AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ダダvsクレージーゴン

ウルトラマンコスモス

第44話「ギギvsゴン」

感想レビュー

 

 

異次元人ギギの地球侵攻やヒウラキャップとサワグチ女史の関係を描く、第17話から地続きとなった今回のエピソード。前回のエピソードのメカレーター怪獣と併せ、2話連続で以前に登場した怪獣/宇宙人の再登場/アレンジを扱うエピソードとなったけど、こうして既存の要素を単発のエピソードで改めて扱えるのも全65話という長期シリーズ故のコスモスの強みと言えますね それでいて絵面が以前と同じにならないように、新しい要素を追加するなどして特撮的にもドラマ的にも広がりを持たせるのがまた巧い

 

今回は新たな移住先の次元が見つかったにも関わらず地球侵略を諦めようとしない過激派の軍人と、軍人の作戦を阻止せねばならないと考える穏健派の科学者という、ギギ族間での対立が一つのテーマになっており、穏健派の科学者XX01(ギギドクター)が新たなギギとして登場しサワグチ女史達と共に軍人達の進軍阻止に奔走する作劇が目を惹く展開運びとなっていました。異次元人も全員が侵略者ではなく心優しく分かり合える存在が確かにいること、引いては考えの違いで対立することとなるのは人間だけでなく異次元の種族も同じことを示すこの構図は他のウルトラシリーズの宇宙人等でもたまに描かれているものだけど、他者と理解し合うことの尊さをテーマの一つとして描くコスモスにおいてはより温かな深みが出ますね。

にしても特別誰かに迷惑をかけなくても良いであろう移住先が見つかったにも関わらず、 依然地球への侵攻に拘る軍人達の思考はなんというか、悲しいよなぁ...わざわざ戦いに行くだけで減らすこととなる労力もあるのに、必要に迫られていない中で誰かと争う必要なんかないじゃないかと思うのだが(移住先の惑星が見つかったのに、最初の侵攻で苦渋を舐めさせられた復讐と言わんばかりに地球を執拗に狙うようになったバルタン星人に通ずるものを感じる バルタン星人の方は同胞沢山やられたしまだ分かるけどさ...)

 

ギギの次元移動装置破壊のための行動が開始された際には、ギギドクターに扮したシノブリーダーとムサシが囮になってる隙にギギ族の縮小光線で小さくなったヒウラキャップ達がゴンの中に入って移動する、という作戦が展開され、ここはゴンの存在と味方側のギギというポジションのギギドクターの存在の両方を上手いこと絡めた面白い作劇でした 強いて言えばキャップ達が小さくなってゴンの中にいることが微妙に分かりづらいカット割りだったりしたのは少し気になったので、ここは割と露骨にやっても良かったかも、とは なんかこの辺は戦隊ロボの換装ギミックとかをめちゃくちゃ有効活用してバリバリに販促回してた武上さんの手腕が応用されてる感じあって良いね

 

後半では巨大化したギギとコスモスの戦闘が開始されるも、以前弱点だった頭部を防御できるバリアを装備した上、巨大なまま3人に分離して戦えるようになったギギ達の隙のない攻撃にコスモスは絶体絶命に、というところで、ギギドクターの機転でゴンがなんと巨大化!!クレバーゴン・ジャイアントとして助太刀しコスモスを救う展開が描かれました。ギギの縮小光線の逆転で巨大化光線というところに繋げ、それをゴンを巨大ロボットとして繰り出す流れに持ってくアイデアはかなりキレキレで絵面的にもとても面白かったですねぇ オマージュ元的に言うとダダとクレージーゴンが戦ってるようなもんだから、当時としてはウルトラマニア的にはなかなか凄い絵面だったのではなかろうか。w

しかしギギの方も予備動作無しで自動で頭部を守れるバリアだの分裂能力だの、けっこう良い感じの強化施してきてて前回とはまた違う強敵感ありましたね 今にしてみると、せっかくだから前戦った時にはなかったエクリプスモードとの対決も見てみたかったなとも思うわね それに今回はホラー感溢れる不気味な動きだけでなく、ゴンに後ろから小突かれて痛がったり、2体で頭ぶつけ合って盛大にすっ転んだりと、人間臭いコミカルな動きが多かったのも面白かったなと。w この辺も後半になってちょっと人間臭さが滲んでたダダっぽいなと

 

最後には次元移動装置を止めるため再び異次元へと戻っていくこととなったギギドクターとの別れが描かれると共に、「XX01は女性」という事実が知らされたことで「サワグチ女史がギギドクターに異性として惹かれているのではないか」という疑念からずっとモヤモヤしてたヒウラキャップがちゃっかり元気を取り戻すというコミカルなオチが描かれて締めとなりました。ギギドクターが実は女性という設定は劇中でも語られてたように「XXが染色体の雌を指してた」というところでおもくそ目に見える形ながらもすぐにはピンとこないところで示されていたというのが絶妙な言葉遊びで面白かったですな 声が男なのも「翻訳機の音声やんけ」で説明つけるの上手い。w ギギドクター、あんましガンガン絡むキャラではなかったけどちゃんと活躍もしてたし、夫や子供のために勇敢に戦った女傑というキャラからサワグチ女史との女の友情も描かれたりとキャラ描写として目を見張る部分も多くて良いキャラクターデザインでした。もう会うことはないだろう、なんて言ってたけどグルマン博士的なポジションで出すのにも良さそうだと思うので、いずれはニュージェネで別世界の別のギギドクターの人がレギュラーで出たりしないかなぁ、と密かに期待してたりする

 

そしてヒウラキャップ、サワグチ女史のことが心配ながらも自分からわざわざ会いに行くのを恥ずかしそうにしたり、指輪のことなどから上述の通りサワグチ女史がギギドクターを異性として意識してると思ってモヤモヤしたりと、昔恋人だった頃のサワグチ女史に対する想いがまだ途切れてないのを感じさせる、いつもの大人な姿とは違った様子が愛嬌あって良かったなと。w(彼の気持ちを察してちょっと意地悪気味に行ってみたらどうですと勧めたりするシノブリーダーが要所要所でさり気なく良い味出してた) ギギドクターのことを最初は疑いつつも、サワグチ女史が認めた男ならば信じるぞ!と男らしく信じ、サワグチ女史のことを彼なりに尊重したりとカッコいいところもあったけどね ギギドクターは女だったから一人相撲だったけど()

 

 

以上、コスモス44話でした。ギギ編の実際的な続編的エピソードであり、ギギの侵略やヒウラキャップとサワグチ女史の関係といった前回からの地続きの要素をさらに深めつつ、ゴンやギギドクター等のキャラクターやギミックを上手く絡めたストーリーとして楽しく観られました。最近はメッセージ性高めのエピが続いてたので、アクセントとしてこういうエンタメ性に振った話も良いですな

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた