AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

天と地の遊園地

ウルトラマンコスモス

第45話「遊園地伝説」

感想レビュー

 

 

ムサシとアヤノ、恐らく休日ってことなんだろうけどそれでしれっと一緒に遊園地デートしてるってことはそれはもう、つまりそういうことだよね(言い方) 前々から伏線自体はあったけどここまで言い逃れしようもないのはほぼ初じゃなかろうか

この2人の関係性もクライマックスに向けより完成形へ近付いてきたなと

 

摩訶不思議な存在・ムゲラが住むと言われる遊園地・ファンタジーランドが惜しまれながらの閉園を間近に控えているその時、宇宙から謎の飛行物体が地球へと迫っていた、という粗筋の今回のストーリー。遊園地という煌びやかな雰囲気を纏ったやや浮世離れした場所を舞台に、色んな人々がムゲラの存在を楽しげに噂し親しんでいる様が不思議な温かさを含んだファンタジー色強めなテイストになっているのが特徴の変わり種回でしたね。

中でも、基本的にムゲラのことを信じてない(否定する)人間が本編中に出てこなかったというのはなかなかユニーク且つ個人的に新鮮だなと感じたところで、これがあったからこその心和む空気感が形成されストーリーを引き立てていたなと感じますね。最初は宇宙船に乗って飛来してきたムゲラの同族達を警戒してた防衛軍の佐原司令官達も、特にこうだいのお父さんがムゲラの心配をする息子を諭すシーンは、彼の語りかけ方の中に彼がムゲラをごく自然に信じ受け入れているからこその優しく寄り添う雰囲気が感じられてなんか沁み入るものがあり良かったね...夢や幻想を純粋に信じる心が生む優しさみたいなものが感じ取れるなと

 

またコスモスやEYESがあまり派手に立ち回っておらずこの2要素無しでもほぼ成り立つくらいの作劇だったのもこの話の独特なポイントでした。たまにウルトラシリーズでもこういうのあるけど、横軸を広げる意味ではアクセントとして面白くて良いよね。フォーマット的にウルトラQ系統の一エピソード的な印象も受けましたね 怪獣等の存在を起点にしつつ描かれる人間ドラマは良いよね...

 

そんな本話の主役とも言える存在のムゲラ、エイリアン的な生物感が高いながらももこもこしたマスコット然としたデザインがなかなか可愛らしく、映像中にはそこまで長いこと映らないけど印象深いキャラですよね。見た目焼きマシュマロみたいな感じある

最近でも「かいじゅうステップ ワンダバダ」にムゲちゃんとして出たりと何気に優遇されているので、何かの機会があれば現代のTVシリーズでも見てみたいところ でも流石にスーツもう残ってないのかなぁ

 

後半では謎の飛行物体=地球に残されていたムゲラを迎えにやって来た宇宙船と、それを敵性存在と見做した防衛軍との一触即発の展開がありつつも、コスモスの手助けもあって無事にムゲラが帰還していく様が描かれました。宇宙船のレーザーを弾きつつ、飛んできた防衛軍の戦車の砲弾を全て回収し防衛軍の下へそっと返すという形で両者の衝突を防いだコスモスだったけど、砲弾を返した後で拳を固く握り締めながら防衛軍の面々に凄むという絵面はなかなかレアだったなぁ あんな露骨にキレてる感出して人間を威圧するのこれまでのウルトラマンにもあんまなかったと思うし ウルトラマンは人間が宇宙の和を乱す者になれば人間相手にも等しく戦いに来うるし、そうなったら人間は無力なんじゃよというある種の警鐘ぽくもあったなと。

まぁ見た目ファンタジーなムゲラの同族達もあんなクソデカの宇宙船に最低限レーザー発射装置くらい配備していたわけで、そこで防衛軍と衝突して下手に攻撃されたらヤバい宇宙戦争になりかねなかったし、アクシデントが重なったとはいえ迂闊に攻撃した防衛軍に怒りたくなるのは分かる

最後には遊園地そっくりの綺麗な姿を現した宇宙船へとムゲラが帰還、こうだいはムゲラと間近で別れの際の会話を交わし、アヤノも幼い頃遊園地でムゲラに優しくしてもらった思い出を巡らせる、 と、人々がムゲラやムゲラのいたファンタジーランドに想いを馳せる中で宇宙船は空へと飛んでいき、「誰にでも、忘れられない場所がある。例えそこが無くなっても、その場所を思い出す度に、輝きはますます強くなるだろう。君の心の宝石となって……。」 というナレーションで彩られる形でストーリーは締めとなりました。ムゲラが遊園地に住み着いてたのが、自分の仲間達の宇宙船にそっくりだったから、っての可愛いよね 故郷や仲間達とはぐれた中で、それを思い出せる落ち着く場所だったんだろうなぁ。閉園となる遊園地の思い出をムゲラがしっかり刻んでくれた美しく優しい展開でしたね ラストには防衛軍の佐原司令官達もムゲラの善性を静かに認めてくれたのか、笑顔で見送ってくれてたのが良かったよね ちょっとその辺の印象の変化の過程をさくっと済ませた感はあるけど、今回の話のオチに相応しい優しい流れであった

 

 

以上、コスモス45話でした。ムゲラの存在が繋ぐ遊園地の美しい思い出を情緒溢れる形で描き出す流れが凄く沁み入るエピソードでしたね。象徴的に描く部分が多かったりして少し分かりづらいとこもあったかな?とは感じるけど雰囲気が温かく実に素晴らしい回だったなと。ウルトラマンや防衛チームの活躍が控えめなど、いつもとは大きく趣を変えた話だったけど、こういうのもあってこそ作品全体に幅が出て楽しいねやっぱ

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた