AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

燻る炎を滾らせろ

ゾンビランドサガ

第3話「DEAD OR LIVE SAGA」

感想レビュー

 

 

舞台上での熱狂に高鳴った想いを胸に立ち上がったさくらを、ゆうぎり姐さんの理不尽な説教とビンタが襲う!!

マジで何も悪くないのにぶっ飛ばされるさくらと熱い流れみたいな感じでゆうぎり姐さんの方に同調していくみんながほんと理不尽すぎて...w

 

ただのマジックショー&ラップバトルと化した前回のライブに続き、巽幸太郎からさくら達へと突きつけられた次なる無茶振り...もといアイドル活動は駅前でのゲリラライブ!アイドル経験者の愛と純子が未だゾンビでアイドルという状況に前向きになれない中、さくら達は何も持たぬ0の状態からの奮闘を開始し...
というのが今回の大まかなあらすじ。

この3話目にしてユニット名が「フランシュシュ」とTL等で聞き馴染みのある名前にようやく落ち着きました。まぁデス娘やグリーンフェイスは...ナシ寄りだわな(

 

今回の話の主軸はやはり、愛と純子の心境の変化と前進。

ここに至るまで後ろを向き続けていた2人が、さくら達の全力のパフォーマンスに引っ張られアイドルとしての自分を取り戻してゆく流れはベタながらも、

死んでゾンビに成り果ててアイドルなどできっこない、とアイドルであった頃の熱が萎み文字通りに身も心も腐りかけていた愛と純子

死んでなお自分の中の情熱に従って何も持たない状態からでも全力でアイドルに向き合い必死に食らいつき生きようとするさくら

と同じく死んでゾンビと化した状況の中での双方の徹底して対比された関係性の演出や、車内からさくら達のゲリラライブの歌詞を聴いてさり気なく一緒に口ずさむ」「さくら達のぎこちない動きを放っておけず目が離せなくなっていく」といった2人がさくらの情熱に影響されてかつてのアイドルとしての熱を再び宿していく細かな仕草の描写がきちんと描かれていたことで、2人の心境が自然と変化し段々と盛り上がっていく過程がとても目を惹きました。

そしてそこからクライマックスでの、さくら達の大ピンチに2人が満を辞して登場し、パフォーマンスをグッッと引き締め空気を変える展開がまさに「2人とも待っていたッ!!」って感じの流れで最高に燃えた!暗い表情でどこか目を逸らしがちだった2人の表情がアイドルとして立った瞬間に笑顔輝くものになっていたのも、描くべきキャラの変化をしっかり外さず突いてて実に爽快。良い意味で期待通りのツボを押さえてくれた良い作劇でしたわ

純子が「即席の半端なものはお客さんに見せるべきじゃない」とさくら達のパフォーマンスについて口にしたり、愛が「全力ならお客さんにはそれが伝わる」と返したりと2人それぞれのアイドルとしての矜持が伺える場面があり、2人がアイドルとして終わったわけでなく心の中でまだ想いを捨てていない、燻っている状態にあることを描いたのも、2人の元アイドルという部分にフォーカスしてよりキャラを掘り下げており、そこからのクライマックスでの再燃をいっそう劇的なものにしていて良きでした。その直後に練習に一回は加わったりと、諦めたようでいてまだ諦めきれていない絶妙な部分の見せ方が好き しかし2人とも振り付けとかだいぶ仕上がってたけどこの一回の練習やさくら達の動きの見物だけで覚えてたんだろうか...レベルがちげぇ...

そんな彼女達の全力の情熱を拙いながらも込めたフランシュシュとしての初パフォーマンス。楽曲の「目覚めRETURNERの歌詞がゾンビとして蘇って前途多難ながらもアイドルとして邁進しようとするさくら達の境遇・心境にズバリハマったもので実に良い...!幸太郎が作詞したんだろうかこれ

それを歌うさくらの歌声が所々うわずったり音程が外れたりしてたのが、まだまだ実力不足ながらも必死で頑張っている雰囲気を良い感じに演出してて好き。この辺さくらを演じてる本渡さんの名演が凄かった

この必死さがあったからこそ終盤に愛と純子が加わってきた時テンションがいっそう上がるんですわ...入ってきた直後の2人の歌詞が

「でも少し怖いの」

「そんなことないから ほらね 大丈夫だよ」

って追い詰められたさくらの気持ちを励ますようなフレーズなの最高だな...!加えて純子が上記の歌詞をさくらの前で語りかけるように歌うカットが好きすぎて今回の白眉なんすわ...キュンとするわアレ!

映像の方もキャラのCGの表情の付け方が凄く自然で、動きも滑らかで変に引っ掛かるところもなかったので見応えがありました。ただやっぱり普段の作画と比べると若干浮きはするので、欲を言うとCGよか作画の方で見たかった部分ではあったかな...!と思ったり ここがハマれば個人的にはより良かったかも

そして最後に残った観客は小さな女の子1人だったけど、その顔にはどこまでも楽しげな笑顔があった、というのもフランシュシュが全力で刻んだ第一歩という感じでとても沁みる。愛が語った「全力ならお客さんにはそれが伝わる」の通り、たった1人にでもしっかり届いたね...この子実質「フランシュシュ」のファンとしては第1号なので、今後にも何かの形で出て欲しいなぁ

 

みんなでようやくまとまっての活動を終えたその晩、さくらが愛と純子に感謝と「至らない部分もまだまだ多いが、精一杯頑張って『フランシュシュのみんな』でやっていきたい」という想いを伝え、2人もアイドルとして再び立ったことで感じた想いに少し前向きになり...というところで締め。今回ようやく決まった7人のユニット「フランシュシュ」の名前が、この先アイドルとして仲間達と頑張っていくことへのさくらにとっての軸になったとしっかり印象付ける台詞回しが良い味出してましたね。ここをきちんと示したことで本作のアイドルアニメとしての深みがいっそう増したなと感じるので、ほんと本作はこの辺の積み上げが手堅い...安定感ありますね

 

そして今回の巽幸太郎のコーナー(今名前思いついた) この度も最早いちいち突っ込んでたら過労死するレベルでハイテンションが大渋滞起こしてましたがこれに関しては通常運行なのでほっときます()

ただ今回も彼はふざけてただけでなく、さくらと対比させる形で愛と純子の後ろ向きな姿勢をズバリ指摘してみせ、「何故お前らはアイドルだった?」と正鵠を射る言葉を向けるなど、厳しくも2人にしっかり向き合った対応を見せる一幕があって、やっぱ有能だなこやつ...?と改めて感心。ちょけてる普段の姿の裏にあるマジな部分と思しき一面が見えてキャラ的にまた一つ面白みが増してきましたね...彼についてももっと注目して観ていこうと思っとります

 

以上ゾンビランドサガ3話、愛と純子の変化をしっかりとした描写の積み上げを経てストレート且つ劇的に演出し、フランシュシュ7人のスタートを熱く切った非常にグッとくる回でした。

3話まで視聴したここで正直に言うと、本作は観始める前、カオスさの印象の方が強くてアイドルアニメとしてはどないなもんなのよと多少なりと思ってた部分があったんだけど、蓋を開けてみればアイドルアニメというテーマの描き方が非常に誠実でしっかりと熱い作劇になってて良い意味での驚きが凄く大きいですね 今物凄く楽しんでます...!これは良いアニメだ

ここからどういう形の物語が紡がれてゆくのか想像できませんが、この先もゾンビンに...存分に楽しんでいこうと思います 頑張れフランシュシュ!

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた