AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

物語の結末は決まっている

仮面ライダーセイバー

第26章「深き闇、剣と共に。」

感想レビュー

 

 

  • 物語の始まり

数話前より仄めかされていた2000年前の始まりの者達についてその真実が遂にユーリの口から明かされました。

一人の女性が二つの世界を繋げ五人の人間がワンダーワールドに降り立った、という導入から入り、5人のうち1人がソードオブロゴスを作ったマスターロゴスもう1人がワンダーワールドの守護に就いた者・タッセル...もといビクトール、そして残る3人は全知全能の書の一部を取り込んでメギドとなったズオス・レジエル・ストリウス...と。この5人の関連は既に多くの視聴者に考察されていましたしようやくという感じですね。演出的に少々あっさりとした解明だった感もあるのでそこはちと物足りないけど、セイバーを取り巻く多くの謎の幾つかにひと段落がつきましたね

しかし世界を繋げたという女性、彼女についてはまだ正体が明言されてないんですよねぇ 雰囲気的にソフィアな感はあるけど、第25章にてタッセル/ビクトールがルナについて「世界を繋ぐ少女」と言ってたのがまさに「二つの世界を繋げた女性」というのとダブるので、これはもしや...?という感じ。

少女、というところから考えれば2000年前の女性と同一人物というのはないかもですが、その役割を受け継ぐ次代の存在だったり?とか、ソフィアが2000年前の女性でルナはその子孫?とか、もしややっぱりルナはなんやかんやで少女の姿を取った2000年前の少女ご本人だったり?とか想像が膨らみます。なんにせよ2000年前の女性もルナも今後の物語で更に重要なキーパーソンになっていきそうですね

 

  • 本性

いつもの冒頭語りもなしにサウザンベースの現マスターロゴスの下を訪れたタッセル/ビクトール。そこで、2つの世界の均衡を保つのが初代マスターロゴスとの約束とタッセルは現マスターロゴスへと語りかけるが、その言葉を偽善者の戯れ言と一笑に付すと、現マスターロゴスは全知全能の書の力で世界を作り替え支配者となるというどす黒い野望を明かし、タッセルを消滅させた...
以前登場した相馬さん演じる男の正体が現マスターロゴスであることが明かされると共に(ここは方々のニュースで既に明かされてましたが...もう1週間待てよ!!)、その本性も描かれることとなりました。自分には世界を作り替える資格があり、そのためなら全てを利用する、と語るなかなかどストレートに傲慢な邪悪さ溢れる人物でしたねぇ あの狂気丸出しの本性を明かすシーンは個人的な好みで言うとちょっとコテコテすぎてちょっと微妙ではあったけど(現マスターのキャラ的に不敵にさらりと言い放つ感じがイメージに合ってたかも)

初代マスターロゴスを露骨に見下してることといいソフィアの監禁(おそらく彼が玲花に直々に命じた筈)といいタッセルの抹消といい、現マスターは前の時代の者達の信念、引いては世界を護ることなど眼中になく自分が全てといった感じだけど、なんでこんなのが組織のトップに立っているのか...この辺も後々描かれるんだろうか

てかタッセル消えたの...消えたの!?

 

  • 光と闇と白煙

本編中盤にて賢人の変身するカリバーと最光、そして乱入してきたサーベラの戦闘が展開。

前回に引き続きエフェクトを多用したアクションや剣のギミックを積極的に使った多彩な技で自身の能力にメタを張れる最光にもテクニカルに立ち回るサーベラの戦闘は今回も見応え抜群。非常に面白かったです。

一方、それに巧みに対応する歴戦の経験が見える動きが光る最光に、未来を知る故の無駄のないカリバーの動きも見劣りしないカッコ良さがあって良きでした。腕最光のスライディング凄く好き 上堀内監督演出の戦闘シーンはやはり印象に残る動きや演出が多いから良いね サーベラは特にその恩恵を受けててオイシイわね

 

  • 闇の中で

そして今回のエピソードの中心人物となった、カリバーとして帰還した賢人。月闇に斬られ闇の世界に取り込まれながらも帰還し、しかし全ての聖剣を封じると宣言するようになった彼が闇の世界の中で見たのは、変えようのない絶望的な世界の結末だった...
この辺から無音での賢人の語りや静かなシリアス調のBGMの下、剣士達の勝利やメギド側の勝利などの「仮面ライダーセイバー」の物語の様々な結末、そしてその先に待つ変えられない破滅が描かれました...
傷付き倒れてゆく仲間達、輝き出す聖剣、開く全知全能の書、崩壊する世界、それらを目にして絶叫・慟哭する賢人...という絵面が色々な形で連続して描写される様は観てるこっちも引くくらいにえげつなく、全てに無気力になったかのようにボソボソと喋る帰還後のダウナー化した賢人の変貌についても、変えたいのに変えられない結末を様々な可能性の先で絶対に行き着くものとして見せつけられたことにより精神を限界まで摩耗させられた結果だと納得させられてしまう強烈な演出でした 可能性世界の中に賢人が駆けていくみんなを必死に止めようとするものもあるのがまた...

変えたい運命が変わらないと様々な可能性の中で見せつけられ疲弊し諦観へと至る様というと、最近では某死に戻りのバルスを彷彿とさせられるわけですが、賢人はずっと闇の中にいた故に自分の苦しみをぶつけられる相手もそのタイミングも、そこから支えを得られる場面もなかったのが大きかろうなぁ...と思ったり。かつて一番信頼してた飛羽真の前向きな言葉すらも決まった運命の中の過程の一つとしか捉えておらず、仲間達も容赦なく斬りつけ大切な聖剣も封じていく様からは大事な時に支えを何も得られなかったことによる変質も感じられるようで、つらい...

 

結騎 了 on Twitter: "賢人が見た無限の選択肢の未来...... マスターロゴスがいくつかの選択肢で暗躍してたのが気になる。"

 

  • セイバー慟哭

賢人の帰還を最初は喜ぶも、励まそうとする言葉さえ拒絶する様に少しずつ笑顔が引き攣っていき、最後には悲壮に満ちた泣き顔でセイバーへと変身し為されるがままプリミティブドラゴンに変貌する飛羽真の画、これも死ぬほどつらい

「また会えたと思ったのに」「一緒に約束を果たせると思ったのに」の言葉と泣きそうな表情に、絶望が増すと同時に賢人への想いが離れていく様が表れすぎてて...もうこの、なに

セイバーの炎で起動したスプリンクラーの雨に打たれながら理性を失いひたすらに叫ぶプリミティブドラゴンの構図は、自身の涙を象徴するような雨の中で絶望に打ちひしがれ泣き叫ぶ飛羽真そのものを表してて、悲しいけど凄く胸を打つ演出だった。こういう絵作りについては流石の上堀内監督だなぁと

精神世界にて悲しみに暮れる少年と接触したことで飛羽真は暴走をすぐに止められたものの、全てが終わった後には、深い悲しみが残っていた...

聖剣を失って悲しみの下叫ぶ大秦寺さんの叫び声が高すぎてなんかロックバンドモードを彷彿とさせたためにちょっと笑いそうになったのは内緒だ(

 

 

以上セイバー26話、2000年前の剣士達にまつわる真実や現マスターロゴスの野望など、キャラクターに関する謎が幾つか明かされた回であり、それ以上に帰還した賢人が語った真実が深い悲しみと絶望をもたらしたあまりにも重い回でした。ナニコレ...

しかしこれによりセイバーの物語のテーマ性や核心にもよりグッと迫る形となり、次回の展開、およびこの先の話が凄く楽しみになる良い回でもありましたね。未だ止められない暴走をもたらすプリミティブドラゴンとの関係を感じさせる悲しむ少年、変えられない結末に絶望する賢人、これらの要素に一気に光明をもたらすカタルシスを次回期待しています

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた