AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

To My Dearest

ゾンビランドサガ

第8話「GOGO ネバーランド SAGA」

感想レビュー

 

 

純子ちゃん、幸太郎に惚れたでしょ?(

露骨に顔赤らめてさぁ...!まぁあの時の幸太郎カッコ良かったものね

それはともかく今回はリリィのメイン回だったわけなのですが、濃いギャグと濃い感動を同時にぶち込んできやがったなぁ...(

リリィの父・剛雄の登場をきっかけにリリィの口から生前の出来事が語られ、天才子役たるリリィの背景が明らかになっていくという形で前半は進むのですが、いやもう、

豪 正雄(ごう まさお)の衝撃よな...

何の疑いもなくリリィは女子と思ってこれまでずっと本編追ってきたところで急に何の前振りもなくやれ回想の中のパピーが「正雄!開けんね!」って言い出すわ、やれ脚の毛がどうの髭がどうの言い出すわ...脳味噌がバグ起こすよこんなん!!実際回想シーン中は?が脳内を駆け巡るなどして真実を理解し切るのに時間を要しました()

「あのごついパピーの遺伝全然現れてないじゃんリリィw」
とか

「パピーてwww」

みたいなジャブレベルのギャグ思ってたら、そんなのが全く気にならないレベルの不意打ちの右ストレートみたいな衝撃カミングアウトが来て、視聴しててリアルにビビったわよ...本編も本編で「正雄は正雄ですけど???」みたいなテンションで正雄呼びが当たり前に使われてる回想にシフトするのがキレッキレで好き

そんな正雄...リリィを「女性アイドルグループに正雄がおっちゃイカンのかいィ!?」と言い切る巽幸太郎、コミカル風味に描かれてるけど細かいことを気にしない豪胆さや価値観を多様に受け入れる柔軟さがさり気なく伺えてすき

 

そんな濃すぎるギャグ成分が先行したけれど、そこで描かれるリリィの過去も、紐解けば紐解くほどになかなかに壮絶でしたね...

テレビを観て笑ったり感動したりする大好きな父をもっと喜ばせたくて子役になったら、父が「TVに映る自分」の方ばかりを見て傍にいる自分のことを見なくなってしまったことが悲しかったリリィ

我が子が多くの人に笑顔を届ける存在になったことが嬉しかったけど、それに拘ったあまり画面の奥ではなくすぐ近くの我が子の本当の気持ちに向き合わなくなってしまい、全て喪い気付いた後に後悔と自分への怒りから好きだったテレビを避けるようになってしまった剛雄

父子共にお互いを想うちょっとした気持ちがすれ違いになって心に大きな傷を負ってしまってるのが凄く辛かった...

ギャグテイストに描かれてたリリィのショック死も、テレビを通じて皆を喜ばせる存在として大人になるよう言ってくるような言動の父に反抗するリリィの「大人になんてなりたくない=成長したくない」という心情が伺えることや、仕事に明け暮れるリリィが目の下にクマを作るぐらい疲弊してる描写もあって死因はこの消耗によるところも大きかったんじゃないかと感じられることなど、色々繋げて見てみるとなかなかにえげつないよなぁと。

前のエピソードの第7話のレビューで、リリィはフランシュシュでも大人な方だと感じると言ったのですが、あくまで場慣れしてて考えの成熟してる箇所もあるってだけで、根本は父の愛に飢えていた年相応な子供なんだなぁ...と今回のエピソードを見て考えが変わりました。リリィの死は、その身に合わない精神的・身体的どちらにもよる大きな負担や限界があったが故って感じだよな...

 

しかしこの6号に我が子の面影を見て(てか本人だけど)剛雄が接触してきたという出来事を通じて、愛達が「知名度のある身で蘇った故に誰かに気付かれるかも」という弊害を気にするようになってたけど、いやむしろもっと早く気にするべきだったよそこ!!ガタリンピック回で記者の人が純子に目を付けたシーンはだいぶヒヤッとしたし、正直サガロックとかよく気付かれなかったな...!って思うレベルだよ!!!

次回はその辺でサキにスポット当たるっぽいし、気になるとこ

 

話は戻り、後悔に塗れながらも今でも持ち続けている剛雄の我が子への愛と、父のことを忘れようとしてたけどその父の愛の温もりを感じて感情が溢れ出すリリィの姿が描かれ、フランシュシュは親子の想いを繋げるべく立ち上がる、という展開へ。

過去のことを忘れてる立場のさくらが、親子が共に相手への想いを忘れず持っていたからこそそれが繋がったのだとリリィの言ってあげるのは凄くグッときたし、その後のリリィの、笑顔で取り繕うとしながらも溢れる想いを止められず目が潤んでいって最後には泣き出す、っていう表情の変化の表現は見ててこっちも泣きそうだったしで、ここの一連のシーン凄く好き

 

そしてここからEDパートを跨ぎながら特殊EDとして繰り出されるライブパート。このために作られた新楽曲「To My Dearestリリィの父への「ありがとう」「大好き」の気持ち「これからも頑張るから『テレビの前で』応援してね」のメッセージを凄く真っ直ぐ表した歌詞と、それを紡ぐ優しいメロディラインがめちゃくちゃ心に沁み入ってきて、もうここは涙腺が緩んで緩んで、本当に素晴らしかった。ED中の映像がリリィと剛雄の温かな家族の風景なのが余計にグッときてまた...最初に視聴した時は感動しながらも泣くのは我慢できたんだけど、この記事書くために見返してたら沁み入るものが更にあって完全に涙腺にトドメ刺されてしまいましたわ...我が子への気持ちにケリをつけようとしながらも会場へやって来てライブを見てた剛男パピーと同じく涙と鼻水ジョボジョボになっちまいまして...

あとさり気ないポイントなんですけど、ライブパートに至るまでの描写の中で描かれた「さくら達の相談を受ける→作曲に取り掛かる」という幸太郎の各一枚絵のカット、ここが逆に映像で描かれてない分、リリィをはじめとしたみんなの想いをきちんと受けた上で多くは言わずこの曲を自ら作ったんだろうか...とか幸太郎の色んな姿が想像できて凄く好き。幸太郎のキャラがいっそう引き締まったし、この曲の深みも増したなぁ...と

そして物語は、テレビの前でフランシュシュ/リリィの活躍を笑顔で見守る剛雄の姿で締め。

亡くなったお母さんの象徴のようであったリリィの星のアクセサリーは、一度死んで戻ってきたリリィがテレビを通じて父に笑顔を届ける輝きにもなったんだなぁ...

 

ゾンサガ8話めちゃ良かった...

前半が凄まじすぎるまでにコミカルだった反動もあって、こんなばちゃくそに泣く回になるとは思わなかったですね...いや本当に凄く良かった

愛情からすれ違った親子の想いが再び繋がってゆく過程を情感豊かに描いたストーリー展開は胸に響きましたし、それを綺麗にまとめ上げた「To My Dearest」のメロディと歌詞で織り成されるEDパートの屈指の美しさは今回の白眉でした。前回も良かったけど個人的に今回は更に好きかも...いやぁ、何度も言っちゃうけど良いな、ゾンサガ...良い

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた