしいという点とどう関わってるかは謎ですが)

何にせよ、彼が第11、12章以来明確に動き出したことは面白いポイント。ある意味この作品で最も謎めいた存在として個人的に最も気になっているので、注目していこうと思います

 

 

以上セイバー24話、尾上さんが飛羽真の仲間入りを果たすまでの流れを熱く描くと共に、各キャラの動きに進展が見られたり、物語に新たな謎が提示されたりと面白くなってきた回でした。本当最近のセイバーは、登場人物達の内面や全体的なキャラクター性の掘り下げがしっかりと為されている故の安心感があって見やすいんですよね やっとかよというところもありますが、素直に嬉しいことです

そろそろ物語も折り返しということで、劇中で示された数々の要素が集約されていくのが楽しみになりますね。期待が高まります

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた