AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

頭ゼンカイ鬼畜ハロウィン

機界戦隊ゼンカイジャー

第34カイ!

「カボチャをトリトリ競技会!」

感想レビュー

 

 

30分前に地獄みたいな空気の話が繰り出されましたが、戦隊はそのお口直しにハロウィン回をお送りして場を和ませます

 

おいッ、やるぞ、ハロウィン回!!ということで今回のゼンカイジャーはハロウィン回。顔面白塗りのガチ仮装してきたジュランおじちゃんというパンチの効いた絵面を繰り出した数秒後に、ピーターパンコスのヤツデ婆ちゃんという更なるインパクトある絵面が飲み込んでいく怒涛のコメディラッシュ、そしてその直後にはハロウィンワルドの能力に当てられた頭ハロウィン人間/キカイノイド達が野党の如く押し寄せてくるといういつものカオス全開展開が襲来してくる、てな感じでハロウィンムードとテンションを大いに盛り上げてくる安定のゼンカイ作劇が冒頭から楽しくとても安心しました。w ヤツデ婆ちゃんのピーターパンとかそれはもうモノホンなんだよな...w(※榊原郁恵さんはミュージカル「ピーター・パン」の初代主演)

同じくハロウィン回をやってた同日1時間前の別作品の方が、明るい作風とハロウィン回という組み合わせを活かせてないような話をやっててちょいと不満が残る形となってしまったのですが、こちらの方は期待を裏切らないはちゃめちゃな回をやっててとてもよろしかったです こういう時はやっぱ「踊らにゃ損」よ

 

前半はハロウィンワルドのハロウィンパワーを司るど頭のカボチャをゼンカイジャー・トジテンド両者入り乱れて捜索する展開と相成り、ここら辺も良いドタバタ具合になってて楽しかったですな 捜索の手がかりに差し出されたかぼちゃの絵(作:介人)がド下手すぎてブチ切れたり律儀に金払って店先からかぼちゃ集めまくったりとゴールドツイカー一家周りのギャグがキレキレだったのめちゃ良かったです。w いつもの変身ダンス中、ハロウィンワルドが隙を見て逃走を図って離れていくのに合わせて後ろの方で踊るゾックス達と変身待機音の音量が遠ざかっていく演出シュールすぎてダメだった()

てかちゃんと金払ってよっていう最初の頃に介人達から言われたことを今もちゃんと守ってるの、当たり前のこととはいえなんかちょっとかわいいな...

 

一方のトジテンド側も負けじと、かぼちゃ捜索のために民家の敷地に入ってジャックオランタンを物色するハカイザーというイカれた絵面を発動(言い方)。民家から顔を出してきた主婦に怪しまれたらちゃんと「あ、お邪魔してます!」と事後ながら挨拶を返すハカイザーのほのかに常識は弁えてるところ良いよね。w(この挨拶を受けて、主婦の人は困惑気味だけど会釈を返し、一緒にいた娘さんはハカイザーに笑顔で手を振る、という特に気にしてなさそうなリアクション取ってたのがまた余計にシュールでした。w) ワルドは現れた途端みんな怖がって逃げるのにハカイザーはこんな感じでそこまで不審がられてないのを見ると、ゼンカイザーのビジュアル案の一つとしてデザインされたという設定なだけあって、あの世界の人達から見たハカイザーって割と危なそうな雰囲気は感じられなかったりするのかな、なんてちょっと思ったり

今回のハカイザー、このシーンの主婦と娘さんへの律儀な返しの他にも、ステイシーくんに仲間として距離感近めに接する親しみ溢れる姿を見せたりと、いつにも増して明るく気さくな快男児の一面を見せてて、ほんと敵ながら憎めないというか、親近感覚えちゃうよな...なんて思いましたw  前者は「ワルドを倒そうとする者を倒す」という使命に忠実であるが故にそれに該当しない者には敵意が無い(構う必要も無い)ってことでああいう対応してただけなとこもあるんだろうけど、にしたってああいう明るい態度取る辺りは完全に素だろうし、後者に関しては普通にステイシーくんのことを一緒に戦う仲間として認識し受け入れてる対応だしで、完全に主人公ポジのキャラの言動なんよね...() そう思うと今回このハカイザーの主人公っぽい言動が気持ちいつもより濃いめにフィーチャーされたのって、主人公=介人との共通性をさり気なく印象付けて今回のクライマックスの展開に繋げるために意図的にやったことだったのかな、とも思えますね 血筋...

また今回は、仲間として接してくるハカイザーの態度や、仲間と共に頑張ることを勧めてくる介人の言葉を受け、バラシタラを超えるために相変わらず1人で手柄を上げようと奔走しているステイシーくんの心境に、仲間を意識し始める変化が生まれようとしていたところも見所でした。最初こそハカイザーの親しみある態度を少々気にしつつ鬱陶しがって突っぱねるものの、「バラシタラを超えたいのなら仲間と一緒に頑張って沢山勝ってみせた方が良いと思う」と説く介人の言葉に少しずつ揺れ始め、ハカイザーと別行動ながらも一緒に上げた成果がハロウィンワルドの力になったことでハカイザーからも褒められて満更でもなさそうな態度を見せ、最終的にはハカイザーを「バラシタラを超えるために一緒に戦う仲間」として意識し始める...という「自分を取り巻いていた孤独を是としようとするあまり1人でいることに拘り意固地になっていたステイシーくんが、仲間の存在に寄り添っていくようになる」までを描いたこの一連の描写、心情の変遷としてなかなかに繊細で見応えがあってとても見入りましたね。この一連のシーンにおける介人が、まずステイシーくんに「ステイシーは1人でいたいの?」「バラシタラを超えたいんだろ?」と、ステイシーくん自身の意思や成し遂げたい目標を問うた上で、「必ず1人でなくちゃいけないわけでないなら、手柄を沢山立てるために仲間と頑張るのも良いんじゃない?」的なニュアンスで言葉を投げかけるところも、押し付けがましくない細やかな心遣いを感じられて良かったなと。トジテンドの企みを潰すのとは別にして、ステイシーくんがハカイザーと一緒に頑張ること自体は好ましいものとして捉えてそうなポジティブな態度が感じ取れるところも好き。

家族愛への渇望、自身を虐げるものを乗り越えようとする強い意志、仲間というものに対する関心、など凄く深みのあるキャラ性の掘り下げや変化がきちんと段階を踏んで丁寧に描かれており、それがゼンカイジャーという作品全体のドラマ性をよりグッと引き締めてるの良いよね...フォロワーさんも言ってたけどステイシーくんこれで当初は予定に無いキャラだったって思うと本当に凄いよね そんなキャラクターをもう1人の主人公という感じに消化し物語に一つ濃ゆい味わいをプラスしてるんだものなぁ 脚本の香村さんをはじめとした製作陣の手腕がスゴい

そんなドラマ性高めな描かれ方をされてたステイシーくんだったけれど、川を流れるかぼちゃを凄い活き活きとした表情でゲットし意気揚々とハロウィンワルドの下へ届けに行ったり、ハロウィンワルドがハカイザーの持ってきたかぼちゃの方を取ったことでこの世の終わりみたいな表情で愕然としたりと、はちゃめちゃなテンション感で表情や感情がころころ変わったりもしててギャグ的にも非常にオイシかったのがとても良かった。w かぼちゃ一つでこんな今までに無いくらい喜んだり絶望したりすることある?() ステイシーくん、もうすっかりこういう立ち回りも似合うようになったなぁ...(しみじみ) それでいてシリアスさの配分についてはちゃんと破綻しないレベルで守ってるところは絶妙で見事よね

 

そしてクライマックス、バッテリー消耗に目を付けてきたキカイノイド組の執念の猛攻により遂にハカイザーが機能を停止、そうしてこぼれ落ちたハカイザーのマスクの下から、介人の父・五色田功博士の姿が現れるという展開が描かれました。遂にハカイザーの正体判明!と相成り、まぁ登場時から大方の視聴者が予想していたところではありましたが、 こうしてドカンと明かされるとインパクトがありましたなぁ 一連の描写を見るに、やっぱりハカイザーとしての性格には功博士の人格がベースとなってるけど、思考等はトジテンドに都合が良いように調整されてる(バッテリーが切れるとそれを司るAIが止まる、的な)みたいな感じだろうか

しかしこの事実を現段階で介人が知らないまま締め、というのは絶妙な焦らしですなぁ これで来週は駅伝でニチアサが休みという鬼畜 事実を知るジュラン達が何を思いどう動くか含め、気になるところである

 

 

以上、ゼンカイ第34話でした。ハロウィンムードの馬鹿騒ぎをベースにしつつ、ステイシーくんの内面の変化やハカイザーの正体判明といった様々な展開でドラマを盛り上げ話となりましたね。登場人物達の構図が大きく動いていきそうなこの流れを受けて、佳境に入りつつあるゼンカイジャーの物語に何が巻き起こるか楽しみです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた