AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

剣士と幽霊がぁ、デアッタァ...(ウルルン

仮面ライダーセイバー×ゴースト

感想レビュー

 

 

※本レビューはネタバレを多分に含みます。未鑑賞の方はご注意ください。

 

 

福田×高橋コンビライダーが邂逅したァッ!!!

で、発表当時から話題になった、仮面ライダーセイバーと仮面ライダーゴーストのコラボスピンオフが本日2021年5月23日、TTFCにて公開となりました。

同脚本家、同プロデューサーが携わる作品同士ということで相性は良いと思っておりましたが、結論から言って各作品の要素がバランス良くクロスし合ってたお手本のようなコラボ短編だったなという印象ですね。TV本編一本分くらいのほど良い長さの作品でしたが満足度は高いですね

 

まずゴーストサイド。ダントンの「いとしいたまご」を無気力・無機質な声色で淡々と歌い上げるダントン一派の残党3人と、謎の装置に繋がれたカノン...彼らにとってのミオン、という「ゴースト RE:BIRTH 仮面ライダースペクター」のダークさが滲み出た冒頭シーンを思わせるシーンからスタートし、この時点でかーなり引き込まれてましたね。ダントンはあの一件で息子の強さを目にした上で想いを改め果てたというのに、その部下にまではそのことが伝わっておらず、彼らは未だ呪いのようにダントンの本懐を果たさんとしているのがなんとも悲しきかな...

それに続く形で登場したのは、我らがタケル殿と副住職と化したジャベル。お久しぶりィ!!タケル殿は相変わらず見かけ上は末っ子感溢れるキャラしてるんだけど、戦闘の巧みさといい覚悟のしっかりと決まっている人格の成熟度合いといい風格はすっかり歴戦の戦士なので安心感がありますねぇ 実に頼もしくカッコ良かった。クロエと同じ想いをする者をもう生ませはしないと勇む一幕もあり、小説版の内容を知ってると実に熱い。本作は「ゴースト RE:BIRTH」や小説版などのゴーストの世界観のディテールを深く掘り下げた番外作品群に登場する要素が絡む場面が度々あり、ゴーストファンにはたまらないご褒美的な作品だったと言えるでしょう

副住職ジャベルは、本編終盤において極まりに極まっていたコメディリリーフ要素が更に振り切りまくっていた...というか言動といい絶妙に締まらないところといいほぼ御成と化していて盛大に笑わせてもらいましたw Twitter上で御成役の柳さん(in NEW YORK)が悔しがってた画が浮かんでくる...w 得意の「グンダリィッ!」もけっこう自然な流れでギャグとして差し込まれており不覚にもクスッとさせられたので悔しい。w 昔は出来たんです...(

加えてジャベルと一緒の画角で会話するシーンの多かった芽依も彼に引っ張っられてか、心なしかアカリ感のある振る舞いになっていた感じがあったので、アカリ・御成というゴーストメインキャラ勢屈指のコメディ担当が2人ともいないにも関わらず、2人の会話を楽しめているような感覚が味わえる、という奇妙且つお得感のある空気感が最高でしたw 芽依のコメディ感全開な振る舞いは、ゴースト空間においてこそ真価を発揮すると言えるかも。w

他にも電話でタケルにカノンの危機を報せた人物...恐らくはアラン様(もしかしたらマコト兄ちゃんかも?)の存在もちろっと示されたりしていて、カノンが(恐らく)半洗脳状態で元々のキャラを発揮できてなかったりといった惜しい部分こそあったものの、ゴーストサイドはファンには嬉しい遊び心に溢れる楽しい画作りが全体通して為されていて良かったなと思いますね

 

一方のセイバーサイドも負けておらず、本編でも大事な要素として出てきていた飛羽真作の小説「ロストメモリー」の執筆状況の話が芽依との会話でちらと出てきて、それが飛羽真とタケルの親交を深める要素になるなど要素の絡め方が実に巧かったですね また本編だとご無沙汰のタッセルも久方ぶりに語りをやってくれて、ゴーストとセイバーのあらすじを簡単にしてくれるというなんともオイシイ役回りをしていました。タッセルが他のライダーの物語のあらすじを語る下り何気に良かったので、機会があれば他の作品でも見たいなぁ 今夏上映のセイバー×ゼンカイでちょろっとやらないかしら

飛羽真も兄を求めて人並外れた力で暴れるカノンを人ならざる作られた存在と知ってなお、その心に訴えかけ落ち着かせたりと主人公らしい熱くカッコいい活躍をしていてグーでした。思えば本作の配信と同日に放送されたセイバー第36章においては、自分が作られた存在であることを明かしたソフィアを倫太郎が「心がちゃんとあり、普通の人間と変わらない」と支え、仲間達も彼女を改めて仲間として優しく受け入れる、という展開があったので、飛羽真が作られた存在であるカノンの心に訴えかける救おうとする様はそれを踏まえたものだったのかな、と思ったり これはリアルタイムだからこそ感じられたポイントでより面白さを感じられますな

また本作の展開を大きく掻き乱しややこしくしてくれた存在として、セイバー界一のトリックスター・デザストも大いに活躍してくれました。カノンが作られた存在とすぐに気付き彼女に興味を持つと、兄を求める彼女に追従して「俺がお前のお兄ちゃんになってやる!」とか言い出し、飛羽真達の前でも「これは俺達兄妹の問題だ!(キリィッ」とやたら迫真に言い放つなど、若干虚言癖あるっぽいイカれた振る舞いをしてたのは笑ったw その場のノリで動き過ぎだよ!

その後も兄を探し叫ぶカノンに「ココだよ...ホラホラッ」とか言いながらやたらフランクにウザ絡みしたり「俺がお前のお兄ちゃんになるって言っただろ?(無駄に爽やかな内山昂輝ボイス)」と語りかけたりして、思い切りボコされ吹っ飛ばされるなど、仮にもセイバー本編で実力がある方な敵キャラと思えないようなコミカルな扱いが面白かったですw しかし戦うとなるとセイバーを圧倒するなどしっかり強い一面も描かれ、厄介なトリックスターとして実に素晴らしい存在感を発揮していて「こういうデザストが見たかった!」というのもあって凄く満足。本編でもちょいちょい登場してこのくらい自由に行動し場を掻き乱す(そしてちょいちょい割りを食ったりとコミカルに描かれる)立ち回りをしてくれてたらな〜

また本作の描写について、本作を視聴した他の方の意見も踏まえて見てみると「デザストがカノンに拘ったのは、『作られた存在』として同じような身の上のカノンに惹かれたから」みたいなデザストのある種の孤独感的な部分も伺えた気がして、なかなか深みのある掘り下げも為されてたみたいだなぁとちょっと唸りましたね。デザストの魅力が思わぬところから深まったなと 本編で掘り下げられないであろう側面からの掘り下げなのが惜しい

 

そしてクライマックス、セイバー&ゴースト夢の共闘!作品としての共通点こそあれど、直近でない以上濃く絡むことはなかったであろうこの2作のライダーが同時変身する画というのはマジで貴重で滾りましたね 良かった

戦闘ではセイバーが攻撃の通らないスペリオルへ対抗するべく、ゴースト偉人録WRB(大天空寺に代々伝わる本、という絶妙に納得感のある設定での登場)でセイバー・ゴースト偉人録に変身し活躍した他、ゴーストが強敵デザストを相手に幽霊イメージの滑らかな動きも組み入れたアクションで巧みに立ち回るカッコ良い場面もあってタケルの歴戦の勇士感が改めてカッコよく、更にムサシ魂への変身・戦闘からの、グレイトフル魂への変身・セイバーとの同時必殺技など、各ライダーならではの魅せも意識しつつ盛り上がりを外さない坂本監督の演出が素晴らしく、見せ場たっぷりで実に良かった。

ちなみにこの戦闘シーンにおけるムサシ魂/英雄形態からのグレイトフル変身というのはゴースト本編ではなかったシチュエーションだったのですが、ドライバーから飛び出してきた英雄ゴースト達がゴーストの身体を覆い変身する、というプロセスを踏むにあたり、既にゴーストが身に纏っているムサシゴーストが他の英雄ゴースト達の続く形でゴーストの身体を離れ飛んでゆく、というちょっと遊び心を効かせた演出がなされており、ここはおおっとなりましたね。英雄ゴースト纏った形態からの変身だとそうなるよねぇというところで、Twitter上のゴーストファンもユーザーもしっかり注目していた、実に絶妙なツボを押さえた演出だったね

ゆーだいだい🔥👻🔥 on Twitter: "あっ!!!あとそう!!!今回のグレイトフルの変身! あれは多分もう二度と見れないと思うので是非あれで見てくれ!!! あれがああしてああなるのは本編でもなかったし今後もきっとない!!(興奮"

 

こうしてデザストとダントン一派の1人を撃退し無事カノンを守った飛羽真とタケルは互いに言葉を交わし合ったのだった

 

...しかし、ジャベルがカノンを保護し連れ帰ろうとしていた道中、ダントン一派の残りの面々がカノンを攫っていってしまい...

 

という気になりすぎる引きでセイバー×ゴーストは締めとなりました。続きわい!?

終わり方はあまりに気になるものでしたが、それはともかくコラボ作品としては、冒頭でも語った通り2作のキャラや要素の絡め方、活かし方が満遍なく上手くできた、お手本的な実に面白いコラボ作品だったと思いますね。面白かった!各自の本編でも見られなかった演出・描写もあっていずれの作品のファンにも堪らなかったなと やはりクロスオーバー作品は良いね...


話は戻ってあの引きに関してですが、これまでのスピンオフ作品においても敵キャラ関連で謎を残す描写が続いていることから、それらをまとめて包括する作品が出てくるのでは...?(それが今夏公開のセイバー×ゼンカイの記念作品なのでは)という予想も出ており、ここがどう活かされるかは今後期待を込め待とう...という感じになりそうですね 気になる...!
いわい on Twitter: "スーパーヒーロー戦記の敵さぁ、真実のソウゴが首領の「無」じゃない……?幹部はシルフィーとダントンの残党とアー黎斗で……(一気に回収しようとするんじゃねぇよ!?)"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "あーそれはちょっとあるかも...!ここ最近連続でスピンオフ打ってきてその中の敵キャラが総じて気になる仄めかしを残して終わってるから、オバQで芳醇な歴史というサプライズを繰り出してきた前例がある以上それも十分あり得る"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "記念作品だしそのくらい豪勢にやっても良さそうだしそういう形での回収は凄く熱いなと スピンオフ一通り見ねぇと分かんねぇよ!!ってのはあるけどそこら辺は分かる人は分かるレベルで良い具合に描いてくれたら良いかなと その辺のトレードオフを良しとしても良いくらい個人的には楽しみな予想である"

 

ともあれ楽しいコラボでした。ありがとう!

 

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた