AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

立ち上がれ、生き抜き、何度でも。

ゾンビランドサガR(リベンジ)

第7話「マイマイレボリューション SAGA」

感想レビュー

 

 

一言で言うと、感想書く上での出だしに物凄く困る回、という印象です()

情報量が多い...w

 

うっかり銭湯の男湯に入ってしまったドジっ子JK・楪舞々、お先に身体を洗っておった幸太郎の落っことした石鹸ですっ転んで頭部を殴打!

という一連の流れが、生前のさくらが事故る衝撃的なシーンで始まった1期第1話冒頭と同じ特殊OP演出と共に繰り出される、といういつものさくらの能天気なナレーションによるあらすじで始まらない何やら異様な雰囲気がありつつ、それでいてこの上なくゾンサガ感全開というイカれた導入でスタート。もうこの時点で頭がバグる()

そんなイカれた始まり方をした今回のゾンサガRのゲストにして主人公、舞々はなんと、今までの回のフランシュシュライブの観客の中にちろちろと映っていて視聴者からも注目されていたあの眼鏡の子。フランシュシュ、特にさくらの大ファンだったということで遂に伏線回収と相成りました。しかし他の方が言ってたけど、フランシュシュが落ち目真っ只中だった2期第1話の復帰ライブにも来てた辺り、筋金入り度合いはデスおじ並みよな舞々...
のぶ on Twitter: "めちゃくちゃアウェーなGEILSに一人でLIVE行ったまいまい強すぎる… #ゾンビランドサガ… "

 

そんな舞々のCVは皆さんご存知花澤香菜さんとなかなか豪華なところを入れてきたのでこれは驚きましたな まぁこれまで白竜さんや高山みなみさんが来てるんで何を今更豪華さに驚くという感じでもあるけど。w ていうか今回に関しては花澤さん以上に、舞々の友達2人の声優が田村ゆかりさんと堀江由衣さんだったり、文化祭役員の生徒の1人の声優が下野紘さんだったりと台詞一言二言のモブにとんでもない実力派の方々がしれっとブッキングされてることの方が驚きである

舞々はちょっとぽやーっとした雰囲気の田舎女子っぽい感じながらフランシュシュにかける情熱は人一倍という感じのキャラで、こういう天然だけどどこか芯の通った部分もあるキャラが得意な花澤さんの演技と上手いことマッチしてて良かったですね 最近の花澤さんが演じるキャラは魔女の旅々のフランさんみたく大人っぽいキャラが多い印象だったので、久々にこういうキャラを安定感高めに演じるのが見れたのは嬉しい 

 

今回はその舞々が先述の一件で人コロしちゃった☆と思い込みテンパった幸太郎にゾンビィ⤵︎7号と言い張られる形でフランシュシュの下へと拉致られてきて、思いがけず知ったフランシュシュの秘密を黙っておく代わりに自分もフランシュシュに入れて欲しいと頼み込み、本当に7号と誕生と相なるというまさかのファン方面からの新メンバー加入回!ほんとゾンサガはアイドルアニメならではな展開を細かく拾ってきおる...

しかし舞々が実は普通に生きてたり凄くナチュラルにゾンビィ⤵︎バレしたりと展開に一捻り二捻り加えてくる上に、宮野真守の怪演により表現されるパニクっていつになくテンションが安定しない幸太郎(ひょうきん懺悔室みたいな動きすんの好き)や一緒になって混乱するさくら達がとてつもなく喧しかったりするのでこのアバンからAパートにかけての十数分、とてつもない密度で楽しかったけど疲れた...w 「人は死んだら動きません!(おまいう)」とか「生きてるJK連れてきたとかただの犯罪者じゃないですか(冷)」とか台詞回しが今日もキレッキレで実によろしかった。w 自分が殺っちゃった人間の死体(だと思ってた人物)を勝手に移動させたのも普通に犯罪だよ純子はん(

 

ということでフランシュシュ入りを果たした舞々の熱心なレッスンの様子や舞々の閃きでフランシュシュの文化祭出演が決まっていく流れが描かれる中、今回は舞々と彼女の憧れなさくらの絡みが軸となって話が展開され、1期12話のライブをきっかけにフランシュシュに憧れる舞々をかつてアイアンフリルのパフォーマンスに勇気を貰い一歩踏み出したさくらと類比させて、フランシュシュが誰かに希望を与える大きな存在になっていたことが描かれた他、失敗や困難に対しても全員で何度でも立ち上がって立ち向かい、「生きる」ことを諦めたただのゾンビではなく、死んでも夢を追いかける存在にならんとするさくらのフランシュシュ/アイドルとしての想いが強調されるなど、これまでの話の中でも時たま描写されることのあった1期を経たさくらの精神的な成長、ひいてはフランシュシュの在り様がファンである舞々の存在を通じて改めて劇的に描かれることとなりました。

1期最終盤の展開はマジで重苦しさのあるものだったけど、アレを乗り越え大きな爪痕を仲間達と残したさくらがここで

「失敗するとは怖かけど、私達が一緒なら絶対乗り越えられる」

「それよりももっともっと怖かとは、諦めてただの動く屍になっちゃうこと」

「何度でも、何度でも立ち上がって、死んでも夢を追いかけるとが、私達が『生きる』ってことやと思うけん」

って1期12話のダイジェストと共に明るく言い切ってるからこそここのシーン凄く熱いんですよねぇ...自分がゾンビとして蘇った意味、一緒に支え合い共に立ち上がってくれる仲間達の存在、それら全てを自分の強さに変えて受け止め、失敗や自分の不幸を乗り越え高らかに歌う源さくらというアイドルがここにいることは凄く誇らしくカッコいいことだなぁと思うし、それがそのままフランシュシュの魅力・在り様に繋がってるのは、作品のテーマを余さず活かし、1期からの繋がりをこの上なく最高に熱く昇華したなというところで本当にグッとくるわ 一皮剥けたなぁさくら...

 

そしてそんなさくら、フランシュシュの信念を目にし、フランシュシュの強さとはメンバーそれぞれが自分の時代で精一杯に生き、死んで尚蘇って立ち上がり、その輝きを放ち生き抜こうとすることにあると知って、まず精一杯に自分を輝かせ今の人生を『生き抜く』ことこそが令和の世を『生きる』自分のやるべきことと見出した舞々がフランシュシュを抜けるという展開もまた気持ち良かった。死んで尚立ち上がり輝き続けるフランシュシュの強さを鮮烈に描き出した上で、我々『生きる』者達が彼女達をリスペクトしその精神に倣うために大事なことは、蘇ってでも全力で輝かせ続けたいと思えるほどに今の人生を生き抜くことだと示す着地のさせ方、あまりに見事...

加えてこの一連のシーン、生きるというテーマをゾンビと生きる者達の両面から掘り下げただけでなく、今の世=令和の世を生きるという部分を強調することで「世代の超越」という本作の魅力の一つをも新たな形で昇華させていたとも言えるので、本当テーマの扱い方のマメさ、丁寧さがすげぇわゾンビランドサガ 隙がなさすぎる

 

そんな舞々・フランシュシュ7号のデビューライブにして引退ライブとなった文化祭ライブ、おそらくこの1回切りとなるであろう舞々のグラまでしっかり作ってパフォーマンスの様子が描かれてて力の入れように脱帽するばかりであった...ラストの「光へ(1期EDテーマ)」の歌唱も、舞々のスピード引退宣言の直後だったこともあって最初はちょっと困惑気味の空気の中だったけど、前述も舞々のフランシュシュへの想いの吐露のシーンを挟んだことで、進むべき生き方を見出し去りゆく仲間へ贈る卒業ソングへと変わり、一気に沁み入ってくる構成になってたのが白眉だったなぁと(舞々の喋りのシーンから舞台上での歌唱に場面が移った瞬間に「さよならまたね 温かいMemories」の歌詞に繋がるのが最高なんすわ...!)

しかし加入と卒業を爆速で済ました伝説のメンバーがいた、って後々語り継がれるアイドルのエピソードというところで考えるとあまりにそれっぽすぎる展開よな...w 同じ日に加入&卒業とかどこの東城会四代目か(

 

と、舞々とフランシュシュの想いが美しく描かれた今回の物語でしたが、さり気ないところでは高校の教室を眺め物憂げな表情を一瞬浮かべる「乾くん」が現れ出てそうなカットや、去りゆく舞々へ優しく「ありがとう」と静かに伝え微笑みかける様など、幸太郎も良い味出してましたね。前半でのテンパり模様や校長への顎クイ(生徒に目撃されて呆然とされてるの笑う)が面白すぎただけに、こういうふとした色んなものを抱え込んでいたりする姿やカッコ良い一面が伺えるの良いなぁ さくらとの関係性もそろそろグッと掘り下げられそうかな

 

こうして僅かながらもかけがえのない時間を過ごした去りゆく仲間を気持ち良く送り出し、フランシュシュは更に前進する...

 

...と気持ち良く締めると思いきや、その裏では大古場さんが、フランシュシュの影へ密かに迫りつつあった...

 

以上、ゾンサガR7話でした。令和の世を生きるフランシュシュの大ファン舞々、というゲストキャラのポジションを存分に活かし、作品のテーマ性やさくらの成長・フランシュシュの強さを1期の展開をしっかり踏まえた上でより劇的に掘り下げるという作劇に唸らされた神回でした。ほんと何から何まで計算づくで、扱う要素を物語の中で余さず魅力的に描き上げるゾンサガのく脚本捌き、構成は最高すぎる...ゾンサガという作品の魅力そのものに改めて迫ることのできた、2期で一番面白かった回かもですね。

相変わらずラストで不穏な要素を積んできてはいますが、舞々が「佐賀のみんなはフランシュシュの皆さんがゾンビでも受け入れる」なんて言ってくれたりしてて、前にフォロワーさんと話していた「佐賀は彼女達を受け入れそう」という展開が現実味を帯びてきたな...と ここからどうなるか期待値が高まる...!
ポッサム氏 on Twitter: "一期のモブキャラがいっぱい出て来てダンスバトルとか、アイドルとファンの生活圏が近いのが佐賀が田舎として描写されてるのがよかった 最後は不穏に終わりましたが、住民の山田たえに対する扱いを見てゾンビでも佐賀は受け入れそうと思ってしまいますね… "

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "なるほどちょっと田舎的な風土だからこそ距離感が近めだったり見知った顔が集まったりってのを描けてたのもあるんですな これは盲点でした フランシュシュが繋いできたものの集大成としてゾンビをみんなが受け入れる、もなんかありそうですねぇ だからこその「ゾンビランド・佐賀」だったりして...… https://t.co/CElz4LrxsP"

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた

 

 

ゆうぎり姐さん回!待ってたよッ!!!