AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

少女が大人になった日

ウルトラマンコスモス

第8話「乙女の眠り」

感想レビュー

 

 

夢を映像化するマシーンとかいう大発明してる大森さんけっこうデキるキャラな気がするんだけどそれにも増してキャラがすげぇ濃いのが気になってしまう() 前回今回とモブがやたらこってりしてるのなんなん?

 

今回はアヤノメインの回。幼い頃の失恋や、それに端を発するTEAM EYESの一員となるに至った心境などといった背景が描かれました。幼少期アヤノとお兄さんの「子供の方はけっこう本気で惹かれてるとこあるんだけど、大人の方は遊びだと思って付き合ってくれてるに過ぎなくて本気にはしてくれてない」っていう関係性や、その後お兄さんが自分と知らない人と結ばれたことにアヤノがショックを受けてしまうっていう流れはなんか凄く「ありそう」な感じがあって絶妙にリアルよね...お兄さんの方も悪気があったり適当にいなしたりしてるとかではなくアヤノにきちんと向き合ってあげてるんだけど、それがあくまで1人の子供に対するもの、という感じでアヤノ本人の気持ちとはすれ違ってるのが切ない。子供は意外とそういうの真剣だったりするもんなぁ...そこでお兄さんがどう向き合ってあげるのが適切か、ってのも難しいとこだが

 

そんな失恋を経ながらも新しい恋を夢見る気持ちを抱き、お兄さんとの思い出・約束も失恋とは別できちんと大切にしてそれを自分の進むべき道・夢と決めるアヤノの等身大な精神的成長の描写はまさしく今回の見所という感じで情緒豊かに描かれていて印象深かったところ。失恋の気持ちに挫けそうな幼少期アヤノを大人のアヤノが寄り添い励ますシーンは、上記の経験からアヤノの中に大人としての自我が芽生えたこと、子供としての自分の悲しみを乗り越えて前に進もうとしてるアヤノの内面を象徴的に表現した演出だったりするのかな、などとも思いますね。

普段は子供っぽいところが目立つアヤノだが、実際のところはちゃんと大人の階段を一歩一歩進んでいるのだなというのが今回の話で感じられ、子供扱いされたくないとムキになるこれまでの言動も、そんな大人としての自覚故の「お兄さんとの触れ合いの時のような子供扱いはされたくない」という意地があるのだと分かるのが(言動の子供っぽさやそうやってムキになるとこが子供扱いされるのだと気付いてない可愛げまで含め)掘り下げとして上手いところでした。この辺の大人から子供へというテーマは、話の中で出てきた「カエル」の要素を絡め、オタマジャクシ(子供)がカエル(大人)になる、という形で表現していたのも印象的。

てか今回アヤノの台詞改めて聞いて思ったけど、「カエル(大人)になる頃にはまた違う人を好きになる」って明らかにアヤノの今後の人間関係にまつわる一連の展開の前振りになってるよねぇ この辺今後も時折描かれるポイントなわけだけど、コスモスという作品を作るにあたり最初から想定されてた路線だったのかな?(序盤からムサシとの絡みは何かと多いしね)

 

しかしそうしてアヤノの背景や内面を強調するためとはいえ、アヤノをおちょくるムサシ達とか、幼少期アヤノの幼い頃学芸会の練習でからかわれた思い出とかの描写はもうちょいリアルな質感を抑えたマイルドな演出しても良かったんじゃないかな...!とは思う 正直なとこアヤノが一方的にいじられてる感じであんま気持ちの良いシーンではなかったという印象だしね ムサシ達のシーンはまだコミカルめではあったが、ムサシのちゃん付けやフブキ隊員の呼び捨てはまだ良いとしてドイガキ隊員とヒウラキャップはわざとだろ!?感が強いしなぁ...w 今まであやぴとかあやぴょんとか呼んでなかったろ() てか見返して気付いたけど冒頭のここの一連のシーン何気にカットなしの長回し撮影になってるのな 何故ここで凝ったし(

ちなみに、知ってる人も多いかと思われますが幼少期アヤノがからかわれる回想でアヤノをからかってる子供は、人気声優の内山昂輝さんが子役時代に演じた役ですね。特撮作品的に言うと2021年現在某セイバーで某デザ公を演じられてる最中なのでなんともタイムリー。w 

 

そんな今回の話に登場の怪獣・インキュラスは、人々を眠りへ誘う怪獣というところから「ヒツジ」をモチーフとして、もふもふの白い毛の意匠や巻いた角などその特徴が濃く反映されている一方で、全体的なシルエットは悪魔(正確には夢魔インキュバスとのこと 名前も明らかにそのもじりだしね)がモチーフとなっており、見るからに凶悪さが伝わるデザインが非常に秀逸。蜘蛛のような瞳のない複数の眼が良いアクセントですね

ED映像中の本編シーンにて一体何者が寄越したのだろう?的な言及が軽く為されたインキュラスが後に登場するある存在の刺客だったことはコスモスを知ってる方々なら既にご存知の通りだと思いますが、そう思うとなかなか深い因縁だよなぁ、と改めて(脚本担当の川上さん的にはそのある存在とは別に黒幕を用意して1話の中で明かす予定だったそうだけど)

そんなインキュラスとの戦闘シーンは夢の中ということで、絵で描かれた城や草木が並ぶそれこそ幼稚園の学芸会の舞台のセットのような中での戦闘、と良い感じに現実離れした雰囲気があってなかなか面白かったですね(アヤノの学芸会の思い出を反映したセットだったのかな) 他にもコスモスのモードチェンジを一瞬横のアングルから描くという珍しい演出もあり、コロナモードチェンジ時の揺らめく赤いエフェクトが横から見るとどういう感じになってるのかが分かったりと楽しかった

 

ラストは覚醒したアヤノの援護もあってコスモスがインキュラスを撃破、アヤノをはじめとした人々も目覚めめでたしめでたし、で締め ムサシがアヤノのキーホルダーのことで口を滑らせ一悶着あるかのような引きになっており、ここもアヤノの今後の描写を思うとちょっとニヤニヤしますねぇ

 

 

以上、コスモス8話でした。子供っぽいアヤノの大人としての自意識という部分に着目し掘り下げた回になっており、そこに絡めた大人と子供という要素の描き方が印象深かったですね ある意味アヤノの後の人間関係の描写の伏線を張ったにもなっており、この辺も今後改めて注目していきたいとこですな

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた