愛を持って、還ろう
第27、28幕「転送(ダウンロ-ド)/
ぶたちゃんはあるいていった」
振り返り感想
このぶたちゃんはおかいもの。
このぶたちゃんはおるすばん。
このぶたちゃんはおやつたべー
このぶたちゃんはおみやげもってー
このぶたちゃんは赤ちゃん。
ウィーウィウィーウィウィー
ママのトコへかえるー
コロンビーヌが歌っていたマザー・グースの「5匹のこぶた」の唄、前に歌ってた時の「なんにもない」の部分が最期のシーンの後「おみやげもって」に変わってた、ということに原作既読でアニメを2周してるこのタイミングにおいてようやく気付くという、今更すぎる気付きをしました!おせぇ(
この歌詞の部分については後述。
えーまず、ここ最近アニメからくりサーカスの振り返り感想レビューが滞って申し訳ございませんでした 忘れてたわけではないんす!
この度の再放送を良い機会と思い、放送となるべく並行しながら執筆するつもりで書き始めた本作のレビューですが、まだ8話くらい放送残ってるし暫くは大丈夫やろとか思いながら撮り溜めてレビューの方も書き進めてなかったら、再放送の方が終わってしまいましたんですよ やっちまったなぁ!!
いやでもなんか最後の方になって急に5話一気に放送して完走させるというとんでもない放送日程組んでやがったんで追いつきようがなかったんすよ...現在放送中の番組の枠との兼ね合いで早く終わらせないといけなかったんだろうけど力技すぎるわ...!
とまぁ言い訳はこの辺にして今回のレビューをば。
今回は勝とフェイスレスの決戦およびコロンビーヌの最後の大一番を描くエピソード。
平馬の助太刀がなかったりなどをはじめとしてカットによる皺寄せ等が随所に見られはしたものの、フェイスレスの歪みに歪んだしろがねへの執着、その企みを破る勝の活躍、そしてそれを支えたコロンビーヌの心情描写など、原作において醸し出されていた魅力的なポイントをしっかり押さえて描いていたのでなかなか良かったと感じます。思えばアニメからサー中でも特に安定感は高かったエピソードかもしれない。
でこのエピソードを語る上で欠かせないのは、勝やコロンビーヌは勿論のこと、個人的には古川さんの名演で見事に表現されたフェイスレスの歪んだ人間性の演出だなと思うところ。「あぁぁあぁあ〜www楽しみだなァァァ...www」の気色悪さ全開の声のトーン最高でした
しかしこうして各話ごとに文章にしてまとめてみて気付いたけど、前回もう1人の自分との対面で錯乱していくしろがね-Oを描いたばかりだと言うに、そのすぐ後にしろがねを手に入れるために「勝に自身の意識をダウンロードさせて、その勝の肉体を得たもう1人の自分に古い自分を殺させる」という手段を平然と実行できるフェイスレスを描く対比の強烈さよな。
自分の意識がいくつ、どこに在ろうとも全く気にせず、「自分」の幸福のためならば一方から見たもう一方の自分に殺されることになろうともそれすらも自分の思い通りの絵図として組み込んでしまえるという、どこまでも「自分は自分」と信じられる悪い意味での自己の強固さ、実に歪で良いですね。
何よりその自己の強固さとしろがねへの執着故に、そうして勝の肉体を得てしろがねが自分に愛を向けるようになりしろがねが自分を見てくれるようになったとしても、それはあくまでしろがねが勝に向けている愛に過ぎない、ということにまで思い至れないズレと空虚さがなんとも哀しいというか。藤田和日郎作品のボスキャラの中でもキャラクター性の濃度はトップクラスだと思うわフェイスレス
そして今回のエピソードの目玉である、コロンビーヌが勝に対し損得を抜きにして行った奉仕と、それに心から応えた勝の愛を受け取ったことで満足することのできた様。ここは概ね原作通りのしっとりした空気感の演出が上手く効いてて観ていて実に満足度は高かったですね。
また今回も視聴で特におおっとなったのが、冒頭で述べたポイントですが、コロンビーヌの歌ってた唄の「なんにもない」の歌詞が最期のイメージ部分では「おみやげもって〜ママのトコへ帰る」になってることなんですよね。独りひっそりと最期を迎えようとしていて「なーんにも、ないよ。」と自虐気味に呟いていたコロンビーヌが、自分の想いを受け止めた勝の愛という「おみやげ」を持って、満たされた笑顔で「還っていく」という、しっかりコロンビーヌのキャラに沿った情緒溢れる構図だったんだなと。あるサイト(※)で見つけた「5匹のこぶた」の最後の部分の歌詞は「帰る道がわからないよう。」で、原作漫画のからくりサーカスでの最期を迎える前のコロンビーヌが歌ってた歌詞の最後の部分も「ママはどこ?」となっていたのが、「ママのトコへ帰る」になるという、凄くグッときますね。コロンビーヌの言う「ママ」が、自分の尽くしていた存在にして、かつて自分と同じように奉仕の心や他者から向けられる愛を知って旅立っていったフランシーヌ人形だったりするのかな、とも思うとまた沁み入るものがありますし
(※)...key009
まぁコロンビーヌに関しては物語全体を通して言うと、彼女の「愛/恋愛」に対する関心が序盤〜中盤の鳴海兄ちゃん達と対峙してた頃からちらほら示されてた要素であり、サハラ戦で鳴海兄ちゃんの尽そうと奮戦するファティマとの絡みもあったからこそこの後半で活きた要素だったので、アニメでのその辺の諸描写のカットに掘り下げ不足感が否めなかったり(最期のシーンの直前での自虐もファティマのことを思い返し自分と比較した上での感情としてより引き立つものだったし)と、不満は他の部分と同じく出てきてしまうので完璧にとはいかなかったりもするのですが(そもそも序盤の出番が他の最古の4人共々アニメだと少ない...!)、それでもあのキャラクター性を最後しっかりと引き締め、視聴者を魅せてくれたことに関しては満足度は高いですね。しっかり演じてくださった悠木碧さんに新たな感謝。
という感じでからくりサーカス27、28話、新しい発見もあったりしてなかなか楽しかったですね。
(再放送はとっくにフィナーレしましたが)物語もいよいよ華僑ということで、本レビューもぼちぼち進めていくのでよろしくお願いします。
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!
ではまた