AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「シリアス路線で行きたいんです!(懇願)」

機界戦隊ゼンカイジャー

第14カイ!

「決闘!ゼンカイVSツーカイ!」

感想レビュー

 

 

ビッグワンの力はジャッカー電撃隊の隊長としての権力という凄まじき身も蓋もなさ() 対ジャッカー特攻すぎない?

しかしビッグワンをきちんと追加戦士枠に数えてツーカイザーがその力を使用するという見せ方は遊びが効いてて面白かったところですな。キュウレンの力使って出てくるのが、専用アイテムもあってキュウレンの追加戦士としてファンがぱっと思い浮かべそうなリュウコマンダーやホウオウソルジャーでなく、コグマスカイブルーというのも意表を突かれたものの凄く楽しかったし、やっぱりツーカイザーのレジェンド能力使用は遊びが効いてて毎度とても好きだ

 

前回の流れから引き続いて、接触を図ってきたステイシーくんの交渉を受けてトジテンドへの案内と引き換えに介人/ゼンカイザーを倒すことを請け負ったゾックスは介人に決闘を申し込み...という始まりとなった今回。ゾックスが決闘を申し込むAパート冒頭の場面は、ステイシーくんとのやり取りについて予め正直に明かすゾックスそれを踏まえた上で彼の家族を想う覚悟を受け入れ即断で決闘を受けて立つ介人という感じで、ここぞでの正々堂々さ・律儀さを忘れないゾックス大胆で度量の深い一面をさらりと発揮できる介人、というそれぞれの良さが出ていて且つそれを真正面からぶつけ合う2人のある種の信頼のようなものが伺えて個人的もとても好き。

第9カイ以来となるゼンカイザーとツーカイザーの真剣勝負が描かれることとなりましたが、今回はツーカイザーがシンケン・オーレンへのフォームチェンジに加えてレジェンド戦隊の力の使用もガンガン行ってくるので、ガンアクション・チャンバラアクション・ダンス勝負と色々バトルの魅せが多様になっており、アクションの質がなかなかに高水準だったのもあっていっそう面白さが増してて良きでしたね ダンス勝負は完全のおふざけだったけどな!(

あと2人の決闘シーンでは宇宙刑事シリーズでよく聴く感じの緊迫感ある劇伴(ホニャララ空間に引き摺り込まれた時よく流れてるアレ)が流れてて、これがなかなか良い味出してたのもお気に入りポイント。ここの劇伴は多分宇宙刑事シリーズで音楽担当してた渡辺さんが作られたんだと思うけど、やっぱり時代を感じる味がありつつも現代ヒーローのバトルにもしっかりマッチするカッコ良さがあって良いよなーと 制作発表でボヤッと聞かないで集中して聞いてくださることを希望いたします!と渡辺さんが力強く仰ってたけど、自然に観てても流れた瞬間に「!」ってなるんよな渡辺さんのBGM

 

中盤、決闘がツーカイザーの勝利に終わったところでステイシーくんが姿を現し、最初から交渉など嘘だったとゾックスとの約束を反故にし全員を一網打尽にしようとするというピンチに一時は陥るも、ステイシーの言葉を信用していなかったゾックスと、彼と示し合わせてやられたフリをしていた介人、そしてゼンカイジャー一同がその裏をかいたことで形勢逆転!と、ステイシー(というかイジルデ)の策略をゼンカイ・ツーカイの共同戦線が破るという展開が描かれ、ゾックス/ツーカイザー初登場から実に6話越しに両陣営がしっかりと手を取り合う形となりました。モーションも音声もバラバラと思いきや、思いの外良い感じにリズム感のマッチしたゼンカイツーカイの同じ画角での同時変身、とても見応えがありましたね(ゼンカイジャーの横で踊り狂うゾックスは存在感ありまくりでちょっとシュールだったがw)

元よりステイシーくんが嘘をついている可能性も視野に入れ、且つ騙されたとしても自分達に損はないと考えていたとはいえ、

「面白そうなことには頭から突っ込め!」

という海賊(界賊)らしさ全開なゴールドツイカー一家のモットーを引き合いに出し、

自分達を陥れて嘲笑っているかもしれないステイシーくんの魅力的な提案よりも、無茶苦茶ながらも常に全力全開で筋を通し、他者にも寄り添う介人達/ゼンカイジャーの手を取る

という感じで、ゾックスが介人達の面白い在り方に惹かれ初めて家族絡みの損得を抜きにし、良い感じに海賊(界賊)らしく面白そうな方へと気持ち良く進み、自ら他者と肩を並べた展開は、自分達以外の存在をほぼ顧みず、家族のこととなるとそれを徹底的に果たすために行動する場面の多かったゾックスのアウトローさ・自由さの絶妙な変化を描いていてグッとくるものがあり、それでいてその要因となった介人達の真っ直ぐさの描写についても、6話かけてゾックスと向き合い見せつける形で少しずつ積み重ねてきたいた信念の数々が、ここで一気に昇華され実を結んだ爽快感があってなんともたまりませんでしたね。

思えば前述した決闘を申し込む場面についても、ゾックスは介人の人柄を理解しそれにちゃんと向き合おうとしたからこそ正直にステイシーくんとのことを話したのかもだし、そこからの介人の即断を受けて「やっぱコイツの方が面白くて良いな!」ってなって作戦を申し合わせることにしたのかも、と思ったり。こういうのが察せられるのも細かくて良い

 

巨大戦ではバトルシーザーロボとツーカイオーが一騎討ち。手数の多さで魅せたリッキーのバトルと、夕日が奥に構え輝く荒野でスピーディでキレキレなチャンバラを展開したカッタナーの斬り合い、それぞれ良い感じにカッコ良かった。特に後者に関しては侍の決闘的な構図を意識した夕日が美しい絵作りが最高にイカしており、デビュー戦の時といいツーカイオーカッタナーの演出は外さないなぁと感心する。OPで度々見せていた夕日を背にした決めのカットも本編で遂にカッコ良く登場したまらんかったですな ちなみに今回気付いたけど、カッタナーはロボ合体時には声が低くなってるのね イカしてたぞ

 

と、このツーカイオーとの決戦でバトルシーザーロボは哀れ大破。ステイシーくんはボロボロになって退散することとなりました...嵌めたつもりが嵌められてたりと踏んだり蹴ったりだったなぁ今回...!

既に方々から言われてるけどステイシーくん、その背景もあって出る度出る度けっこうシリアスめに振る舞ってるのに、周囲のことごとくがテンション高めの凄まじい勢いで生きる面々で構成されているばっかりに、どんなに出張ろうとしてもあっという間にインパクトを塗り潰されてしまうのがなんとも不憫() 今回だって両陣営を掻き乱そうとする悪役じみた振る舞いはなかなか存在感があったと思うんだけど、結果的にゼンカイツーカイのタッグ誕生の引き立て役というところに収まってしまったからな...形勢逆転してからずっと必死さ全開なのがまた

とはいえ、先程も述べたゼンカイツーカイタッグ誕生の流れをグッと引き締めたことに加え、家族絡みで哀しき背景を持っている身にも関わらず、家族のことで問題を抱えるゾックスを利用し、結果しっぺ返しを食らってしまった構図や、ゾックスの気持ちを利用し自分を倒そうとしたようとしたことを介人に「真正面から来い!」と手痛く指摘されてしまい彼との因縁をまた一つ深めた流れなど、物語的にはとても意味ある形で立ち回っており、今後のストーリーで彼らのライバルとして更に関わっていく上で色々キャラが引き立った部分もあったと思うので、これからの活躍が楽しみである

 

そしてラストはゼンカイジャー一同とゴールドツイカー一家で揃っての団欒で明るく締め(最初は介人と決闘しようとするゾックスに戦意マシマシだったのが、介人を救ってくれたことを知って喜んでもてなすヤツデ婆ちゃん、介人の婆ちゃんという感じで度量が深い)。色んな世界の人々がやってきて、彼らと交流することで広がる世界に感慨深くなる介人にゾックスも改めて歩み寄る、という構図も綺麗にハマってとても気持ち良かったね

 

 

以上、ゼンカイジャー14話でした。6話とそこそこ長めに続いたゾックス/ゴールドツイカー一家とのあれこれを経て、その中での積み重ねが見事に昇華される形でゼンカイ・ツーカイが歩み寄る展開が熱く描かれた良き回でした。長かったもののその分、ゾックスの変化の描き方、介人の真っ直ぐさが更に世界を繋げ広げたという構図の組み方など、グッとくるものは多かったね。そんなストーリー面を引き立てたステイシーくんも、今後の展開の導線になりそうな部分が幾らか見られ、これからの活躍が実に楽しみ。1クールの節目辺りでこの大きなイベントも消化され、ここから話がどう展開していくか、期待が高まるところですね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた