AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

紡がれるヒーローの物語

セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記

感想レビュー

 

 

※本レビューはネタバレを多分に含んでおります。ご注意ください

 

 

仮面ライダースーパー戦隊石ノ森章太郎先生により生み出された東映の2大ヒーローをテーマとした本作、近場の上映地域で某風邪菌の感染が増え出していて慎重に動く必要があったという事情故に初日に観に行くことは叶わなかったものの、感染対策をバチバチに施しようやく観に行くことができました。今回はそちらの感想をつらつら書き連ねていくので是非お付き合いいただければ

 

アガスティアベースの番人・アスモデウスの復活と反逆、それに伴う世界の混乱が描かれるところから物語はスタート。映画公開前のCMでも明かされていた通り、飛羽真・芽依・ユーリの3人がゼンカイジャーの世界へ、介人・ジュラン以外のゼンカイジャーの面々がセイバーの世界へ飛ばされるという現行2作のクロスオーバーから始まる形となりました。

この辺はソードオブロゴスの剣士達が飛羽真とユーリ、及び冒頭で姿を消した賢人を除いて一同に介しゼンカイジャーと出会ったり、飛羽真と芽依がカラフルにやって来たりとクロスオーバーならではな絵面が多く展開されており、セイバー勢inゼンカイサイドの描写はセイバーとジュランの共闘が見られたり、思いの外よく喋ったり動いたりと話の流れに絡んでたヤツデ婆ちゃんの姿が見られたりと個人的になかなか面白かった。ただ一方のゼンカイ勢inセイバーサイドは、剣士達の出番が話の展開に沿って最低限の台詞を喋るだけでゼンカイ勢との会話も特に無くその後本編終盤までフェードアウト、という形になっててあまりクロスオーバーの旨味が感じられなかったのが難点だったなーと。賢人とユーリが早い段階でフェードアウトしたりとキャラ数の多さ故に取り回すの難しかったのかな...と思うところもあり一概には言えないけれど、なんとなく楽しみにしてたポイントだったので残念。そら(あんだけキャラいっぱいいたら処理しきれないんだから)そう(なる)よ、と言われたらそれまでなんだけども ゾックスに関しては元々撮影時期的に夏映画での戦隊側の追加戦士の出番は少ない傾向にあるからこんなもんかなとは。でもニンニンジャーで早期登場したキンちゃんがニンニン劇場版で割と出られてたのを思うとゾックスも出られそうな気はするけど...いつもと撮影時期の勝手が違ったんだろうか

 

話が進んで、今度は様々な物語が交錯した世界をレジェンド客演陣と共に進む珍道中的なストーリー展開へシフト。

この辺もCMとかで大きく押し出されていたポイントで楽しみにしていたところが割と大きかったんだけど、レジェンド勢の扱いとしては良くも悪くもCMで描いていた分にちょい足ししたくらいの見せ場しか無くて、個人的にはちょっと不満が残ったなーという感じ。グランドジオウのライダー召喚とかちゃんと使っただけ御の字かもだけど、出てきたライダーがほぼ一回敵をぶった斬っただけで終わりなのあまりにンンー...!ってなるんすよ

話の折り返しの辺りで全員が揃って戦う流れになるものの敵の策略であえなく消滅してしまう...という展開についても、話の流れとして一旦退場になるならばともかくここで本当にフェードアウトしてその後登場することがないので、物語の見所として公式がプッシュしてた割には...という残念さが大きいというのが正直なところだなぁと。作品への注目度を上げる上で必要なキャスティング及び展開だったというのもあるかもですが、取り回し方としてはだいぶ持て余してたよなぁ...と感じてしまったのが率直な感想です 昔「超スーパーヒーロー大戦」を劇場で鑑賞した時、CMで色んなヒーローのチームを紹介してた割に肝心の本編での出番はほぼCMで見せてたくらいしかなくてだいぶ落胆したという経験があったのですが、今回のレジェンド勢の全体的な扱いはそれに似たものが感じられて余計に残念に感じるところは大きかったんですよね。せっかく作品の見所として公開前に推すなら推すなりのものであって欲しい...

純粋な話の流れとしても、敵が登場して飛羽真や介人達が変身した応戦→レジェンド勢が助太刀して敵を撃退→特定の目的のために行動してるうちに敵が再び出現→また変身して戦い新しいレジェンドが出てきて...というのを飛羽真サイド・介人サイド両方で2、3回、計4、5回ほどほぼ同じ感じで繰り返す感じだったし、その絵面も敵と戦隊が特別な演出を入れる余裕も殆ど無いままに切った張ったする感じで正直最後の方は飽きが襲って来始めたりとお世辞にもあまり良かったとは言えないため自分としては微妙、というところになってしまうのですが、千明と時雨さんという久々に顔を拝めて嬉しいお2人の貴重な絡みや、イマジンズ&オーナーのデンライナー組の変わらなすぎる安心のやり取りを見られたり、長髪&裾の長い衣装着用の中性的な雰囲気が似合いすぎなソウゴの風格漂う佇まいに劇場の大スクリーンを通じておおっとなったりと、レジェンド勢ならではの懐かしさやカッコ良さに震えることのできる場面はいくつもあったし、「百人力」からの「万力」ワードに反応してキレる時雨さんとか、お釈迦様役をノリノリで演じるクソデカオーマジオウなど、ふんだんに織り込まれたネタもクスリと笑えて楽しかったので、ポイントポイントでは悪くないところも多かったですね。千明がディケイドの本、ボスが剣の本、みたいな感じで各キャラが同期の作品の本を持ってるという小ネタも面白かったし、こういうところは改めて見返す時とかに注目すると楽しいかも。でも「心からの笑顔を見せてくれよ」というそのキャラの印象的なワードをとりあえず織り込んだ的な台詞を若干唐突にぶっ込んで登場する形になってた或人の描き方はちと雑さが感じられて惜しいところ。アンドロイド繋がりでのラプターとの絡みやセイバーとの背中合わせという直近2作の共闘は良かったんだけどな...!

しかしクソデカオーマジオウ、CMでもだいぶシュールだったけどそれを上回るシュールさだったのあまりにもズルい。w

 

中盤に差し掛かってからは、序盤から登場していた少年・ショウタロウの存在を利用したアスモデウスの策謀によりヒーロー達が次々に消滅していく...という展開へ。

介人の持ってた本が飛羽真の下へと渡り、彼が本の表紙の仕掛けをめくってみるとそこには仮面ライダーセイバー」のタイトル。恐る恐るその物語を読み進めていくと、今まで自身が辿ってきた戦いの一部始終...つまり我々の見てた「仮面ライダーセイバー」のストーリー展開が物語として刻まれており、そして最後のページへ入るとそこにはそれを今まさに読んでいる自身の心の動きや同時に投げかけられる敵の言葉が、それが物語の決まった流れだと言わんばかりにそのページに筋書きや台詞としてそのまま刻まれている...

という、自身の戦いが全て「仮面ライダーセイバー」という物語の決まった流れに過ぎなかったということを飛羽真が突きつけられるここのなかなかにホラーチックな一連のシーンは、演出が非常に強烈で素晴らしかったですね。ショウタロウが自身の描いたヒーローに絵を破り捨てると共にヒーロー達が次々消えていく容赦の無い演出と併せ、「物語」をテーマに掲げるセイバーを軸に据えていたからこそえげつないインパクトの生まれたストーリー展開だったなと。飛羽真達の戦いは決められた物語の筋書きに過ぎないのでは?的な考察はセイバー序盤でよく為されていましたが、ここでこれが繰り出されるとは。

そんな強烈すぎる策謀によりヒーロー達を消してしまった本作のボス・アスモデウスでしたが、ここに至るまでのヒーロー達の活躍の裏で妖しげに暗躍し意味深な言葉を放つ佇まいは威圧感と不気味さが濃く表れ出ており、ボス格キャラとして存在感は抜群でしたね。演じられる谷田歩さんが龍が如くシリーズのナレーションも担当しておられる方で、非常に渋く且つ強く響く良いお声をされていて台詞の一つ一つが劇場の音響にとても映えていたのも実に素晴らしかったなと。凄くハキハキとしていて耳によく馴染む感じの所謂ナレーション的な声質・喋りが「語り部」的な風格をプラスしていて、ヒーローの物語全てを思うがままにしようとしているアスモデウスのキャラ像に図ってか図らずしてかは知りませんが上手くマッチしたのも大きいと個人的には思ったり。谷田さんのお声だけで強キャラ感が5倍増しになってたといっても過言ではないと思います。

 

そしてここからのドラマパート、やはりこれが個人的に本作の一番の山場であり見所だったなと感じますね。

美しい幸福な幻想の世界へと送られた飛羽真やショウタロウの再起を逆転の展開への導線として描く中で、「ヒーローを描こうとしてもそこには争い=悪の匂いが付き纏ってしまう」という葛藤と諦めを経ながらも、善と悪の狭間で戦うヒーロー=人間こそが自分の描こうとしているものだと飛羽真の言葉で気付き再び筆を取るショウタロウの姿が描かれるのですが、ここは人間が正義と悪が渾然とした善悪の狭間で戦う石ノ森作品の特色、および石ノ森章太郎先生を起源とする仮面ライダースーパー戦隊の2大ヒーロー(どちらかというと仮面ライダーのテーマ性が強く意識されていたかな?)の在り方に強くフォーカスした非常に象徴的なシーンとなっていて、仮面ライダー」「スーパー戦隊」の『物語』およびそれらのヒーローの存在意義というものにメタ的に迫った本作らしさの濃く出たとても印象深いシーンだったなと。一度は自身の理想とするヒーローとは違う飛羽真達の存在を否定してしまったショウタロウが、悩み苦しみながらも戦う人間達の姿を描き出すことこそが自身の思い描くヒーローと見出し、今一度ヒーロー達の歴史を描き出してゆく流れは胸に熱いものが込み上げましたね

更にここでは、たとえ自身が物語の存在であろうとも「物語の結末を自分自身で決める」ために目の前の「平凡な現実」に別れを告げ、自身が生きる戦いの物語へ今一度向かう決意を示す飛羽真の決意も描かれており、一度はずっと願っていた賢人や大人になったルナと共に平和に生きる「平凡な現実」という名の幻想に身を委ねながらも、最終的には自身の生きる本当の『現実』である物語から逃げないことを選ぶ飛羽真の姿には本編でたびたび言っている「物語の結末は俺が決める!」の決め台詞を地で行く強い意志が感じられ、飛羽真の作家という要素が強く掛かっていたのも相まってとても熱いシーンでした。飛羽真が幻想の世界の賢人やルナに対し、もう一度辛く苦しい戦いへと巻き込んでいくことへの懺悔を苦渋の声色と共に語りながら戦いの道を再び選ぶという下りも、飛羽真自身が出会ってきた大切な人達を自身の決断で共に再び闘争へ巻き込んでゆくことへの葛藤というTV本編のセイバーの物語を経たからこその重みが感じられたと共に、本作の冒頭部分で飛羽真がふとこぼしていた「物語の登場人物に苦しい想いをさせ傷付けることへの迷い」に対する答えとも言える、『物語から逃げない』という作者として、そして物語を生きる者としての決意窺え、飛羽真を演じる内藤さんの感情の強くこもった演技も相まって、飛羽真のキャラクター性や本作のストーリー性・テーマをよりいっそうグッと深めた素晴らしい下りとしてとても情緒を揺さぶられ、この一連のシーンは本当飛羽真というキャラクターの魅力を存分に活かしてて最高だったな...と感じます。ルナや賢人との約束や戦いの果てにある彼らとの幼い頃と同じ平和な日常が目の前にあるのに、それを手放しまた彼らを戦いの中へと巻き込んでいかなければならない飛羽真の想いは察するに余りある...どれほど苦しい想いだったのだろうか。


余談なのですがこの「物語から逃げない」というテーマ、全くの別作品になるのですが自分が以前に読んだ月光条例(作:藤田和日郎)」という漫画において

「登場人物達に辛い想いをさせることになるけれど、作品を通して伝えたいメッセージがあるからこそそれを貫く作者の想い」

「どんな苦しいことや悲劇が待っていようとも、そこから生まれるメッセージで読む者に何かを与えられるからこそ、物語から逃げずに生きようとするキャラクターの信念」

という、まさに今回のこのスーパーヒーロー大戦の物語のテーマと似たような感じで作品の重要な山場において描かれていたこともあって、思い返して照らし合わせてみたことでよりいっそうグッとくるものがあったので個人的にけっこうお気に入りだったりするんですよね。こういう物語というものをメタ込みで描く展開というのは上手くハマると熱いよなぁ

月光条例、気になったら是非読んでみてください(布教)

 

 

そんな飛羽真とショウタロウの再起と決意を経て、再び積み上げられた歴史と共に仮面ライダースーパー戦隊が集結する!というこの流れ、とても燃えましたね。ショウタロウの画に呼応し、原典の戦士であるアカレンジャー仮面ライダー1号(それも1号は放送初期の旧1号!)が登場、それに続き全ライダーと戦隊レッドが集うのが実に粋でした。新造の旧1号スーツ、何かしら活用してくるとは思ってたけどこれは最高ね

ここからセイバー全剣士とゼンカイジャー一同が順々に名乗るという壮観な出だしを経て、アスモデウス率いる怪人軍団とのクライマックス戦闘へと突入。...となるのですが、この後のレジェンドライダー・レジェンド戦隊があんま似てない代役声でそのキャラや作品を代表する決め台詞をだいぶ雑な感じでポンポン言い放ちながら敵をぶっ飛ばしてく画がサクサク映されていく、という春映画のクライマックスの戦闘シーンのあんま良くないとこを濃く煮詰めまくったようなあまりに春映画濃度が高すぎる演出、ここはどうにかならんかったんか...!?と正直思う() 一周回って面白さが滲み出てる気がせんでもないけど、個人的には割とこういうの気になっちゃうタチなので、これが全キャラ分そこそこの長い尺でバンバカぶち込まれてくるの正直言ってなかなか胸焼けがしましたわよ...キャッチーな決め台詞をドンと言う平成2期ライダー辺りはまだ分かりやすかったけど、1人で言うのはちょっと不自然では?って思うような全員での名乗りの際の口上をめちゃ早口で言ってくる戦隊レッドとかは流石に看過でけへんて...って思う。龍騎に至っては「ソードベント!(ソードベント“だ!”だったかもしれん)」を決め台詞として言うのおかしいでしょ(

前半部分のわちゃわちゃした話の流れやクロスオーバーの扱い方からもけっこう春映画っぽさは感じていて(あぁなんか長らく感じていなかったなこの雰囲気...)と不思議な感覚を味わったものですが、クライマックスで一気に畳みかけてくるんじゃないよ() ここ数年春映画やってなかったからってやってなかった分一気に解き放ったんか???

ちらほら他の方の感想見たりもしましたが流石にここは賛否が大きく割れているのが目立っていて、せめてもうちょい一工夫欲しかったな...!というのは正直なところ。夏の劇場で浴びる春のかほり...

とけっこう個人的には不満強しな感じではあったけど、各ヒーローの位置に対応するタイトルロゴが浮かぶという演出もあって誰がどう戦ってるのかが分かりやすかった、という意見もありそれは確かに、と思ったり。ガオーン&ブレイズと一緒に動物系ヒーローが戦ってたり、ジュランとは恐竜戦隊の面々が一緒に戦ってたり、剣斬とは忍者系の戦隊が一緒に戦ってたり、とよく見ると細かなモチーフ繋がりの小ネタも散りばめてあってそこは面白かったし(ここは再度観る時とかに改めて見てみたいところ)。春映画っぽいとは言ったけどそういう意味では従来のものとの差別化を意識していたのかも。子供的にも各ヒーローが見分けやすかっただろうし

 

あとゼンカイジャーのレジェンド戦隊能力使用でまさかのアキバレンジャーが銀幕デビューしたのはめちゃくちゃ笑ったw 予想できるかこんなん  敵が死亡フラグを建てるとかいう身もふたもなさすぎる能力面白すぎてダメだった() 五色田夫妻何作っちゃってんの

しかしご本人が出たわけではないとはいえ、とうとう公認様と交わってしまいましたなぁ...でもレジェンド戦隊を身も蓋もないメタネタでいじりまくる遠慮の無さという点でゼンカイジャーとあまりに相性良すぎたし、この大きな節目での登場というのはキリも良かったのでこのタイミングしか無かった、というべきか でもそんなメタネタで公認の先輩方をいじりまくってたアキバレが、数年の時を経て公認の後輩達を支える力となった、というのはある意味胸熱かもしれない。やっぱそうでもないかもしれない(掌返し

 

そしてクライマックス、セイバー達を「同じモチーフを使い回してるだけの2次創作」「何の意味もなく引っ張り続けてるオワコン」とこき下ろし(ここのオワコンみたいな俗っぽい言い回しは多分意図的に仕込んだ言い回しなんだろうけど、なかなか突っ込んだ表現だよなぁとかちょっと思ったり)消そうとしてくるアスモデウスに対し、ショウタロウが「何の意味も無かったら、こんなに続くわけないだろ!」仮面ライダースーパー戦隊が生みの親である自身の手を離れ多くの人々に感動を与え続けていることへの想いを込めて返す流れは、時に多くの賛否を集めながらも老若男女に愛され夢と希望を与える存在として時代を越え今もなお戦い続けている仮面ライダースーパー戦隊の歴史の在り方を本作なりに美しく昇華していて、これまでシリーズを追ってきたファンとしてはとても熱く込み上げるものがありました。時代が変わるごとに原点とは大きく変わっていったかもしれないけれど、それでも根っこの平和を愛する想いはそのままに人々のために戦い続けてきたヒーロー達を、なんだかんだありながらもずっと愛し続けてきて良かったな」と思えて凄くグッときたんですよねぇこのシーン...自分もシリーズの全てを手放しで褒め続けてきたわけではなく、時に色んなことを感じたりしてきたけど、仮面ライダースーパー戦隊も好きだからこそ小さい頃からずっと追ってきたわけで、とても沁み入りました。

メタ的なテーマを内包してる本作だからこそ描けた、ファンの視点も込みでの良い演出だったなと。本作の白眉だったと思います

そしてここから新たなヒーローの歴史の1ページたる仮面ライダーバイスが鮮烈に参戦し、アスモデウス相手に豪快な立ち回りを見せてゆくのも良い流れでした。

そしてアスモデウスとの決着が着き物語はラストへ。竜携帯アスモデウスなかなかカッコよかったのでもうちょい見たかったなとか、セイバー・スーパーヒーロー戦記の活躍ちょっと物足りなかったなとか色々惜しいところはあるけど迫力は申し分ないバトルだったと思う。「スーパーヒーロー戦記」の本は誕生の流れがけっこう熱いだけにもっと活かしてくれても良かったかも

ラストには旧1号が変身を解いて本郷猛の姿を現し、ショウタロウ...つまりは生みの親・石ノ森章太郎少年の下へ駆け寄り想いを語り合うという下りがあり、ここは仮面ライダーTVシリーズの始まりを石ノ森先生と共に飾ったまさにその人である藤岡弘、さんが、石ノ森先生と物語を通じて対話するという構図の美しさにもう思い切りやられましたね...本郷さん、というか藤岡さんの「先生...!」「もう会えないと思っていました...」という言葉の感極まりそうな声色にこちらも劇場で思わずうるっとなったんですよね

藤岡さんと向かい合う章太郎少年を演じる鈴木福くんも、藤岡さんの風格に負けない堂々とした演技だったのがすごく良かったし、ここは藤岡さん福くんの両名の名演が光ったなぁ。石ノ森章太郎役という大役を見事に演じてくれた福くんにはめちゃ感謝である

 

セイバーとゼンカイジャーの戦いはこれからも続き、そして仮面ライダースーパー戦隊の歴史も未来へ向け更に紡がれてゆく。

そして、新たな戦士の物語へ...

Next to

KAMEN RIDER REVICE

 

 

以上、スーパーヒーロー戦記でした。だいぶ長文散文記事になってしまった...!内容が濃すぎる(

仮面ライダースーパー戦隊という二大ヒーローが紡いできた「物語」、そしてその原点となった石ノ森章太郎先生の想い、というところを軸に、メタ的な要素を濃く織り込みつつ、それらを「二大ヒーローを愛してくれた人々へのメッセージ」および「これからも紡がれてゆく二大ヒーローの歴史を生きる戦士達へのメッセージ」として熱いドラマへと昇華した素晴らしい作品でした。またそれを描く上で「物語」をテーマとするセイバーの要素を上手く活かし、飛羽真のキャラクター性を深めつつ本作のテーマ性をより魅力的に描き上げたストーリー展開も見事だったなと

一方でセイバー要素が濃く押し出された分ゼンカイジャーはちょっと割り食ったなと感じられたり、レジェンド勢の扱いがちと消化不良だったり、全体的に戦闘シーンの演出が大味気味だったりと不満に感じる部分も多くて、やっぱりこういうヒーロー大集合の大戦系映画がほぼほぼこうなっちゃうんだなぁ...ともちょっと思ったり() ゼンカイジャーは放送時期的にあまりキャラクター上手く組めなかったりしたんだろうなとも思うし、両作のクロスという時点で撮影スケジュールも大変だろうと思うので、やっぱ色々思うようにはならないんだろうなぁ

でも随所に仕込まれた小ネタとかはなかなか面白かったりしたし、全体的には大いに楽しめた映画でしたね。良かったです

さて、映画を観た方ならご存知の通り、この後にはもう一本あるお楽しみが待っていたわけですが...今回は記事が超ボリューミーになっちゃったので、近いうちにまた個別で上げるということで、お楽しみに

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた