AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ミジンコとオカルト女子大生

ウルトラマンコスモス

第41話「緑の逃亡者」

感想レビュー

 

 

今回久々に登場したカワヤ医師、賑やかしになるわけでもストーリーの中心に大きく絡んでくるというわけでもなく単純にカスミの精密検査を担当する役割として登場し、彼女の身体の異常についてフブキ隊員に説明したり彼女を治療したりと純粋に医師として活躍するシーンに比重が置かれていたのなんか良かったよね。治療中のカスミへの「カスミちゃん、頑張れよ〜...」「我慢しろよ」っていう優しい言い方が凄くカッコ良くて好きだし、いつもの軟派な雰囲気とは異なる医師として仕事に向き合ってる時の彼の人となりが窺えたのも良き

「医療基地の人達の分析結果がヒウラキャップ辺りを通じてフブキ隊員へと伝えられる」的な流れでも描写としては全然問題ないところを、その道の人であるカワヤ医師を出番の多少に関わらずちゃんと登場させて色々語らせたりするところに、それぞれに配したポジション・役割を単なる飾りの設定にさせない的なキャラの扱いへの拘りが感じられて凄く感心しましたね(その部分を強調する上で、カワヤ医師の魅力の一つであるいつもの軟派な部分を今回は敢えて排し描かなかったのも好感) やはりキャラ描写とは単に濃いキャラ面を押すだけではなく、各自の純粋な人となりやポジションをしっかり活かしてこそだなと

 

今回は第23話に登場したオカルト研究会の少女・三条寺カスミがまさかの再登場、23話で絡みのあったフブキ隊員とまたしても深く関わっていくストーリーとなりました。前に散々振り回されたのが影響して若干苦手意識があるからか、良いように弄ばれるフブキ隊員面白いな...w ミジンコ...(

 

逃走してきたグリーンベルト星の植物生命体に植え付けられた種子により引き起こされる突然変異が原因で死の淵に立たされ、更にグリーンベルト星の生命体の抹殺を目的とするエクステル星の殺戮兵器に追われる身となってしまったカスミに寄り添い、彼女を守るべく必死に戦うフブキ隊員にフォーカスしたストーリーとなった今回でしたが、いやはやひたすらにフブキ隊員がカッコ良い回でしたなぁ。衰弱するカスミに寄り添い気遣う時の物憂げな表情や声色、気丈に軽口を叩くカスミにぶっきらぼうながらも言葉を繋ぐ様にはフブキ隊員の秘めたる優しさが滲み出ていて凄くグッときました

何よりクライマックスのパートで生死の境を彷徨うカスミに対し語りかけた時の

「まったく...困ったオカルト女子大生だ...
人をミジンコ扱いしやがって...
特ダネはどうした?...スクープは?

...心霊ジャーナルのグラビア飾んだろ?

悔しかったら幽霊がいること証明してみろよ...!
カラオケなら俺が連れてってやる...

恋人が欲しけりゃ...俺がなってやる...
だから...だから死ぬなよカスミ!」

という一連の語りは空気感や息遣いの表現が凄く綺麗で、まさに今回の白眉たる名シーンだったなと。それまでなんだそりゃみたいな感じで流してたカスミのオカルト絡みの話題をフブキ隊員が「カスミの目標にして生きる活力」と捉えていて、それらを彼女の命を繋ぎ止めるために振り絞るように言葉にして投げかけていく姿が見ているこっちもとても惹かれるんですよねぇ...めちゃくちゃカッコよかったよ このシチュエーションで「恋人が欲しけりゃ俺がなってやる」って言ってのける漢、女じゃなくても惚れるで

 

そんなフブキ隊員の数々のカッコいい姿を見事に演じ上げた市瀬さんの演技は素晴らしかったですね 表情や声のトーンの繊細な変化の付け方がとても素敵でした

またアンドロイドとの格闘シーンではぶん投げられたり吹っ飛ばされて物に突っ込んだりするシーンのスタントを生身でやってて臨場感が高く、アクション面の演技も非常に見応えアリで良かったですね なんかちらほらとカースタントも自分でやってたというコメントがあったので、よく見てみたらサイドバクターに追われてるシーンで実際に市瀬さんがシェパードを運転してるっぽかったわね すんごい...

 

そんな今回のエピソードの敵は、グリーンベルト星の生命体殲滅を目的として、地球に逃げ込んできた植物生命体を追ってやってきたエクステル星のアンドロイドと最終兵器たるロボット・サイドバクター。カスミ、引いては地球は彼らのいざこざに完全に巻き込まれた形なので今回も一件は傍迷惑極まりない事態だったわけだけど、星を追われ地球へと降り立った未知の生命体とそれを追って現れた冷徹な殺戮マシン達、そこにふとしたことから巻き込まれていってしまう少女、という筋書きはなんともSFサスペンスらしい展開運びで面白かったですね

しかしエクステル星のアンドロイド、迷彩服を纏った髭を蓄えた大男というビジュアルのシンプルな厳つさも去ることながら、演者さんの軸が全くブレない、且つ表情がピクリとも動かない徹底して機械的な演技がめちゃくちゃ怖くて存在感は抜群でしたね なまじ人間の見た目してるのがリアルな危機感を体感的に煽ってきて余計怖いみたいなとこもあったし にしても生命体の殲滅用のアンドロイドのビジュアルにあの厳つさ詰め込んだみたいなビジュアルを的確に選んでくるエクステル星人のセンス冴えすぎじゃない?()

そして巨大な戦力として姿を現したサイドバクター。飛行形態と人型形態の2形態を有するロボというとこでこの前登場したヘルズキングと趣は似通っているけど、2形態の変形がかなり大胆でイメージがガラッと変わる&人型形態が生物的な見た目をしていたヘルズキングに対し、サイドバクターはちゃんと変形機構がビジュアル的に分かりやすい変形をしていて且つ人型形態も飛行形態もザ・ロボットという感じのメカニカルさ全開のデザインをしていたので、差別化がしっかり図られていたのは面白いポイントでした。男の浪漫的にはサイドバクターの方が萌えるわね 

重厚感溢れる動きでコスモスと繰り広げる攻防もとても見応えがありましたね コロナモードお馴染みの投げや打撃の応酬が映える 前のヘルズキングとの戦いといい、コロナモードはカオスヘッダー絡み以外での普通に粉砕して倒すようなタイプの敵を相手と戦うために形態としてポジションを確立し出してきたね

てかサイドバクター、しっかり玩具映えしそうな変形機構が用いられた2形態仕様といいストレートにロボットとしてカッコいいデザインといい、純粋なロボットとしての完成度かなり高くて良いよね 変形DXサイドバクターとかあったらワンチャン欲しいかも 新型特空機の候補にどうですかストレイジさん

 

ラストは無事目覚めたカスミとの約束を守り、デートとして一緒にカラオケを訪れ歌うフブキ隊員とカスミの仲睦まじげな画をEDテーマに乗せてお送りしながら締め。EYESメンバーの恋愛描写を細かく描いてきたコスモスですが、フブキ隊員も遂にフラグを回収してきましたねぇ 爆発しろ

ここのシーン、EDの入りと同時にフブキ隊員とカスミのカラオケでの歌唱のシーンもED中に映される構成になってるんだけど、口の動きを見ればわかる通り映像中で2人が歌ってるのがEDテーマと同じ「君にできるなにか」になってる、というかEDで流れてるのに合わせて2人も一緒に歌ってる感じの映像になってるのがなんともニクい演出。コスモスでも今まで何度かあったように平成シリーズではこういう本編と地続きになる描写がED中で描かれることが多々あるけど、その構成を上手いこと活かした名演出だったなと。こういう洒落の効いた演出、ニュージェネシリーズでもやって欲しいけど、ニュージェネではしっかりEDはEDという形で組まれてる感じなので難しいかなぁ 一応Zの第13話でそれを意識したEDはやってたが(総集編的な回だからこそやれたのかもだけど)

てか「君にできるなにか」は第24話でもそうだったけど、コスモス世界の劇中歌としてしっかり設定されてるっぽいな 特になんてことはないがなんか面白いところ

 

 

以上、コスモス41話でした。フブキ隊員のカッコいいところ、優しいところ、全部ひっくるめて魅力の詰め込まれていたと言っても過言ではない良エピフブキ隊員回でした。やっぱクライマックスのカスミに向けての台詞が好きすぎるなぁこの回

そして今回が聴き収めとなるEDテーマ「君にできるなにか」ですが、最後の最後に非常に粋な使い方がされていてここも実に良かったですね(本来は今回の41話から新曲にバトンタッチの予定だったそうですが、よくぞ1週延ばしてこの演出が入る回で締め括ってくれたと感心するところですね)。総じてエモーショナルな演出に溢れており満足でした

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた