AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

想いの健脚

トロピカル〜ジュ!プリキュア

第17話「人魚の奇跡!変身!キュアラメール!」

感想レビュー

 

 

敵に捕獲されたにも関わらず割と呑気に寝てたり、鍵の奪還頼まれたのに凄い普通に失敗して無抵抗なままに連れてかれたりと、呑気ここに極まれりという雰囲気がますます濃くなっていくなくるるん...逆に大物なのか() 後者に関してはローラとの連携で脱出に繋がったから「お、やるやん!」って思ったけど状況的には鍵の奪還を頼んだくるるんが速攻捕まって戻ってきたのに気付いたローラが死ぬほど焦って咄嗟に機転を効かせた可能性の方が大きいよなアレ...w

でも気を失ったローラを運んだのは普通に良い活躍だったぞ。普段ももうちょっと頑張れ(

 

後回しの魔女様の目的は「やる気のない者達で溢れた後回しの世界を作る」と割とまんまストレートなものだったけど、その思想に至るまでの背景について後々掘り下げられるのか、それとも後回しの魔女という存在自体がそういう概念を司ったもの、的な扱いになるのか、というのは何気に気になる。ここは追って注目したいところですな

そんなまだまだ不明な点の多い魔女様だけど、ローラの内面を的確に読んで揺さぶる頭のキレる様や、やる気のない者達で溢れた世界の是非について「そんなものは後回しにして考えれば良い」と他者の考えを一切無視してさらっと押し通してしまおうとする静かな圧とも言える一面、後回しという「停滞」を心の底から普遍一般における絶対と考えているかのような邪悪さなど、序盤から描かれてる後回しにしたがりな性格はそのままに悪の親玉としての存在感をグッと印象付けた感じがあってなかなか良き。重要要素っぽい「愚者の棺」なるものの存在も明かされ、ここから魔女様がどう物語を動かしていくか楽しみです

 

さてそんな今回の主軸は、待ちに待ったローラのプリキュアへの覚醒。

 

女王候補としてプリキュアを探す使命を全うした自分を労い、地上にはもう行かずとも良いと告げる女王様を前にしても、地上で出会った仲間達とこれからもっと色んな時間を築いていくことが自分にとっての「今一番大切なこと」だと語り、自ら地上に戻る意志を示すローラの姿からは、人間の世界での様々な体験や交流を経たことで得た、まなつ達というかけがえのない大事な仲間達と、使命とは関係なくもっと一緒にいたい/他でもない自分自身が守りたいと願う強い想いが感じられ、ローラがまなつ達と築いてきた繋がりの尊さにグッときましたね...自分の夢を第一に考え、人間もそのための道具と言ってのけてた一番最初の頃を思うと、使命を果たしたその先にもっともっと大切なものを見出した彼女の成長が凄く嬉しい(女王様もこの辺確かめたくてちょっと焚き付けるような言い方してたんだろうなぁ。聡いお方)。人間達からやる気を奪おうとする後回しの魔女様の目的に強く反発したりと、人間そのものを守る自意識に強く目覚めてるのも感じられ、これがプリキュアへの覚醒に繋がった大きな要因の一つかもな、とも。

それでいて、後回しの魔女様に囚えられ、自分達に協力すれば人間になれるとチラつかされても「私の願いは、私が叶える!」と跳ね除ける様からは、当初よりローラの長所であった自身の夢を叶えることへの前向きさが窺え、この辺の精神性をブレずに抱いているという彼女の強さもまた感じられたなと思う。今ある前向きさと、新たに得た大切なものへの愛を同時に抱いて、なんと立派になったことか...と感慨深くなる(しかし何がいっそう熱いかって、どれもまなつ達がいないところで自分よりも上の相手に対し言い放ってるってことだよなぁと。敢えてまなつ達本人がいない場で言ってるところを強調させてることで、他でもないローラ自身の本心であることが強く際立ち伝わってくる、という感じで)。

これらローラの一連のシーン、演じられてる日高さんの感情のこもった名演と、ローラの情感を細かく綺麗に描き分けた作画あってこそより引き立ったなとも思うところ。特に作画に関しては表情の寄りのカットとか凄く色合いや描き込みが美しくて唸った。やはりこういうのも合わさってこそ超名シーンとなり得るよなぁ

 

そして後半、遂にやってきた、ローラのキュアラメールへの変身!!脚も生えたぞ!!!

仲間達を傷付け嘲笑う者達に対する激情での覚醒、とはなかなかベタだけどローラの想いが前述したようにしっかり強調されてるからこそシンプル且つこの上なく胸熱な流れになっているのが見事でした。

変身バンクはローラのメインカラーである水色とピンクが彩りを与える背景と、ローラ/ラメールの綺麗な作画で凄く魅力的なものに仕上がってて良きでしたな。何よりメイク工程の「ネイル」をしっかりたっぷり強調したカットには感服の一言。前話の時点からネイルがローラにとって重要なターニングポイントになることは伏線として示されていて、今回も後回しの魔女一派の拘束からの脱出やまなつ達のいる地上へ戻ることへの決意を決める直前にローラが自分の手のネイルを見る寄りのカットが入る=大切なまなつ達との思い出を思い返す演出が印象的に描かれていたことから、ネイルはラメール変身の要としてしっかり描いて欲しかったところなので、そこの期待にしっかり応えてくれたのは嬉しいですな。ローラの心情を印象付ける場面、プリキュアへの変身の場面と、ネイルという要素の使い方が前後編合わせてばちくそに巧かったなと

そんなラメールの必殺技はプリキュア・くるくるラメールストリーム、と久々にいい感じにぶっ飛んだ技名が来てくれて嬉しい(?) ビクトリー!の決めポーズ(と恒例のはっちゃけ顔)も個別でしっかり用意されてたけど、あのポーズはちょっと難易度高くない???(

十<ビクトリ-!!

 

ラスト、変身を解いた後のローラはいつもの人魚の姿ではなく、尾鰭に代わって脚の生えた人間の姿に!と、遂に念願叶ってローラが地を踏みしめる脚を得ることとなりました。ここ自体はラストの方でけっこうあっさりめに描かれる形となっており、思ったよりかはちょっと物足りなかったかなと感じる面もあるものの、泣きじゃくりそうな顔からの満面の笑顔、と喜びが伝わってくるローラの表情の変化やそれを一緒に喜ぶまなつ達の画が凄くグッときたので、ローラが幸せなんでOKです!という感じ。しかし入学および夏海家のお世話になるとこまでトントンと行くとは。まなつ→さんごの名前呼びもそうだったけど、夏海母娘の懐の深さとコミュ力の高さのおかげでこういうお約束的なイベント部分が意外とサクリと進むのはなかなか面白いところである。w

そんなローラの人間化について、流れ的にはローラの想いが身を結んだという感じだったわけだけど、そこに前回みのりん先輩が語った「何か望みを叶えるためには、他の大切な何かを失わないといけない」という台詞が(現段階では)あまり掛かっていなかったのはちょっと気になったポイント。この辺原典の人魚姫にちょっと準じて、人魚であることと引き換えに人間になった、とも取れるけど、そこら辺の葛藤が描かれたわけではないのであまりピンとはこないし。ローラがその等価交換をもすっ飛ばし奇跡を起こした展開になったのか、それとも後々「人間になった代わりに...」的な形でまた物語の中でその要素が登場してくる展開になるかもしれないのか、というのが気になるところですね。ああして印象的な言葉として出てきた以上特に回収されないとも思えないので後者が濃厚かなと個人的には考えてるけどはたして 後者になるとしたらちょっとローラ周りの展開が不穏だな...と

てか今後ローラは人魚形態にはもう戻ることはないのかしらね 変身バンクに人魚から人間になるカット入ってたくらいだしワンチャン融通効いたり戻るタイミングあったりするのかなとも思うが(まぁ変身バンクからあのワンカット削れば後々ずっと人間のままでも事足りるが)

 

そして今回からEDテーマが新曲に変更 まだ十数話大だからこんな早いのはけっこう珍しいですな 前の曲とはまた違った感じで明るく楽しいメロディの曲で、映像もラメールが加わって更に彩りが増し綺麗になり良い感じなので、これからまたじっくり楽しませていただきます。

 

 

以上、トロプリ17話でした。2クール目に入ってから着実に積んでいたローラの描写がここでどっと昇華され、その成長を感じられるのも込みで凄く熱くなった覚醒回となりました。ネイルの要所要所での強調が凄く良かった

キュアラメールが加わって物語的にも視覚的にもグッと彩りが増したので、これからも話をどんどん盛り上げて欲しいものです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた