AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

邪を討つ日輪

ウルトラマンコスモス

第2話「カオスヘッダーの影」

感想レビュー

 

 

コスモスの名前って小さい頃は普通に花のコスモスから取ったものと思ってたけど、実際は秩序・調和、そうした状態の保たれた宇宙を指すcosmos」が名前の由来になっていて、混沌を指す「chaos」が名前の基となっているカオスヘッダーとしっかり対になっていたというのがなかなか上手いところですよね

ちなみにコスモスの名前を花のコスモスから取ったと思ってた期間が暫くあったという人は僕以外にどのくらいいるのだろうか...該当する人は前へ名乗り出てきたまえよ

 

前回の出来事を経てムサシがTEAM EYESへと加入。怪獣保護の理想に燃えているが故に、怪獣保護で失敗続きのTEAM EYESに少なからず反感を抱いているムサシと、怪獣保護の厳しい現実を知っているからこそどこか達観しムサシに対しても冷ややかなEYESの面々という構図の中繰り広げられるゴルメデの保護作戦を描く今回。

怪獣という規格外の生命体の保護など簡単にはいくまい、というところは想像に難くないことですが怪獣との共存をテーマとする本作においてそこを早速強調してきた回となっており、作戦を実行する者達も常に命の危険と隣り合わせな点、いざという時は保護対象の処分も視野に入れる非情さも持たなければならない点など、現実の野生動物・猛獣の対処にも通ずる部分を感じるシビアさを入れ込んできたのが特徴的でしたね。山から下りてきたやら動物園から脱走したやらで人里にやってきた熊などを処分した際に「なぜ命を奪ったのか」などの批判がくるというのはよく聞きますが、人間という立場から人命のことを考える以上、どれだけ命は等しく大事と頭で分かっていようともこういう判断を取ることも必要になるわけで。実行する人達にとっても難しいところだよなぁ

 

本作で怪獣保護に向き合うEYESの面々もその現実にしっかりと向き合っていたわけですが、彼らがそんな現実を直視し続けてきた故に「現実」という言葉を言い訳にしてどこか諦観していた側面もあったところに、どんな時にも決して諦めず奇跡をも起こそうと立ち向かうムサシの勇気と情熱が影響を与え始める、というのが熱かったですね。現実をしっかり見据えるということは命に対し鈍感になることではないわけで、それを動かすのがムサシの純粋に理想を信じる心というのが良いバランス。リドリアスがピンチに駆けつける展開はフィクションにしても流石に出来すぎてないか、とも思うけど、皆がゴルメデを倒すことを選びそうな中でも保護のために駆けるムサシはカッコいいね ここでムサシがラウンダーショットを組む一連の動作のカットが、ガジェットの小気味良いガチャガチャ感も相まってイカすんですわ

皆が現実に押し潰されそうになる中、ムサシの勇気に目をつけスカウトしたヒウラキャップはその辺の理想と現実のバランスをしっかり理解していると思われ、年長者としての安定感がしっかり強調されていましたね。若干ピリつくEYESとムサシの間に入って宥める快活さ、いざという時には真剣な表情を見せる様など、凄く良い大人キャラだなぁと今こうしてじっくり分析して思いますね

 

ただ一方のムサシもその理想をただただ都合良く通せるわけではなく、危険に晒されたその瞬間護りたいゴルメデを自らの手で撃ってしまい辛そうに嘆く、という現実への直面を僅かながら味わうことになってしまうのがまたミソ。どちらか一方に寄せないこのバランス感を忘れず描き、理想を再び心に宿し現実に立ち向かうことを思い出していくEYESの面々、現実の厳しさの直面しそこで自分が何を為していくのかに改めて向き合うムサシ、というコスモス全体に通じていく構図を組んでいるのが良いポイントでしたね

 

そんな今回登場の怪獣・ゴルメデ、重量感高めに大地を踏み締め砂塵を巻き上げ進む演出が実に怪獣らしくて良かった。ゴルメデという名前から感じるけど、これはリトラモチーフのリドリアスに対しゴメスを意識したりしてるんだろうか

そしてそのゴルメデの生命エネルギーを利用しカオスヘッダーが実体化したカオスゴルメデ、こちらも良い感じにゴルメデをいかつく凶悪にした面構えや、用済みと言わんばかりにオリジナルのゴルメデで吹っ飛ばす凶悪さが実に良い存在感。実体化のためだけにゴルメデの目を覚ました上生命エネルギーを吸い取るだけ吸い取って後は痛めつける、ととことんカオスヘッダーの悪辣さを描いてくるのが強烈ですな

 

と、好き勝手に振る舞うカオスヘッダーの横暴に怒ったコスモスは、戦いの赤き巨人・コロナモードへ変身!となり、クライマックスのバトルはコロナモードのパワフルなバトルが展開されました。怒りに身体を震わせながらのモードチェンジからの、ルナモードと対照的なバカスカ打ち込む猛烈に力強いコロナモードのファイトはやはりカッコいいですね...共存のために優しさをもって戦う本作においても、他者を踏み躙る邪なる者とは情け無用で徹底的に戦う、というのはテーマ性を踏まえた上で迫力あるバトル展開を用意するための落とし所として上手いですな しかしいつ見てもルナからコロナモードへのモードチェンジのCGの自然なこと。ティガのタイプチェンジの滑らかな変化の技術も踏まえた魅せの更なる進化が見えて良い

 

 

以上、コスモス第2話でした。こうして改めて観ると、序盤からかなり緻密に怪獣保護・共存というテーマに理想と現実の両面を踏まえた上で向き合って作劇を回し、土台も組んでいることが感じられるなと思いますね。こうして描かれていることの数々が様々な展開を得て昇華されていくのを思うと、こうして一つ一つ注目しながら観ていくのはまた楽しいですね 今後も楽しんで観ていきます

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた