AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

不死身のヒモ再来で物語はもうめちゃくちゃ

仮面ライダーセイバー

第34章「目を覚ます、不死の剣士。」

感想レビュー

 

 

鷹山仁...もとい、バハト/仮面ライダーファルシオン再来ッ!!

劇場短編でも薄からぬ存在感を発揮した彼ですが、現マスターロゴスにより戦況を掻き乱す「猟犬」ならぬ「狂犬」として解き放たれ、自身を解放した現マスロゴも含め誰彼構わず襲いかかる狂気のトリックスターぶりで物語を大いに引っ掻き回してくれました。序盤辺りにそこそこ強力なボスとして参戦し主人公を苦戦させたキャラが中盤頃復活、更に研鑽を積み新たな力を手にしたりした主人公をと再び相見え苦しめてくる...というシチュエーションは熱いですなぁ

「聖剣の力を無効化する」という虚無の能力は若干降って湧いた感があるもののテイストとして虚無にピッタリな能力だし、全体の戦力強化も来るとこまで来てるこの中盤〜終盤で物語序盤頃の登場だったファルシオンが戦いに付いてくることへの説得力もあるしで良い設定付与だったと思います。寧ろこれは劇場短編で描き切れなかった部分と見るべきか

他にも変身演出面において、抜刀後シィ-ッ...と指を口の前に立て静かな間を生み出す構えを取るなど、劇場短編登場時の抜刀後無音が訪れる演出を意識したような新たな演出が用いられたり(TVで無音演出やると故障かと思われるからとかかもね)、デュランダルをも撤退させブレイズ氷獣戦記にも得意の再生能力で一杯食わせる(この時の「やられたァ〜...」という、再生能力持ち特有の効いてないのに余裕の表情で効いた風に挑発する喋りが嫌らしくて非常に良かった)活躍を見せたりと、なかなかおいしい場面が多かったなと思います

 

そんなバハトの、前回の予告でも仄めかされていた過去およびユーリとの関係性ですが、ユーリとバハトはかつての同じ騎士団の仲間であり、力に魅入られた仲間に家族の命を奪われたことで世界や人間の在り様に絶望し世界の破滅を決意するようになったバハトをユーリが封印した...ということで因縁浅からぬ仲であることが判明しました。

現在のバハトの人となりの根幹、及び劇場作品のゲストボス的立ち位置だったバハトのレギュラーキャラのユーリとの関係の掘り下げということでなかなか重要な設定ではあるのですが、個人的にはちょっとあっさりしてたなぁという印象。バハトが狂った直接の原因については、仲間の剣士(今回の話でパッと出てきたにすぎない、正直ちょっとご都合的な雰囲気のあるキャラ)が力に魅入られ暴走した、とユーリの口頭で語られるだけでイマイチ聞いた上での実感が薄いし、そのせいでバハトの「家族を失った」設定もバハトに同情の余地を与えるような分かりやすすぎる設定に感じられてしまったので、少なくとも期待してた以上の衝撃はなかったなというとこが残念だなと。自分としてはバハトがああも狂ってしまった理由をもっと鮮烈に描き出し、そこにユーリとの関係性も絡めてバハトを本作のキャラの一人として掘り下げていくみたいなのを期待してたので、最終的にバハトの背景の提示、くらいのニュアンスに終わったのは物足りなかったというか。(とある視聴者の方が仰ってたように、これならば色々掘り下げる風に前振りせず最初から過去については明かさないでおくか、ほんのりバハト自身の口から過去についての仄めかしがされる程度にしとくかのバランスの方がバハトがより魅力的になってたかも、とは思う)

走れ!カニ刑事!! on Twitter: "バハトの過去は明かさない方が魅力的だったな。説明するよりふわっと深い絶望があったってことの方が好みだ。説明された割りに思い描いていたものよりあっさり風味で拍子抜けだった。 #仮面ライダーセイバー"

 

こうしてバハトが掻き乱しに掻き乱してくれやがった今回の話ですが、バハトが野に解き放たれ節操なく暴れてるだけでただでさえめんどくさいのに、未来は変わらねェ病の重篤化した賢人の襲来それによるユーリのまさかの退場(一時的かもだが)、そして烈火覚醒によるルナの帰還など、山のようにめんどくせぇことや衝撃の大イベントが押し寄せるというカオスが繰り広げられる羽目に。

戦闘パートについても終盤においては

 

世界を救いたいセイバー&最光

vs

世界を滅ぼしたいファルシオン

vs

聖剣を封印したいカリバー

(+聖剣を横から奪おうと覗き込む玲花)

 

という闇鍋大混戦が発生しておりました。

複数勢力の混戦というなかなか面白いシチュエーションで、セイバーでも以前に行われたことはありましたが、今回に関してはもっと落ち着いて描かんかいワレという感じです()

次回の聖剣集結展開を踏まえての現マスロゴのよるバハト投入、まではまぁ分かるのですが、そこにルナの件や賢人との関係性の変化まで入れ込んできたせいで情報が渋滞を起こしてどこに主軸を置きたかったのかイマイチ伝わりづらかったというか、どれも薄味になってしまったなという印象なんですよね。ユーリの退場とかそれだけでかなり衝撃の展開なんだから1話かけて単独で焦点を当てるべき事象だし、そこに付随する飛羽真の慟哭やユーリの最後の言葉に賢人が心揺れる様とかも、物語を劇的に動かす上でのキャラクターの内面の描写としてもっと濃く描かないとだろ...!って感じなんですよ

次回の展開ありきのこの詰め込み具合なのかなという感じもするので誰が脚本書いたとて多少なりと無理が出たかなとも思うものの、前回前々回で初登板の内田さんが良い具合に話を引き締めた後なだけに、いつもの脚本家陣に戻ってまたセイバー特有の情報量や展開の早さが戻ってきたのは個人的にちょっと惜しいところ。ユーリが消え去りファルシオンと戦ってる間に最光も玲花に奪われていったというに、その後の飛羽真が賢人の加勢やルナの帰還に嬉しそうにしてるばかりでユーリそっちのけになってる、という展開の詰め込み具合故の淡白さが生じてるのはちょっとなぁ...(ユーリ消滅直後に飛羽真がユーリの名を叫び悲しむカットが一応入ってたとはいえ実質それっきりなので...)

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "ユーリ(一時?)退場とルナ帰還を一度にぶっ込んだせいで賢人の加勢とルナとの再会を喜ぶ飛羽真に「ユーリが倒れとるだろうがァーッ!!」って思ってしまう もうちょい順を追ってだな..."

 

と、色々言いましたがユーリの退場自体はやはり衝撃だったし、自分も以前の考察記事(※)でも予想してただけに大きく話が動いた感があって面白いところ。ルナの帰還も物語に風雲急を告げそうで楽しみ。

ちなみにさっき述べた考察記事ですが、ルナやソフィアについても最近明かされた情報や描写と合わせて今見返すと割と良いとこついてるかなと感じられたりしたので、今後の展開への楽しみをプラスする的なところで下記のリンクから改めて読んでくださると嬉しいです。

(※)時空を駆ける賢人 - AnDrew’s小生意気レビュー記

 

 

以上セイバー34話、不死身のヒモ登場で物語が大きく掻き乱され、更にクライマックスに向けての動きが見られたのが非常に目を惹いた今回。少々情報の出し方に難ありな回でもありましたが、ここにきていっそう波乱極まってく物語がどう転んでいくのか、気になるところでしたね バハトは今後もずっと出張ってくるのか...期待

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた