AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

社長共、大暴れのお時間です

仮面ライダーゲンムズ ザ・プレジデンツ

感想レビュー

 

 

※本レビューはネタバレを多分に含みます。未鑑賞の方はご注意ください。

 

本作は仮面ライダー滅亡迅雷やバルカン&バルキリーの後日譚的立ち位置の作品になる、ということらしいのですが、それを踏まえて考えると、

①働いてた会社がいつの間にか粉砕され

②新しい会社を立ち上げて心機一転頑張ろうとしてたところをウイルスに感染され

③更にそこから生まれたイカれた男に弄ばれ

④加えて後追いでその男の父親までもが自分の身体から這い出てきて

⑤終いには自分そっちのけで狂ったように喧嘩し出す

と災難だらけの天津垓、あまりにかわいそう()

アーク様はなんて野郎を拾ってきてくれやがったのか

 

仮面ライダーエグゼイドより生み出された狂犬もとい神・檀黎斗その父にしてクレイジー絶版マンこと檀正宗そして仮面ライダーゼロワンにて一生分のヘイトを買われながらもaiboパワーで這い上がり逞しくも改心と贖罪の道を歩み始めた1000%男・天津垓、と高橋悠也脚本作品の濃厚社長キャラを一同に集めた闇鍋のようなスピンオフ作品である本作。4/11、4/18と前後2編がTTFCにて公開されました。

内容としてはこの濃すぎる連中により織り成されるシュールギャグ的テイストがメインという感じで、時を超えてなお自重する気ゼロの檀親子の変わらぬ大暴走を見られたのは個人的には面白くて良きでした。てかなまじ20分の本編に押し込められてた、濃度としては歴代でも最高だった気が...w

 

まず苦しみ始めた垓の身体から優待離脱よろしく現世へ黎斗が君臨し、この3密回避のご時世などお構いなしに苦しそうな垓の顔面を撫で回すわ頬擦りしまくるわとやりたい放題をかまし、黎斗を倒そうと変身したサウザーの姿を黒く染め上げ(滅亡迅雷本編でサウザーのスーツがザイアになってたこととの兼ね合わせの展開だと思われますが、ゲンムイメージという理屈付けがザイアの黒ボディに赤い目というカラーリングに良い感じに噛み合ったのは上手いことやったなと)、生身の蹴りで蹴飛ばすわ、親の仕草よりも飽きるほど見たお馴染みの狂ったようなテンションでゲンムとなって暴れてサウザーを蹴散らし圧倒するわ、とここまでが前編の大まかな内容です。イカれてるだろこれ?(

ダンクロと岩永さんが元気そうで何より

 

そしてゲンムが垓を手にかけようとしたその時、ポーズの音声と共に時間が停止し、檀正宗降臨!と いやぁ貴水さんが主題歌を担当することは予め発表されてたとはいえ、まさか正宗として登場するとは思っていなかったのでこれは驚き興奮しました。中盤辺りで垓の身体から後追いで這い出てくるシーンの時点で「あっまさか!」と思いましたね(一瞬黎斗の2体目が這い出てきたと勘違いして反射的にウワッ...(ドン引き)て思っちゃったのはクラスのみんなには内緒だよ)

 

そして後編は、正宗が黎斗に「お前は最早この時代には必要ない」的な、ゲンレザの時を思わせる言葉を投げつけながら始末するために襲いかかるところからスタート。さぞや2人の壮絶な戦いが幕を開けるのだろう...と思っていたのですが、実際のところは、2人で幻夢の社長に相応しいのは自分だと主張し合い、お互い罵倒に罵倒を重ねながら殴る蹴るの応酬に出るというカオス極まれりな泥臭すぎるバトルだったのは笑ったw 壮絶だったのには違いないけどテンション感が小学生男子の喧嘩のそれだし、それをこの濃すぎる親子が織り成すもんだからまぁうるせぇうるせぇ() 後述する垓の台詞のシーンの後ろでもずっと2人の鳴き声や殴り合うSEが喧しく鳴り響き続けてるのが凄く腹筋に悪かったですw 岩永さんも貴水さんも久々の檀親子ということで気合入ってたのかいつも以上に大袈裟な感じでねっとりこってり喋るのが既に面白すぎたし、ゲンムとクロノスが「ン私だァ!」「私の方ダァァ!!」って言い合いながらぐるんぐるん回る画でもうダメだった(

それはともかくとしてここのゲンムvsクロノス のバトルはよく見るとマイティアクションの能力で跳び回るゲンムやバグヴァイザーを振るうクロノスなど意外と個性的なバトルの魅せが多く、縄田さんのゾンビじみたイカれた動きを繰り出すゲンムも見れたりと純粋に楽しかった。縄田さんの膝立ちから上半身を起こす動きすげぇよなぁ...
エグゼイド本編でも滅多に見られないレベルでアクションしまくるクロノスという貴重な画は必見です

 

そしてここから、この親子の大喧嘩の中で繰り広げられる双方の社長としての信念を耳にした垓が、2人の社長としての会社への「愛」を感じ取ったことで自身も「会社を、事業を、社員を愛す」社長としての在り方に至り、ゲーム病の基であるストレスを乗り越え、檀親子に精神的に打ち勝つ、というまさかの展開。

ここ本当にまさかの展開すぎて面白かったけど、同時にタイトルのザ・プレジデンツ=社長達という要素をきっちり活かしたことや、ゲーム病とストレスというエグゼイドにおける要素も自然に織り込んだ展開の中で垓が社長としての真理に至り成長するところまで描いたことは割と素直に上手くて良かったところなんですよね。檀親子が垓の上で喧嘩する話になると思いきや、垓が本作のもう一つの顔としてしっかり締めるというのは良いバランス感だった。前編でも黎斗が垓の前で社長について説くシーンも伏線だったわけだ

 

そして垓の言葉を受けて黎斗は彼を認め、正宗も黎斗を止めようとしたのは親としての子への愛故だった、と黎斗を抱きしめ共に消滅する、とエグゼイドの作中でもついぞ実現しなかった檀親子の和解を描いたのもなかなか面白いポイントでした。エグゼイド本編にはいなかった外様の存在である垓の視点も加わったからこその展開として、納得感も地味に大きかったですしね

...まぁ和解した2人の「クロトォ...」「パパ...!!」連呼をグルグルカメラアングルで見せながら2人が昇天し、天空に満面の笑みの2人の顔がハート型を描きながら浮かぶという演出で色々と台無しだったんだけどな!!この親子は本当に(

ふざけすぎです監督() でも黎斗は正宗をパパと呼ぶという、ジオウ登場時にも描かれた岩永さんの提案したという黎斗像がきちんと反映されてたのは好き

 

その後、新たな会社の立ち上げということで垓が社長として心機一転、秘書の厘と一緒にオフィスの消毒から始めるという微笑ましい画で垓サイドの話は締め。厘とのコンビもけっこう面白かったし今後の客演とかで垓が出る時に厘も一緒にいて欲しいなぁ 思えばゲーム病という要素といい最後の消毒のシーンといい、このご時世だからこその強調でもあったのかしら

 

...そしてアークの意思が渦巻く電脳空間にて、愛がエンディングを変えたことに目を付けほくそ笑む、からのGame Over...?で締めという、なんとも気になるラスト。まだ出てくる気かお前...!(

時系列的なところで言うと今回の話をエグゼイド年表に組み込むとゲンレザとマイティノベルXの間になる、と見る人が多かったのでマイティノベルXへの布石か?とも取れますが、黎斗だもんなぁ、なんかまた来るかもな...

 

 

と、なかなかカオスさも極まってはいましたが、けっこう楽しかったです仮面ライダーゲンムズ。檀親子の物語としても、垓の物語としても、ザ・プレジデンツの名に恥じぬ社長達の話として短編的なスピンオフながらも良い具合に内容の詰まった一作でした。久しぶりに檀親子の大暴れが見られたのも嬉しかったしなぁ!

最後にちょっとした仄めかしがあったけど、エグゼイド好きな身として何かまた動きがあるなら待望ですね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた