AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

永遠の物語

仮面ライダーセイバー

最終章「終わる世界、生まれる物語。」

感想レビュー

 

 

遂に物語の終章を迎えました、仮面ライダーセイバー。最初に個人的な印象からぶっちゃけちゃうとセイバーという作品への没入度の低さから自分はこの最終章もあまりノリきれなかったというのが本音ではありますが、熱い構図やセイバーらしいテーマ性の昇華が入れ込まれており、とりあえず「仮面ライダーセイバー」の締めとして綺麗な形に収まったかなと

 

前回から引き続いてストリウスとの最終決戦から始まった今回。飛羽真がストリウスに奈落へと突き落とされたところをプリミティブドラゴンのWRB(というかそこに宿るプリミティブドラゴンの意思)が救うのは意外ながらもストレートにグッとくる展開でした。飛羽真が孤独なプリミティブドラゴンの手を取って救い上げてくれたのと類比する構図として、孤軍奮闘の飛羽真の危機をプリミティブドラゴンが彼の手を取り奈落から引き上げる流れが組まれるのは粋だなと。個人的には最終章で一番好きなとこだったかもしれん しかしクロスセイバーも互角くらいだったストリウスとけっこうタメ張れるプリミティブ、強い(荒々しいファイトではあったけどストリウスに「立ち向かう」ようなテイストを含んだ感じを受けたのがまた良き)

 

倫太郎と賢人が駆けつけた後は、ルナの助力もあり生み出されたワンダーオールマイティWRBで変身してセイバー・ブレイズ・エスパーダの3ライダー揃い踏みでラストバウト。約束を交わし合った本作の顔たるこの3人が、ここで改めて揃って戦う構図を用意したのは作品として一つちゃんと筋を通したなというところで評価できるポイントですね 色んなWRB能力を順序に発動し押していくのも総決算的な味わいがあって個人的にも面白くて良かった オールマイティセイバーについてはここ最近の「最終バトルで通常フォーム」という展開の形式化や「別アイテムで通常フォームと同じビジュアルの形態」という前作と同じ図式に対する個人的な不満感からあー今回もこういう感じね...みたいに思ってしまったというのが本音ではあり盛り上がれなかったところではありますが、あくまで個人的な好みなのでここで色々申すことは致しません 野暮ってもんです

そして飛羽真達に倒されることになったストリウス、最期の瞬間の直前に飛羽真から「物語を紡いできた理由」を問われ、自分の描いた物語を聞いて笑顔になる人々の姿を思い浮かべたところに彼が奥底に秘めていた想いの全てが見えたような気がしましたね 自分の成した創造が全てまやかし、自分が生み出したものではないと知っても、そこから更に生まれる自分や他の人々の喜びをかけがえのないものとしてずっと忘れられなかったし否定しきれなかったんだろうなぁ(それが尊いものだったからこそ、真実を知って絶望し狂ってしまったとも言えるけど)。レジエルやズオスの幻影、自ら手にかけたタッセルといった仲間達の言葉に心乱されるような場面はちょくちょく入れられてたけど、そういうものを心のどこかで否定しきれない人間らしさみたいなところを感じさせるのもまた、ストリウスの魅力だなぁと なんだかんだでセイバーで一番好きなキャラになったかもストリウス

ぽん酢@推しが生きている喜び on Twitter: "「私の英雄」という言葉の意味がガラリと変わるのも好き 飛羽真は自覚してないけど、ストリウスにとっては全知全能の書から解放してくれた正真正銘の英雄だからね… #仮面ライダーセイバー… "

 

その後、世界の滅びが止まらない中で芽依が「あなたの物語が世界を救う」と人々に呼びかけ、そうして人々が想起した物語が繋がり世界を救うという展開へ。この辺は「物語はそれを読んだ人々の中で生き続け、それが新たな物語を紡いでいく」“人々の存在が世界を作る”といった、『物語』というものを軸にしたセイバーのテーマの総決算的な深みがあり、実に良いまとめ上げの仕方だったなと感じます。

物語の生み出す感動や熱が人々の想いや活力、信念を形作り、それを基に頑張る人がいる、というのはある意味現実にも通ずるものであり、それを世界そのものを形作るものとして象徴的に魅せるこの展開は、『物語』を作品の中心的な要素として大きく取り上げてきていた最終盤の作劇の集約という意味合いも込みで、実に良いセイバーらしさに溢れていたなと思いました

思えばプリミティブドラゴンも「それを読んだ飛羽真の想いが新たな物語を紡ぎ、新しい世界/可能性を生み出した」という例であり、そんなプリミティブドラゴンが最後に活躍するのも良き味わいがあるななどと

 

そしてラストは、新たに生まれたワンダーワールドで物語を紡ぎ、始まりの者達やバハト、ルナに見守られ現実へと帰還する飛羽真と、そんな飛羽真を待ち続けた仲間達の再会が描かれる大団円で締め。タッセルや初代マスターロゴス、メギド化勢の面々、そしてバハトにルナと運命に翻弄された人々も最後は笑顔で見送ってくれるというのはなんだかんだでハッピーエンドに相応しい良い画だったと思います。イザクはまぁ...ド屑やし残当(酷)

てかストリウスとの戦いで虚無が自ら飛んできて飛羽真を救ったのを見ると、バハトも最後は世界を救うことを信じ戦ってくれたんやなぁ...と熱いものはある

 

そして物語は、全知全能の書のその先の、更に紡がれる増刊号へ...

 

 

以上、セイバー最終章でした。個人的な没入度はともかく、セイバーという作品として自ら取り上げたテーマ性等にしっかり向き合い、綺麗にまとめ上げた良きラストだったと思います、熱い構図も盛り沢山で見応え自体は自分的にも非常に悪くなかったなと

次回ももうちょっとだけ続くので、しっかり見守ろうと思います

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた