AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

人魚超えてぱおん

トロピカル〜ジュ!プリキュア

第29話「甦る伝説!プリキュアおめかしアップ!」

感想レビュー

 

 

「絶対に動いちゃダメだよ...」って言われてマジで動いて良いって言われるまで一晩動かなかったくるるん、お前の意思はないんか???ってなる() 調教されすぎて感情のなくなった奴隷キャラのムーヴなんよ

プリキュアに誤射られた妖精という喜んでいいのか良くないのか微妙な肩書きも手にして、ここにきて一気に存在感を放ち始めたくるるんの行く末はいずこか(大袈裟

 

伝説のプリキュアと夢の中で邂逅することとなったまなつ、一方謎の悪夢にうなされる後回しの魔女から生み出された超ゼッタイヤラネーダの魔手があおぞら市に迫っていた...な今回。ヤラネーダもレベル上げるとこまで上げると水とかいうざっくりした括りのものさえ素材になるの厄介だなぁ

超ゼッタイヤラネーダ、水(というか水源と言った方が良いかもしれん)を素材にしたことによって分身を半無尽蔵に生み出せるというだけでも厄介なのに、その分身がデフォで独立した意思と戦闘力持ってる上にほぼダメージ通さないわ、池やら水路やらホースやら水のあるとこからなら自在に現れ出てくるわでチートが過ぎる強敵だったなぁ...例年だとラスボス手前くらいで繰り出されるような規模の強大さぞこれ?

分身ヤラネーダが市民達をそこかしこで襲撃する光景をサマーが俯瞰で見てるシーン、空気感としては完全にゾンビパニック的な作品のそれだったので日曜朝の女児アニメらしからぬホラーテイストがあってけっこうガチめに怖かったし、良い絶望感を与えてくれた敵であった

分身ヤラネーダにやられてベールに閉じ込められたまなつが目の前で人が襲われるところを何もできないままに見させられたり、やる気を搾り取られまいと気丈に振る舞っても問答模様でやる気パワーを吸い上げられてしまったりするとこも見る人によっちゃあトラウマになりそうなレベルで容赦がなさすぎて、ここもけっこう攻めたなぁ...と震えたところ こういうとこで演出のインパクトを極力緩めないのはとても好感である

 

今回全体的に戦闘のシーンは力が入っていてゴリゴリ動くシーンが多かったけど、部室でのコミカルな攻防にけっこうなリソースが割かれてて他のシーンに負けないくらい見応えあったの凄く面白かった。w 力入れるのここでええんか()

アングルぐいんぐいん変えながらの縦横無尽のアクションが描かれてて、部室という狭い空間であることを感じさせないスピード感とアクロバティックさがあったの魅せ方の妙という感じで大変良かったですね

 

また、ヤラネーダに捕らえられたまなつの救出のために他学校へと向かおうとした4人の前に分身ヤラネーダの軍団が立ちはだかった時、「このまま行こう!」と先陣切って決断し真ん前を突き進んでいったのがコーラルだったのは個人的に非常に熱かったところ。

さんご、全体比として主役回少なめで普段も他のみんなほどグイグイいかないから正直キャラとしては少々弱いという感じではあったのだけど、第3話でまなつ達から教えてもらった「自分の好きを信じて突き進む勇気」とそこを取っ掛かりに経た成長を体現するが如く、まなつのためにここで一切臆することなく他の誰よりも早く真っ先に決断する勇敢さをビシッと見せたのは、さんごだからこそのキャラ性や熱い一面を一気に昇華させた感じがあって面目躍如な最高に良い魅せだったなと感じましたね。まなつ&さんごはプリキュア変身メンバーの最初期の2人だし、転校してきたまなつが最初に友達になったのがさんごという縁もあるしとこの2人けっこう深い縁ではあるので、まなつのピンチにさんごが頑張るという形でさり気なくそこの印象を改めて深めてくれたのもグッド

 

そして駆けつけた仲間達から溢れるやる気パワーを受け取って、まなつは再びサマーへと変身し復活!とここなかなかストレートに熱いシチュエーションだったけど、復活して敵の拘束を破ったサマーが思いっきり某ウルトラなヒーローのグングンカット再現しながら飛び出てきたのが面白すぎてダメだった() 遊び過ぎである。w

まぁそれはともかくとして、仲間達の諦めず戦う闘志とやる気を受け取って再びまなつ/サマーが立ち上がる、ローラ/ラメールがまなつのことを一番に強く心配し、戻ってきたまなつがそれにしっかり応える、というここでの一連の流れはまさしく第10話の流れの再演という感じであり、トロプリのテーマの熱い表現という感じで非常に心躍ったあの回の流れをこの中盤の大きな山場で改めて強く汲んできたのは実に粋でグッときましたね。ここの熱さをしっかり一貫させるテーマ性への真摯さこそがトロプリの魅力なのよな

 

からの無数の分身ヤラネーダ達との戦闘。あえて崩したタッチにすることで大味ながらも荒々しさの出たアクションを演出したり、ダイナミックに攻撃を放ったりする場面で作画枚数を少なくすることによりそこから生まれる動きのカクカクさを大振りな迫力やスピード感へと昇華させたりと、作画のクセを戦闘の外連味へと転換する技法が見事に効いたここの一連のバトルは山場の大一番に相応しい大迫力があり、まさしく今回のエピソードの白眉でしたね。遠巻きのアングルや、駆けるプリキュア達の後に追従する第三者視点のアングルを効果的に入れ込んで、広大さやスピードを存分に見せつける演出も見事でした。流石、ゴープリにおけるフローラのバリバリアクロバティックなバトルも演出してたタナカリオンこと田中裕太さんといった感じでした

上記の技法を用いてサマーのダイナミックな攻撃やラメールの華麗なアクションを演出突撃するフラミンゴの顔面アップのカットを情報量多めの緻密な作画でイケメンに表現攻撃を受けそうなラメールをペケバリアの足場で支え回避のタイミングを作ったコーラルの巧みなサポートをスマートに演出「イヤリングを装着して構えを取りビーム発射」のパパイヤの一連の動きを数瞬のカットの中でスピーディにカッコ良く描写、と各メンバーの戦闘に目を見張る見せ場をしっかり用意し引き立てていたのも最高。フラミンゴとパパイヤのカットはマジでカッコいいんで特にオススメだが、是非一連のシーンとして映像で見て欲しいすね

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "他の部分を適度に崩して温存した分、フラミンゴのイケメンすぎるアップの絵やパパイヤの眼鏡装着してビーム掃射の構えに入る数瞬のカットにめちゃくちゃ力入れてたの非常の良かった… "

 

最後は伝説のプリキュアのくれた大地のリングによりハンドメイドのドレッサーが変化したトロピカルハートドレッサーで繰り出すおNEWの必殺技プリキュア・ランドビートダイナミックでフィニッシュ、と相成りましたが、ここで繰り出される現状の最強必殺技が召喚したでっけぇピンクの象がライダーキックかますとかいう異様な絵面の技だとは思わなんだなぁ() 読めるかこんなもん ミックストロピカルのでっけぇニワトリ(※不死鳥)も絵面のインパクトはでかかったがそれを余裕を超えてきたな...なんで人魚なのに象なんだろう...と思ったけど大地の力で繰り出す技だから象でもおかしくはないか、と後から気付きました いやなんであの絵面になったのか自体はやっぱ謎だが(

因みにこの回の後に放送された同日の仮面ライダーバイスは奇しくも新形態・マンモスゲノムの登場回でした。なんの因果だこれ...

 

と、無事決着自体はついたけれど、今回その姿を現した伝説のプリキュアを起点に、

・伝説のプリキュアが残した「後回しの魔女になってしまった魔女」という言葉

・後回しの魔女が見る悪夢に現れる少女

と、物語の核心に迫りそうな情報が開示されたのは非常に興味深いところでした。

作中で仄めかされた魔女とプリキュアの伝承とかとも照らし合わせるに、後回しの魔女と伝説のプリキュアは元々友達同士だったけど、何かしらの要因で今のようになった魔女を伝説のプリキュアが退けた、みたいなのが真相かなぁ。割とベタなところではあるけど、伝プリ様の態度や魔女様の夢の少女の楽しげな様子を見るに2人が友人同士だったとしたら元はかなり仲良かったのが窺えるし、けっこう重めなバックが見えてきたわね まなつとローラの交流のシーンで象徴的に描かれてた「鏡」が後回しの魔女様の方では割れている、というのも意味深な描写であった

また2人の背景をより突き詰めて考えてみると、後回しの魔女が夢で見る少女のことを朧げにしか覚えてないっぽかったり、バトラーさんが他の幹部陣に「後回しの魔女の前では『プリキュア』という言葉を言わないように」と言いつけていることが今回判明したりと、なんか後回しの魔女様の闇化には第三者が介入した雰囲気もありなんだか不穏。その第三者は誰っつったらバトラーさんが超絶怪しいのだけど(後々何かしら起こしそうとは思ってたが黒幕説濃厚かぁ) 「プリキュア」ってワードがキーになって、いじった記憶が元に戻ってしまうかも、と危惧して色々やってる可能性もあるしとんでもねぇワルの予感もしてきたなぁ...この辺の真相が明かされるのが楽しみね

 

 

以上、トロプリ29話でした。史上最大のピンチ、プリキュアの仲間達の絆の再確認、超絶作画で迫力満点に彩られるバトルと、中盤の山場に相応しい盛り上がりを見せた名エピでした。ここぞの戦闘をここまでしっかりと見応えあるものに仕上げてくれたのとても嬉しいところである

ストーリー面でも「伝説のプリキュア」の登場を軸に話の根幹に一気にグッと迫った感があり、今までコミカルで牧歌的なテンションを主に進めてきたトロプリの物語が遂に大きく動き出したなと。ここが今後の展開をどう取り回していくことになるのか、期待が膨らむところ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた