AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

オールタイムおっはよぅございまぁ〜す

機界戦隊ゼンカイジャー

第10カイ!

「お昼も夜でもブルースカイ!」

感想レビュー

 

 

凄くシャマー星人と仲良くなれそうだねマヒルワルドくん でもこの2人が組んじゃったらもう無敵なんで絶対に出会わないでくれと切に願う(

ヒルワルド、正午12:00を指す時計と太陽の意匠が合わさったモチーフに忠実なデザインの秀逸さも去ることながら、地球の周囲の複数方向に擬似太陽を配置し全世界常時真昼状態を作り出せる(且つ地上の人間の時間感覚にも影響を及ぼしてるっぽい精神干渉的な要素も伺える)という能力の強大さが目を惹く地味に恐ろしい怪人でしたわね 人質を取ったのにお構い無しで攻撃してくるツーカイザーにドン引きして人質と一緒に怯えたり、暗い下水道に閉じこもらされてしょげたりとキャラ的な可愛げがあったのも好きw

Twitterでも語ったけど、もうすぐ1クール目に到達しようというここにきても尚、大規模無差別的に発動し世界を狂わせるワルドの能力の強力さをビジュアル的にも演出的にもしっかり描けているのは非常に良いなと思いますね。世界を背負って世界規模の力を行使する怪人達と戦うというゼンカイジャーのテーマ性のスケールをコンスタントに描く上でここがしっかりしてるのは非常に強みですし、シンプルに絵面的な楽しさが毎回あるのも良いところだなと

ここからどういう感じになってくかは分からないけど是非是非継続して描いていって欲しいところ。

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "今後どうなるかは分からないけど1クール近く経った今でもワルドの能力が大規模無差別的に作用するものであることを継続して描けてるのは凄く良いなと思う 第2、3話の演出ほど予算割けない中でも絵面のハチャメチャさと見せ方の工夫で脅威度やめちゃくちゃっぷりを醸せてるのは強いわ"

 

今回は一般人への被害もお構い無しで戦うゾックス/ツーカイザーのアウトローっぷりを軸として、そこにまつわるゴールドツイカー一家のトジテンドとの因縁や目的、それを受けてのゼンカイジャー達の想いなどが描かれる回となりました。

前回のエピソードの感想レビューではゴールドツイカー一家がかつてトジテンドに乗り込んだことが介人のいずれ来るトジテンド突入の鍵になるのでは、的なことを語っておりましたが、ゾックス達にとってもトジテンドへの接触は現在介人達と同じくやりたくてもできない状態だったんだなぁ。弟達にかかった呪いに関係する世界を閉じられそれを取り戻したいゾックスと、トジテンド側で生死も分からない両親を救いたい介人、とスタンスや性格こそ真逆なこの両者の間に類比の構図が敷かれ、前回においても描かれたゾックスの家族想いで家族のことにはマジになるというシリアスな部分がより強調され、ゾックスのキャラクター性に更に深みが加わりましたね。第5カイで両親のことで焦るあまり周囲に構わず戦ってしまったことのあった介人がその時のことを思い返すカットも効果的でした

しかしカッタナーとリッキー、なんとなくフリントと同じか少し下くらいの年頃の青年をイメージしてたけど声のイメージ通りの少年だったのね 2人ともけっこうな美少年で驚いたわよ 美男美女一家ァ...

 

その後、弟達のためになりふり構わないからこその他の者を顧みないというゾックスのスタンスに対しては介人は一定の理解を示し、人間のためにキカイノイドのことは割と後回しなガオーンはある程度共感を覚え、ジュランとマジーヌはそもそも掠奪が回り回って因果応報となったゾックス達の自業自得と同情の余地無しの姿勢、という感じで分かれ、最終的には様々な世界、様々な人々によって考えは幾つも存在するというところへ着地、これにより多様さを許容する昨今のスタイルにもさり気なく寄りつつ、各登場人物の性格や考え方の個性を描き出してゼンカイジャーという一チームの形に奥行きを出す形となりました。アクの強めな姿勢を取る者が出てくることも込みで、同チーム間での物の考え方や特定の事象への意見の違い、そして受容という部分をさり気なく描くことにおいては香村さんは今までの作品でも割と手堅くやってる印象なので、今回もここをしっかり描いているのはグーですね。特にガオーンに関しては第7カイでキカイノイドに対する認識・姿勢というのが強調されて間もないのでここの場面での主張はさり気なくも印象的に機能してたと思うしこの辺の構成は巧みでした

ちなみにブルーンはそもそも聞いてませんでした お前の意見こそ寧ろ聞きたかったぞ!(

 

そして介人、引いてはゼンカイジャーはゾックス/ツーカイザーの戦いの中で人々のことを自分達が全力で守るとして、彼がトジテンドと思い切り戦うことを許す、と自分達の今までの為すべき戦いを貫きつつゾックスのスタンスを受容する、という姿勢を見せ、ゾックスもそれを受け入れ、向こうが邪魔をしてない内は自分達も過干渉しない、と融和とはならないものの適度な距離感を得た関係性の落ち着きました。ゾックスのアウトローさをここにきてもなお嫌味を感じさせない範疇で崩さず保つとは絶妙(その上で身体を張る介人を見て「これでお前が死んだら大事な家族取り戻せなくなるのに」とちょっと気遣うっぽい言動を挟んで、ゼンカイジャーとの距離感の変化や介人にどこかシンパシーを感じてるであろう部分もさり気なく描くのがまた巧かったなと)。

それでいて自分達のやるべきことには迷わない芯の強さをしっかり貫き、人々を守る形で立ちはだかるような構図での名乗りも決まったゼンカイジャーも存在感が出ててカッコ良かったわね 守った人々と互いに心配し合ったり感謝されたり、とゼンカイ側の戦うモチベを描いたちょっとほっこりする画が入れ込まれてたのもグー。

このヒーローとアウトローの構図は、同じ香村脚本のルパパトを連想させる部分があるものの、ルパパトがお互いに譲れない信念があるが故に相対する関係が大きく崩れることはなく2戦隊としてはあくまで相容れない形になっていたのに対し、ゼンカイは互いが互いのスタンスにある程度理解を示した上で譲歩したり受容したりといった形になっていて、信頼とは言えないもののどこか良いバランスの上で成り立っているのが面白いなと。勿論ルパパトとゼンカイ×ツーカイの構図は作品柄やそもそもの両者を取り巻く状況の違いもあって決して同一ではないので、細かく比較しどっちがどうこうと言うわけではなくあくまでこういう違いが出てくるんだな〜という程度の意見ということを念押ししときます

あんま関係ないけど今回のツーカイザー戦闘時に描かれた、ギアダリンガーでの打撃で合いの手音声と共に敵の身体にマーキング→そこ目掛けて必中の射撃をかます、という演出けっこう好き。玩具のギミックを活かしつつ面白い画を演出し、オーレンフォーム・シンケンフォームに負けない個性を出したのは巧い

 

こうして絶妙な距離感を保つ形となったゼンカイジャーとゴールドツイカー一家。バラシタラさんは両者の結託はないと見てほくそ笑むが果たしてこの先どうなるのか

 

 

以上ゼンカイ10話、ゼンカイジャーとゴールドツイカー一家の関係にフォーカスする形で両者の関係性の僅かな変化を描きつつ、別勢力間や同チーム間、引いては世界を越えた人々の間での様々な考え方といった部分にも着目して、世界を越えた交流を一つの軸とする今作のテーマ性を強調しながら物語にいっそうの深みを与えた展開運びが目を惹いた回でした。個性豊かなキャラクター達が互いの性格や考えに時に相対したり、理解して受容したりといった作劇を得意とする香村さんの脚本の魅力が滲み出た回だなと感じます

ここからゾックス達がどこまで歩み寄ってくるのかも込みでこの先が気になるところです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた