AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「それって困るようなこと?」

仮面ライダーバイス

第3話「人質トラブル、どうする兄弟!?」

感想レビュー

 

 

一応生身の末っ子ヒロイン枠的なポジションのさくらが戦力として普通に機能してるのヤバいな?() 人質状態を単独で脱するの強いが過ぎるぞお前 現時点でもう序盤の生身万丈くらい敵捌いてる気がする(

変身できる一輝やしっかり武装してる大二と違ってなまじ特殊な要素がない分相対的に純粋な強さではトップと言えるよなぁ...キャラ説明欄に「実は兄2人よりも大きな可能性を秘めている」ってあるけど「実は」も何も見りゃ分かるよという感じである。w

1、2話では思春期ぽくつっけんどんな態度が目立ったさくらだけど、友達の彩夏と一緒にいる時や、一輝に褒められた時なんかは頬を綻ばせる優しい表情を見せて楽しんだり喜んだりしてたので可愛かったわね

 

今回もデッドマンズと契約した人間が巻き起こす事件というものを軸に話が展開していく形となっていたけど、立て篭りの男・吉田がデッドマンの宿主かと思いきや実は裏で暗躍する真犯人に雇われ良いように使われてただけと判明したり、彩夏の家族に対する隠れた悪感情が意味ありげに仄めかされたりと、次回に繋がると見える要素を多く残す形での引きとなっておりました。前回が「憎悪の連鎖」というところを主題に1話の中で気持ち良くまとめ上げた回だったからというのもあるけど、前後編前提の描き方にしても今回だけだと少々消化不良に感じる部分はあったかなと感じたのは正直なところかなと(平成シリーズの2話構成エピソードと同じフォーマットと思えばまぁ納得ではあるのだけど、なまじ吉田の立て篭り事件が今回の話の中で一応決着して形としてはなんか丸く収まった的な感じになった分ちょっと歯切れが悪かったかなとは。この状態で前後編引っ張る形でも良かったかも)

ただ、幸せそうな者達へのやっかみや粗暴な一面を窺わせる一方、貧富の差への強い不満を見せ、さくらに「誰かが本気の怒りを見せねぇと何も変わらねぇんだ」って言ってる時だけなんとなく優しげに諭す雰囲気の出てた吉田のキャラはなんか個人的な琴線に触れそうな感じがあって惹かれたので、この辺どうか上手く掘り下げて欲しいなと期待しております 色々複雑なバックやキャラ性が含まれてそうである(吉田一応次回も出るっぽいので何気に楽しみ)

 

またデッドマンズとの対峙の中で家族の命を天秤にかけられた際「家族を見捨てることはできない!」と強く言い切る一輝の深い家族愛に対し、「家族ってそんなに大事なのォ?5人もいるのに?」バイスが一輝との感性や常識の違いを見せる一幕があったのも面白かったところ。遠回しに「5人もいるし1人くらいいいんじゃないのォ?」みたいなことを、悪気があるわけでなくそれが普通みたいに言ってのけるこの「自分以外は所詮他人で、結局他人は他人でしかないみたいな一面はやはり悪魔たるところか。1、2話に比べれば流石に多少は物分かり良くなってて愛嬌も幾分か増してたけど、一輝と相容れはしないなぁ

ただ今回のバイスは意図的に悪辣なことや嘘を言ったりしたわけでなくシンプルに一輝の感覚が分からないからこそああいう投げかけをした感じであり(「一輝の当たり前は俺っちの当たり前じゃないのォ〜」という台詞がそれを強く象徴してましたね)、どこか物を知らない子供がなんでそうなるの?的な問いをしてるみたいな雰囲気があったのは重要な部分かなと。「自分以外は所詮他人で、結局他人は他人でしかない」みたいな他人のこと興味ない的な考え方がバイスを占めているならば、そんなバイスが変化できるような取っ掛かりとは詰まるところ「自分自身」ということになるだろうと思うわけで、もう1人の自分とも言える一輝との対話はまさしくそれなんじゃないかなと思ったり。ここからバイスが人間の常識や倫理、情緒を知っていくのが一つの軸になるかも、 などと期待したりしちゃいますね

 

そんなバイスとはまだまだ凸凹な感じの一輝ですが、戦闘シーンでは以前にも増して良い連携をするようになってたのが面白かったですね。リバイがコングデッドマンに向け振りかぶるも受け止められたオーインバスターの刃をバイスが蹴って押し込むことで届かせたり、バイスが後ろから羽交い締めにしてリバイの必殺技をサポートしたりと、明確な強力モーションが増えたのはタッグライダーらしくて良き良き

今回は新登場の形態のマンモスゲノムによる戦闘も見所で、バイスの盾による防御から繋ぐ形でリバイが牙上の剣を使った遠近両対応の攻めへ転じる巧みな連携に始まり、リミックス変身と必殺技を連続で繰り出すスムーズなギミックの魅せが実にカッコ良かったですね。しかしマンモスゲノム、変身時に電王型のマスクが被さった際の変形が思いっきりソードフォームのデンカメン変形ギミックの動きそのまんまだったり、リミックス変身中の戦闘の演出が「デンライナーが走ると同じように次々生成されていく線路の上を巨大なマンモスの姿で縦横無尽に駆けながら敵に突進する」というものだったりと、メガロドンゲノムやイーグルゲノム以上にモチーフのレジェンドライダー要素が濃く出た演出が多かったのが面白かったなぁ(変身音声も「ハナっからクライマックスだぜ!」で、電王お馴染みの台詞「最初からクライマックス」をもじって「最初」を言い換えた「ハナ」とマンモスの「鼻」をかけた秀逸な言葉遊びになってるし) デザイン自体も、ソードフォームの割れたモモとレールの意匠をマンモスの目や牙、鼻にそれぞれ落とし込んだ遊びの効いたデザインになってる他、リバイとバイスとでそれぞれ武器が剣と盾に分かれるようになってたりと凝ってるしなかなか好きな形態である リミックス変身の構造上、バイスに背面にマンモスの顔の意匠が集中してるのもなんか良い

 

そして今回何と言っても、自分の精神的な弱さや一輝に対する複雑な感情に苦悩する様を見せていた大二が一番の見所だったと言えるでしょう。

恐れから仮面ライダーに変身できなかったこと、転じて自分自身の不甲斐なさへの憤りが今なおずっと尾を引き続けているのに加え、自分に代わり変身できたにも関わらず世界全体の平和よりも自分の近くのものばかりに目を向けていたりすぐに駆けつけてくれなかったりする兄への苛立ちのようなものを窺わせる大二の心の乱れようはまだ第3話目とは思えないような荒れ方であり、なんかもう既に闇に堕ちかねない気迫を感じるなと...一輝を兄として尊敬してるからこそ、その分余計に際立ってしまう自分の弱さが許せないし、随所で思うように戦ってくれない兄にも苛立ちを感じてしまう...という複雑なコンプレックスよな(前作の倫太郎も飛羽真に対し同じような感情抱いてたことあったなぁ)

新しいドライバーを目にして「もう弱い自分は嫌だ」と言い変身を改めて志願する辺りも、怯える自分を乗り越えて戦いたいという気迫こそ良しという感じだけど、「自分も兄のように」と付け足す辺りに上記のコンプレックスが深く絡んでいる様が感じられて、平和を守ろうという目的を見失わんとしてる危うさがあってとても不安。私情を持ち込むな、デッドマンズから市民を守るという目的を履き違えるなというフクさん(違)の指摘は正鵠を射ているよなと こういう言動するのを見ると、若林さんは意志のしっかりした人という感じで今のところは信頼できそうである

にしてもここの大二との会話のシーンでのジョージ・狩崎、「ビビってリバイスになれなかったキミがぁ?w」みたいな感じで正確にヤなとこ突いて挑発するような態度が、人の心分かってないマッド感出ていて大変よろしかったわね。前回も変身失敗おじさんこと門田さんが降格言い渡された時「ドンマ〜イ♪」とかへらへらしながら言ったりしてたし、多分こういう苦境に立つ人間を悪気とかなくナチュラルに煽るタチの人間なんだろうな...好きだわジョージ・狩崎。いいぞジョージ・狩崎。

 

でもそんな大二の苦悩を見抜いたかの如く「大二にできることをやれば良い」と言ってあげた幸実さんの言葉通り、人質と交換するためのバイスタンプを持っていきつつも、もしものために一輝に渡すためのスタンプも隠し持っておいてそれで逆転のきっかけを作ったりと、大二だからこそできることをしっかり全うしてはいたのでまだ腐ってるわけではないし、ここからどうか舞って欲しいな...いつかはあのドライバー使って変身する時が来るかもだし、そうなった時はきっと大二が一皮剥けるタイミングだと思うので、そこでのカタルシスを期待したいところね

しかし幸実さん、初回以来ずっと入院してるけど家族との会話で良い味出しててきちんと存在感あるのでとても良いですね 今後も是非とも一輝や大二の導になるような人であって欲しい

 

にしても放送前に大二の変身自体は公式の会見で仄めかされてたとはいえ、新しいドライバーが形だけではあるけどここでもうお披露目とは驚いた 大二がもしそうなるとしたらいつになるかなぁ...タイミング的に1クール行くまでには出そうだし、節目の回か、クローズ登場タイミングくらいの時か 楽しみである

 

 

以上、リバイス3話でした。一輝とバイスの関係性、大二の内面と動向など、今後の展開の軸になっていくであろう要素をよりグッと深める作劇でドラマが展開されていった回となりましたね。なかなか興味深くなるポイント多しで、今後どのように攻めていくのか非常に気になるポイントであります。

次なる変身も示唆され、ここからより盛り上がっていくことが期待されるところ。引き続き頑張っていって欲しいものです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた