AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

私達のSAGA

ゾンビランドサガR

第12話「史上最大のSAGA」

感想レビュー

 

 

ゾンビランドサガ、

完結!!!

 

...完結?

 

佐賀を襲った大災害の爪痕が未だ街や人々の心に刻まれている中、佐賀に笑顔と希望を与えるべく、そして駅スタライブ失敗の雪辱を果たすべく行われるフランシュシュのリベンジライブを描いた今回。月並みな言葉ではありますが、最高のライブ、最高の最終回だった!とまず一言。素晴らしかった...

佐賀を支える人々の心に生きる気概を与える重要さを訴えライブ開催に向け泥臭く奔走する幸太郎、人々の笑顔のために純粋に戦うフランシュシュを信じ力添えしてくれる大古場さん、とストーリーはフランシュシュの駅スタライブに向け尽力する人々の姿からスタート。ずっとずっと最初の頃からフランシュシュを支え、この局面でも常に全力であり続ける(それでいて自分がそうやって泥臭く戦ってることはフランシュシュの面々には見せない)幸太郎が狂おしいほどにカッコ良いのは勿論のこと、フランシュシュを色んな側面から間近で見続け、その奥底の熱意に迫り理解してくれた大古場さんが頼もしき仲間となってくれることのなんと熱いことか。(10年前までけっこう大きい新聞社に勤めてたっぽいけど、そこから佐賀の新聞社に渡ったのはどういう事情からなんだろうか。正義感故にあれやこれやがあったんだろうなとも想像されそこも彼のキャラが深められるようで良い。) 幸太郎を信用したわけではないとは言ってるけどある種の信頼みたいなものは生まれてるだろうな、と2人のやりとりを見て思う。

しかし幸太郎の言った「神頼みなんて冗談じゃない。こっちはとっくに見限られてんだ」はなかなかに印象深い台詞だったなぁと。志半ばで若くして命を落とした者達が殆どなフランシュシュも、大切に思っていた人を失い一度は失意のどん底にまで落とされた幸太郎も、天命になぞとうの昔に見放されてしまったと言える者達であり、そこから這い上がった後もいつも神になんて祈らず自分達の力で戦ってきたんだもんなぁ...ゾンビランドサガという物語の中心で命を燃やす者達を象徴するグッとくる台詞だった。

そういえば幸太郎がカチコミ(違)かけた災害対策本部に、佐賀事変で友人・喜一の志に対し複雑な想いを見せていた男・伊藤にそっくりな人がいたけど、子孫の人なのかなぁ。ともあれそんな彼が、幸太郎の佐賀を救わんとする志に一度は叛意を見せつつも、彼の訴えやを受けて最終的に力になってくれたという構図は、かつては喜一に刃を向ける他なかった伊藤が時を越え彼の志を支えてくれたかのようで熱いな...と

 

一方、良き緊張を纏いながら決戦前夜を過ごすフランシュシュ。良い意味で重苦しくない、しっとりさを感じさせつつも明るさのある空気感が彼女達の覚悟の様を窺わせてなんだか気持ち良かった。そしてベタもベタですが、遠く空を眺め「あの人」が見ていてくれるだろうかと想いを馳せるゆうぎり姐さんに胸がいっぱいになっちまいましたね...佐賀事変、やっぱり最高に好きだな...

そして彼女達は、被災し今も苦しむ人々に向け、アイドルとして歌い踊ることで皆を勇気付けるためにライブをすることをラジオを通じて宣言。ここのシーンのサキがラジオの向こうへと語りかける下りも、必死に考えて言葉を選び、みんなを元気づけようとしてるサキの様子が凄く健気で好きなんですよねぇ。

「アタシらが歌うことでみんなが...!」という台詞から「笑顔になれるように」と言おうとするも、辛い想いをしてるであろう人達の姿やその想いを思い浮かべてか暗い表情で言葉に詰まり、「...すぐに笑えるかは分からんけど」と言い直しつつ、「ほんの少しでも笑顔になれるようにステージに立ちます」とまた強く笑って語る、

という一連の語りの中のテンポや表情の変化が、サキの思いやりの心やそれでも前を向こうとする明るさを絶妙に描き出してて素晴らしかったし、その色んなことに想いを馳せたり自分自身も色んな想いを巡らせたりしつつ、リアルタイムで言葉を紡いでる空気感が真に迫るものがあってグッときたなぁと。こういうところでしっかり決められるのやっぱリーダーの器だよ...

そんな様々な想いの中、来たる駅スタでのチャリティーライブ当日。ここはもうEDパートまでずっと熱いとこしかなくて本ッ当最高も最高でしたね...

まず観客の入りがあるかもまだ分からない状況の中、さくらが「何度酷い目に遭い何度挫けようとも、それをもたらす神や悪魔が根を上げるまで何度でもリベンジしてやる!」と高らかに言うという下りの時点でさくらの精神性の成長や覚悟が感じられてめちゃくちゃに熱かったところ。この1期最終回の時に得た「何度挫けても立ち上がれ」のスピリッツが今回に限らず2期全体通してさくらからしっかり感じられたのが2期の個人的にほんとに好きなところでして、そんな覚悟をここぞの場面でカッコ良く発揮し皆を奮い立たせることのできる存在となれていたことが2期のさくらの魅力だったなぁと感じます。良かった

そしてここから駅スタへと佐賀の人々がフランシュシュのライブを観に集ってくる展開!ここからもう我が涙腺はぐじゅぐじゅに緩み始めます(

最初に駆け付けるのが最古参デスおじという超絶ベタながらもたまらん構図から始まり、フランシュシュと想いを繋いできた仲間達やフランシュシュの歌に触れ希望や勇気を貰ってきた人々が大挙して押し寄せてくる下り、そしてそれを日本や世界が更に後押しするという熱い展開、いやぁこれがもう...たまらんかったのですわね!今までフランシュシュと関わってきた人達が集まってくるのは勿論のこと、困難に塗れた状況下の避難所でも人々を励ますために歌い踊ったことが多くの反響を呼び、チャリティーライブの話題をアイアンフリルやライトくんといった良き好敵手が広く拡散し、更にそのライブを大企業や世界が支える、という形でフランシュシュが築いてきた活動や繋がりの全てが順番に線で結ばれ大きな力となり、フランシュシュの下へ帰ってきて彼女達のリベンジを支えるというこの一連の流れは、24話に及ぶ物語の積み重ねの昇華の劇的さや、フランシュシュが支えようとしてる人々がフランシュシュを一緒に支え返すという熱さなどが存分に込められており、少年漫画的なストレートな燃えを感じられて実に最高。久中製薬やらホワイト竜さんやら、馴染みある面々の登場には自然とおおっとなってしまいましたね(わずかな台詞のために白竜さんや剛雄パピィ役の小山剛志さんが出てくれてるのも嬉しい。)こういう長い旅路の中で得た仲間やライバルが最大の危機に駆けつけてくれる展開はやっぱいつどの作品においても何者にも代え難い感動があるなぁ しれっと舞々が先頭取ってみんなを引っ張ってるみたいになってたのはちょっと笑ったけどw

サキがラジオで言葉を伝える下りでもフランシュシュに縁ある人々が次々映し出されててここの時点でも込み上げるものはあったが、それが更にパワフルな絵面と共に繰り出されるんだもんなぁ 涙腺緩むよそりゃ

 

かくして始まるチャリティーライブ、フランシュシュのリベンジライブ。

ここの本編のおよそ半分を占める約13分ものライブパートは、ここに至るまでの流れの熱さに後押しされて今まで以上の昂りを帯びるフランシュシュのパフォーマンスの迫力、それを彩る三万のペンライトの圧巻も美麗さなど、画面をブチ破るほどのパワーに溢れててテンションが超絶ブチ上がりましたわね...!アニメーションでありながらマジのライブを観てるかのような熱量に溢れておりました。でも突然始まるたえによるフレディ・マーキュリーのライブパフォーマンスパロは普通に面白くてちょっと笑っちゃった。w

もうここのライブパートに関してはこんな程度の文章量では表せないほど凄まじかったんですけど、同時に言葉を尽くしても伝えきれないほどのエモーショナルさに満ち満ちていたので、僕の文章力ではこれが限界ですわ...どうか本編を1期2期通しで観た上で自分の目で確かめて確認して欲しい...!この熱さはゾンビランドサガを追い続けてきたからこそのファンへのご褒美ですよほんま

因みにフォロワーさんが気付いてらしてたポイントなのですが、劇中のリベンジライブ開催の日付である「2020年3月8日」とは、元々現実においてゾンビランドサガの幕張でのライブイベントが予定されていた日だったとのこと。コロナという大きな困難の影響で開催は中止になったものの、それが時を経てこのアニメーションの中で同じく大きな困難を乗り越えた最大の盛り上がりを持って描かれる、というこの構図は、ゾンビランドサガに関わる多くの人々の「リベンジ」が為された熱く粋なものだったわけですな。こういうところにも作品に関わる多くの人々の想いが窺えるなぁ...
度近亭心恋 on Twitter: "にしても本来 「2020年3月8日」 って幕張でのライブイベントがある筈だったのがコロナで中止になったので、ほんと最後の大盛り上がりのライブは作品に関わったスタッフにとっても 「作品の中で果たす『リベンジ』」 だったんだなあと思いますね https://t.co/yUsTZGFPAg #ゾンビランドサガ… https://t.co/m7CufnckoX"

 

なんというかこのライブシーンを描く一連の下りを改めてしっかり見て思ったことですが、

途轍も無い困難に直面し一時は死んだようになってた人々がフランシュシュという光に導かれて再び立ち上がり集ってくるこの下りってまるで死から立ち上がり、押し寄せるゾンビを表しているかのようだし、

なんなら色々なものが積み重なって人々から忘れ去られ滅びんとしていた佐賀がこうして活気を取り戻していく流れそのものが

佐賀という大きな括りそのものをゾンビに例えた「死の淵からの再生」

を表してるんじゃないかなとか思ったりしたんですよね。

つまりはゾンビランドサガ」という物語のタイトルとは、フランシュシュという存在に「生きることの希望や答え」を貰った人々が共に死や苦しみを越えて立ち上がり、引いては佐賀という忘れ去られんとしている地をも死の淵からの甦らせてしまうという、

死と再生を経たゾンビの如き地...ゾンビランド・佐賀のサーガ(物語)を意味していたんじゃあないかなと。

この地と、この地に生きる人そのものが!

ゾンビィ⤵︎だッ!!!

という感じで若干洒落も込みではありますが、本作が内包するテーマの最高にスケールデカめな昇華のさせ方が感じられて実に熱くなったなぁという話でした。凄いな...

こうして大成功を収めたチャリティーライブ。その舞台裏ではこの大成功の目撃と、これすらも通過点として更に前を向くフランシュシュを見て、漢・巽幸太郎は号泣していた。

...もうここでね、ライブパートではまだ涙ぐみとこで我慢できてたのが一気に決壊して、涙止まんなくなっちゃったんですよね。

「泣いてんのッ!!泣いとんじゃい...!良い大人が泣いとんじゃい...!!」のとこの幸太郎の顔ぐっしゃぐしゃっぷりに大いに笑いつつ、今までの戦いが報われたことやフランシュシュが立派なアイドルへと相なったことへの喜びを涙をぼろぼろ流しながら噛み締めながらもあくまで「巽幸太郎」として掠れる声色で叫び皆をアンコールの鳴り響く舞台へ送り出すという漢の色んな想いがこもった言葉に一緒になってびしゃびしゃに泣いてしまいましたよ...前回に引き続き宮野さんが名演すぎる

ほんとここにきてより強く実感したことですが、巽幸太郎という男は、「ゾンビランドサガ」の主人公たる漢だったんだなぁ...と改めて。EDクレジットの最初に名前が載るに相応しい奴だよお前は。良いキャラすぎる

そんな幸太郎でしたが、皆が立ち去り立ち上がったところには、血の跡が残されており...となんとも不穏な要素が最後の最後に示されることとなりました。「呪い」とやらの影響では、とかああして咄嗟に伏せたのは皆に血を見せまいとしたからでは、などとも言われており、これが何を意味するか実にハラハラするところ...生きてくれよ...

そしてアンコールにも応え、フランシュシュは佐賀とそこに生きる人々を蘇らせた、伝説のアイドルとして君臨するのだった。

最高だったぞ、ゾンビランドサガ...!
ありがとう!!

 

 

 

 

 

 

 

...で終わると思ったんすけど、

最後の約15秒くらいで、
巨大UFOが飛来して光線ぶっ放して終わりやがりました

 

ここで終わりです

 

...なんだコレ!!??(困惑)

あんな激熱なライブパートや巽幸太郎の叫びでめちゃくちゃに泣かせてくれやがった後にあんなもん出すか!?出てきた瞬間普通にめっちゃ笑っちゃったよ!?

びしゃびしゃ溢れた涙全部一瞬で乾いたし、出かかってた涙まとめて引っ込んだよ!!Abemaの最速生放送で観てたんだけど何コレ...!?って思ってる間に無慈悲にも「次の番組開始まであと何秒です」っていう表示が出てきたから余計に「オイオイオイオイオイオイオイオイ」ってなったわ()

ゾンビ、佐賀、ご当地アイドル、と元々要素の闇鍋かますような無法の権化みたいな作品だったわけだし何を今更って感じではあるんだけども、それらの要素一個一個を綺麗に昇華させつつ見事に一つにまとめ上げ名作として仕上げてきた末の締めがこんな特大の無法とか予想できるか できてたまるか() でもお前はそういう奴だったな...そういう奴だったわ()

この突然のSF要素、エイプリルフールに公式Twitterにあがった「ゾンビvsエイリアン」の伏線回収では、といわれててあーなるほどと思ったけど、こんないっちゃん最後に回収してんじゃねぇ!!!今じゃねぇ!!!!!!

 

...という感じでなんだか最後の最後に途轍も無い爆弾落とされたなという感じでしたが、まぁなんだかんだこういうとこまで含めてゾンサガだよな...と納得してしまう自分がいて怖い() 恐らくは3期ないしは劇場版への布石でしょうが、やってくれたなぁ...w

まぁあんな最高のものを見せてくれた時点で大満足なわけですし、次は何が起きるだろうかと、後は座して待ちましょう。

改めて、ありがとうゾンビランドサガ!

 

 

以上、ゾンサガR12話...最終回でした。
言いたいことは全て語り尽くしました。最高のライブ、最高のリベンジ、最高の最終回、最高のゾンビランドサガだった、と。あとはもうただその言葉で十分です。良かった

まだまだ何か起きそうであり、次には一体何が起きるのか大いに楽しみですが、今はとにかく、改めて、改めて、ありがとうございました。お疲れ様でした!

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた

 

 

皆さぁーん!

 

おっはようございまぁーすッ!!!