AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

信頼と決断

ウルトラマンコスモス

第31話「ゴンを救え」

感想レビュー

 

 

フブキ隊員、大切な友人のゴンにご執心なムサシを「お子ちゃま」と呼ぶけどどこか微笑ましく見守ってる感じ出してたり、カオスクレバーゴンに相対する覚悟を決めたムサシを見て一緒に行くという決断を静かに受け入れたり、ゴンを倒すしかない時には容赦しないという決断をする一方でゴンが助かってムサシとまた仲良くしてるのを見た時は嬉しそうに出迎えに行ってたり、とムサシへの向き合い方が色んな意味でだいぶやわらしくなってて見てて凄く安心する。なんならちょっと可愛げ感じるまである

 

ムサシの親友のロボ・クレバーゴンがカオスヘッダーに憑依され凶悪な巨大ロボ・カオスクレバーゴンへ!という衝撃の展開から始まる今回。クレージーゴンオマージュながら善側のキャラとして位置付けられてたクレバーゴンがカオス怪獣化を経ることで、車をボディ前面のシャッターの中へ運び流し込んでいくという原典と同じアクションに及ぶ演出に持ってくのなかなか遊びが効いていて面白いですよねぇ この辺はウルトラシリーズのファン寄りの魅せという部分もちょっと大きいとは思うけれど、カオスクレバーゴンが駐車場屋上の車をごっそり流し込むシーンの建物や車、瓦礫のミニチュアとかが割と緻密に作り込まれてたり、カオスクレバーゴンが車を挟み運ぶところで挟まれた車から火花が迸る細かい演出が効いてたりと、きちんと特撮が見応えあるものなのが実に良き あんま動ける感じではないであろうスーツな分、車を掻き込むシーンやコスモスを持ち上げるシーンでパワフルさや迫力を演出したり、エクリプスモードとの対峙の場面を「ムサシの想いを受け取ったゴンが静かに目を閉じコズミューム光線の発射を待ち構える」という“静”の演出に振り切ったりと、アクション控えめな中でこそ際立つ魅せが多かったのも好きなところ。

 

今回のカオスヘッダーは(話の流れの中でもちょっと触れられてた)カオスバグの一件の発展形といった感じで、知能あるロボットに憑依し巨大化・凶暴化させてくる変則パターンの戦法に打って出てきており、そもそもムサシ(というかコスモスか)を直接襲撃してきたのも後のカオスヘッダーの更なる攻勢の伏線になっていたりと、イブリース、メビュートの二大実体カオスヘッダーの敗北を受けてカオスヘッダーも手を替え品を替えで本格的に動き出してきたな...と コスモスのコズミューム光線も大概万能だけど改めて見るとカオスヘッダーの憑依・コピー能力もそれに匹敵する何でもアリっぷりよな

 

前回エクリプスモードに覚醒し勇気の力で奇跡も起こしてみせたムサシ/コスモスだったけれど、ここで大切な親友の命が懸かった状況に直面させることによって、一歩間違えば大切な者を手にかけることになる失敗の許されない一手を打つ勇気はあるか?という葛藤を抱かせ、エクリプスモードの奇跡は恐れを乗り越え必ず救うと信じて挑む“勇気”無くしてはなし得ない、と印象付けてきたのは非常の良い作劇でしたね。コズミューム光線、というかエクリプスモードの力そのものは半チート級のどえれぇものとして今後その強力さを遺憾なく発揮し続けていくだけに、この早期のタイミングにおいてその力を「単に物語上で都合の良いもの」ではなく「ムサシ自身の強い意志が伴って初めて真価を発揮するもの」なのだとするのは大きな意味があることだったなと

またそこにムサシとゴンの友情という文脈を乗せることで、ゴンを救えると信じ挑むムサシ自分の命が懸かった局面でムサシを信じその決断と一手を委ねるゴンの「2人の信頼」もエクリプスモードの力の重要なファクターに位置付けてきたところも凄くグッときたところでしたね。「THE FIRST CONTACT」でのやり取りもあってこそより沁み入るものがある2人の関係性ですが、この本編中の描写でもそれをグッと深めてくる場面があるのは非常にポイントがかったです

 

そんなムサシの決断を促す上で、恐れと不安から自分に自らの手術を託してくれた友人の信頼に応えられず、友人は助かったものの後ろめたさから研究医療に移った臨床医としての過去を語るカワヤ医師が含蓄ある大人として深みのある立ち回りをしてくれたのがまた良かったポイントでしたね。たとえどういう結果になろうとも逃げて後悔するより自分を信じてくれる友の信頼に勇気を持って応えることこそが大事、みたいな、自分と同じ轍を踏んで欲しくないであろうという気持ちから語った想いが、ムサシを自分自身とゴンを信じ勇気を持って踏み出す決断へと至らせ、結果ゴンという親友を救わせてみせたの熱いよねぇ 実質今回のMVPだよ

けっこうシリアスめな過去であんまり人には話したくないかもしれんだろうに、不安に駆られるムサシの心を慮ってか彼の前ではあくまでも「自分の失敗」みたいな感じであまり深刻すぎない雰囲気で語るところがまたカッコいいんだよねカワヤ医師 イケオジやで...なんでいざという時こんなカッコいいのに女性関連ではか い め つ的なのか()

と今回は良い大人なシーンマシマシめだったカワヤ医師、一方で本来の性格である緩くて軽い一面も見せてて、全体的に言動が見てて凄く面白かったですね ウルトラマンモス健康体とかいう特殊すぎる言い回ししねぇだろ() 自分の制止も聞かず飛び出していったムサシを追おうとして、第25話でラミアが開けた窓の穴を通ろうとしたのかムサシに対し回り込むような動きをするけど窓の穴が塞がってて困惑する、という小ボケ入れてたの面白かったw

 

 

以上、コスモス31話でした。ムサシとゴンの絆という部分を軸に据え、エクリプスモードの力の意味・深みをストーリー上でグッと高めてくる作劇がとても面白い回でした。ムサシの想いを支えるカワヤ医師の立ち回りも絶妙で味わい深くてキャラクターの魅せ方もグッド

特撮・戦闘シーン面も工夫の効いた演出多めで見応えがあったりと、ドラマ面以外でも楽しめる部分多しな良回でしたね

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた