AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

リミット96時間の大ミッション

ウルトラマンコスモス

第21、22話「テックブースター出動せよ(前/後編)」

感想レビュー

 

 

?「...え?今日俺の話じゃないの?『ジュラン』って言葉出てきてたよねぇ!?

え、俺じゃなくて星の名前のこと言ってんの?

チョマテヨ...」

...コスモストピアに誰か迷い込んでたみたいですね(すっとぼけ)

でもこの時期に「ジュラン」のワードが二つの作品でどど被りしてるの実際奇妙な巡り合わせで面白い

本来の軌道を離れ地球へ衝突せんと迫り始めた遊星ジュランの軌道の修正と、調査へ向かったミツヤパイロットの救出を目的として新装備テックブースターでジュランへと向かったEYESの命懸けのミッションを描く前後編エピソード。今や実力派俳優の1人に数えられ大活躍中の高橋一生さんが出演しており、その若かりし頃のお姿を拝める貴重な回としてウルトラシリーズファンの間では割と有名な回ですね。しかし昔と今とで見た目の雰囲気ほとんど変わってないよねとは言われてたけど、こうして改めて意識して見てみると昔の方が当然20年前故の若々しいフレッシュさはあるものの、爽やかなマスクの雰囲気は本当に今と見比べてもほぼほぼ変わってなくて驚く。顔が良すぎる...杉浦太陽さんも大概老けてないから凄いよなぁ

 

ジュランからのミツヤの通信が途切れる不吉な導入から、ジュランの地球衝突へのカウントダウンが始まるスリリングでスピーディな展開運びには息つく暇も無い緊迫感があり、更に遠く離れた宇宙の異星・ジュランでのカオスヘッダーやカオスパラスタンとの攻防がより焦りを緊張を煽ってくる、といった感じでSFパニック的な趣濃いめな話になっており、前後編というボリューム感も合わさって非常に壮大なストーリーになっていました。無事に戻れるとも限らない命がけのミッションへいつも以上に覚悟を決めて挑もうとするEYESの面々の姿もとてもカッコよくて、「アルマゲドン」的なテイストを意識して作られた話だったのかなぁと

 

留守を任され基地に残ることになったアヤノについても、みんながアヤノだからこそ託せるサポートを信じて基地に残したという信頼が窺える扱いになってたのが凄く良かったですね。「お前が頼りだ」って言い切るフブキ隊員には彼のここぞでの仲間に対する想いの熱さがアヤノに対してもちゃんと存在してることが感じられておおっとなったし、ドイガキ隊員がさり気なく「アヤノ『隊員』」って呼んでたのも第8話のやり取りを踏まえると真剣に彼女を信頼して託そうとしてるのが見て取れてグッときたしで、ここはキャラクターの言動の取り回し方が実に上手かったなと。しれっと呼び捨てにしてるムサシにはお、お前〜!!(照)ってなったけど。w

前線で共に戦いたい想いを示しつつも、仲間達が託してくれた信頼にしっかり応えてサポートし、最後まで仲間達の無事を一心に信じ続けたアヤノの姿もとても熱かったし、このエピソードを通してアヤノのTEAM EYESの一員としての覚悟がキャラクター描写としてもグッと固まったかなという感じがありましたね

 

前回その存在を示唆された後の本格登場となった新装備・テックブースターの活躍も今回の見所。各ユニットのコンディション確認やジュランへ向かう時のワープドライブといった良い感じにSF感溢れるハイテク・スーパーメカ描写で出撃前後の段階からグッと惹きつけてきて、更にジュランでのカオスパラスタンとの戦闘では多彩な武装でコスモスをサポートする様を見せてくる、といった感じで、鳴り物入りで登場しただけあってとても心躍る描写満載になっており、とてもカッコ良かったなと思いますね。TDG期におけるスーパーメカの緻密で少年心くすぐるSF要素マシマシな演出の数々を知る身としてはこういう凝ったメカ描写は猛烈にワクワクしちゃいますよねぇ

 

ジュランへ向かうための宇宙の航行においては宇宙飛行士志望のムサシがテックブースターの操縦で活躍していたけど、ここでフブキ隊員がムサシの腕を買って凄くナチュラルに任せる流れがあったのでクールで良かったなと。前述のアヤノに対する声かけといい今回のフブキ隊員は全体的に仲間に対する信頼の見せ方がスマートで素敵。やっぱここまでの話を経てムサシのことを純粋に信頼してきてる感じあって良いよね

また宇宙飛行士を共に志した仲間であり、夢を叶えた誇らしい存在でもあるミツヤを救うという想いを胸に、EYESの任務の一環としていち早く宇宙へ飛び出すことができたムサシが宇宙の大きさに畏敬の念を見せる様も、「共に宇宙を目指した友との絆」や「初めて直に目にする宇宙」といった様々な要素を巧みに絡める形でムサシの宇宙への想いという部分を強調する描写になっていて実に味わい深かったなと。前回の話でムサシの宇宙への夢というところを改めて強調しておいて、今回の話ではムサシとミツヤの絆の深さを所々で印象深く示す、という細かな積み重ねも上手いところでした

 

そしてコスモスvsカオスパラスタン戦。カオスパラスタンの光弾を俊敏に捌く立ち回りを横視点からの合成を使って漫画的な構図で描くルナモードの演出や、Touch the fireをBGMにカオスパラスタンSをパワフルなアクションで圧倒するコロナモードの活躍など、外連味や爽快感を惜しげもなく押し出した魅せが前編後編一貫して効果的に働いており、実に見応えがありましたね。Touch the fireをバックにしたバトル毎度毎度最高にカッコいいんだよな

カオスパラスタンが岩壁を突き破って出現するシーンやルナモードの一撃で背後の岩を粉砕しながら吹っ飛んでいくシーンなど、岩の破壊を迫力満点に魅せてくる実写特撮の演出も実に豪快で、今回はかなり気持ちの良い特撮多めでした

パラスタン/カオスパラスタンも、華奢な女性的スタイルの青基調のデザインをしたパラスタンに、筋骨隆々の鬼のような雰囲気がありつつ随所の黄金の装飾の意匠が神獣的なイメージを与える赤基調のカオスパラスタンという、カオスヘッダー憑依前後のギャップがこれまでのカオス怪獣の中でも顕著なデザインが印象深く、前後編通しての登場なのもあって実に濃い存在感を残した怪獣でした。奇しくも青・赤それぞれのカラーでのビジュアルや性質の変化がコスモスのルナモードコロナモードと対応してるのがまた面白いところ 放送当時はカオスパラスタンのいかついビジュアルを見て元はどういうやつなんだろうと思ってたらイメージがガラリと変わったやつが出てきて驚いた記憶があるそもそもパーツの一部分が変化するこれまでのカオス怪獣化と違ってまるっきりデザイン変わってるものな

あとカオスパラスタンといえば、象の鳴き声を使ったと思われる鳴き声が個人的にかなり記憶に残る部分。通常状態だとガタノゾーアの鳴き声っぽいものが薄ら聞こえるレベルだけどSになるともう思いっきり象の鳴き声よね。w

 

と、ジュランとパラスタンに狙いを定める形で地球を狙わんとした今回のカオスヘッダーだったけど、それなりに古代のものらしいジュランの碑文にも既にカオスヘッダーとコスモスの存在が示されていた=過去にもジュランで両者がぶつかり合ったらしいと見られる辺り、この両者の因縁というのは相当長く続いてたっぽいな?とコスモスを最後まで観た後だと感じる。この古代の碑文でのウルトラマンの存在の示唆、というのは初代のバラージの神の存在の謎のオマージュぽくて面白いよね

 

 

以上、コスモス21、22話でした。ワロガ編に続く前後編エピソード。今回は刻一刻と迫る地球のピンチに命懸けの覚悟で立ち向かうEYESの面々の心情や信頼を随所で強調するという、SFパニック的展開とドラマを上手く掛け合わせた実に見応えあるエピソードだったなと。テックブースターの活躍やコスモスvsパラスタンのバトルなど、SF設定の魅力的な描写や特撮演出の力の入れようといった部分も実に心躍るもので、前後編エピソードのボリュームに相応しい味わいでしたね。

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた