AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

いつかまた一緒に

ウルトラマンコスモス

第36話「妖怪の山」

感想レビュー

 

 

今回の防衛軍、マハゲノムへの集中砲火で退却させて被害を抑え、結果的にとはいえヤマワラワのいるところへ追いやり撃退へと繋げる、となかなかのファインプレーですね

...いつものいらん介入しがちな防衛軍じゃないみたいだぞ!風邪ひいたか!?(クソ無礼発言)

防衛軍も形としては普段からちゃんと戦って市民を守ってたりしてるんだけど、役割上ストーリーにおいてはヘイトを多少なりと溜めることが多いのでこんなストレートに良い扱いされてるとこう...驚く(なんだと思ってんだ)

 

第9話以来の再登場となるヤマワラワをある種の主人公に据え、山を降りたヤマワラワが繰り広げる村の子供達との交流や悪鬼マハゲノムとの大決戦を描くコメディ的なエピソードの今回。第9話では山林を悠然と歩く独特の神秘性を醸した演出が目を惹いたヤマワラワでしたが、今回はトラックに乗り込んで移動したり道路をのっしのっしと歩いたりと現代的な舞台にて動き回る姿が描かれており、そのギャップが前回と違った面白さを生み出していましたね。道端の犬に手を差し出そうとしたら思いっきり警戒されて吠えられ慌て始めるヤマワラワの絵面が凄く愛嬌あって好き。w 

ちなみにヤマワラワが乗り込んでいったラクダ便(前作ガイアにも登場した運送会社。こういう小ネタ仕込むのとても好き)トラックの運転手のおじさんはコスモスにも参加されている市野龍一監督が演じられてたとのこと。言われてみるとたしかに、この恰幅の良いおじさまは...!となる見慣れたお顔でした

市野龍一★『Angel Sync 333』絶賛撮影中 on Twitter: "実は出演してます。 妖怪ヤマワラワを知らずに街に運んでしまうラクダ便のおじさんを演じてます。20年前の市野がそこにいます! #ウルトラマンコスモス #ヤマワラワ #ラクダ便… "

 

今回は初めての単独調査を任されたアヤノも物語の中心となって描かれておりましたが、EYESへの通報を受けて駆けつけたのにパンピーの子供と間違われてだいぶ軽い扱いを受けるのあまりに不憫で笑った まぁ本人も本人で今までにも増してドジしまくってたんで致し方なしなとこあるけど...w マハゲラが祭りの出し物になってる村で急に「マハゲラがこっちに向かってるんです〜!」って言ってもそら大ボラ吹いてると思われますわ 避難の要請なんだから「怪獣がこっちに向かってるので逃げてください!」って要点踏んで言いなさいちゃんと(

またヤマワラワを発見し一時は警戒するも、その後すぐにヤマワラワともヤマワラワと友達になった村の子供達とも仲良くなっていく、というほのぼのとした一幕もあり、この辺は邪気のない相手と触れ合い、また語らうことで自然と打ち解けていくアヤノの良さが出ていて良かったなと。こうやって意識せずとも相手と通じ合うスキルみたいなのはムサシもあんまし持ってないし何気にアヤノの隠れた長所と言えるかもね 警戒してた時は一応EYESらしい真面目さを見せてたのに、ヤマワラワに優しくされたり子供達に振り回されたりしてどんどん子供っぽい言動になってく辺りが緩いなぁ...って感じではあるがw

 

終盤のヤマワラワvsマハゲノム戦は人型怪獣同士のスピード感溢れるパワフルなバトルが展開され、今までのコスモスで描かれたことのなかった構図なだけにかなり見応えがありました。てかウルトラシリーズにおける怪獣vs怪獣はやっぱりウルトラマンvs怪獣とは違うパワフルで生々しい迫力や緊迫感が生まれるので良きですな そこに子供達や村人達がヤマワラワを応援するというヒーロー的ロジックがアクセントとして加わってるのも面白いところ ストレートにヒーローを応援するのとはまた異なる感じのグッとくるものがあるね

コスモスの戦闘中に流れてた新挿入歌「僕達のエネルギー」も、戦闘を熱く盛り上げるロックな曲調とはまた異なった、ヒロイックさを織り込んだ優しいメロディが聴き心地の良い一曲でとても良かったわね

 

最後は元いた山へと帰らねばならないヤマワラワとの別れを子供達が惜しむ中で、子供達の1人・サクラが「友達みんなや捨てられた動物達が一緒に暮らせる大きな家を建てて、そこでヤマワラワも一緒にいられるようにする」という夢を掲げ、今はさようならしよう、とヤマワラワに別れを告げ見送るところで締め。

ヤマワラワとの思い出をいつまでも大事にして、いつでもヤマワラワと一緒にいられる場所をいつか作ろうと誓う子供達の真っ直ぐな想いが話を締め括る、というオチは、「大人への成長」によりいずれ訪れてしまうヤマワラワとの離別が切なく描かれた第9話のテーマに対する一つの希望を示す形の実に沁み渡る味わいがあって良かったなぁ...「人が子供の心を失っていなければヤマワラワはきっとまた現れてくれる」というところは第9話の最後にも触れられていたので、それを体現する子供達の想いをラストに持ってくるのがとても粋であった コスモスの世界のその後というのは今現在の作品でも時折描かれるけど、「ヤマワラワも一緒にいられる大きな家」もそこにあったりすると良いよなぁ、とか思ったり

 

...しかしヤマワラワと普通に話してた民宿の女将、何者(第9話でもミステリアスな雰囲気は出してたが、もしや妖の類だろうか...)

 

 

以上、コスモス36話でした。ビターでシリアスな雰囲気漂う第9話とは趣を変え、子供達との温かな交流やドタバタを中心にして最後は希望を示して締め括るという明るい雰囲気をエピソードになった、心温まる回でした。ヤマワラワを取り巻く子供達の純粋な心を美しく描き上げたこの着地はヤマワラワ関連のエピの続編として非常に良かったなと。SF特撮的なテイストとはまた異なる、こういう不思議な出会いって感じのファンタジーエピもまた楽しいよねぇ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた