AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

全世カイ驚愕のカイ逅

機界戦隊ゼンカイジャー

第1カイ!「キカイ世界はキキカイカイ!!」

感想レビュー

 

 

遂に始まりました、スーパー戦隊シリーズ第45作目の節目の期待作「機界戦隊ゼンカイジャー」!先日初回の放送と相成りましたが、いやはや面白かったです 早速その感想をぼちぼちと話させていただこうと思います

 

  • 閉じる世界

冒頭から全てのスーパー戦隊の世界を含む、あらゆる世界が次々と閉じられ、手中へ落ちてゆくという衝撃的な描写で本編がスタート。ゴレンジャー、ジュウレンジャー、キラメイジャーといった歴代戦隊の活躍を各作品の本編映像の流用で見せると同時に、彼らの世界が容赦なく閉じられていく(この時の空を見上げるアカレンジャーやティラノレンジャーの新撮カットが、何気に放送当時の画質を意識した画素や色彩っぽくなってるのが芸細)様を描く演出はなかなか冒涜的でゾクゾクさせられ、この思い切りの良さはディケイドやジオウを思わせる白倉Pらしい描き方ですね。ともあれ本作のスタートをしっかりと鮮烈に飾りました

 

  • OP

会見での発表から話題を呼んだ、つるの剛士さんが歌を担当したOP。映像も込みで早速流れましたが、歴代戦隊の要素を感じさせるフレーズを含んだノリノリで盛り上がっていく気持ち良いメロディと、メンバーが楽しく踊り明かす映像の相性が凄く良くてテンション上がるぞこれ!朝はやっぱこういう盛り上がるやつじゃなくっちゃあな しかしEDなしパターンとは驚いた ルパパトでやってたからそう珍しいわけではないが

ゾアータ on Twitter: "ゼンカイジャーのOP歌詞、 「秘密」=ゴレンジャー 「正義の雄叫び」=ガオレンジャー 「マジ」な「スピリッツ」 =マジレンジャー 、ボウケンジャー 「キラメく」=キラメイジャー 「バディ」=ゴーバスターズ を連想しましたが気のせいでしょうか #nitiasa #ゼンカイジャー… https://t.co/aN6F0S2ySv"

たこアレ on Twitter: "機界戦隊ゼンカイジャー OP映像 サブタイとまさかのダンスもEDではなくこちらに盛り込む全力全盛りスタイル #nitiasa #ゼンカイジャー… "

みんなで踊ろう!ゼンカイダンス!【公式】(「機界戦隊ゼンカイジャー」主題歌TVサイズフルver.) - YouTube

 

  • 五色田介人

スカイツリーのテッペンからバンジーしようとするというネジのぶっ飛んだ顔見せを果たした、本作の主人公・五色田介人開幕フルスロットルやめろ(

まだ誰もやったことのない「世界一」に目がなく、「世界初〜」が口癖で色んなことに臆さず突っ込んでいく彼。一見ただのぶっ飛んだ青年だけど、本編全体を見ると凄く小さな初めてから前代未聞の大きな使命まで、臆さず率先して挑んでいく勇猛さ溢れる人物であることが分かり、後述するキカイノイドと人類の邂逅の際にも誰よりも先に先陣を切って手を取るなど、新しい未来を開拓していく可能性を秘めた男、的な魅力を醸しているのが良き。今後の活躍が物凄く楽しみ。

一方で、香村さんがメインで脚本を書く作品の主人公というのは風斬大和、夜野魁利、花寺のどかなどなど、大枠としてストレートなヒロイックさやカッコいい勇猛さを見せるものの、話が進んでいくとその根底にある危うさ、ともすれば異常さが見えてくるというキャラ付けがされることが多いので、介人もそうなのだろうかという点には個人的に凄く注目。もっとも例として挙げたキャラ達もその危うさからの成長や決着を通じて描く変化で劇的に物語を盛り上げてきたので、介人がそうであった場合もどうなるか楽しみです

 

  • キカイノイドとの遭遇

介人達の世界とキカイノイド達の世界・キカイトピアが交わりそれぞれの世界の住人が邂逅したことが、本作の物語の始まり。今回は冒頭にてその様が描かれたところから始まり、1ヶ月を経て両種族が自然に交流するようになった様子や、そこからトジテンドの襲来で均衡が崩れキカイノイドそのものに恐怖を抱く人々が出てくるようになる様子が描かれました。

2つの世界と種族の邂逅と共存・共栄の描写というのは、香村さんが同じく担当した動物戦隊ジュウオウジャーの最終回の展開に通ずるものがあると感じられましたね。

それが同じく香村さんが脚本を担当する本作の第1話から描かれると共に、続いて同じ種族の中の武闘派的な存在の侵攻で2種族の交流に暗雲立ち込める、という展開に繋がったのは、個人的にはいくらか意図的な描写なんじゃないかとも思えたり。少なくとも「異種族同士の交流」という点において香村さんはもしかしたらジュウオウジャーの精神的続編的な意識をしてるかも...とも。

ともあれ同種族という一括りで今さっきまで交流してた他の種族に拒絶される描写の容赦ないシリアスさの表現は流石の香村さん。話をグッと引き締めてました

しかし後の描写にてゲゲが「残る世界(介人達の世界)にキカイトピアの一部を持っていかれた」と語っていたけど、この世界の融合は果たして偶然なのか、それとも誰かの差し金か...というところで謎も有り。気になる

 

  • トジテンド

本作の敵組織は「キカイトピア王朝トジテンド」。キカイノイド達の支配層・特権階級的存在らしいです

冒頭で描かれた全てのスーパー戦隊達の世界が閉じられる描写はこやつらの仕業で、既に介人達の世界を除く全ての世界を閉じて手中に収めた...とさらっと凄いこと言ってんな ジャークマターの侵略規模すらもちっぽけに見えるジリ貧だ...

全体として雰囲気はスタンダードな悪の組織という感じだけど、首領のボッコワウス様がまぁインパクト強い...!大きな柱の中心から覗く巨大な顔と手というビジュアルが目を惹きますね。そして幹部勢にはとことん厳しいのに、側近のゲゲにはめちゃくちゃでれんでれんという性格(CV:中田譲治)、濃ゆい...w

しかし気になるのはそんなボッコワウス様の寵愛を受けるゲゲ。こやつがボッコワウスに「残る世界は閉じるのではなく直接侵略してやろう」と提言し、デレデレのボッコワウスがそれを承諾したことがトジテンド襲来のきっかけなわけだけど、これ見ようによってはゲゲがボッコワウスを唆してトジテンドを実質動かしてる感じするよね...セッちゃんにそっくりな見た目も普通に考えたら単なるそっくりさんってことはないと思うし、何かと謎が多いと感じるな...

  • 還暦、変身せず

トジテンドの襲来を受け、並行世界の存在を提唱していた介人の両親がスーパー戦隊を参考に作り上げていた「ゼンカイジャー」のシステムを手に介人はトジテンドと戦うことを決意。そして一緒にいたヤツデ婆ちゃんも誘うが...拒否られた そらそうよ

放送前の映像で流れたヤツデ婆ちゃんがギアトリンガーを手に介人と爆発を背にするカットは結局介人の妄想でしたねw でも普通に見たかったよヤツデ婆ちゃんの変身...!
そんな介人やヤツデ婆ちゃん周りの描写にて断片的に語られた、並行世界の研究をしておりギアトリンガーまで用意していた介人の両親だけど、これも何か重要な伏線っぽいよね(並行世界の戦隊達を参考にした、というのがゼンカイザーをはじめゼンカイジャーの面々のビジュアルのさり気ない理由付けになってるのが上手くて好き)

2人は一体何をどこまで知っていたのか...気になる部分ですね

 

  • ジュラン

本作のメインキャラの1人にして、今回も物語の要所要所で登場していたジュラン。ちょいワルオヤジ的なキャラであることは放送前からちょいちょい示されていたけど、なかなかノリの良いご機嫌なキャラで楽しいなこれ!

それでいて、さっきまで仲良くしていた人間達に拒絶され一度は慌てながらもすぐに「ま、人間にとっちゃ俺も同じか...」と諦めたように落ち着き払ったりと、伊達に人生経験積んでるわけじゃないことが伺える良くも悪くもオジさん的な感じの部分が伺えるキャラ付けがまた絶妙。声を演じられてる浅沼さんの演技も良い感じに馴染んでて良い。しかし浅沼さん、青年系のキャラの印象が強いからこういうキャラは珍しいよなぁ。演技の幅の広さや演技の深みの出し方が凄い

 

  • 2人、出会う

人間達に拒絶され腐りかけていたジュラン。しかしクダックに襲われようとしていた子供を見て、彼を庇うために咄嗟に飛び出し...すんでのところで駆けつけた介人に救われた。

思わず庇った子供に怯えられることへの不安に駆られるジュランだったが、子供を助けてくれたことを介人に感謝され、不安から怯えていた子供からも介人に続く形で素直に感謝を伝えられ、次第に心に光が刺してゆく。

そして、トジテンドとは違う、と見てくれた介人の言葉を受けて彼を信じ、共に戦うことを決意するのだった!

今回の山場たるここの流れ、ストレートに熱くて実に良かったですね。

周囲の状況に関係なく自分で目にしたことをしっかり受け止め相手を信じられる介人の真っ直ぐさが良く出ていたし、彼のその真っ直ぐさがジュランと救われた子供を繋ぐ様はまさしく前述した未来を拓く介人の可能性を綺麗に描き出した良い描写でした。

そして介人に影響される形でもう一度人間を信じる気持ちや人間を信じる自分自身も信じられるようになるジュランの心境の変化も良く、そこを通じて紡がれた介人とジュランの絆も凄く沁みました。ゼンカイジャーは介人が各メンバーと一人一人仲間になっていく様を1話ずつかけながら描いていくみたいだけど、これは期待大ですね

結騎 了 on Twitter: "介人が「両親が提唱した異世界が本当にあった喜びを含めてキカイノイドと友好を図りたい」で、ジュランが「人間と一緒に仲良く暮らしたい」。侵略によりキカイノイドという種族への差別が広がる中、この2人が交わってチームを組む。この説得力がいいよなあ。"

結騎 了 on Twitter: "ルパパトとか、ジュウオウとか、「異なる立場だけど志に近しいポイントがある」キャラクター同士の掛け合いや認め合いを描かせたら香村さんは本当に上手い........."

 

  • デビュー戦!

介人とジュランは共にゼンカイザー、ゼンカイジュランへと変身し、

「2人合わせて!

   機界戦隊!

   ゼンカイジャー!!」

と高らかに名乗り上げ、トジテンドの群勢相手に戦闘を開始。

結騎 了 on Twitter: "ゼンカイジャー、このテンションとシナリオのままあと3人のキャラクターが順々に描かれて遂に「5人そろって!!」で名乗りをすると思うとすでにワクワクが止まらないんですが!!!!!!!楽しみ!!!!!!!!!!!!!"

巻き起こった爆発が止まったかのような空間の中、豪快なアクションやギアトリンガーのガトリングで敵を蹴散らしたり、ジュウオウジャーニンニンジャーなど歴代戦隊の力をギアから引き出ししながら戦う戦闘シーンはアイテムのギミックの小気味良い見せ方やダイナミックなアクションが見応え抜群で楽しかった!ギアトリンガーの音楽に乗せられてリズム取ってるクダックがいるの好き

また今回の戦闘の中で渡辺宙明さんの劇伴が時折流れていましたが、昔ながらのテイストを感じさせながらも現代のヒーローのアクションにもしっかりとマッチし引き立ててくるスマートなメロディラインが最高で、これがまた戦闘シーンをグッと引き立ててましたね 流石はレジェンド作曲家...!

というか渡辺さんの劇伴といいギアトリンガーの音声の感じといい、随所のメロディにゴレンジャー的な昭和のテイストをほのかに混ぜてきてるのが楽しいところですよねゼンカイジャー それでいて新鮮なアクションや演出の魅せがメインになっていて、現代的なスタイリッシュさと時代を感じる古き良き味わいを上手く合体させた独自の雰囲気を作り出してるのが強いなぁ 良い

 

ちなみに公式サイト曰く爆発が静止したような空間は通称「ゼンカイ空間」なるものらしく、グリーンバックの合成を用いる演出故にワイヤーアクションなどをふんだんに盛り込めて縦横無尽なアクションが可能になるのだとか。ゼンカイジュランとかのあのスーツはやっぱり動きづらいみたいだけどそれを逆手に取った演出すらも作り出す積極性は流石

機界戦隊ゼンカイジャー 第2カイ! ガオな野獣がごやっかい! | 東映[テレビ]

 

そして、羽を生やし空を舞うジュウオウイーグルオマージュのゼンカイザーの演出や、忍烈斬のカット割やエフェクトをガッツリと再現したゼンカイジュランの攻撃演出など、レジェンド戦隊の能力を使った演出も懐かしい気持ちになりとても楽しかったですね。今後どういう演出が出るのかもワクワクしますね

 

  • 初・巨大戦

初の巨大戦もCGをふんだんに盛り込んだジュランティラノのアクティブな戦闘や、巨大な状態でゼンカイジュランに戻っての一撃など、目を見張る見せ方が多くて楽しかった!ゴジラ飛びはめっちゃ笑ったしTVの前で思いっきり突っ込んだがw 自由か!

まっつー@ウルトラ好き多趣味 on Twitter: "反り具合まで完全にゴジラ飛び… "

巨大化時の姿が2種類あるというのは戦闘の幅出せそうだし今後も時々使って欲しいギミックだなぁ

しかし巨大戦の敵・クダイテストがなかなかにガッツリとした怪獣デザインなの良いなぁ カッコいい

 

  • 始まったばかりなのである

鮮烈なデビュー戦でトジテンドを退けてみせたゼンカイジャー。

ジュランもヤツデ婆ちゃんの駄菓子屋兼カフェ「カラフル」に転がり込み、これから一緒に...

と思ってた矢先、外では人間やキカイノイドのど頭に

キノコが生えていた

戦いはまだ始まったばかりである...!

 

以上ゼンカイジャー1話、いやぁ楽しかった!放送前より見せていた目を惹くインパクトのある要素の数々の活かし方もさることながら、香村さんらしいシリアスな要素や気になる伏線を随所に散りばめつつ決めるところは爽快感高めにカッコよく決めるヒロイックな演出が光るストーリーライン、それでいて全体的にコミカルなテイストが強く明るく楽しく見られる雰囲気など、作劇も凄くしっかりしていてとても面白く、期待値の高まる第1話でしたね。斬新な要素やコンセプトの魅せ方で惹きつける白倉Pと、安定感のあるストーリー作りと盛り上げが巧みな香村さんの良いところが存分に出てたなと。

結騎 了 on Twitter: "ゼンカイジャー、白倉さんの「オタク的視点によるシリーズへのリスペクトとやや凝りすぎ詰めすぎな設定」と、香村さんの「ポスト小林靖子がもはや過言ではない丁寧+効率的なキャラクター描写と起承転結の組み立て」が、中澤監督の手により綺麗に融合していて、非常に上質なエンタメに仕上がっていた。"

メインキャラの介人やジュランも凄く魅力あるキャラクターで良かったですし、残るメンバーもこれからどういう魅力を発揮し、どういう風に仲間となっていくのか物凄く楽しみです

世界を閉じられトジテンドの手中に落ちた歴代戦隊が今後どう物語に絡んでくるのかも気になるところ。劇場版でのレジェンド戦隊の描き方が凄く良かったので本編は果たしてどうなるのか...!
などなど長々と話しましたがとりあえずこの辺で。とにかく惹かれる、面白いスタートでしたね!ゼンカイジャー、これから1年間楽しんでいこうと思います!!

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた