AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

なんでJKに技かけてんの?(

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第10話「揺れるココロ」

感想レビュー

 

 

今回の話で発生したトラブル、ほぼイグニスのせいじゃねぇか!!やっぱアイツ宇宙に放逐した方がいいんじゃない?(鬼畜)

最近なんやかんやで仲間っぽい雰囲気出てきてたイグニスだけど、ダーゴン唆してユナ達にそこそこの迷惑かけた上にザラガスまで呼び起こす形になったのに1人あっけらかんとして退却する辺り、やっぱり大元は特定の誰かに肩入れしたり情を抱いたりって感じではない自由人気質のトリックスターだな...って感じね ケンゴ達や地球人自体に深入りするほどの情は現状抱いてないし、サタンデロスの件もヒュドラム絡みだったことや「星を蹂躙する者」への憤りがあったからこそ拘ってただけだし 

まぁ話の雰囲気的にも戦犯じゃねぇか!!などと感じるほどキャラの印象悪くするような立ち回りではなかったので、そこら辺の塩梅でイグニスのトリックスター的な側面を改めて印象付けたのは地味に絶妙な作劇だったと思いますな

 

ユナに抱き始めた仄かな恋慕に揺れるダーゴンの姿を描くエピソードとなった今回。闇の3巨人自体がここ最近でちょっと緩いキャラ付けもされるようになっていってたのでその一環と見れば突飛というわけでもないとはいえ、ここでこんな露骨にギャグっぽい崩し方するの正直いかがなものかと当初は少し思っておりましたが、イグニスに容易く乗せられて「壁ドン」だの「よしよし」だの俗っぽいこと言い出す単純さとか脳筋ムーブのせいで女子をときめかせる仕草がただの暴力と化してしまうぶきっちょさなど、ダーゴンさんの生真面目さがいちいちズレた方向性にぶっ飛んでく話になってて不覚にも面白かった。w 張り手壁ドンの跡がずっと残っててその後もちょいちょい映るのウケる

てかダーゴンさん、イグニスとフツーに話してたけどヒュドラムから聞いてないんだろうか() それとも好敵手としてるトリガー以外は別にどうでもいいからと記憶の片隅にも留めてなかったのか

 

一方で、今まで人間を弱き者として下に見ていたダーゴンさんがユナに惹かれる感情を起点として、ピンチに陥ったユナ(とアキト)を救う行動を取る、というダーゴンさんの変化の兆しを見せる展開があったのも興味深かったところ。ダーゴンさん武人気質ではあるけどそれ故に仲間や目の前の好敵手、ターゲットに見定めた相手のことしか気にせず、足元の小さくて弱い人間達には良くも悪くもなんの感慨も抱いてない(トリガーを誘き出すために街をぶち壊したりとかは平気でしてたし)みたいな良くも悪くも一途というか、大きな力を持つ戦士故に自分より下の存在をナチュラルに歯牙にも掛けないところがあったと思うんだけど、そんな彼がちっぽけな人間の1人にすぎないはずのユナに惹かれたのをフックとして、彼女の言葉に耳を傾け、最後には彼女を守ろうとする、という感じでミクロな視点の興味からマクロな括りの変化の兆候へ順々に繋げていくのはダーゴンさんの意識/内面の変化の描き方としてけっこう理屈が通っていて巧かったなと感じましたね。まぁダーゴンさんとしては強さを追い求める故の行動みたいなところもあるのでまだ人間への情みたいなものはないし、この先どう転ぶかはまだ見てのお楽しみという感じですね

またユナを気にかけ度々守ろうと動いていたアキトの姿を目にしたことで、ダーゴンさんが彼を自分と同じくユナに恋する者と見抜き、自分の恋の好敵手と認める流れになるのは成る程そうきたかと意外なところを突かれました。w ダーゴンさんがユナに恋、という字面のインパクトそのものの大きさに気を取られててそこの共通性には気付かなかったな...ユナの前だとその辺の恋愛感情を出すのを恥ずかしがるアキトがいずれユナに急接近するとしたらダーゴンさんとのあれこれがきっかけになるかもなんでここは今後注目していきたいですな

ダーゴンさん、闇の巨人という敵サイドの存在故の価値観や倫理観の差異こそあるけど、気になったことや興味を抱いた人物の言葉には積極的に耳を傾けて自分の行動に反映させる生真面目さ(というか素直さ)や柔軟さがあるし、やっぱり闇の3巨人の中だとダントツでとっつきやすいよなぁ。他がナチュラルに邪悪な思考と凶暴性持ってるんで比較がしやすすぎるってのがデカいが() てか作劇的にこの先、カルミラやヒュドラムにも変化の兆しとか訪れたりするのかな...?個人的には敵なら敵でしっかり引き立てて欲しいけど、可能性としてはなきにしもあらずなので気になるところ(カルミラは原典のカミーラのイメージ的にワンチャンあるかもだがヒュドラムは...厳しくない?)

 

今回の怪獣はザラガス。登場自体はX以来、ウルトラマンと戦うのはギンガの時以来というご無沙汰っぷりでしたが、ギンガの時に出てた第3形態がCG合成によるものではあったけど登場してたのが地味に嬉しかったりと、存在感はしっかり出てましたな

今回のザラガスの一連のシーン、辻本監督お馴染みの細部に拘りに拘ったミニチュアや合成が随所にふんだんに盛り込まれており、これによって街を闊歩する怪獣としての威圧感がググッと増していたのが実にグッドでした。車や電車といった乗り物が移動する細かな演出、駐車場の地面を砂塵を巻き上げながら突き破り無数の車を揺るがして姿を現すシーンの臨場感の創出など、ザラガスの怪獣らしいパワフルさを存分に出すことに注力した特撮は見応えアリだったなと

特にマンションの隣り合う2室の内部からのアングルを交互に入れ換えながらトリガーとザラガスの戦闘を追う演出は、その見せ方の新鮮さもさることながらニュースを映すTVや部屋の中を動くルンバの様子などといった細かな部分のミニチュアの拘りが凄く、終始見惚れてしまいましたね TVの怪獣警戒情報ニュース内の映像が外で戦うトリガーとザラガスの戦闘をリアルタイムで映し出しているところが面白くて好き 辻本監督曰くルンバ動かす演出はかなり大変だったとのこと。お疲れ様です

辻本 貴則 / Takanori Tsujimoto on Twitter: "ミニチュアに液晶テレビをお願いしたらなんとルンバも用意してあって「うわー、動かしたい!」って急遽、操演していただいた。急な思いつきなので針金で引っ張るのみ。隣の部屋にカメラが移動している間に急いでルンバを部屋の中央に戻してまた引っ張るという…地味に高難度! #ウルトラマントリガー… https://t.co/qcG4IMumUz"

ザラガスに吹っ飛ばされアキト達の頭上を舞いザラガスの向かいへ突き落とされるトリガーを豪快なカメラアングルで追う演出も迫力があって見応え満点であり、今回は総じて辻本監督の拘りの特撮がこれでもかと詰め込まれた回だったなと。ニュース映像で飼い犬のムーちゃんも出てたしねw よそが怪獣警戒情報流してる時動物番組流してるあの局テレ東では(

 

トリガーvsザラガス戦はザラガスの変身能力をしっかりと攻略を要する脅威として軸に据えた展開運びがなされていて、ファルコンとの連携やパワータイプの怒涛の攻めなど見所多しだったのが実に良かったところ。フィニッシュもパワータイプのデラシウム光流でカッコよく決めてくれてたのが乙なポイントであり、これでサークルアームズを用いない各形態の必殺技がそれぞれ本編上でフィニッシュを飾ることになりましたね ある程度話が進んで販促も緩くなったからかサークルアームズの使用も少なくなっており、この先も直接戦闘はちょいちょい描いて欲しいね でもすっかり使われなくなったパワークローくんはマジで不憫() あんな絶妙に使いづらい形状じゃなきゃあな...

そしてラスト、前回新たに解読できるようになっていた記述に加え、更なる記述が増えるという変化が石版に起きるも、そこに描かれていたのは、太古の昔ユザレが戦った闇の巨人には今確認されている3人以外にもう1人いたこと、その名前が「トリガー」であったことを示していた...というところで締め。ケンゴの回想と併せ、闇のトリガーの存在が遂に大きく本編の首をもたげてきましたね 前回のラストに増えた記述から「太古の昔、および現在において怪獣を呼び寄せる基になっている高エネルギー体」というエタニティコアの情報も明かされたけど、それが霞むほどの重大情報でしたわね 次回の展開が展開だけに、闇のトリガーの存在がどう絡んでくるか、は気になるところである

 

 

以上、トリガー10話でした。ダーゴンさんメインのギャグ回でありつつ、その内面の変化の兆候を割とロジカルに描いたドラマ面が面白く、且つ遂に本編にその存在を大きく現してきた闇のトリガーが更なる波乱を予期させるなど、けっこう見どころ多しな回でした。辻本監督ならではの凝った特撮も満足度が高く、総じて大いに楽しめた回だったなと。そろそろ折り返しだし話が大きく動きそうだなぁ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた