AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

筋肉モリモリマッチョマンの闇の巨人

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第2話「未来への飛翔」

感想レビュー

 

 

GUTS SELECTの一員として地球へと降り立ったケンゴを待つ出会いと戦い、を描く今回。

GUTS SELECTの面々のキャラ紹介やGUTS SELECTの開発担当ヒジリアキトとケンゴの関係性をストーリーの軸として描きつつ、地球におけるトリガーの初陣、新たな闇の巨人ダーゴンとの決戦が繰り広げられるなど見所多しだったけれど、正直なところ描くものが多過ぎて詰め詰めの作劇になっており、まとまってはいるもののどうも一個一個が薄味だったな、という印象でした。

GUTS SELECTの面々の人柄や言動の個性なんかは割と見せるべきところはしっかり見せて描けてたとは思うんだけど、どこか微妙に形式ばった描き方というか、作業的にサクサクと各人がどういったキャラなのかを見せてた感じがあって映像的にあまり面白さにはならなかったと感じられ、ここは自分的にちょっと最初のキャラの印象付けとして弱かったように思う。テッシンさんのキャラは頭一つ飛び抜けてて面白かったが(でもちょっとキャラ付けの質感がこってりしすぎな感があるかも、というのを思ったりもする。ナナセ隊員やマルゥルのキャラもちょっとマンガ的なテイストが濃いように感じるのでテッシンさんに限った話ではない印象だが)

 

トリガーに変身するためのガッツスパークレンスを開発した張本人にして、光に選ばれたのが自分でなくケンゴであることに強い嫉妬の感情を見せるアキト、そんな彼に光に選ばれたことへの自分なりの意志を示すケンゴ、そしてミツクニパパの頼みもあってアキトもケンゴの力を貸すようになり共に戦う仲間として一つ関係性が進展する、という一連の描写に関しても、ケンゴがアキトに対し示すものが「世界のみんなを笑顔にすることが自分の夢」という点のみでアキトとの対話においてあまり噛み合っておらず、彼の頑なな内面を動かすに足る要素足りえていなかったのはちょっと微妙に感じたところ。アキトが力を貸してくれる流れも、上述したようにミツクニパパの頼みがあってのことという具合であくまでアキトがケンゴを認めたというわけではなかったのに、その割にはその後のアキトの態度が見るからに軟化したように見える演出がされてたりと、キャラクターの内面の描き出し方としてなんとも腑に落ちないものになってて、色んな部分の見せ方が上手くなかったように感じるというのが正直な印象でした。もう1、2話くらい尺取ってアキトがケンゴを曲がりなりにも認めていく流れを描いた方が良かったのではと思うなぁ
ケンゴの夢という要素自体は第1話の時点から既に「漠然としていて共感しづらい」と少なからず言われていたものの前回の流れにおいては主人公らしい決意を示すものとしてハマっていたように自分的には思っていたのですが、今回の話ではその言葉に説得力を持たせる前にゴリ押した感じがあってこれはちょっとよろしくなかったなぁ...と。せめて「みんなの笑顔を守るのが僕の夢...だから、今は僕を選んでくれたこの力でみんなのために戦う!くらいハッキリ言い切る部分があっても良かったと思う。アキトに関してもケンゴのこういう感じの言葉を受けて少し思うところを見せ、その上で「お前が本当に光に相応しいか、納得行くまで付き合ってやる」くらいの方便を言って力を貸す流れならこの1話の中でも自然さはあったかも

そんなアキトは、上述した光の力への渇望とも言える感情やケンゴへの嫉妬など、構図的にはマサキケイゴのかほりを感じさせるものがあり、彼のラボにあるスパークレンスのオリジナルと思われる神器の存在も相まって、後々力に手を伸ばしてイーヴィルティガ的なものになるんじゃなかろうか...という不穏さを漂わせてるのが気になるところ(アキトが指でなぞった石版の巨人のレリーフのアップも意味深だし)。とはいえ今回の話で割とあっさりケンゴへの態度を軟化させたのでそうなるのか微妙なところだが(カルミラ辺りが彼の中の負の感情につけ込んで...みたいな展開はあるかも)。ユナに対する少なからず重い感情や、ウザい!みたいな言動を躊躇いなく言えちゃう人となりなど、割と問題多しなキャラではあるけど、その分伸び代は大きいと思うのでそこには期待したい。

 

そして戦闘シーン。

前半のギマイラ戦は、ギマイラの触手の縦横無尽な攻撃とそれを回避するガッツファルコンの飛行がCGを多用し迫力満点に描かれていた部分が非常にカッコよく、トリガーvsギマイラのシーンもオープンセットでより臨場感を引き出した上で飛びかかるトリガーをギマイラ寄りの視点でパワフルに描く演出や、馬乗り状態からの高速ゼペリオン光線といったアクションの凝った魅せが多く楽しかったものの、ギマイラが文字通りに後に控えるダーゴンの前座でしかなかったのはなんとも残念に感じるところ。「ギマイラという強豪怪獣を用意しておきながら人間の怪獣化等の原典における固有能力も使ってなくて、これじゃあ他の怪獣でも良いじゃないか」という不満があるというよりも、「怪獣の出番を入れ込もうという以上のストーリー展開上の意図が感じられず、こんな半端に怪獣を描くくらいならダーゴンに割く尺を増やしてそっちをより劇的にした方が良かったんじゃないか」という不満が凄く大きいというか。ダーゴンと並行させたことで薄味になってる感が否めないんですよねぇ...販促や構成の都合上難しいものがあるだろうとはいえ、ギマイラとダーゴンの出番は別個の回に分けるか、いっそダーゴンの存在とギマイラを関連づけるくらいした方が見やすかったと思う(ダーゴンのキャラの性質上怪獣と2人がかりで...ってのはやらなそうだが)

一方のダーゴンは、地球への降臨の際の衝撃やトリガーの下へ前進する際の足元の描写、地面を揺るがす攻撃で建物が崩れる演出など、頑強なパワーファイターらしい魅せが徹底されていてなんとも見応え抜群でした。トリガーとの戦闘も、バカスカとビルを粉砕しまくっててなんとも迫力があって良き。マルチタイプの攻撃での全く怯まない演出はまさに岩・鋼鉄といった不動さを感じられたし、再戦時のパワータイプとの戦闘もお互い怯まない一進一退のバトルという趣があったしと、幹部的ポジションの面目躍如という感じね

またオマージュ元のダーラムを意識してか水中戦の演出も入れ込まれており、こちらも非常に面白かった。でも個人的にはちょっとサービスしすぎた感もあったというか、海中戦演出はもう少し後まで取っておいても良かったかなーという気もあったり(この分を他の描写に割いてもっと物語全体のまとまりを良くしても良かったように感じるし)

ダーゴン、なかなか分かりやすい感じの武人気質(目的のために周囲を顧みない辺りは悪役という感じだが)のキャラ付けがなんとも分かりやすいけど、今後トリガー/ケンゴとの因縁が深められたりとかするんだろうか

 

そしてラスト、発進したナースデッセイ号を見上げるイグニス...という引きで締め。イグニスはまだどういう立ち位置で絡んでくるか分からないんだよなぁ 気になる

 

 

以上、トリガー2話でした。キャラの印象付けや戦闘における諸要素の演出など、描くものが多くて全体的に粗の多い構成になっていた、というのが正直な印象。ハヤシさんが特撮作品初登板なのでその辺の勝手を掴み兼ねてる部分もあるのかなとも思うけど、序盤のタイミングにおいて物語の勢いに少々のブレーキをかけてしまったかも、と感じられてちと勿体ないかなと 今後のストーリーで重要になりそうな伏線の配置は余念がないし、特撮面は文句なしなので、ここからグングン盛り上がっていってほしいところ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた